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ミニバンは日本独自の進化を果たした
ミニバン購入の失敗例1: 高級Lクラスミニバンを買ったものの、妻がクルマに乗らなくなった・・・
ミニバン購入の失敗例2:「流行っているから」Mクラスミニバンを買った
ミニバン購入の失敗例3:親離れ! 家族のために買ったMクラスミニバンが台無しに
ミニバン購入は中古車と新車、どっちがお勧め?

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

何かと便利なミニバンだが「失敗した!」「後悔した!」という声もある。今回は、主にMクラスとLクラスのミニバンでありがちな例を紹介する。購入の際の参考にしてほしい。

ミニバンは日本独自の進化を果たした

世界中がSUV人気で沸く中、日本国内では相変わらずミニバンの人気が堅調だ。
特に2022年度はミニバンの当たり年で、以下の車種がフルモデルチェンジしている。

  • 1月…トヨタ ヴォクシー&ノア
  • 5月…ホンダ ステップワゴン
  • 2022年度内…日産 セレナ(予想)
ヴォクシー

ミニバンが生まれた背景に、フルサイズバンがある。北米由来の、全長が5mを楽々超えるようなボンネット付き箱型モデルのことだ。
その後シボレーが、全長5m弱のコンパクト化したアストロなどを登場させた影響などによって、ミニバンというカテゴリーが誕生したとされている。特に話題となったのが、1995年に登場した2代目アストロだ。両側スライドドアをもち、日本でも人気となった。

こうした影響を受け、日本でもミニバンが続々と開発された。その後日本の独自カテゴリーとして進化を続け、ほぼ日本専用車として開発されるようになった。海外などではあまり販売されていない。

日本のミニバンの主な特徴は以下の通りだ。

  • 日本人のための装備、使い勝手(痒い所に手が届く)
  • ボディサイズや車種が豊富
  • 多人数乗車が可能(6~8人乗りが中心)
  • 室内が広く余裕がある
  • 両側スライドドアの使い勝手がよい

使い勝手が良いミニバンでも、選び方を失敗してしまい後悔をしてしまう場合もある。
具体例を3つ紹介する。

ミニバン購入の失敗例1: 高級Lクラスミニバンを買ったものの、妻がクルマに乗らなくなった・・・

小さい子どもがいる家族にとって、ミニバンは憧れのクルマのひとつだろう。家族全員でのレジャーには、確かにベストな選択だ。また、子どもの野球やサッカーなど、友達も乗せて送迎という使い方も出来、コミュニケーションツールとしての役割もある。しかも、それがLクラスの上級ミニバンなら満足度は非常に高い。Lクラスミニバンには、最も人気が高いトヨタ アルファードやヴェルファイア、日産エルグランドがある。

ところが、まさかのどんでん返しが起きる時がある。例えば、アルファードを買ったはいいが、ボディサイズが大き過ぎて、妻が運転し辛さを感じてミニバンに乗らなくなった、という話もよくある。アルファードの全長は4,935~4,950mmと大きく、全幅も1,850mmもあるのだ。クルマに乗り慣れた男性でも、このサイズのモデルに乗るときは、やはり気を使う。大きなクルマに乗り慣れていない女性がいきなり乗りこなすのは難しい。運転したくなくなるのも当然のことだ。
結局、妻の普段使い用に、軽自動車を買い増しすることも・・・。メインで使う人が、苦労せずに運転できるボディサイズかどうか、というのも購入前の重要なチェックポイントだ。

もちろん、大きなクルマに乗り慣れていないから買ってはいけないということではない。女性は男性以上に自動ブレーキなどの予防安全装備や、カメラ映像で車両の周囲がひと目で分かり、後退時など安全で運転しやすくなる運転支援機能などを重視する傾向がある。自動駐車機能などがあれば更によいだろう。こうした機能をしっかりと伝えて、上手く使えるように導くと、せっかく買ったLクラス高級ミニバンに乗らなくなる可能性は低くなるだろう。

ミニバンLクラスはこんな人にお勧め!

Lクラス ミニバンおすすめアルファード

Lクラスミニバン:トヨタ アルファード&ヴェルファイア、日産エルグランドなど

  • とにかく広い室内が欲しい
  • 後席モニターなど、豪華装備が好き
  • 家の駐車場が広い(Lサイズのミニバンはバックドアが大きいので、後方に一定のスペースがないと開かない)
  • 5人以上乗車することが頻繁にある
  • 生活の足として、軽自動車やコンパクトカーがある
  • 都市部へあまり行かない(全高が高いため、都市部の立体駐車場には入らないケースが多い)
  • 燃費は気にならない
  • 子どもが小学生以下(中学生以上になると、一緒にクルマに乗る機会が激減することが多い)
  • 乗り心地重視(高額車が多いので、乗り心地がよいモデルが多い)

