正確無比のハンドリングは、ワゴンボディでも変わらない。
搭載エンジンは2.5Lの直列6気筒DOHC。今ではまともに直列6気筒エンジンを作っているメーカーはBMWだけになってしまったが、そのこと自体がBMWのスポーティな走りに対するこだわりを表現するものといっていい。インテークバルブのリフト量を無段階に調節するバルブトロニックを採用するのは、ほかの最新のBMWエンジンと共通。これによって燃費の良い走りと十分な動力性能を両立させている。
160kW/250N・mの動力性能はボディに対して十分に見合ったもの。いかにも直6エンジンらしい滑らかな吹き上がりはとても気持ちの良いもので、レッドゾーンの始まる7000回転あたりまで一気に吹き上がっていく。排気量の余裕がもたらす十分なトルクと合わせてエンジンの素性の良さが感じられる。6速ATの変速フィールにも全く不満はない。
市街地を中心にした試乗だったが、乗り心地と操縦安定性が高い次元でバランスされているのはさすがという印象。しっかりした手応えでレスポンスに優れたステアリングも、BMWならではのスポーティさだ。
●お勧め
3シリーズのツーリングは現在はまだ325iツーリングだけの単一グレードの設定で選択の余地はない。将来的には価格的な買いやすさで320iツーリングが売れ筋になるとみられる。
ただ、セダンでも指摘したことだが、ボディの全幅が1800mmを超えているのはあまりに大きすぎる。ワゴンでは使い勝手を考えると一定の大きさが必要だが、ここまで大きくなると狭い駐車場などで受ける制約が多くなるからだ。手頃なサイズで使い勝手の良いクルマが欲しい。