- この記事の目次 CONTENTS
- エコカーは中古車が狙い目
- ハイブリッド車とは?
- ハイブリッド車のお勧め中古車
- PHEVとは?
- PHEVのお勧め中古車
- EVとは?
- EVのお勧め中古車
- FCVとは?
- FCVのお勧め中古車
- 2022年エコカーの購入動向
エコカーは燃費の良さが魅力だが、車両価格は高価な場合が多い。クルマにかかる金額を抑えるためには、中古車も視野に入ってくるだろう。
今回はエコカーで狙い目の中古車について、特徴や代表的な車種、お勧めグレードのレポートをする。購入の検討材料にして欲しい。
エコカーは中古車が狙い目
政府は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言した。温室効果ガスの成分は、ほとんどがCO2だ。
自動車の排気ガスは、温室効果ガスの大きな要因でもある。そのため、ガソリンなどの化石燃料車から、EV(電気自動車)もしくはFCV(燃料電池車)などへのシフトが求められており、各社が新型EVやFCVなどをリリースしている。
とはいえ、急に化石燃料車をゼロにすることは難しい。そのためハイブリッド車やPHEVなど、燃費が良いモデルを経て、EVやFCVへとシフトしていく。
だが、ハイブリッド車などのエコカーは高価な車両が多く、なかなか手が届きにくい。
そこで注目したいのが中古車だ。新車でなくても、ハイブリッド車は大量に販売されているし、中古PHEVやEV、FCVの車両台数も徐々に増えている。
PHEVやEV、FCVなどは、中古車になると、かなり買い得感がある車両も多い。コストパフォーマンスを考えると、エコカーは「中古車がお得」ともいえる。
ハイブリッド車とは?
ハイブリッド車は、ガソリン車でほとんど捨てていた減速エネルギーをモーターで電力に変換して、自社のバッテリーを充電する。走行時に電力も使い、燃費効率を高めている。
ハイブリッドシステムは、仕組みが複雑だ。だが大別すると、シリーズ式/パラレル式/シリーズ・パラレル式の3つに分けることができる。
ハイブリッドシステム | エンジンの役割 | モーターの役割 |
---|---|---|
① シリーズ式 | 発電→バッテリーに蓄電 | 電力で駆動 |
② パラレル式 | 走行の主体 | 高負荷時にエンジン補助 |
③ シリーズ・パラレル式 | 高負荷時・高速走行時 | 発進・低速時の走行 |
①シリーズ式

エンジンで発電した電力をバッテリーに蓄積し、その電力でモーターを駆動する。
代表的なモデル:日産ノートe-POWER(他e-POWER系車)、ホンダ ヴェゼルe:HEV(他e:HEV系車)
②パラレル式

エンジンとモーターが直結され、クラッチで切り離しを行う。モーターは、基本的にエンジンのアシストに使われる。条件が揃えば、モーターのみでの走行も可能。仕組みはシンプルだ。
代表的なモデル:日産スカイラインハイブリッド、スバル フォレスター(他e-BOXER系車)
③シリーズ・パラレル式

シリーズ式とパラレル式の良い部分を走行状況に合わせ最適に制御するため、圧倒的な燃費性能を誇る。かなり複雑なシステムで、ほぼトヨタ車のみが使う。
代表的なモデル:トヨタ プリウスやヤリスなど。(他トヨタTHS-Ⅱ系車)
ハイブリッド車のお勧め中古車
初代トヨタ アクア

