ダイハツのおすすめ中古車5選～軽自動車からコンパクトカーまで～

この記事の目次 CONTENTS: 新型車だが、買い得感が徐々にアップ中; 人気のスーパーハイト系で、ファーストカーでも使える高級モデル; ハイト系ワゴンで、唯一両側スライドドアを装備; 広い室内＆両側スライドドアが魅力のコンパクトハイトワゴン; オシャレさ際立ち、日々のパートナーとしの魅力を凝縮; まとめ

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡智彦氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車＆中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ダイハツは、軽自動車のイメージが強い。数々のヒットモデルを持ち、スズキやホンダと熾烈な販売戦争を繰り広げているメーカーだ。
最近では、1.0Lクラスのエンジンを搭載したAセグメントのコンパクトカーでヒットモデルを多く生み出している。
今回は軽自動車だけでなく、Aセグメントのコンパクトカーも含めたおすすめ中古車をピックアップした。

新型車だが、買い得感が徐々にアップ中

1位　ダイハツロッキー

ダイハツロッキーは、2019年11月に登場した。ダイハツが生産し、トヨタブランドではライズとして発売されている、共同開発の新型車だ。

ロッキーの全長は3,995mmで、AセグメントのコンパクトSUVカテゴリーに属する。
ロッキーは「DNGA（ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ）」を採用した。このDNGAによる優れたパッケージングにより、全長4m未満のモデルながら広い室内と荷室を得た。

予防安全装備は「スマートアシスト」を搭載している。歩行者検知式自動ブレーキなどのセットだ。
さらに後側方車両接近警報機能のブラインドスポットモニターと、後退時車両接近警報リヤクロストラフィックアラートの２機能が追加された。
スマートフォンを活用したコネクト機能「ダイハツコネクト」を初採用したモデルでもある。

搭載エンジンは、1.0Lターボのみだ。燃費は18.6km/L（FF、WLTCモード）と良好、出力は98ps＆140Nmだ。ダイハツはコストアップを嫌うため、マイルドハイブリッドシステムなどは投入されていない点が残念である。

乗り心地は、やや硬めでゴツゴツ感を伝えてくる。ただ、それほど不快感はない。このクラスとしては、まずまずといったレベルだ。
直3ターボエンジンは、ややブルブルとフロアに振動を伝える時が多く感じる。こうした振動は、アイドリングストップからの再始動でも感じることが多い。マイルドハイブリッドシステムなどを搭載して、よりスムースな再始動などが欲しいところだ。
走行性能に関しては、可もなく不可もなくレベルだ。逆に言えば、走りにはそれほど個性はない。

ロッキーが優れているのは、DNGAによるパッケージングである。全長3,995mm、全幅1,695mmという小さな5ナンバー枠でありながら、荷室容量は1クラス上の369Lを確保した。
前後席の間隔は900mmもあり、前席だけでなく後席も十分な広さを得ている。後席シートバックも2段階のリクライニング機能がある。このパッケージングは、まさに軽自動車で鍛えたダイハツの技術力と言える。

新型車として魅力的なロッキー。中古車としては、まだまだ高価である。
だが、未使用車の流通も多い。未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で車両登録しただけの車両のことだ。ほぼ、新車コンディションである。デメリットは、すでに車両登録されているため、若干車検期間が短くなっていることくらいだ。

ロッキーの中古車相場は、1年落ちの高年式で150～210万円程度だ。新車価格が170～240万円位なので、少し安価になっている。これくらいだと、中古車の方が、ややお得だ。

中古車流通量は少ないが、2020年式の未使用車は売れ筋のGグレードで160万円台位から手に入る。新車価格より40万円位安価だ。やや、車検期間が短くなるのが難点ではあるものの、少しでも安価にと考えるなら、こうした車両を選ぶといい。
新車でオプションの純正ナビやバックカメラ、ETCなどが装備されている未使用車両も多く、さらにお得になるケースが多い。
2021年式の未使用車も流通量が少ない。半導体不足により、新車の生産ができないため、あまり未使用車が出てくる状況にないからだ。新車の生産が通常通りに戻れば、また未使用車が出てくる可能性が高いので、ジックリと探すのもよい。

