軽自動車スーパーハイト系 人気おすすめランキングベスト3 2017冬

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この冬新車でおすすめの軽自動車スーパーハイト系ワゴンを聞きました。

    • RANKING BEST 2ダイハツ タント

      ダイハツ タント

      2016年度の軽自動車販売台数争いで、ライバルN-BOXと熾烈な争いを繰り広げているタント。現在、ややN-BOXに差を付けられているものの、年度末に巻き返しを狙っている。タントは、2016年11月に一部マイナーチェンジを施した。この改良では、歩行者を検知するも警報による反応だけだったスマートアシストIIが進化。歩行者検知式自動ブレーキとなるスマートアシストIIIに進化した。こうなると、安全性と燃費性能などでライバルN-BOXを圧倒。総合力でクラスナンバー1のスーパーハイト系軽自動車といえる。

    • RANKING BEST 1スズキ スペーシア

      スズキ スペーシア

      燃費不正問題などで、ブランドがイメージダウンしたこともあるが、スペーシアはクラストップレベルの燃費性能や安全装備、走行性能をもっている。販売台数では、タントやN-BOXの半分程度しか売れていない。これは、主にスペーシア カスタムがタントやN-BOXのデザインに比べると地味だったという点も上げられている。また、ようやくタントが歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストIIIを投入したが、スペーシアにはすでに歩行者検知式の自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートが用意されていた。また、スペーシアは、スズキの圧倒的な軽量化技術により車重は軽い。軽さもクラストップ。クルマの軽さは、力強い加速性能や軽快なフットワーク、燃費に大きく影響を与える。さらに、マイルドハイブリッドシステムが搭載されたモデルは、アイドリングストップからの再始動が非常に静かで振動もほとんどなく、クラストップレベルの静粛性をもつ。こうしたクルマとしての総合性能はクラストップレベル。タントと比べても引けを取らない。


  • RANKING BEST 3ダイハツ ウェイク

    ダイハツ ウェイク

    スーパーハイト系は、どちらかというと子育て層などの生活感がある軽自動車だ。しかし、ウェイクは、スーパーハイト系ながら生活感を排除し、アウトドアレジャーなどで使い倒せる使い勝手の良さを磨き上げたモデルだ。ウェイクはタントと異なり、ミラクルオープンドアが無く燃費もタントに比べると物足りない。また、デザインに好き嫌いが出る個性派ということもあり、販売台数はあまり伸びていない。ただ、多彩なシートアレンジや収納スペース、撥水加工シートなど、アウトドアレジャーなどでの使い勝手は良好だ。

オススメランキングの3台を比較

燃費・価格
  • タント

    タントの燃費は28.0㎞/L、ターボ車は26.0㎞/Lとなっている。スペーシアほどの燃費値には届いていないが、N-BOXには勝っていて、ちょうど中間的な燃費性能となっている。タントは、最大の魅力であるセンターピラーレス構造のミラクルオープンドアが採用されている。ピラーレス構造にするために、タントには大幅なボディ補強が施されていて、これが車重を増やす要因になっている。タントはフロントフードやフェンダーバックドアなどに樹脂製パーツを使用し軽量化しているが、それでも車重は900㎏を軽々とオーバーしている。車重のアップは、燃費ダウンに直接つながる。ただ、それでもN-BOXを超える燃費値にしているのは、さすがダイハツといった印象だ。2016年11月の改良では、歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストIIIが用意され進化したのにもかかわらず、価格が据え置きとなっている点は高く評価できる。

