スバル レヴォーグ VS トヨタ カローラツーリング徹底比較~ステーションワゴン対決~

自動車ニュース / ガリバー

2021.7.15

スバル レヴォーグ VS トヨタ カローラツーリング徹底比較~ステーションワゴン対決~

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

レヴォーグvsカローラツーリング

スバル レヴォーグと、トヨタ カローラは、ステーションワゴンのカテゴリーに属する。車種も少なく、販売台数も多くはない。だが、セダン並みの快適性や静粛性、優れた運動性能、そしてSUV並みの積載性を誇り、根強いファン層に支えられている。
今回は、販売が好調のレヴォーグと、カローラツーリングを徹底比較・評価する。

この記事の目次 CONTENTS
スバル レヴォーグの特徴
トヨタ カローラツーリングの特徴
1.燃費比較 
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

スバル レヴォーグの特徴

スバル レヴォーグ スバル レヴォーグ

初代スバル レヴォーグは、日本の顧客向けに生まれたモデルだ。
もともとこのクラスはレガシィツーリングワゴンが主力モデルだった。しかし、レガシィツーリングワゴンは、北米をメインターゲットにし、年々ボディサイズが大きくなった。大きくなりすぎたために、日本人に合っていた従来のレガシィツーリングワゴンから乗り換えるモデルが無くなってしまったのだ。
初代レヴォーグは、日本マーケット向けにほぼ専用開発されたモデルだ。

2020年10月、2代目レヴォーグが登場した。初代レヴォーグと同様に、日本での使い勝手を重視して開発された。
全幅は1,795mmである。都市部に多い立体駐車場の全幅制限1,800mmを下回るサイズだ。

2代目レヴォーグは、新世代のプラットフォーム(車台)であるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)が採用された。このSGPにより、レヴォーグの運動性能は飛躍的に向上している。
予防安全装備「アイサイト」も大幅進化し、より多機能になっている。歩行者検知式自動ブレーキなどのセットで、従来からの人気を一層押し上げた。

一部グレードには、渋滞時ハンズオフアシスト機能をもつアイサイトXも用意された。高速道路などでの渋滞時、50km/h以下であれば、ステアリングから手を放しても車線維持しながら前走車に追従走行できる。
こうした優れた機能などが高く評価され2020 - 2021日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

トヨタ カローラツーリングの特徴

トヨタ カローラツーリング トヨタ カローラツーリング

トヨタ カローラツーリングは、2019年9月に発売された。
新型として投入されたカローラツーリングは、すでに発売済みのカローラスポーツと同じく3ナンバーボディだ。従来のカローラシリーズとは異なる1クラス上のモデルとなった。フルモデルチェンジしたが、従来型のカローラアクシオやカローラフィールダーは、2021年7月現在も発売されている。

カローラスポーツの全幅は1,790mmとワイドだったが、カローラツーリングでは全幅を1,745mmとしている。これは、従来の5ナンバーサイズのカローラシリーズに乗る顧客が、違和感なく乗り換えられるようにするための配慮でもある。

カローラツーリングには、最新のプラットフォーム(車台)であるGA-Cが採用された。プリウスやC-HRなどと共通のプラットフォームを、カローラツーリング用にチューニングしたものだ。導入によって、より低重心で高剛性ボディになり、運動性能は大幅に向上した。

パワーユニットは、メインの1.8Lハイブリッド、1.8Lガソリン車に加え、1.2Lターボを搭載したグレードも用意された。この1.2Lターボエンジンと組み合わされるミッションは、6速MTのみとなる。

1.燃費比較 

レヴォーグの評価は 3.5
カローラツーリングの評価は 4.0

ガソリン車としては善戦しているレヴォーグ

スバル レヴォーグの燃費は以下の通り。

種類 燃費 モード
1.8Lガソリンターボ 13.6km/Lもしくは13.7km/L 4WD、WLTCモード

トヨタ カローラツーリングの燃費は以下の通りだ。

種類 燃費 モード
1.8LハイブリッドFF(前輪駆動)車 25.6km/Lもしくは29.0km/L 電気式CVT、WLTCモード
1.8LハイブリッドE-Four(4WD)車 24.4km/Lもしくは26.8km/L 電気式CVT、WLTCモード
1.8LガソリンFF車 14.6km/L CVT、WLTCモード(4WDの設定なし)
1.2LターボガソリンFF車  15.8km/L 6MT、WLTCモード(4WDの設定なし)

ボディサイズはスバル レヴォーグよりもトヨタ カローラツーリングの方が、ひと回り小さい。燃費値は、より車重の軽いカローラツーリングの圧勝だ。

ボディサイズと車重が燃費値に対して大きな影響を与えているものの、レヴォーグは未だガソリン車のみの展開だ。全世界的にCO2排出量減が叫ばれている中、さすがにガソリン車だけというのは厳しい。早急なパワーユニットの電動化が望まれる。

カローラツーリングの1.8Lハイブリッド車は、もはや世界クラストップレベルの燃費値である。
ただガソリン車比較となると、レヴォーグもなかなか善戦している。
カローラツーリングの1.8Lガソリン車の燃費値は14.6km/Lだ。対するレヴォーグの燃費値は13.6km/Lである。
少し差があるが、カローラツーリングはFF、レヴォーグは4WDであることを考えると、ほぼ互角の燃費値といえる。レヴォーグは1.8Lターボで、かなりパワフルで、燃費もガソリン車としては高いレベルにある。