ミニバン購入の失敗例2:「流行っているから」Mクラスミニバンを買った

このパターンは独身若年層に多い傾向がある。ミニバンが好きで、カスタマイズを楽しむなど目的がハッキリしているのであれば問題ない。だが、単に流行っているからという理由だけで独身若年層がミニバンを買うと、かなり非効率なことになる。

比較的手が出しやすいMクラスミニバンには、トヨタ ヴォクシー&ノア、ホンダ ステップワゴン、日産 セレナなどがある。
例えば、人気のMクラスミニバンであるヴォクシーを買ったとする。主にクルマを通勤などで使うのであれば、燃料費を無駄に払うことになる。ミニバンは、大きくて重く、空気抵抗も大きいので燃費が悪いからだ。ガソリン価格が高騰し高止まりしているので、燃費は良い方が財布にも優しい。
車体も大きいので、狭い道や駐車場では気を使う。従来、ヴォクシーは5ナンバーミニバンとも呼ばれ、日本の狭い道でも使いやすい全幅1,695mmだった。しかし現在、全幅は広がり1,730mmとなっている。

独身若年層でも趣味でたくさんの荷物を積んだり、車中泊で旅行などに使ったりする場合、Mクラスミニバンに乗るメリットもある。だが、通勤や買い物などの通常の使い方であれば、3列目シートを使うことはほとんどなく、せっかくの広さが活かしきれない。

ミニバン購入の失敗例3:親離れ! 家族のために買ったMクラスミニバンが台無しに

Mクラスのミニバンは、子どもたちの思い出作りのためのレジャーや、日々の送迎、ドライブなど、バランスも使い勝手もよい。価格もLクラスミニバンほど高価ではないので、ファミリー層を中心に高い人気を誇っている。
このファミリー層というのがポイントだ。親は子どものためを思いMクラスミニバンを買うのだが、子どもは親離れする時期が必ずやってくる。特に、子どもが小学校高学年のタイミングはMクラスミニバン購入を今一度考える必要がある。数年後に中学生になると、部活や塾、習いごとなどで家族と一緒にレジャーへ行ったり移動したりするケースが激減するからだ。
家族が5人以上であればMクラスミニバンは必要だが、4人以下なら滅多に全員が乗ることのないクルマを長期間保有することになる。ならば、もっと安価で燃費のよい経済性の高いクルマや、趣味性のあるクルマという選択も検討の余地があるだろう。

ミニバンMクラスはこんな人にお勧め!

Mクラス ミニバンおすすめステップワゴン

Mクラスミニバン:トヨタ ヴォクシー&ノア、ホンダ ステップワゴン、日産セレナなど

  • 子どもがまだ小学校中学年以下で、複数いる(中学生以上になると親離れが始まり、クルマに乗る機会が激減する可能性がある)
  • 広い室内が欲しい
  • 5人以上で乗車することが多い
  • 狭い道を頻繁に走る(Lクラスミニバンより全幅が狭いので走りやすい)
  • クルマで都市部に行く機会が少ない(背が高いので立体駐車場に入らないケースが多い)
  • 多少、燃費を気にする(Lクラスミニバンより小さいので燃費も少しよい)
  • 家の駐車場が広い(バックドアが大きいので、後方に一定のスペースがないと開かない)
  • 自動車税をなるべく抑えたい(Mクラスミニバンは2.0L以下がほとんど。Lクラスミニバンは、2.5L以上になる)

ミニバン購入は中古車と新車、どっちがお勧め?

ミニバンの購入は、中古車と新車のどちらを選ぶべきだろうか。
子どもを中心にミニバンを選択するのであれば、中古車がよいだろう。特に小学生であれば尚更だ。
失敗例3にもあるように、子どもの成長は早い。小学校高学年くらいから塾や習い事が多くなり、家族全員がクルマに乗りレジャーに行く機会は激減する。子どもが中学生になれば部活などもあり、親離れも始まる。こうなると、ミニバンである必要性が薄まる。
ならば、家族全員が乗車する期間は中古ミニバンを購入して乗り切るという方法がベストだろう。年式さえ気にしなければ、高級Lクラスミニバンも100万円前後で手に入る。まずは、こうしたモデルで試してみるのもよい。

現行モデルや高年式車がよいという場合は、少々高価になる。ミニバンの人気が高く、中古車価格も高値になっているためだ。
だが、買う時に高値でも、リセールバリューも高いので数年後に高値で売れる。それほど損はしないので、現行モデルや高年式の中古車もお勧め出来る。
乗り潰す場合は、新車を選んだ方がよい。高い値段で買っても、乗り潰せば売値はほとんどゼロに等しいので、あまりメリットがないからだ。

中古車の場合、車種や年式、目的により、最適な車両が異なる。クルマに詳しくないのであれば、豊富な在庫があり、相談できる営業マンがいるお店を選択することが必須だ。

新車が向く人は、子育て用というよりは、惚れ込んだ1台がある人だ。「いずれ子どもが乗らなくなってもOK、日常使いでは、燃費が悪くても問題なし。」と割り切れる人にお勧めしたい。