初代トヨタ アクアは、2011年末に登場したBセグメントのコンパクトカーだ。1.5Lのハイブリッドシステムを搭載している。デビュー当時の燃費は35.4km/L(JC08モード)と世界トップレベルの燃費性能を誇り、ライバル車であったホンダ フィットと争っていた。
現在でも、この低燃費性能は高いレベルにある。
初代アクアは大ヒットモデルであり、2021年まで長期間発売されたことから、中古車流通量も非常に豊富だ。グレードや装備、走行距離、年式など、買い手が望む条件の車両が選びやすいのも嬉しいポイントだ。
初代アクアの中古車価格は、2代目アクアの登場によって順調に下がってきている。2018年の改良では歩行者検知式自動ブレーキが用意され、中古車価格は、おおよそ110~150万円だ。新車価格が約190~210万円だったので、新車価格の58~71%程度になってきている。高価格帯は、まだ高価な印象があるものの、なかなか買い得感がある価格帯に入ってきている。
初代アクアは、Gグレードがお勧めだ。歩行者検知式自動ブレーキなどの予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準装備されている。
さらにオプションで以下が装備されていれば、安全装備のレベルは高い。
- インテリジェントクリアランスソナー
- サイド&カーテンエアバッグ
さらに、ナビが装備されていれば十分納得できる仕様といえる。
また、2015年以前のモデルであれば、予算100万円で超低燃費性能を誇るハイブリッド車が買える。
PHEVとは?
PHEVとは、プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークルの略だ。
家庭用の電源などを使い、電力で車載の駆動用バッテリーを充電する。通常時は電力を用いたモーターのみで走行するのだ。EVなので、モーター走行なら排出ガスはゼロになる。
駆動用バッテリーの電力を使い切ると、エンジンで発電した電力を使いモーターで走行する。EVでは航続距離が短い、充電時間が長いなどのデメリットがある。だがPHEVは、電力が無くなるとガソリンを用いてハイブリッド車として走る。不便さは感じにくいだろう。
日々の送迎や買い物、通勤などの短距離移動では排出ガスが基本ゼロである。また、ガソリンより安価な電力で走れるため、経済的でもある。
ただしEVではないので、駆動用バッテリーのみで走れる距離は短い。
代表的なモデル:三菱アウトランダーPHEV、レクサスNX PHEV、トヨタRAV4 PHVなど。
PHEVのお勧め中古車
初代三菱アウトランダーPHEV

初代三菱アウトランダーPHEVは、2013年に登場した。世界的に見てもPHEVのパイオニアともいえる存在だ。
アウトランダーPHEVは世界初の技術である「ツインモーター4WD」を用い、前後にモーターを搭載した。その後、この手法は世界中のPHEVやEVが続々と採用している。
その技術の高さが高く評価され、初代アウトランダーPHEVは2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤーでイノベーション部門賞を受賞した。
初代アウトランダーPHEVのお勧めは、2015年のマイナーチェンジ後のモデルだ。外観デザインが大幅に変更されており、フロントフェイスは三菱のデザインアイコンであるダイナミックシールドが採用された。SUVらしい迫力あるフォルムとなっている。
EV航続距離は60.8km/L(JC08モード)、ハイブリッド燃費は20.2km/L(JC08モード)となっている。日常的な送迎や買い物、通勤ならば、ほぼEV走行で事足りる。とくに、毎日クルマを短距離で使う人にとっては、安価な電力でEVとして走れるので環境とお財布に優しい。
2015年式初代アウトランダーPHEVの中古車価格は、約180~240万円だ。新車価格が360~460万円だったので、50~52%位にまで価格が落ちている。人気のSUVカテゴリーなので、他のカテゴリーの中古車価格より高めだ。
これだけの最新技術を搭載したPHEVが、200万円を切る価格帯で買えるようになっていると考えると、かなり買い得感がある。
初代アウトランダーPHEVの2015年式でお勧めグレードは、最上級グレードのGプレミアムパッケージだ。以下の豪華装備が標準装備されている。
- プレミアムサウンドシステム
- レザーシート
- 純正ナビ
さすがに最上級グレードなので、程度のよい車両となる210万円以上の中古車価格になる。
豪華装備が不要ならば、「Gナビパッケージ」がお勧めだ。中古車価格も190万円位から選べるようになる。
EVとは?
EVとは、Electric Vehicleの略だ。最近では、バッテリーの電力で走ることを強調したBEV(Battery Electric Vehicle)と呼ぶことも多い。
EVは電力を使いモーターで走行するため、排出ガスが発生しない。カーボンニュートラルへの急先鋒とも呼ばれている。
EVは車両に搭載されている大容量駆動用バッテリーの電力で走行する。バッテリーの容量はkWhで表示される場合が多く、数値が大きいほどバッテリー容量も大きくなる。航続距離は車重やモーター出力などにより異なるが、バッテリー容量が大きいほど航続距離が長くなる傾向にある。
このバッテリーは、基本的に家庭の電源を使い充電する。家庭用の電源で6kWの普通充電器を使うと、8~12時間程度で満充電になる。(バッテリー容量によって異なる)
夜に充電しておけば、朝にはほぼ満充電となるケースが多い。
旅先や長距離走行での充電は、急速充電器を使う。急速充電器の出力やバッテリー容量によって、充電できる電力は異なる。最近では、高速道路のサービスエリアにはほぼ設置されているし、日産ディーラーを中心に急速充電器の設置もどんどん増えている。過疎地域以外は、充電の心配はあまりないだろう。
代表的なモデル:日産サクラやリーフ、トヨタ bZ4X、BMW iX、スバル ソルテラ、テスラなど。
EVのお勧め中古車
2代目日産リーフ、リーフe+

