軽自動車スーパーハイト系 人気おすすめランキングベスト3 2016夏

車の乗り換えや購入を検討している方で、車種選びにお悩み中の方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この夏おすすめの軽自動車を聞きました。

    • RANKING BEST 2ダイハツ タント

      ダイハツ タント

      2015年度の販売台数では、わずかな差でN-BOXに負け2位となったタント。しかし、N-BOXはN-BOXプラスやN-BOXスラッシュと派生車も含むため、実際には互角かタントが上回っているという状況。それほど人気があるモデルだ。その理由は、圧倒的な使い勝手の良さにある。センターピラーレスとしたミラクルオープンドアは、助手席側の開口部がとにかく広い。さらに、助手席側ドアもほぼ90度もワイドに開くため、子供や高齢者など車内へのアクセスがしやすいのが特徴。クルマに詳しくない人にも、ひと目でタントの魅力を伝えることができる機能だ。また、燃費性能や安全装備も含め、高いレベルにあり、総合力の高い軽自動車だ。

    • RANKING BEST 1スズキ スペーシア

      スズキ スペーシア

      燃費性能や安全装備、走行性能ではクラストップの実力をもつ。しかし、販売台数面では、タントの半分程度しか売れていない。クルマの基本性能というより、使い勝手やデザインが重要視されていることが分かる。安全装備面では、軽自動車唯一の歩行者検知式の自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートを用意。燃費もクラストップの実力。さらに、スズキの圧倒的な軽量化技術により車重は軽く、走りは力強く軽快。さらに、マイルドハイブリッドシステムが搭載されていて、アイドリングストップからの再始動が非常に静かで振動もほとんどない。


  • RANKING BEST 3ホンダ N-BOX

    ホンダ N-BOX

    ホンダN-BOXは、デビューしたのが2011年12月。すでに5年目に突入し、モデル末期に入っている。そのため、燃費や安全装備、走行性能など、タントやスペーシアにくらべて物足りなくなっているのが現状。それでも売れる理由は、広さとデザイン。全高1,780㎜というクラストップレベルの全高をもつことによる室内スペースの広さや、カスタム系の強面フェイスなどが支持されている。最近では、商品力が落ちてきているので、装備を向上させ価格を抑えたモデルを投入するなど、お買い得感をアピールしている点も売れている理由のひとつだ。

オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • タント

    タントの燃費は28.0㎞/L。スペーシアには届いていないが、N-BOXよりは優れた燃費性能となっている。スペーシアに燃費で勝てない理由は、タントの最大の魅力であるセンターピラーレス構造のミラクルオープンドアだ。ピラーレス構造とすることで、ボディを補強しているため、やや車重が重くなっているからだ。排気量が小さい軽自動車は、車重の増加は燃費性能に悪影響を及ぼす。そのため、タントも独自の軽量化対策を施している。フロントフードやフェンダーバックドアなどに樹脂製パーツを使用し軽量化。それでも、車重は900㎏を軽々とオーバーしている状況だ。また、ミラクルオープンドアにコストがかかっているものの、売れ筋のX SAIIで1,420,200円という価格に収めている。

  • スペーシア

    ISGと呼ばれるモーター機能付き発電機を使ったマイルドハイブリッド機能を採用。さらに、スズキの軽量が技術によりN-BOXより約100㎏も車重を軽くしている。こうした技術により、スペーシアはライバルを圧倒する32.0㎞/Lという低燃費を実現。また、軽自動車唯一の歩行者検知式の自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートも装備。売れ筋グレードのXで、1,458,000円と価格はライバルよりやや高めだが、性能面ではライバルを上回っているので十分に納得いく価格だ。スペーシアは、販売が不振ということもあり、年度末を過ぎると届出済み未使用車が多く流通している。一度登録されているとはいえ、ほぼ新車に近いコンディションを保っている。こうしたモデルは、中古車店でかなり安い価格で売られているのでおすすめだ。

  • N-BOX

    2015年度販売台数ナンバー1に輝いたN-BOX。ただし、モデル末期ということもあり、燃費面ではタントやスペーシアに大差を付けられている。燃費は25.6㎞/Lとスペーシアの32.0㎞/Lと比べると随分見劣りする状況。G Lパッケージが売れ筋で価格は137万円。一見安く見えるが、簡易型の自動ブレーキなどはオプションなので、これらをプラスすると、それほど安価ではない。

