日産キューブ日産は、個性的な内外装をもつコンパクトカー「キューブ」に特別仕様車「My cube」を新設定し発売を開始した。

<関連記事>
「コンパクトカーなのに手編みの本革シートを装備した特別仕様車」日産キューブ購入ガイド


すでに10年目! ロングセラーの理由は魅力的なインテリア


現行のキューブは、3代目で2008年にデビューしており、すでに10年目となったモデルで、すでにモデル末期となっている。

キューブの歴史

キューブの歴史は意外と長い。初代キューブは、1998年に登場した。背高でスクエア、広い室内が魅力で、アッという間に人気モデルになった。新車販売台数ランキングでは、常に10位以内に入るほどだった。

2代目キューブは、初代同様のコンセプトを受け継ぎながら、デザイン性を大幅に引き上げた。まず、バックドアを横開き式にした左右非対称ボディデザインを採用。さらに、なかなか愛嬌のあるデザインと自分の部屋のにくつろげるようなインテリア空間を組み合わせた。クルマの性能という視点ではなく、くつろげる空間と愛着が持てるデザインといアプローチが支持された。その魅力が評価され、2代目キューブもヒットモデルとなった。また、キューブキュービックと呼ばれる7人乗りもあった。

現行3代目キューブは、2代目キューブと同様なコンセプトで登場。ある意味、単なる焼き直し的なモデルにも見えた。2代目ほどの斬新さが無かったためか、2代目キューブのデビュー時ほどの勢いはなく、徐々に販売台数を落としていく。直近の販売台数は、1万台/年程度となっている。

<関連記事>
「コンパクトカーなのに手編みの本革シートを装備した特別仕様車」日産キューブ購入ガイド

優れたデザインとインテリア

日産キューブ直ぐに姿を消すとも思えた3代目キューブだが、驚くほどのロングセラーモデルになった。急速に進む低燃費化の中、モデル途中でアイドリングストップ機能を追加するなど、地味に進化させた。現在の燃費は19.0㎞/Lとなっている。

ただ、個性的なモデルなので、その魅力により指名買いする顧客も一定数いたことから、ロングセラーモデルになっている。価格も高めでほぼ放置されているのに、年間1万台以上売れているのは、優れたデザインとインテリアによるものだろう。

数々の人気オプションを標準装備化し特別仕様車、My cube


日産キューブ特別仕様車「My cube」は、「15X Vセレクション」をベースに、人気のオプションを標準設定としながら、ややお買い得な価格設定となっている。

5種類の特別デザインシートを標準設定に

従来のモデルでは、オプション設定していた個性的な5種類の特別デザインシートを標準設定とした。この特別シートは、11色のエクステリアカラーと自由に組み合わせることが可能で、より自分好みのキューブにできるので、より愛着がわく。「My cube」という特別仕様車名も、より自分だけのキューブにできるというメッセージが込められているのだろう。

さらに、人気オプションであるステアリングでのオーディオ操作が可能なステアリングスイッチやGPSアンテナなどをセットにした「日産オリジナルナビ取付パッケージ」や、夜間走行時の視認性を高める「バイキセノンヘッドランプ」も標準装備とした。

こうした装備がプラスされた「My cube」の価格は1,854,360円。ベース車の価格が1,782,000円なので、約7万円のアップとなった。プラスされた装備分と価格アップ分を差し引きすると、約4~5万円程度のお買い得といった状況になる。すこしだけお買い得な設定だ。

モデル末期のため、価格的な魅力は低い

日産キューブただ、この価格設定では、あまり魅力的とは言えない。キューブはデビューから10年目でモデル末期。デザイン面では優れているものの、歩行者検知式自動ブレーキなどの先進予防安全装備も無く、燃費性能もエコカー減税、取得税20%・重量税25%に止まる。基本設計が古いため、ハード面は完全に古さを隠せないクルマなのだ。

<関連記事>
エコカー減税の期間と基準|自動車税(軽自動車税)、重量税、取得税

そのうえ、デビューから10年目なので、十分に元はとったと予想できる。すでに、投資分が回収されたモデルなら、売れば売るほどぼろ儲け領域に入っている。こうした状況を考えるのであれば、せめてこれだけの装備を標準装備化しながら価格据え置きくらいの大胆な価格設定にしてほしい。

そうしなければ、1,854,360円という車両価格は、約10万円プラスすると、34.0㎞/Lという低燃費と歩行者検知式自動ブレーキを装備するノートe-POWERが買えてしまうほどなので、あえてキューブを選ぶ理由がなくなるからだ。

<関連記事>
「2016年度下半期コンパクトカー販売台数ナンバー1獲得の理由とは?」日産ノート購入ガイド

購入は大幅値引き前提で臨みたい

日産キューブそのため、キューブの特別仕様車の購入は、大幅値引きが前提となる。ダイハツ トール、トヨタ ルーミー/タンク、アクアやヴィッツ、マツダ デミオなどのコンパクトカーとシッカリ競合させることが大切だ。キューブが本命でも先にライバル車の見積もりを取り「もうずいぶん古いクルマなので、燃費もそれほど良くないし価格が重要。安くないと買えない」という姿勢でのぞみたい。

<関連記事>
▶「スズキが育てたマーケットを根こそぎ奪え!」トヨタ ルーミー/タンク ダイハツ トール購入ガイド
▶「アクアと共に、マーケットを席巻!?クラストップレベルの低燃費34.4㎞/L!」 トヨタ ヴィッツ ハイブリッド購入ガイド

下取り車はまず買取店で査定を!

また、同時に先に買取店に行き、現在の下取り車の価格を確かめる必要もある。ディーラーの下取りは安いことが多いからだ。大幅値引きしてもらっても、下取り車が安くなってしまっては努力が無駄になる。

キューブに乗り換える前に今の愛車の買取相場を調べる


日産キューブ15X Vセレクション My cubeの価格


車両価格は以下の通り。

日産キューブ15X Vセレクション My cube価格:1,854,360円

キューブに乗り換えを検討しているなら!在庫を見てみる


執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


こちらの記事もよく読まれています