アルファード/ヴェルファイア REVIEW 新旧比較レビュー

アルファード/ヴェルファイア REVIEW 新旧比較レビュー

30型と呼ばれる現行アルファードは、2015年にフルモデルチェンジし3世代目となった。ヴェルファイアは、先代の20型から投入されたため、現行モデルは2世代目となる。

20型と呼ばれる先代アルファード/ヴェルファイアが大ヒット。ライバルだった日産エルグランドを販売台数面で圧倒。人気ナンバー1ミニバンの座に就いた。特に燃費性能や走行性能では、ライバルを超えるパフォーマンスを見せていて、クルマとしての完成度は非常に高いものがあった。

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トヨタ アルファード/ヴェルファイアの歴史・概要

30型アルファード/ヴェルファイアの開発のテーマは「大空間高級サルーン」。サルーンと呼ぶことからも分かるように、アルファード/ヴェルファイアはライバルを大型セダンとし、高級車としての価値を追求。最上級グレードには、エグゼクティブラウンジと呼ばれる超豪華仕様が設定された。価格はガソリン車で約650万円となり、30型アルファード/ヴェルファイアを象徴するグレードとなった。

先進予防安全装備を強化

30型アルファード/ヴェルファイアは、2018年1月にマイナーチェンジ。押し出し感重視の迫力系フェイスは、マイナーチェンジでさらに過激になり、よりワイルドさが増した。そして、高級車の割には貧弱だった安全装備も、マイナーチェンジでようやく歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備であるトヨタセーフティセンスPが搭載された。このトヨタセーフティセンスPは次世代型で、夜間の歩行者も検知できるようになっている。

さらに、3.5Lエンジン車はエンジンの出力アップと同時に、ようやくアイドリングストップ機能がプラスされている。これで、ようやく高級車といえる最低限の環境性能を得ている。またATはマイナー前の6速から8速へ多段化されている。

コンセプト&エクステリア

マイナーチェンジ前のエクステリアデザインは、豪華で勇壮なアルファード、大胆不敵なヴェルファイアという方向性。アルファードは、ロアグリルと一体化したメッキ加飾の大型フロントグリルが特徴。ヴェルファイアは、先代ヴェルファイアのデザインテイストを引き継ぎ、2段ヘッドライトと金属から削り出したような縦幅の広いメッキバーのフロントグリルを組み合わせ、押し出し感あるフェイスに仕上がっていた。

マイナー後のデザインはより洗練された迫力に

マイナーチェンジ後は、LEDヘッドライトが薄型化。さらに縦基調を強調したメッキ加飾グリルが組み合わされ、より威圧感ある顔となっている。また、バンパーのボトム部はより広がり感を強調。フレア形状にし、ボリュームを下部に集めることで、視覚的な低重心感も表現している。

そして、ヴェルファイアのエアロボディは、ヘッドライトを大型化。ダンベル形状をテーマとしたデザインを採用し、より力強いタフネスさをアピール。メッキ系の加飾が多く使われ、コッテリ感のあるフェイスとなった。

デザインに関しては、好みがあるので何とも言えない。ただアルファード/ヴェルファイアのデザインは、マーケットの好みをしっかり分析し、忠実に反映している。つまり、これまでのデザインで顧客に賛同を得られていない部分をかなり改善してきたはずだ。そのためマイナー後のデザインの方が、より洗練された迫力をアピールしている。

インテリア・装備

アルファード/ヴェルファイアのマイナーチェンジ最大のウリは、安全性能の向上だ。マイナーチェンジでは、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備であるトヨタセーフティセンスがようやく標準装備化された。先進予防安全装備の標準装備化が大幅に遅れていたトヨタ。これで、ようやく本当の意味で高級ミニバンと呼べるレベルに達した。

これだけ遅れて標準装備化されたこともあり、トヨタセーフティセンスは大幅に進化している。従来のシステムと比べると、まず夜間でも歩行者を検知できるようになり、自転車検知も可能となった。さらに、車線維持を支援するレーントレーシングアシストも追加された。

ただ、高級ミニバンとしてはこれでも物足りないといっていいだろう。後側方車両接近警報であるブラインドスポットモニター[BSM]や後退時車両接近警報であるリヤクロストラフィックアラート[RCTA]は、多くのグレードでオプション設定。マツダのコンパクトカーであるデミオは、こうした装備も標準装備化されているくらいだ。

安全性を重視すればマイナー後のモデル

トヨタセーフティセンスの装備により、マイナーチェンジ前のモデルと比べると雲泥の差となった安全性能。より、安全性を重視するのであれば、マイナーチェンジ後のモデルとなる。

また、マイナーチェンジ後の最高級グレードであるエグゼクティブラウンジは、より高級感を向上させている。エアロ仕様のアルファード エグゼクティブラウンジSとヴェルファイア エグゼクティブラウンジZを新設定。専用インテリアとして「ブラック&ホワイト」の内装色を採用。シルバー木目調の専用加飾や、防汚処理加工を施したホワイト色のプレミアムナッパ本革シート装着し、よりラグジュアリーな室内空間としている。

