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「もやもやクルマ選び」第12回 マセラティ ギブリ ディーゼル


レアでマニアックなだけがクルマじゃない。新型車たちにも、世間から忘れられた中古車たちにも、クルマ好きのぼくらをワクワク「もやもや」させる悩ましい魅力を持つクルマがたくさんあります。第12回は、イタリアの名門スポーツカーメーカー、マセラティが発売するラグジュアリーセダン「ギブリ」に追加されたディーゼルモデル、「ギブリ ディーゼル」をお送りします。

1914年にイタリア・ボローニャで設立された歴史あるスポーツカーメーカーであるマセラティ。幾度か経営危機を迎えつつもデ・トマソ、そしてフィアット傘下に入ることで様々な車種を発売して来たマセラティですが、スーパーカーブームを牽引した「メラク」「ボーラ」「カムジン」などの2ドアエキゾチックスポーツカー(スーパーカー)以外にも2ドア/4ドア高級サルーンを何台も発売しており、デ・トマソ時代にはコンパクトなセダンにV6ツインターボを押し込んだ「ビトゥルボ」シリーズが有名でした。

フィアットグループ入りした後の1997年には、さらにフェラーリの傘下に入り、フェラーリの息がかかったスポーツカー、高級サルーンの製造を続けています。


◆Eセグメントをターゲットにしたイタリア車らしい高級車


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マセラティ・サルーンのトップレンジは「クアトロポルテ(イタリア語で4ドアの意味)」が用意されてきました。その後量産セダンとしてビトゥルボシリーズが登場し、1980年代から1990年代中盤まで販売されラインナップの充実が図られていました。4代目のクワトロポルテ、2代目ギブリはビトゥルボがベースになっています。

そして2013年、ビトゥルボ系車種が消滅して久しくなっていたマセラティに、新たなサルーン「3代目ギブリ」が追加されました。

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ビトゥルボ系車種が独特のポジショニング(排気量は大きいがボディサイズ的にはDセグメント、もしくはそれ以下)だったのに対し、ギブリは明確に「Eセグメント」のライバルであるメルセデス・ベンツ Eクラス、BMW 5シリーズなどをターゲットに開発されています。

上位車種クワトロポルテのエッセンスを盛り込んだ内外装はイタリア車らしい非日常的な高級さに溢れ、ハレのクルマと評されることもあるマセラティの伝統を受け継いでいます。


◆日本にもディーゼルモデルを投入


copyright_izuru_endo_2017_y012_ghibli_diesel_1280_867(クリックで拡大)そのギブリに注目のディーゼルエンジンが追加されたのは2016年。日本以外ではすでに登場していましたが、ディーゼル車の普及が進んでいなかった日本でもようやくその機運が高まったことを受けてマセラティもディーゼルモデルの導入を決めました。

日本ではアルファロメオなどと並んで「情熱的」というイメージがあるマセラティに、それと相反する印象が強いディーゼルエンジン搭載車をカタログに載せるのは、ちょっとしたニュースと言えます。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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