  • スペーシア

    スペーシア燃費は、ライバルを圧倒する32.0㎞/Lを達成している。これは、クラスで唯一マイルドハイブリッド機能が採用されていることによるものだ。この機能は、ISGと呼ばれるモーター機能付き発電機を使ったもので、EV走行こそできないが、モーターがエンジンをアシストすることで、低燃費化に貢献している。さらにライバルを凌駕しているのが、長年続けてきたスズキの軽量化技術だ。なんと、N-BOXと比べると約100㎏も車重が軽い。軽さは燃費に直結する非常に重要な技術の一つ。マイルドハイブリッドと軽量化技術の合わせ技で、クラストップの32.0㎞/Lという低燃費を実現した。
    また、早くから歩行者検知式の自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートを用意。安全性能でもトップレベルの実力をもつ。価格は売れ筋グレードのXで、1,458,000円。ライバルと比べるとやや高めの価格だが、燃費性能の高さや歩行者検知式自動ブレーキなどが装備されていることを考えれば十分に納得いく価格だ。

  • ウェイク

    ウェイクの燃費は25.4㎞/L、ターボ車は23.8㎞/Lと、ライバル車と比べるとやや見劣りする燃費値になっている。燃費が物足りない要因は、全高の高さによる車重増によるもの。タントの全高が1,750㎜に対して、ウェイクは1,835㎜と85㎜も高くなっている。その結果、車重はタントが920㎏に対してウェイクは1,000㎏となっている。これだけ重いと、さすがに660㏄という小さなエンジンには荷が重い車重となる。ウェイクの価格は、L “SA Ⅱ”で1,555,200円。個性派とは言え、なかなか強気な価格設定。燃費は物足りなく、価格は高めとなると、誰にでもおすすめできるモデルとはいいにくい。

装備・使い勝手
  • タント

    タントの魅力は、なんといってもミラクルオープンドア。センターピラーレスとすることで、圧倒的な解放感ある空間を生み出した。助手席側の開口幅は1490㎜。これだけ広ければ、乗り降りは楽々。さらに、助手席は最大38㎝前方へスライドさせると、後席は大型のミニバン並みのスペースとなる。この軽自動車とは思えない広大な室内空間と、ベビーカーごと乗り降りが可能となるなど、使い勝手も十分に優れている。また、フロア高も低く設定されているので、高齢者や子供も乗り降りがしやすい。子育て層だけでなく、高齢者の送迎にも便利なクルマだ。
    そして2016年11月の改良で、歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストIIIが装備された。従来のモデルは、歩行者を検知しても警報だけだったので、より高い安全性能を手に入れたことになる。従来モデル通り、前方だけでなく後方への踏み間違え防止機能も用意されているので、高齢者や初心者なども安心だ。さらに、対向車のヘッドランプなど前方の明るさを検知し、ヘッドランプのハイ/ロービームを自動切り替えるダイハツ初のオートハイビームも用意されている。利便性だけでなく、高い安全性能を手に入れたことで、ライバル車に対して安全面でもリードした。

  • スペーシア

    スペーシアは、燃費性能だけでなく、先進安全装備もクラストップレベルにある。このクラスに初めて歩行者検知式自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートを用意したのがスペーシアだ。ただ、衝突時に乗員を守るサイドエアバッグが用意されておらず、後方への誤発進抑制機能もない。タントも一部グレードにしか用意されていないが、サイドエアバックがオプション設定すらないのは、かなり問題だ。軽自動車は、横方向のスペースが無く、側突されたときのダメージは大きくなる傾向になるからだ。企業として商売視点だけでなく、本気で安全に対して向き合ってほしい部分だ。便利機能では、クルマの画像を俯瞰で見たように加工し、クルマの周囲がひと目でわかる全方位モニターが用意されている。便利なだけでなく、小さな子供など歩行者の確認もできるので安全面でもお勧めだ。

  • ウェイク

    ウェイクの安全装備は、歩行者を検知しても警告のみというやや微妙な自動ブレーキ関連の安全装備スマートアシストIIが、エントリーグレードを除き標準装備されている。そして、高く評価したいのはサイドエアバッグが全車に標準装備されていることだ。横幅が狭い軽自動車なので、側突の時には非常に頼りになる装備だ。これで、タントに搭載された歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストIIIが装備されれば、まさにクラストップレベルの安全性能をもつモデルと言える。そうなると、買い時はスマートアシストIIIが装備されてからということになる。
    ウェイクはアウトドアなどでの利便性を高めたモデルなので、使い勝手は極めて良い。多彩な収納スペースや、シートアレンジはもちろん、ラゲージをより広く使えるように工夫された上下2段調節式デッキボードなどが用意されている。さらに、シートは撥水加工が施され、濡れた荷物も気兼ねなく使える。

