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リーフの歴史、航続距離アップとの戦い
初代日産リーフが登場したのは、2010年。109ps&280Nmという出力をもち、クラスを超えた力強さを誇った。ただし、リーフの販売台数は日産が考えていたよりも伸び悩む。その大きな理由のひとつが航続距離。
初代リーフには、24kWhのリチウムイオン電池が搭載され、200㎞という航続距離を誇った。しかし、マーケットはこの航続距離では短いとされていた。そのため、リーフの歴史は航続距離アップとの戦いになった。
航続距離280㎞でも、まだ足りない印象
2012年には、デビュー時200㎞だった航続距離を228㎞へ向上させた。そして、2015年にはリチウムイオン電池の容量を30kWhへとアップ。航続距離を280㎞とした。急速充電器の普及が進んできたとはいえ、マーケットの反応は280㎞でもまだ足りないという印象が強い。
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航続距離280㎞から大きく伸び400㎞に!
こうした航続距離への不満を解消するために、2代目リーフは大胆なチャレンジを行った。電池容量を従来の24kWh/30kWhから、なんと40kWhまで増量。リチウムイオン電池も新しくなり効率をアップ。その結果、航続距離は280㎞から大きく伸び400㎞に達した。
まぁ、実際の航続距離は、実電費7~8㎞/kWhと仮定すると、40kWhなので280~320㎞程度の実航続距離が期待できる。完全に空になるまで走ることはないので、250㎞前後で充電ということになるのだろう。
実際これくらの航続距離で、プラス1回の急速充電を加えれば楽に400㎞を超える航続距離を誇る。一般的なユーザーで、1日の走行距離が400㎞を超えるような使い方をする人がどれだけいるのかと考えると、まさに十分な航続距離といえる。もはや、中途半端なガソリン車は必要ないレベルに達している。
ハイパフォーマンスモデルを2018年発表予定!
それでも、もっと長い航続距離を望む顧客に対して、日産はさらにバッテリー容量をアップしたハイパフォーマンスモデルを2018年に発表予定だ。このハイパフォーマンスモデルは、60kWh前後の大容量をもつリチウムイオン電池を搭載する可能性が高く、航続距離は600㎞前後になると予想されている。クラスは違うがクラウンの3.5L V6エンジン車の燃費は、9.6㎞/Lでガソリンタンクの容量は71L。単純計算で約680㎞の航続距離となる。リーフのハイパフォーマンスバージョンが600㎞の航続距離とそれほど変わらない。
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加速感に磨きをかけ、さらに気持ちの良い走りに
新型リーフは、より大きな出力を誇るようになった。出力150ps(110kw)、最大トルクは320Nm。初代リーフが、109ps(80kw)で254Nmだったので、41ps&66Nmも出力を上げている。これは、新開発された高出力インバーターによるものだ。
元々、リーフは力強い加速が魅力でもあった。この高出力化により0-100㎞/h加速は、初代モデルより-15%加速時間を短縮。高速道路などで力強さを感じる60-100㎞/h加速に関しては、-30%もタイムを短縮している。航続距離が長くなり、加速も鋭くなるなど新型リーフはかなり気持ちの良い走りが期待できる。
欧州プレミアブランドモデル相当の静粛性を実現
また、電気自動車の魅力は、エンジンが無いことによる優れた静粛性だ。静粛性も大幅に進化。吸遮音材を追加および最適化したことにより、欧州のプレミアブランドモデルと同等の静粛性を実現している。「e-Pedal」が採用で運転中の疲労軽減が期待できる
新型リーフには、新たにノートe-POWERで好評だった「e-Pedal」が採用された。このe-Pedalの採用により、新型リーフは1ペダルでドライブできる設定になった。
もちろん、ノートe-POWERと同じ設定になってはいない。ノートe-POWERがアクセルオフでの減速度が0.15Gだったのに対して、新型リーフでは0.2Gまで高められている。0.2Gというと、ちょっと強めのブレーキを踏んだくらいの減速度だ。一般的なガソリン車が、アクセルオフ時の減速度が0.05Gなので、約4倍の減速度を新型リーフでは発生させている。
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踏み換え回数が約9割減!
こうした大きな減速度をアクセルのコントロールで発生させることができるようになり、新型リーフはアクセルからブレーキへの踏み換え回数が大幅に減少した。ノートe-POWERでは、約7割減だった踏み換え回数が、新型リーフでは約9割減となった。これにより、運転中の疲労軽減が期待できる。ただ、このe-Pedalをうまく活用できる人は、アクセルコントロールができる一定のスキルをもつドライバー向けだ。アクセル操作が雑な人は、かなりギクシャクした運転になる。こうしたことも、運転が面白いと感じさせる要素。多くのドライバーがe-POWERでは、スムースにクルマを走らせることができるようになるために楽しんでいる。
ただ、クルマの運転に興味の無い人には無用の長物。そうした人は、通常の協調回生ブレーキが装備されているので、今まで通り普通に乗ることができるので安心だ。
新機能「プロパイロットパーキング」が登場!