装備・使い勝手
  • タント

    ミラクルオープンドアをもつタントは、この機能を生かす装備などにより、使い勝手面ではクラスナンバー1だ。なんと、助手席の開口幅は1490㎜もあり乗り降りは楽々。さらに、助手席は最大38㎝前方へスライド。この状態で後席は、大型のミニバン並みのスペースとなり、なかなか贅沢な空間となっている。このスペースを使えば、ベビーカーごと乗り降りが可能となる。さらに、フロア高も低い。乗り降りしやすいだけでなく、高齢者などは腰の位置をあまり上下させることなく座れるので、子育て層だけでなく高齢者にも優しいクルマに仕上がっている。自動ブレーキ関連の安全装備は、スマートアシストIIが用意されている。前方だけでなく後方への踏み間違え防止機能も用意されているので、高齢者や初心者なども安心だ。しかし、自動ブレーキは歩行者認識するものの自動ブレーキは作動しない。スペーシアは歩行者検知式自動ブレーキが装備されているので、やや物足りないが、N-BOXに比べれば十分に満足いくレベルだ。

  • スペーシア

    スペーシアには、軽自動車唯一の歩行者検知式自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートが用意されている。普通車を含め、歩行者検知式の自動ブレーキを装備しているクルマはまだまだ少ないだけに、かなり高い安全装備といえる。車両価格もやや高めになっているが、十分に価値がある。数万円の差で、歩行者事故を起こすリスクが減るのなら安いものだ。ただ、こうした高機能の安全装備を付けているのに、衝突時に乗員を守るサイドエアバッグが用意されていない。せめて、オプション設定くらいしてほしい。

  • N-BOX

    N-BOXの室内長は218㎝もあり、軽自動車最大級の広さを誇り、こうした部分がモデル末期でも売れる理由のひとつ。これだけ室内長があれば、車中泊などにも便利。室内高も140㎝もあり、小さい子供なら立ったまま着替えることができる。2015年11月の改良では、世界初となる紫外線(UV)を約99%カットし、ジリジリとした暑さを生む赤外線(IR)を軽減するガラスをすべての窓に採用した「360°スーパーUV・IRカットパッケージ」を設定。女性の日焼け防止を意識しただけでなく、車内の室温が上がらなければ、エアコンの稼働も減り、結果的に実燃費も向上することも予想できる。自動ブレーキなどの安全装備面では、物足りない。未だ30㎞/h以下、対車両でしか作動しない簡易型自動ブレーキでは競争力不足だ。ただ、あんしんパッケージを選択すると、簡易型の自動ブレーキと安価でサイドエアバッグやカーテンエアバッグが装着できるのは魅力だ。スペーシアなどは、設定すらない。

走行性能
  • タント

    ミラクルオープンドアで利便性を高めた結果、車重は重くなり52ps&60Nmというパワーのエンジンでは、少々役不足といった印象。街中のみと割り切るのなら十分だが、急勾配の坂道が多い場所や高速道路などを使って長距離もよく走るというのであれば、よりパワフルなターボモデルがおすすめだ。スーパーハイト系の軽自動車は、背が高く重心高も高い。重心が高いと、もしもの場合に横転の可能性が高くなる。タントは樹脂製パーツを使用することで、重心高を下げる工夫がされている。また、サスペンションもシッカリとしたセッティングにして、カーブで車両が大きく傾かないような味付けがしてある。しかし、やはり横風には弱い。風が強いとフラフラする。

  • スペーシア

    スズキの軽量化技術により、スペーシアの車重はクラス最軽量の850㎏。エンジンの出力は、52ps&63Nmとライバルと同等程度だが、変速比幅の広い副変速機付きCVTと軽量ボディの恩恵で、意外と元気よく走る。ライバル車に比べると、なかなか力強く加速する。ターボ車なら、より余裕のある走りが楽しめる。注目したいのは、静粛性。アイドリングストップからの再始動が、非常に静かで振動がない。これは、マイルドハイブリッド機能が使われていることが理由。この高い静粛性は、まるで上級セダンをも上回るもの。街中では、何度も繰り返されるアイドリングストップなので、この静粛性の高さは大きな魅力のひとつだ。ライバル車と比べてみれば、誰もが分かるほどだ。スペーシアも背が高いため、横風には弱い。