マイナーチェンジ後の方が、高級感がアップしているもののその差は微少。安全装備以外の装備面では、マイナーチェンジ前、マイナーチェンジ後も同等程度と考えていいだろう。

走り・メカニズム

アルファードとヴェルファイアには、2.5Lと3.5Lのガソリン車、そして2.5Lのハイブリッドと3タイプのパワーユニットが用意されていた。

今回のマイナーチェンジでは、3.5Lエンジンが変更された。3.5L V6エンジンは2GR-FKS型となり、ようやくアイドリングストップ機能が装備された。ATも6速から8速へと多段化。こうした変更により、燃費値は大幅に向上。燃費値はマイナー前の3.5GFグレードの9.5㎞/Lから、10.8㎞/Lと1.3㎞/Lも向上している。

この新3.5Lエンジンは、燃費向上だけでなく出力も向上している。マイナー前の3.5Lエンジンの出力は280ps&344Nm。これでも十分な走行性能を誇ったが、マイナー後は301ps&361Nmへとパワーアップしている。21ps&17Nmの出力向上だ。ただし通常走行時は、マイナー前でもマイナー後でもあまり大きな差は感じない。

明確に差を感じるのは、アクセルを全開にした時だ。レヴリミットまで回し切って走ると、その差は歴然。新3.5Lエンジンは、旧3.5Lエンジンよりも、レヴリミット付近でもうひと伸びして、よりパンチのある加速を示す。ただし一般的にミニバンでこうした使い方をするのは稀なことなので、新旧同等程度といったところだ。

ただ実燃費性能面は、確実に新3.5Lエンジンが上回るだろう。この差はかなり大きい。また新3.5Lエンジンはアイドリングストップ機能が装備されたので、信号待ちではエンジンが停止する。その間の静粛性は、旧3.5Lエンジンを上回る。

操縦安定性と乗り心地はやや向上

乗り心地面では、マイナー後のモデルが若干勝る。構造用接着剤の適応範囲拡大や高剛性ガラス接着剤などが採用され、ボディ剛性が高められた。その結果、よりスムースにサスペンションが動くようになり、マイナー前よりやや優れた操縦安定性と乗り心地を実現させている。

全体的にマイナー後の方が優れているのは当然のこと。ただ、大きな差といえるほどではないので、マイナーチェンジ前の車両という選択も悪くない。ただし3.5Lエンジンに関しては、アイドリングストップ機能が装備され8速ATになったことで、燃費がかなり向上している。3.5Lの購入を考えるのであれば、マイナー後のモデルをお勧めしたい。

アルファード/ヴェルファイアの選び方

2トンを大幅に超えている重量級ボディのアルファード/ヴェルファイアが、歩行者と衝突するなどすれば、大きな事故になる可能性は高い。そのため歩行者も検知できる自動ブレーキなど、予防安全装備は非常に重要である。

その点、高級車なのにこうした装備の無いマイナー前のモデルは、あまりお勧めできない。マイナーチェンジ後のモデルには、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備であるトヨタセーフティセンスが標準装備化されており、購入するならこちらを選びたい。まだ登場したばかりなので中古車の流通量は少なく、「マイナーチェンジ前のモデルでも」と思いがちだが、このアルファード/ヴェルファイアに関しては、しばらく待ってでもマイナーチェンジ後のモデルを購入したほうが良い。

リセールバリューが高いアルファード/ヴェルファイア

アルファード/ヴェルファイアは、非常に人気の高いモデルだ。それは中古車マーケットでも同様。そのため、アルファード/ヴェルファイアのリセールバリューはとても高い。中古車の価格も急激に下がらないのが魅力。短期間で乗り換えても損しないモデルといってもいいだろう。

総じてリセールバリューが高いアルファード/ヴェルファイアだが、リセールバリューを意識するなら、やはりハイブリッド車を中心に選びたい。3.5L車のパワフルさが魅力だが、やはり低燃費なハイブリッド車の人気は今後ますます高くなっていくことが見込まれるからだ。

またエアロモデルの方がリセールバリューがより高い傾向にあるので、エアロモデルを選んでおきたいところ。色も重要で、ブラックやホワイト系だと高く評価される。ツインムーンルーフやレザーシートなども人気装備でリセールバリューが高くなる。ハイブリッド車のみの装備となるアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)は、車内で家電が使えるようになり、キャンプや車中泊に役立つだけでなく、災害時に電源車ともなるので便利だ。

新車値引き交渉のポイント

アルファード/ヴェルファイアは、このクラスでひとりが勝ちといえる状況。そのため、かなり強気の営業が行われている。しかも2018年1月のマイナーチェンジ直後ということもあり、値引きは非常に厳しい状況だ。あまり値引きは期待できない。