モデル | バッテリー容量 | 航続距離(WLTCモード) | 出力 |
---|---|---|---|
2代目リーフ | 40kWh | 322km | 150ps&320Nm |
リーフe+ | 62kWh | 458km | 218ps&340Nm |
日産リーフは、2017年にフルモデルチェンジし2代目となった。
2019年には、リーフe+を追加した。容量、航続距離、出力のいずれも大幅アップしている。
リーフe+のお勧めは高年式車だ。とくに、航続距離を長く取りたいなら62kWhのバッテリー容量をもつリーフe+の中でも、2019年式以降がよい。
2019年式の中古車相場は、おおよそ280~320万円だ。新車価格が約420~470万円だったので、67~68%程度にまで落ちている。高年式だが、かなり安価になった。2020年式でもおおよそ290~330万円が中古車相場なので、同じ価格で同じグレード、同じ走行距離なら年式が新しい方がよい。
2代目リーフのお勧めは2018年式の40kWh車だ。
より買い得感が出てきている。中古車相場は、おおよそ180~230万円と、グッと買いやすい価格帯に入ってきている。新車価格は約320~400万円だった。新車価格の56~58%ほどまで価格が落ちているのでお買い得といえる。
航続距離は322kmとやや短く感じるかもしれないが、1日に700km以上頻繁に走るような人でなければ、航続距離は十分だ。トイレや食事休憩の時に急速充電器がある場所を選び、継ぎ足し充電すると良い。意外なほど航続距離は伸び、それほど航続距離に不安は感じない。
リーフe+、2代目のお勧めグレードは、どちらもG系グレードだ。
以下の予防安全装備などが標準装備されている。
- アラウンドビューモニター(カメラ映像を加工しクルマを俯瞰から見た映像に変換、死角を無くしうっかり接触リスクを低減)
- プロパイロットパーキング(ほぼ自動で駐車できる)
- プロパイロット(高速道路などで同一車線内を維持しながら先行車に全車速で追従走行できる)
FCVとは?
FCVとは、Fuel Cell Vehicleの略だ。日本語では燃料電池車となる。
水素を燃料として、酸素と化学反応させ電力を取り出し、その電力でモーターを駆動させ走行させるクルマだ。排出されるのが水なので、究極のエコカーと呼ばれている。航続距離もEVと比べるとやや長く、最新のトヨタ ミライなら750~850kmの走行が可能だ。ガソリン車と遜色ない航続距離となっている。
EVのように長い時間充電する必要がないのもメリットだ。ガソリン車と同等の時間で水素充填が可能となっている。
ただし、水素を充填する水素スタンドなどのインフラ整備が進んでいない。水素スタンドがあるのは、主に大都市圏内である。そのため、水素スタンドが近隣にあるような人しか買うことができないデメリットもある。
燃費である水素価格も、現在は政策としてガソリン価格と同等レベルを保っている。しかしガソリン価格と同等では、安価な電力を使うEVにランニングコストで負けてしまっている現状もある。
代表的なモデル:トヨタ ミライ
FCVのお勧め中古車
トヨタ MIRAI(ミライ)