ハイト系ワゴンで、唯一両側スライドドアを装備

3位　ダイハツムーヴキャンバス

ダイハツムーヴキャンバスは2016年に登場した新型車だ。ハイト系ワゴンカテゴリーに属する軽自動車で、ムーヴの派生車でもある。

ムーヴキャンバスは、自身のライフスタイルを楽しむ女性をターゲットに企画・開発を行っている。
軽自動車であるハイト系ワゴンは、生活の足という実用面がどうしても出てしまう傾向にある。だが、ムーヴキャンバスはデザイン性と機能性を両立した新感覚のスタイルワゴンだ。

その大きな特徴がデザインと両側スライドドアだ。角を丸くしたスクエアなシルエットに、大きな丸のヘッドライトを装備した。どこかで見たようなデザインながら、愛らしい独特の存在感を放つ。このデザインだけでも欲しくなる。
さらにムーヴキャンバスは、ハイト系ワゴンクラス唯一の両側スライドドアをもつ。スライドドアは狭い所での乗り降りや荷物の積載などでも便利だ。

多くの自動車メーカーは、頑なにハイト系ワゴンクラスに両側スライドドアの装着を拒んできた。その理由は、コスト増により販売価格が高くなることや、車重が重くなることで燃費性能が悪くなることなどが上げられている。
しかし、ムーヴキャンバスは顧客の利便性を優先した。ムーヴキャンバスの世界観に共感できる顧客向けと、ある程度ユーザーを絞っている。
結果は、狙い以上だ。ムーヴキャンバスは、本家ムーヴを超えるヒットモデルになっている。

ムーヴキャンバスの中古車価格は、クラス唯一のスライドドアモデルなので、非常に高い価格を維持している。高年式だと、新車価格とそれほど変わらない。年式が古くなっても、あまり中古車価格が下落しない傾向にある。かなり高いリセールバリューをもつモデルだ。
デビュー直後の2016年式で、中古車価格は90～130万円が相場である。新車価格が120～170万円程度なので、5年落ちでも30～40万円位しか安くなっていない。

おすすめは2017年9月の改良で歩行者検知式自動ブレーキであるスマートアシストⅢが装備されたモデルだ。実質、2018年式以降になる。2018年式だと、90～140万円である。あまり中古車価格が変わらないので2018年式がベストだろう。

グレードは、LEDヘッドライトなどが装備した上級グレードのGメイクアップがベストだ。やや安価でLEDヘッドライトは装備されていない、Xリミテッドメイクアップもよい。
どちらのグレードでも、純正ナビは必須だ。ETC、ドライブレコーダーなどはあとで購入すると高価なので、購入時に装備されていればさらに買い得感はアップする。

広い室内＆両側スライドドアが魅力のコンパクトハイトワゴン

4位　ダイハツトール

ダイハツトールは、2016年に登場したコンパクトハイトワゴンだ。トールは、トヨタとの共同開発車で、トヨタブランドではルーミー、タンク（生産終了）と姉妹車関係にある。

このコンパクトハイトワゴンカテゴリーは、従来、スズキソリオの独壇場だった。
ソリオは、爆発的なヒットモデルではなかったが、順調な販売台数を重ねていた。ダイハツとトヨタは、そんな隙間のマーケットさえも狙い、2016年にトール、ルーミー、タンク、その他のOEM車を送り込んできた。圧倒的な販売力のあるトヨタの力もあり、このクラスは一気に需要が拡大した。姉妹車であるルーミーは、登録車新車販売台数ランキングベスト５の常連となった。
ソリオは、トヨタのOEM車勢に押し負けるかと予想されたが、マーケットが大幅に拡大したことにより順調な販売を続けている。

人気モデルであるトールの魅力は、背の高さと両側スライドドアの使い勝手の良さだ。低床フロアとスライドドアの組み合わせにより、乗降性に優れ、小さな子供はもちろん高齢者にも便利である。後席もとても広い。背の高さを生かし、自転車も積載可能だ。
それでいて、全長は3,700mmと小さく、最小回転半径は4.6mと小回りも効く。かなり便利な生活の道具としての価値があるモデルになっている。