しかし、何もしなければ値引きはほぼゼロに近くなってしまう。少ないなりにもできるだけ値引きさせたいところだ。本来ならば、ライバル車と競合させることが重要な値引き戦術となるのだが、アルファード/ヴェルファイア人気は圧倒的で、もはやライバルはいない状態。とはいえ、ホンダ オデッセイの見積もりくらいは取っておくといいだろう。

必ず利用したい買取店

最も効果的なライバル車となるのは、アルファードとヴェルファイアという比較だ。それぞれ販売チャネルが異なるため、実は競合させることができる。

ただ、営業マンもこうした競合には慣れているため、そう簡単には値引きしてくれない可能性が高い。そのため、まずは長期戦覚悟で臨むことが重要。ノルマなどで、是が非でも販売台数を追わなければならない状況になった営業マンは値引きで勝負に出ることが多い。2~3月や6~7月、9月といった繁忙期に多くなる。こうなればチャンス。一定の値引きが期待できる。そのためには、少なくても初回の商談は2カ月くらい前に行っておきたい。

そして重要なのが、下取り車の処理。値引き額が少ない分、ここで損をするとすべてが台無しになる。重要なのは、必ず買取店で査定すること。買取店の査定があるとディーラーと下取り価格の交渉がしやすくなるし、その上で買取店の方が高く買い取ってくれるなら、そこに売ってしまってもいいだろう。

特にディーラーと新車の価格交渉をしてそれなりの値引きが出た時は、下取り車の価格に注目したい。値引きすることで減った利益を下取り車で補填しようとするという手法を使うことはよくあることだからだ。このとき、買取店で基準となる価格を知らないと、ディーラーの術中にはまることになるので注意してほしい。

個人間売買サイトも視野に

また、より高く愛車を売却したいのなら、個人間売買という方法もある。しかし、名義変更の書類やお金のやり取りなどトラブルリスクも大きく、それだけに不安になる人も多いだろう。

そんな人にオススメしたいのが、クルマの個人売買に特化したサイト。例えば中古車大手のガリバーが開設しているクルマの個人間売買専門サイト「ガリバーフリマ」では、代金の回収や名義変更をガリバーが代行してくれる。多少手数料がかかるが、個人売買のお得さは残しつつ、不安やトラブルを解消してくれるサービスだ。買い替えまでの間に時間があれば、こうしたサービスを使ってみるのもいいだろう。

トヨタ アルファード/ヴェルファイア価格

トヨタ アルファード価格

<2.5Lガソリン車>(FF)
  • X 8人乗り 3,354,480円/“サイドリフトアップチルトシート装着車” 7人乗り 3,541,000円
  • Z 8人乗り 3,692,520円/7人乗り 3,735,720円/“サイドリフトアップチルトシート装着車” 3,790,000円/“A エディション” 3,905,280円/“G エディション” 4,362,120円
  • V 7人乗り 4,185,000円/“サイドリフトアップチルトシート装着車” 4,220,000円
<3.5Lガソリン車>(FF)
  • VL 7人乗り 5,205,600円/“サイドリフトアップチルトシート装着車” 4,632,000円
  • ZG 7人乗り 4,947,480円
  • Executive Lounge 7人乗り 7,034,040円
  • Executive Lounge Z 7人乗り 7,183,080円
<2.5Lハイブリッド車>(E-Four:電気式四輪駆動)
  • X 8人乗り 4,363,200円/7人乗り 4,405,320円/“サイドリフトアップチルトシート装着車”4,493,000円
  • Z 7人乗り 4,610,520円
  • V 7人乗り 4,975,560円/“L エディション” 5,529,600円
  • ZR 7人乗り 5,120,280円/“サイドリフトアップチルトシート装着車” 5,119,000円/“G エディション” 5,674,320円
  • Executive Lounge 7人乗り 7,358,040円
  • Executive Lounge Z 7人乗り 7,508,160円

トヨタ アルファード/ヴェルファイア スペック情報

トヨタ アルファード ハイブリッドSR Cパッケージ
  • 全長×全幅×全高 4950×1850×1950mm
  • ホイールベース 3000mm
  • 最小回転半径 5.6m
  • 車両重量 2190kgkg
  • 排気量 2493cc
  • システム最高出力 145kW(193ps)
  • トランスミッション CVT(無段変速機)
  • 燃費(JC08モード) 18.4km/L

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425.7万円

※過去約6ヶ月間の弊社査定実績の中での最高額。
平成28年式 トヨタアルファード 3.5エグゼクティブラウンジ(パール 走行距離1万km走行) 2018年1月査定。

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419.4万円

※過去約6ヶ月間の弊社査定実績の中での最高額。
平成28年式 トヨタヴェルファイア 3.5エグゼクティブラウンジ(黒 走行距離2万km走行) 2017年12月査定。

新車値引き術
カタログ情報
■新車時価格(税込):
319.8万円〜1,514.1万円