  • N-BOX

    N-BOXは、とにかく重い。タントと同様に、自然吸気エンジン車は基本街乗り用と割り切った使い方がよい。N-BOXくらい燃費が悪いと、どうせならターボという選択もあり。N-BOXの車重でも力強く走ることができる。ただ、燃費値は23.8㎞/Lと1.3Lのコンパクトカーより悪くなる。N-BOXも背が高く重心が高い。サスペンションの設定もややカタメで、カーブでなるべくクルマが傾かない仕様となっている。あくまでスペース重視のクルマで、走ることが楽しいと思えるクルマではない。また、N-BOXも背が高いため、横風には弱い。

デザイン
  • タント

    ダイハツ タント

    標準車は、子育てファミリー層がターゲットで、女性が使うことをメインとしているため、全般に丸みのある優しいデザインになっている。インテリアもベージュ系中心の明るいもので、解放感を上手く表現している。そんな標準車の他に、タントにはカスタムが存在する。良く言えば、標準車に対して大きく差別化されたデザインだ。ただ、もはややり過ぎ感もあり、メッキパーツやLEDを駆使して、顔全体がギラギラ感と威圧感を無理やり出しているように見える。小さいクルマで無理やり威圧感を出しているので、違和感がタップリ。そういう意味では、よく目立つ。もう少し品格のあるデザインでも良いのかと思うものの、地方では人気が高い。デザインとしては微妙だが、マーケットニーズを上手く反映させている。

  • スペーシア

    スズキ スペーシア

    スペーシアも子育てファミリー向けということもあり、全体的にシンプルでクリーンにまとめられている。ややシンプル過ぎる感じもあり、記憶に残りにくいデザインともいえる。スペーシアは、背が高いので分かりにくいのがルーフの色を塗り分けた2トーン仕様もある。パステルカラー系のボディカラーと相性が良さそうだ。スペーシアの販売台数が不調な理由のひとつが、スペーシアカスタムの存在。このスペーシアカスタムが、タントカスタム並みに売れていないのだ。スペーシアカスタムのデザインそのものは、バランスよくまとめられたスポーティなルックスをもつ。ギラギラ感で目立てばOKというタント カスタム系とは違い、デザインのバランスは良いのだが実際には売れない。こうしたグレードは、やり過ぎなくらいインパクトがないと売れない傾向が強い。

  • N-BOX

    ホンダ N-BOX

    N-BOXの標準車のデザインは、なかなかユニーク。何か笑っている顔にも見え、微笑ましい感じがある。すでにモデル末期に入っているが、それほど古臭く見えないのもよい。N-BOXにもルーフの色を替えることができる2トーンカラースタイルが用意されている。この2トーンカラースタイルを含めると、インテリアカラーも豊富になり、選ぶ楽しさもある。カスタム系は、タントカスタムと同様に見事にコッテリ&ギラギラフェイスになっている。押し出し感やインパクトも十分。このカスタム系モデルもN-BOXの人気を支えている。

新車値引き交渉術

スーパーハイト系も含め、軽自動車は、まず中古車店に並ぶ届出済み未使用車から選ぶといい。届出済み未使用車は、中古車扱いになるが、ほぼ新車と同等のコンディション。ディーラーが、年度末の決算などにインセンティブ欲しさに自社登録したクルマが中古車マーケットに流れて届出済み未使用車となる。価格は新車に比べかなり安くなっている。自分の求めるグレード、色、オプションなどと合致したクルマが見つかれば、もはや新車を買う理由が見つからないくらいだ。
大量に売られている届出済み未使用車なので、新車購入時のように中古車店同士競合させ値引きを引き出せれば、さらに買い得感が増す。中古車店の多くは、当然下取り車の買取を行ってくれる。「高値で買います!」という言葉を鵜呑みにせず、買取店などにも行き、現在の価格をシッカリと出してもらうことが必要。最終的により高く買い取ってくれるところで売却すればいい。
 また、新車購入時にも、こうした届出済み未使用車の見積りをもちろん交渉するのもいいだろう。価格では届出済み未使用車に対抗できないかもしれないが、値引き幅は拡大する可能性が高い。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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