トールに搭載されたエンジンは、1.0Lの自然吸気とターボの2タイプが用意されている。ダイハツ製なので、マイルドハイブリッドシステムなどの機能はない。そのため、アイドリングストップからの再始動時には、エンジンがキュルキュル、ブルルンと大きな音と振動が入る。
初期のモデルは乗り心地面では及第点といったレベルで、やや突き上げ感のある乗り味だ。また、少々、フロアにも振動が入る傾向がある。こうした乗り味は、人により評価が異なることもあるので、しっかりと試乗してから決めたい。

人気モデルであるトールの中古車価格は非常に高く、かなりリセールバリューが高いモデルだ。
トールの中古車を選択する上で重要なポイントは、2018年11月の改良である。トールに歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備スマートアシストⅢが用意されたからだ。
そのため、できるだけスマートアシストⅢを装備した2019年式以降のモデルを選ぶとよい。

2019年式の中古車相場は、130～160万円程度だ。新車価格が150～210万円だったので、高価な価格帯は少し安くなっているものの、安価な価格帯ではそれほど価格が下がっていない。
2020年式だと中古車流通量が非常に多く、やや値崩れしていて110～180万円が相場になっている。安価な価格帯のモデルであれば2020年式という選択もありだ。

人気グレードは、迫力あるスタイルのカスタム系である。装備も充実しておりおすすめだ。このカスタム系に、パノラマモニターや純正ナビが装備されている車両がベストだろう。さらに、後から購入すると高価な装備であるETCやドライブレコーダーなどが装着されていればお買い得だ。

トールのエンジンは、両側スライドドアを装備しており、車重がやや重いので、ターボエンジンがおすすめだ。燃費は及第点レベルで、16.8km/L（FF、WLTCモード）となっている。

オシャレさ際立ち、日々のパートナーとしの魅力を凝縮

5位　ダイハツミラトコット

ダイハツミラトコットは、2018年に投入された新型車で、ロールーフ系に属する。ベーシックな軽自動車であるミライースの派生車だ。

ロールーフ系は、日々の生活の足としての価値が求められるため、多くのモデルが価格を重視するため、デザインや質感など妥協しているケースが多い。
しかし日々の足とはいえ、もう少し個性的で愛着がわくクルマが欲しいと望む女性顧客も多い。そうした女性顧客のニーズを満たすために生まれたモデルがミラトコットだ。

ミラトコットの魅力は、デザインに尽きる。角を丸くしたスクエアなシルエットに丸い瞳のようなヘッドライトが組み合わされている。まるで板のようなシンプルなボディパネルも独特な存在感を放つ。
さらに、アナザースタイルパッケージと呼ばれる3つのスタイルが設定された。可愛いらしいスイートスタイル、シックなエレガントスタイル、スポーティなクールスタイルから選択可能だ。

搭載されるエンジンは、660㏄の自然吸気エンジンのみだ。ボディは軽量なので、非力感はない。ミライースと同じエンジンなので、燃費も良好。29.8km/Lという低燃費を実現している。

走行性能は、あくまで街中重視仕様である。乗り心地重視でハイスピード領域はやや苦手だ。歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備スマートアシストⅢも、一部グレードを除き標準装備されている。

ミラトコットの新車価格は、約110～140万円だ。
新車に近い高年式車である2020年式の中古車相場は、90～120万円程度だ。わずか1年で20万円も安価になっている。また、2018年式だとやや価格が下がり70～110万円と、さらに買いやすい価格帯に入ってきている。

こうしたロールーフ系のクルマのエントリーグレードは、安価にするために、装備がかなり貧弱になる。そのため、中古車選びの際は基本的に最上級グレードを狙うことをおすすめする。
ミラトコットでは、G系のグレードがベストな選択だ。G系には、スーパーUV＆IRカットガラス（フロントドア）やシートヒーター、オートライトが標準装備される。このG系に純正ナビやパノラマモニターは必須アイテム。後から買うと高価なETCやドライブレコーダーが装備されていれば、さらによい。

まとめ

ダイハツのおすすめ中古車をランキング形式でご紹介した。
ダイハツは軽自動車において数々のヒットモデルを持つが、近年Aセグメントのコンパクトカーも人気が高まっている。
今回ランクインした車種は、軽自動車の開発で培った技術力が光った。いずれも個性的なクルマなので、ぜひ買い得感の高い中古車を手に入れてほしい。