アルファ159は2月11日から発売されたが、この時点で設定されているのが直列4気筒の2.2L直噴JTSエンジンの搭載車のみ。それも左ハンドルの6速マニュアル車だけの設定だ。2.0LのJTSエンジンは従来の156にも搭載されていたが、今回の4気筒エンジンは2.2Lに排気量アップされただけでなく、オールアルミ製のエンジンになって大幅な軽量化が図られ、可変バルブタイミング機構の採用などによって、高出力と好燃費、低排出ガスを両立するものとしている。
159に乗って走り出すと、すぐにさすがはアルファだなという印象を受ける。とにかくエンジンの吹き上がりが軽快だ。レッドゾーンの7000回転を超えてタコメーターの針が駆け上がっていく。回転の上昇とともに盛り上がるパワーフィールもなかなかパンチ力で気持ちが良い。いかにもスポーティなクルマを走らせているなという印象だ。
硬めにチューンされながらも、ストロークの拡大によってしっかりしたロードホールディング性能を発揮する足回りや、ダイレクトな操舵感のあるステアリングフィールもスポーティな雰囲気でとても良い。
ただ、159でいただけないのは室内騒音の大きさ。そんなことを気にするユーザーはアルファを買うなということかも知れないが、回したときのエンジン音やロードノイズは相当にうるさい。手元のカタログに数値は記載されていないが、ボディの拡大やホイールベースの延長によって最小回転半径が大きくなったのも歓迎できない要素である。
当面は2.2JTS(左ハンドルの6速MT車)のみの設定なのでユーザーの選択肢はない。ただ、春までには右ハンドル車が導入されるほか、3.2LのV型6気筒エンジンを搭載したフルタイム4WDの“Q4”も左ハンドルの6速MT車が導入される予定。AT車の導入は少し先になるようだ。2.2L車は消費税込み399万円の価格で、このクラスの競合車と比べてもリーズナブルな印象。V型6気筒エンジンを搭載する159 3.2JTS V6 24V Q4は529万円で、こちらは排気量の大きさや4WDということでかなり高めの価格となる。