日産エクストレイル日産は、SUVのエクストレイルをマイナーチェンジし発売を開始した。今回のマイナーチェンジでは、自動運転技術を応用した運転支援システム「プロパイロット」が搭載されている。

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日産の国内販売を支える重要なモデルがエクストレイル


日産エクストレイルは、2013年12月に登場した。期待されたハイブリッド車は無く、デビュー時は2.0Lのガソリン車のみの設定だった。しかし、当初はオプションだったが歩行者検知式の自動ブレーキである「エマージェンシーブレーキ」や「踏み間違い衝突防止アシスト」「LDW(車線逸脱警報)」「進入禁止標識検知」、「BSW(後側方車両検知警報)」や「ふらつき警報」など多くの安全装備を用意し、高い安全性能を誇るSUVだった。

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エクストレイルの魅力

また、運転のしやすさにもこだわり「ヒルスタートアシスト」、「アドバンスドヒルディセントコントロール」、「ヨーモーメントコントロール」など多彩な機能で、運転をサポートする。4WDシステムは、「ALL MODE 4×4-i」を継承。世界初となる「アクティブライドコントロール」「アクティブエンジンブレーキ」や、「コーナリングスタビリティアシスト」といった先進技術を全車に採用した。エクストレイルのガソリン車には、このクラスでは珍しい7人乗りモデルが用意されている。

エクストレイルの魅力は、リーズナブルな価格にもある。上級グレードの2WD車である20Xエマージェンシーブレーキ パッケージの2列シート車の価格は2,326,800円。マイナーチェンジ後は、価格がアップされ、コストパフォーマンス面は下がっている。

2015年4月には、待望のハイブリッド車が登場。デビュー時の燃費は、20.6km/Lを達成。燃費が向上しただけでなく、ガソリン車を上回る力強さも得ており、アクセル操作に対するレスポンスが向上。ガソリン車より、ボディ剛性もアップしたことから、より楽しい走りとなった。また、ハイブリッド用のバッテリーをラゲッジスペースに積んでいるため、荷室はガソリン車に比べやや小さくなっている。

エクストレイルは、人気のあるSUVだったが、ハイブリッド車の追加で人気はさらに高まった。日産の普通車国内販売では、ノート、セレナに次ぐ3番目に売れるモデルへと成長している。

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運転支援システム「プロパイロット」がオプションで設定可能となり、安全性&利便性が大幅に向上!


日産エクストレイル今回のマイナーチェンジでは、運転支援機能である「プロパイロット」がオプション設定された。プロパイロットは、自動運転技術を使った運転支援システム。高速道路で同一車線内で、車線維持しながら前走車に追従する機能をもつ。とくに、便利な機能は渋滞時にスタート&ストップを繰り返す場合だ。頻繁にブレーキとアクセル操作をしなくてはならないが、プロパイロットの機能があれば、そうした操作から解放される。その結果、ドライバーの疲労軽減に役立つ。また、ウッカリミスによる追突事故防止にも効果的だ。

最初はちゃんと機能するか不安に感じるが、一度慣れてしまうと、こうした機能無しに高速道路を走ることが嫌になるほど便利な機能だ。ライバル車には、すでに似たような機能をもつ装備が用意されていたが、マイナーチェンジ前のエクストレイルには装備されていなかった。プロパイロットの装備で、ようやくエクストレイルも高速道路での走行が便利になった。

安全装備の標準装備化も求められる

このプロパイロット機能は、他の機能とセットになったオプションとなる。プロパイロットの他に、ハイビームアシスト+インテリジェント オートライトシステム(20X HYBRID、20X HYBRID エクストリーマーXは標準装備)+ステアリングスイッチ(ナビ、クルーズコントロール、プロパイロット)+電動パーキングブレーキ+オートブレーキホールド+インテリジェント LI(車線逸脱防止支援システム)+BSW(後側方車両検知警報)+RCTA(後退時車両検知警報)などの安全装備がプラスされる。

ただ、ライバル車は、ほとんどのグレードでサイド&カーテンエアバッグが標準装備化されている。しかし、エクストレイルは未だオプション。こうした安全装備の標準装備化も求められる。

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より迫力&洗練されたデザインに変更


日産エクストレイル外観デザインも若干変更された。変更された部分は、前後のバンパーにサイドステップ、グリルにヘッドライト、ホイール、リヤコンビネーションランプなどだ。