トヨタ ミライは、数少ないFCVの中でも継続的に発売されているモデルで、2020年末にフルモデルチェンジし2代目となった。
2代目ミライは、初代のFF(前輪駆動)からFR(後輪駆動)に変更された。単なるエコカーだけではなく、走りも楽しめるセダンへと大変身を遂げている。モーター出力は182ps&300Nmだ。
FCVは新車の販売台数が極端に少ないため、中古車流通量も非常に少ない。探すことがなかなか難しいクルマだ。
だが中古車価格は、かなり魅力的である。
2020年式2代目ミライの中古車相場は、流通量が少ないためバラつきがある。2020年式だと約400~640万円とかなり価格差がある。400~500万円で買える車両であれば、激安といえる。新車価格が710~810万円と高額だったからだ。わずか2年で300万円位安くなった計算だ。
これは、新車時150万円を超えるような補助金が支給されていることが前提となっている中古車価格と予想できる。世界最先端技術の塊ともいえるFCVがこの価格帯で買えるのは、その技術の凄さを知る人には大バーゲンといえる。
とはいえ、それでも400万円を超えるので、購入しやすいとは言いにくい。FF(前輪駆動)モデルでもOKというのであれば、初代ミライも激安だ。
このモデルも非常に中古車流通量が少ない。2016年式で、中古車相場はまさかの130~190万円程度になっている。新車時は約720万円だったので、6年で新車価格の18~26%にまで下がっている。これは、まさにお買い得だ。
ただ、FCVは水素が燃料なので、近隣に水素スタンドがあることが購入の条件になるので注意が必要だ。
2022年エコカーの購入動向
2022年度は、日本国内に数多くのEVが登場する。国産車の代表車種は以下の通りだ。
- 日産 アリア
- 日産 サクラ
- トヨタ bZ4X
- スバル ソルテラ
- 三菱eKクロスEV
その他輸入車も続々と投入され、まさにEV時代の幕開けといったところだ。
この新型EVラッシュを受け、マーケットはエコカーを求める方向によりシフトするのは確実視されている。中古車マーケットでは、日産リーフやハイブリッド車を除き、EVやPHEVの流通量はまだまだ少ない。地元の中古車店の店頭に並んでいることはほとんどなく、買うなら全国各地から取り寄せる必要が生じるだろう。
そうなると、中古車店選びも重要だ。しっかりとEVやPHEVの特徴を理解し説明してくれるのは当然のことだが、EVやPHEVの流通状況をきちんと把握している店であることも大切だ。元々流通量が少ないEVやPHEVは話題になれば、すぐに在庫は無くなる可能性が高いからだ。
頼りになるのは、全国に店を構え、買取と中古車販売を両方行っている中古車店だ。
全国の店舗の在庫共有はもちろん、在庫になる前に全国各地の店舗からどんなEVやPHEVが買い取られているのかという情報も分かるからだ。
こうしたお店に行き、在庫にない場合でも、「入荷されそうであれば少しでも早く教えてほしい」と相談すれば、よりよい車両が早く手に入る可能性が高くなる。
ノートのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和2年12月(2020年12月)〜現在
- 新車時価格
- 203.0万円〜306.4万円
ノートの在庫が現在528件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。