走行性能・乗り心地
  • タント

    狭い幅の軽自動車なのに、上方方向にスペースを広げたスーパーハイト系は、走行性能面で何ひとついいことはない。まず、背が高いことで空気抵抗も大きくなり、車重が重くなるので、燃費性能では大きなデメリットとなる。さらに、重心が高くなるので、カーブで安定性を出すのはむずかしく、いざという時には横転の危険性もある。背が高いことで、横風にも弱くクルマがフラフラする。それでも、上方へのスペースを望む顧客のために、各社苦労を重ねている。タントの52ps&60Nmというパワーのエンジンでは、街中のみと割り切るのなら十分だが、急勾配の坂道が多い場所や高速道路などでは、やや非力な印象が強い。タントを使ってロングドライブしたりするケースが多いのなら、パワフルなターボモデルがお勧めだ。重心が高いクルマなので、横転の危険性を下げるため、乗り心地はややカタメ。カーブで車両が大きく傾かないような味付けがしてある。しかし、高速道路などでは、横風に弱く、風が強いとフラフラするので注意が必要だ。

  • スペーシア

    背が高いので空気抵抗が大きく、重心が高く不安定になり、重いので燃費が悪くなるのがスーパーハイト系の宿命。スズキは、長年培ってきた軽量化技術により、スーパーハイト系の走りの悪さを克服しようとしている。この軽量化技術で、スペーシアの車重はクラス最軽量の850㎏。エンジンの出力は、52ps&63Nmとライバルと同等程度だが、変速比幅の広い副変速機付きCVTと軽量ボディの恩恵で、ライバル車よりも元気よく走る。軽快とはいえないものの、十分な動力性能だ。ライバル車は、やや非力感があるものの、スペーシアはなんとか及第点といったところ。ライバル車は、やや高価なターボ車がお勧めとなるが、スペーシアは自然吸気エンジンでも納得できるレベルにある。これは、とにかく軽く造ったスペーシアのメリットだ。とはいえ、背が高いことで横風に弱いのはライバルと同じだ。
    スペーシアで特筆すべきは、静粛性だ。アイドリングストップからの再始動が、非常に静かで振動がない。これは、マイルドハイブリッド機能を搭載したモデルのみのメリット。マイルドハイブリッドのモーターを使いエンジンを始動するので静粛性や振動が低いのだ。この静粛性の高さは、高級セダン並み。街中では、何度も繰り返される機能だけに、一度体感するとライバル車のアイドリングストップからの再始動が不快になるほどだ。

  • ウェイク

    ウェイクの自動ブレーキは、スマートアシストIIで歩行者を検知するも警報のみで自動ブレーキは作動しないタイプだ。やや物足りないのだが、前方だけでなく後方への踏み間違え防止機能があるので、一定のレベルに達している。ただし、歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストIIIがタントに搭載されたので、ウェイクにも搭載される可能性が高いことから、ウェイクの買い時はスマートアシストIIIが装備されてからとなる。
    ウェイクの全高は、1,835㎜となっていて非常に高い。この高さは、走行性能面では何一つ良きいことがない。クルマが重く空気抵抗が大きいので燃費がよくない。また、横風にも弱い。重心高が高いので、カーブでグラグラすることを防ぐため、硬めの乗り心地となっている。ライバル車の中でも、ウェイクは車重が約1,000㎏を超えとても重い。これだけ重いと、52ps&60Nmの自然吸気エンジンでは役不足。64ps&92Nmとよりパワフルなターボ車がお勧めだ。