日産デザインの象徴「Vモーション」グリルは、より太くなった。メッキ加飾されているので、かなりギラギラ感がアップしている。また、グリルからエンジンフードへとキャラクターラインを連続させることで、SUVらしいタフさを強調。

ヘッドライトは、キラキラ感と高級感をアピール。そして、リヤコンビネーションランプは、バルブからLEDへ変更された。全体的にスモーク系のカラーへ変更されたことで、引き締まったような精悍さと高級感がプラスされている。

インテリアでは、ステアリングやシフトノブなどが新デザインに変更。シートやドアトリム、フィニッシャーなどの一部が素材または、カラーが変更された。

ガソリン車のリヤシートは、4:2:4分割に変更。長尺物が載せやすくなった


日産エクストレイル装備面では、後部バンパー下の指定場所で足を抜き差しするだけでバックドアを開閉できるハンズフリー機能付きリモコンオートバックドアが用意された。最近の欧州車などで、人気の装備だ。


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実用性面では、ガソリン車20Xの2列シート車に、リクライニング&スライド機能を追加。リヤシートは、従来の6:4分割から4:2:4分割となった。リヤシートを倒したときの使い勝手が向上。長尺物もフレキシブルに積載可能となった。また、リヤシートを前方にスライドさせられることにより、さらにラゲッジスペースは広くなった。従来の550Lから565Lになり、クラストップレベルのラゲッジスペースをもつ。

ハイブリッド車は、空力を向上させるアイテムや、アクセルオフ時の回生量を増加させる制御を採用。2WDでは20.6㎞/Lから20.8km/Lへ燃費を向上。実用燃費も向上した。ただし、エクストレイル ハイブリッドの燃費値は、少々微妙でエコカー減税に対応するものの、免税レベルではなく取得税60%、重量税75%減税となってしまっている。

日産エクストレイルの選び方


日産エクストレイル日産エクストレイルの選び方は、ガソリン車かハイブリッド車かの選択から。ハイブリッド車は、価格が高いのだが、それほど燃費もよくないので、ガソリン車との価格差を燃費で元を取ることは難しい。より力強い走りと静粛性、上質な走りで選ぶといいだろう。予算重視というのであれば、ガソリン車がおすすめだ。

ガソリン車の場合、次に2列シートか3列シートかという選択となる。2列か3列で大きな装備差は無いので、好みで選ぶといい。3列目シートは、十分な広さをもっているとはいえないので、あくまで子供用としてか、短距離での使用と割り切る必要がある。

ウインタースポーツを楽しんでいる人や降雪地域の人は4WD

そして、駆動方式の選択だ。FF(前輪駆動)と4WDの価格差は、20Xで約21万円。セダンやミニバンからの乗り換えで、とくに雪道を入ることがないというのであれば、FFで十分だ。予算に余裕があり、高速道路などでロングツーリングが多いユーザーは、4WDを積極的に選んでみるのもいい。雨の高速道路などでは、よりクルマが滑りやすい状態になる。こうした状況下では、4WD機能は操縦安定性を高めてくれるので、より安全・安心なドライブが楽しめる。もちろん、ウインタースポーツを楽しんでいる人や降雪地域の人は4WDが当然おすすめとなる。

おすすめは20X

グレード選びは、20Xを選びたい。20Sはマニュアルエアコンになるなど、装備が簡素化されている。それだけでなく、エクストレイルのウリであるプロパイロットや各種安全装備をオプションで選択できない。よほど予算重視というのでなければ、20Xを選んだほうが満足度は高い。

日産エクストレイルそして、選択したいオプションはプロパイロットだ。パッケージオプションになっていて、「踏み間違い衝突防止アシスト」「LDW(車線逸脱警報)」「進入禁止標識検知」、「BSW(後側方車両検知警報)」や「ふらつき警報」など多くの安全装備がセットになるので必ず選びたい。ただ、サイド&カーテンエアバッグもオプションなので、これも装備する必要がある。

高いリセールバリュー

また、エクストレイルは、昨今のSUV人気を背景に高いリセールバリューを誇る。短期の乗り換えなどに向く。とくに、上級グレードはより高いリセールバリューとなるので、5年以下程度で乗り換えるのであれば無理をしてでも上級グレードを選んでおいてもあまり損はないだろう。