新型リーフには、高速道路などの同一車線上で車線を維持。前走車に追従走行しながら走行できる運転支援システムである「プロパイロット」が一部グレードに標準装備化された。この技術は、セレナやエクストレイルにすでに搭載されている。
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運転が苦手な女性や高齢者には便利な機能が用意
これだけでは未来感が無いということで、新型リーフには、国内メーカー初のとなる自動駐車システム「プロパイロットパーキング」が用意された。駐車場を走行中、4つのカメラと12個のソーナーなどを使い駐車枠を検知。ナビ画面上に駐車枠を表示。表示された駐車枠を選択し、シフトレバーのそばにあるプロパイロットパーキングスイッチを押すと、ステアリングやアクセル、ブレーキを自動で操作。決められた枠内に自動駐車が可能となる。駐車後は、自動でシフトがニュートラルになりパーキングブレーキがかかる仕組みだ。もちろん、自動駐車中に、ソナーなどで障害物や歩行者などを検知すると自動で停止する。
もちろん、一般的な後退駐車だけでなく、縦列駐車、そして充電時などで使う前向き駐車などにも対応可能だ。
実際、運転になれた人なら、自分で駐車したほうが早い。ところが、運転が苦手な女性や動作がゆっくりになった高齢者などにとっては、非常に便利で安心できる機能となる。
新型リーフのデザイン
新型リーフのデザインは、初代リーフの面影を全く感じさせないくらいの変貌を遂げた。このデザインが、カッコいいと思うのか否かは人それぞれだ。ただ、何とも言えないくらい、普通のクルマのデザインで、電気自動車という特別なクルマ感が無く、同時にあまり未来を感じさせないデザインだ。
デザイン上の特徴は、フロントフェイスに入れられた日産の象徴でもある力強いVモーショングリル。Vモーショングリルの内側には、「氷結」をモチーフにしたクリアブルーの3Dメッシュパターンが配され、電気自動車のクリーンなイメージをアピールしている。
初代リーフ以下とも思えるインテリアに・・・
車両価格を抑えるためか、インテリアは初代リーフ以下とも思えるものとなった。基本デザインも水平基調で広さを演出しているものの、非常に保守的だ。先進性を表現しやすいナビモニターも、やや小さく存在感が無い。メーターも同様だ。フル液晶くらいは期待したのだが、先進の電気自動車なのにアナログのスピードメーターが登場。先進性どころか、コンパクトカーや軽自動車で感じさせるコストダウン感がある。
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新型リーフの選び方
新型リーフのグレードはSグレード、Xグレード、Gグレードの3タイプからの選択となる。まず、選択肢から外したいグレードがSだ。Sは、歩行者検知式自動ブレーキやサイド&カーテンエアバッグなどを標準装備化されているものの、新型リーフのウリでもあるプロパイロットなど先進運転支援装備がオプションでも選べない状態だ。これでは、あまり意味がない。
残るのは、XかGかという選択になる。Xは、Sに対してナビなどが標準装備化されているため価格は36万円ほど高価になっている。Xはプロパイロットは必要だけど、プロパイロットパーキングは必要ないなど、先進運転支援装備を自ら選ぶことができる。基本はXをベースにしながら、必要なオプションを選択するパターンがおすすめだ。
そんなXに対して、Gはプロパイロットやプロパイロットパーキングが装備されているフル仕様状態。新型日産リーフを選ぶなら、先進技術をフル装備したGが最も満足度が高くおすすめ。
新型リーフには、未だガソリン車と比べるとまだまだ高価。日産はエコカー減税や補助金などを加味すると、ハイブリッド車並みになると主張する。ただ、それはあくまで補助金頼みの販売でしかない。そもそも、補助金は税金。2代目になっても税金頼みという状態は、なんとかしてほしい部分ではある。
乗り潰すくらいのつもりで購入すべき
そして、新型リーフ購入時に注視したいのがリセールバリュー。初代リーフのリセールバリューは、恐ろしいくらい悪かった。初代リーフは、2011年式で70万円前後、2015年式で130~160万円前後の予算があれば十分に手に入る。2年落ちで半額以下だ。2代目リーフがどうなるか不明だが、乗り潰すくらいのつもりで購入したほうがよい。こうなると、逆に中古の初代リーフのコストパフォーマンスが際立ってくる。2015年式以降の30kWh 車を狙ってみるのもいいだろう。スーパーハイト系の新車軽自動車よりも安く買え、先進感も味わえ、電気で走るのでコストも安くなる。通勤などにはベストの選択といえるだろう。
新型リーフ価格
日産リーフの価格は以下の通り。
・S 3,150,360円
・X 3,513,240円
・G 3,990,600円
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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リーフのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成29年10月(2017年10月)〜現在
- 新車時価格
- 315.0万円〜583.4万円
リーフの在庫が現在22件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。