デザイン
  • タント

    ダイハツ タント

    タントには標準モデルとカスタムの2タイプが用意されている。標準車は、子育ファミリー層がターゲット。女性がメインで使うことを想定しているため、丸みのある優しいデザインになっていて好感度は高い。インテリアもベージュ系中心の明るいもので、解放感があり室内も広く感じる。多くの人に合うデザインと言える。
    そして、カスタムは、まったくの別物といったデザインが採用された。メッキパーツやLEDを駆使して、顔全体がギラギラ感と威圧感を無理やり出している。小さなクルマなのに威圧感を無理やり出していることもあり、全体的に妙な違和感がありデザインとしては破綻気味。この違和感が目立つとされていて、地方マーケットを中心に人気が高い。

  • スペーシア

    スズキ スペーシア

    スペーシアの販売台数が伸びない理由が、カスタムのデザイン。全体的にスポーティにまとめられていて、全体のバランスもよい。これが標準車でも良いと感じるほどだ。ところが、このデザインがマーケットでは不評のようだ。ライバル車であるタントカスタムに比べると地味、という烙印が押されているのだ。カスタム系は、デザイン性というよりは、とにかく迫力があって目立てばいいという傾向が強いのだ。
    標準車のスペーシアも子育てファミリー向けの軽自動車。そのため、多くの人に好まれるクリーンなデザインが採用されている。しかし、ややシンプル過ぎる感じもあり、なかなか記憶に残りにくいデザインとなっているようで、多くのスーパーハイト系の中で存在感を発揮できていないようだ。

  • ウェイク

    ダイハツ ウェイク

    ウェイクは、ハスラーのようなデザインを狙ったのだろう。しかし、結果的にはなんとも微妙なヘタウマ系のスタイリングで、可愛いのだかカッコいいのだかどちら付かずのデザインになってしまっている。それでも、高価なLEDを駆使し、夜間でもひとめでウェイクとわかる顔にしているのはさすがだ。

新車値引き交渉術

軽自動車は、もはや新車ではなく届出済み未使用車を買う時代だ。届出済み未使用車とは、メーカーが販売台数やシェア争いして1台でも多く売りたい状況や、ディーラーがインセンティブ欲しさなどにより、買い手がいないのに、無理やり登録し売ったことに見せかけたクルマだ。つまり、登録しただけで、ほぼ新車コンディションのクルマということになる。

最新型以外なら、中古車販売店にある未使用車から好みを探すのが得策

一度登録すると中古車扱いになるため、中古車販売店の店頭に並ぶ。価格は新車に比べかなり安くなっているので、自分の求めるグレード、色、オプションなどと合ったクルマが見つかれば、もはや新車を買う理由が見つからないくらいお得だ。新型車などはしばらく出てこないが、タントやスペーシアなどは大量に流通しているので、こうしたモデルを選ぶなら、まずは未使用車を探してみるといい。

愛車の正しい価格を知るため、一度は買取店で査定を

こうした未使用車を中古車店で買う場合、下取り車の処理には注意したい。中古車店のほとんどで、下取りも行ってくれる。しかし「高値で買います!」という言葉を鵜呑みにしてはいけない。下取り車の価格を低く設定し利益を上げるなどの技を使ってくる可能性があるのだ。そうならないように、まずは愛車の正しい価格を知っておく必要がある。商談する前に、必ず買取店に行き、現在の価格をシッカリと知ることが大切だ。買取店の価格より、大幅に下回るような下取り価格を提示してくるような中古車店は信用できないと思ったほうがいいだろう。どちらにせよ、最終的により高く買い取ってくれるところで売却すればいいだけだ。

その他のボディタイプ別オススメランキング

  • 軽自動車ハイト

    燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。

  • ミニバン

    広くて便利、ファミリーカーの代名詞

  • コンパクト国産車

    無難に選びたいなら、おいしいとこ取りのコレ!

  • コンパクト輸入車

    人気急上昇中!意外とコスパのいい車種多し。

  • SUV

    デザインと走りを重視する人へ

  • 高級セダン

    いつかは乗りたい、王道スタイル。

クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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