この記事の目次 CONTENTS
5シリーズセダンこそBMWの主役
オンでもオフでも似合うエクステリア
豊富なエンジンラインナップ
身軽になった身のこなし
先進の安全装備も充実

5シリーズセダンこそBMWの主役

現行型(G30型)5シリーズセダンは、2017年2月に日本に導入され、初代であるE12型から数えて7代目となる。全長4,945mm全幅1,870mmというボディサイズは、Eセグメント(中型乗用車)に分類されるが、日本においては十分大型セダンと言っても良い大きさ。そのためか、日本でBMWと言えば3シリーズが主力となっているが、世界に目を向ければ5シリーズこそBMWの主力車種なのである。

進化のポイントは軽量化

先代であるF10型と比較すると、全長で35mm、全幅は10mm程度大きくなっているが、見た目のサイズ感としてはほとんど変わってはいない。しかし、現行型(G30)最大のトピックは、先代と比較して80kg~100kgの軽量化に成功しているということ。軽量化することにより、燃費の向上はもちろん、BMWの真骨頂である走りにも大きな影響を与えている。

オンでもオフでも似合うエクステリア

エクステリアに目を移すと、先代と比較してそれほど大きな違いは無く、キープコンセプトといったところ。しかし、BMWのアイコンであるキドニーグリルは、現行の3シリーズや7シリーズと同じく、ヘッドライトと繋がるデザインに変更。平面基調のボンネットと相まって、よりワイド&ローのスタイルを強調した顔つきになった。

もちろん高級車としての威厳や高級感もあるが、決して威張るような雰囲気を醸し出すことなく、あくまで大人のスポーティセダンとしての上品さも併せ持っている。そして、サイドに深く刻まれたキャラクターラインはスポーティさをさらに演出し、現行5シリーズセダンのデザインは、スーツからスポーツウエアまで似合う懐の深いデザインと言っても良い仕上がりだ。

BMWらしいシンプルで上質なインテリア

BMWと言えば、走りを意識したブランディング。5シリーズのようなミドルクラスセダンのインテリアであっても、過度な装飾はせず、高級感の中にも落ち着きを兼ね備えているのが特徴。現行5シリーズセダンでも、その流れをそのまま維持し、BMWらしい落ち着いた印象だ。そして、ただシンプルなだけではなく、ドライバーの方へ僅かに向いているセンターコンソールなど、使う人のことを考えた細かな配慮も随所に見て取れる。

豊富なエンジンラインナップ

現行型5シリーズセダンのパワーユニットは、2.0リッターの4気筒ガソリンターボが2種類と、2.0リッター4気筒ターボディーゼル、3.0リッター6気筒ターボ、そして、2.0リッターの4気筒ガソリンターボと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドから選ぶことできる。

どのパワーユニットを選択するかは、予算や用途などによって決めることになるが、どのパワーユニットを選んだとしても問題ない。5シリーズセダンに用意されたパワーユニットには、滑らかさや静粛性、動力性能など、ミドルクラスセダンに求められるすべての性能を兼ね備えていると言って良いだろう。

BMWのプラグインハイブリッド

BMWのプラグインハイブリッドとして最初に導入されたのが5シリーズセダンであり、注目しているユーザーも多いと思う。4気筒ガソリンターボと電気モーターを組み合わせたシステム最高出力は252ps、システム最大トルクは42.8kgmを発生。最高出力は530iと同じで、最大トルクはディーゼルエンジンモデルよりも大きい。

注目の燃費は、JC08モードで17.4km/L、電気だけで走行するEV走行換算距離は52.5kmで、プリウスPHVには敵わないが、重量のあるミドルクラスセダンで、且つ、国産車とは開発の方向性が違うことを勘案すれば、十分実用的な性能であると言える。

身軽になった身のこなし

冒頭でも触れたが、先代に比べて80kg以上軽量な現行5シリーズセダンの走りは、当然のことながら大きく進化している。もともと軽量化する一番の目的は間違いなく燃費の向上を狙ったものであったはずだが、その副産物的な効果として、走りがさらに磨かれる結果になった。

外板のほとんどにアルミを使用し軽量化しているのはもちろん。屋根や屋根の骨格などもアルミ製にしたことで、車の“アタマ”が軽くなり重心がより低くなっている。80kgという軽量化も十分立派な数字だが、低重心かしたことによるハンドリングの向上は、数字以上に進化を感じることができるだろう。

高級セダンらしい粘りのある足腰

BMWの魅力は50:50の重量配分がもたらす、素直で俊敏なハンドリング。現行型においてもBMWらしいハンドリングは健在だが、ただ俊敏なだけではなく、高級セダンらしい安心感もある。先述した軽量化によって、スポーツカーのような身のこなしを見せながらも、ただ軽いだけではない粘りのある足腰と、どっしりとした直進安定性は、流石BMWといったところだ。

先進の安全装備も充実

現行5シリーズセダンには、安全運転とドライバーの負担を軽減する先進の部分自動運転システムが備わる。先行車との車検距離を保ったまま自動で加減速を行うACC(アクティブクルーズコントロール)や、ステアリングに操舵力を加えて、車線の中央付近を走行するようアシストするレーンキープアシストなど、現代の車ではお馴染みの機能は当然装備されている。

もちろん、ただ装備されているだけというものではない。走行車線や先行車の認識精度、ブレーキやステアリングの制御の綿密さなど、同じように見える機能でも5シリーズセダンに装備されているシステムの完成度は、ライバルより1段階高いレベルにあると感じることができるほどだ。

ドライバー中心の装備

ドライバーの疲労を軽減し運転に集中できるようにする工夫は、部分自動運転以外にも見て取れる。センターコンソール上部には10.2インチという大画面のインフォメーションディスプレイを備え、タッチ操作はもちろん、音声での操作や、空中で手を動かすことで操作できるジェスチャーコントロールにも対応。まさにドライバーファーストの装備が充実している。

<見出し>7代目5シリーズセダンの価格・グレード情報
・523i 617万円
・523i Luxury 763万円
・523i M Sport 761万円
・523d 716万円
・523d Luxury 786万円
・523d M Sport 784万円
・530i Luxury 782万円
・530i M Sport 807万円
・530e iPerformance Luxury 796万円
・530e iPerformance M Sport 821万円
・540i Luxury 994万円
・540i M Sport 1008万円
・540i xDrive Luxury 1025万円
・540i xDrive M Sport 1039万円

現行5シリーズセダンが日本で発売されたのは2017年2月であり、現行型の中古車を探すのは難しいかもしれな。しかし、先代(F10型)をはじめ、歴代の5シリーズセダンは、さまざまなグレードが流通し、お買い得な個体も多い。購入後の使用用途や予算などに応じて、新車だけでなく、状態の良い中古車も購入候補に含め検討するのが納得して車を購入するポイントだ。