そして、エクストレイルには、カスタマイズされた個性的なモデルが用意されており、選択肢が豊富なのも魅力だ。エクストリーマーXは、よりワイルドなSUVに仕上げたモデル。モードプレミアは、よりラグジュアリーSUVに仕立てたモデルとなる。カスタマイズ内容に比べて、価格アップは僅かなのでコストパフォーマンスは高い。こうしたモデルもリセールバリューは高い。

モードプレミア、エクストリーマーXの特別装備詳細


日産エクストレイルの魅力は、より個性的なモデルがあることだ。オーテックジャパンから、より際立つ個性的あモデルとして「モードプレミア」、「モードプレミア ハイコントラストインテリア」、「エクストリーマーX」が用意された。

モードプレミア系は、エクストレイルをより上質なラグジュアリー感あるSUVに仕立てた1台。そして、エクストリーマーXは、よりアクディブでタフなSUVに仕上げた。

価格はやや高めとなるが、これだけのパーツがプラスされていることを考えると、十分に納得できる価格だ。

日産エクストレイル モードプレミア特別装備


・専用フロントバンパー(メタル調フィニッシュ)
・フォグランプ
・専用フルカラードエクステリア
(カラードホイールアーチガーニッシュ、カラードドアモール、カラードサイドシルガーニッシュ、フルカラードリヤバンパー)
・専用リヤバンパーフィニッシャー(メタル調フィニッシュ)
・サイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー(メタル調フィニッシュ)
・専用デュアルエキゾーストマフラー
・専用19インチアルミホイール & 225/55R19タイヤ
・ブラックレザーシート
・レザー調インストパネル(ソフトパッド)
・ピアノブラック調フィニッシャー(ドアトリム<フロント、リヤ>)
・全席クイックコンフォートヒーター付シート
・PTC素子ヒーター(ガソリン車)
・SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンエアバッグ
・カーペットインテリア(フロア/ラゲッジ/ラゲッジボード)

オーテック扱いオプション

・フロントマーカーLED

ハイコントラストインテリア特別装備


・ストーンホワイトレザーシート
・本革巻ステアリング(ハイコントラストインテリア専用色)
・LEDヘッドランプ+インテリジェントオートライトシステム
・フロントマーカーLED

エクストリーマーX特別装備


・専用ダーククロムフロントグリル
・専用ダークメタリックフロントスタイリングガード
・専用ダークメタリックリヤスタイリングガード
・専用ダークメタリックサイドスタイリングガード
・フロントマーカーLED
・サイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー(グロスブラック)
・専用グロスブラック18インチアルミホイール
・専用フォグランプフィニッシャー
・フォグランプ
・LEDヘッドランプ
・マッドガード

オーテック扱いメーカーオプション

・グロスブラックルーフレール

日産エクストレイル価格


日産エクストレイルの車両価格は以下の通り。

ガソリン車

<2WD>
・20S 2列 2,197,800円
・20X 2列 2,548,800円
・20X 3列 2,621,160円
<4WD>
・20S 2列 2,404,080円
・20X 2列 2,755,080円
・20X 3列 2,827,440円

ハイブリッド車

<2WD>
・20S HYBRID 2列 2,589,840円
・20X HYBRID 2列 2,892,240円
<4WD>
・20S HYBRID 2列 2,796,120円
・20X HYBRID 2列 3,098,520円

●モードプレミア 3,071,520~3,371,760円
●モードプレミア ハイコントラストインテリア 3,179,520~3,371,760円
●モード・プレミア HYBRID 3,473,640~3,643,920円
●モード・プレミア HYBRID ハイコントラストインテリア 3,459,240~3,665,520円
●20X エクストリーマーX 2,982,960~3,055,320円
●20X HYBRID エクストリーマーX 3,283,200円

日産エクストレイル 車両概要


代表グレード 日産エクストレイル 20X HYBRID 2WD
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,690×1,820×1,730mm
車両重量[kg] 1,580kg
総排気量[cc] 1,997cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 108(147) / 6000rpm
エンジン最大トルク[N・m(㎏-m)/rpm] 207(21.1) / 4400rpm
モーター最高出力 30kW(41PS)
ミッション CVT
JC08燃料消費率[km/L] 20.8km/L
定員[人] 5人
価格 2,892,240円

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


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