2.価格比較

レヴォーグの評価は 3.0
カローラツーリングの評価は 3.5

一回りボディサイズの小さいカローラツーリングの安価さが際立つ

スバル レヴォーグの価格

  • GT(エントリーグレード)…3,102,000円
  • STI Sport EX(最上級グレード)…4,092,000円

トヨタ カローラツーリングの価格

  • ガソリン車FF…2,013,000円
  • ハイブリッドG-X E-Four(エントリーグレード)…2,678,500円
  • ハイブリッドW×B E-Four(最上級グレード)…2,997,500円

カローラツーリングは、レヴォーグより一回りボディサイズが小さいため、大幅に安い。レヴォーグと同じ4WDハイブリッド車でも、カローラツーリングの方が安価だ。

レヴォーグのエントリーグレードと、カローラツーリングの最上級グレードの価格が同等レベルだ。レヴォーグの魅力は、アイサイトXや11.6インチセンターインフォメーションディスプレイなどにある。これらを搭載したクルマを選ぶにはGT-EX以上のグレードになり、価格は3,487,000円とさらに高価になる。

レヴォーグのエントリーグレードが予算内なのであれば、カローラツーリングの最上級グレードという選択もありだ。カローラツーリングの最上級グレードであるW×Bは、合成皮革+レザテックシート表皮が標準装備になるなど、装備が充実しているので満足度も高い。

3.購入時の値引き術

レヴォーグの評価は 3.0
カローラツーリングの評価は 4.0

値引き拡大中のカローラツーリング

スバル レヴォーグは、2020年10月に登場したばかりだ。販売も好調なので、2021年7月現在、値引きは厳しい状態である。しかも指名買いの顧客が多いモデルなので、大幅値引きを引き出すのは色々な条件が揃わなければ難しいだろう。

ただ、何も策を練らなければ、値引きゼロになる。そうならないために重要なのが、ライバル車との競合だ。しかし、レヴォーグと明確にライバル関係にあるモデルが無いので、競合させることも難しい。
そこでレヴォーグの場合、輸入車のワゴンモデルや価格帯が同じ国産SUVなどと競合させるとよい。

同じワゴンモデルで、レヴォーグと競合させて効果的な輸入車は、フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアントだ。2021年7月現在、ゴルフ8が登場したばかりで、まだゴルフ8のヴァリアントは導入されていない。だが導入後、競合させればかなり効果的なモデルといえるだろう。
国産SUVでは、マツダCX-5、トヨタRAV4ハイブリッドなどもよい。あえて、ワゴンモデルにこだわっていない、という態度で商談するといいだろう。こうしたSUVと競合させたとき、スバル側はフォレスターを勧めてくるかもしれない。その場合、「フォレスターはデザインが好きになれない」などと、完全に選択肢に入っていないことを伝えるとよい。

トヨタ カローラツーリングは、発売から一定の時間が経過していて、値引きしやすい状態になっている。しかもコロナ禍の影響で、より値引き傾向にシフトしている。
カローラツーリングも直接のライバルがないため、競合させるモデルの選択が難しい。レヴォーグと同様に、同等価格帯のSUVを加えて商談するといいだろう。例えば、マツダCX-30やスバルXV、ホンダ ヴェゼルe:HEVなどとなる。
また、トヨタディーラーは、全車種扱いになっている。そのため、経営母体の違うディーラー同士でカローラツーリングを競合させるのも良い。

4.デザイン比較

レヴォーグの評価は 4.0
カローラツーリングの評価は 3.5

こだわりを感じさせる彫りの深いフェイスが魅力のレヴォーグ

レヴォーグの外観 レヴォーグの外観

スバル レヴォーグは、新たなデザインコンセプト「BOLDER」をスバル車で初採用した。「BOLDER」とは、大胆な、目立つなどの意味をもつ。スバルによると、レヴォーグが持つ個性をより大胆に際立たせ、「意のままにコントロールする愉しさ」や「先進性」を表現したという。
レヴォーグの外観デザインは、エッジの効いたスポーティなフォルムが特徴。シャープなスピード感を感じさせる。

レヴォーグのフロントフェイス レヴォーグのフロントフェイス
レヴォーグのリヤエンド レヴォーグのリヤエンド

さらに、全車フルLEDヘッドライトが標準装備され、デザインの自由度も増した。これによりフロントフェイスはかなり彫りの深い、立体的な造形になっている。
スバル独自のヘキサゴングリルを前方に押し出し、薄型のヘッドランプは後方に設置した。こうしたデザイン手法により、押出し感や迫力あるフェイスデザインとなっている。
サイドビューは、フロント部分を低くしたクラウチングスタイルだ。ネコ科の猛獣が獲物を狙うようなデザインにも見え、躍動感がある。

レヴォーグのインパネ レヴォーグのインパネ

インテリアは、視界の良さを確保しながら、力強さを感じさせるデザインとなっている。注目ポイントは、センターコンソールに鎮座するユニークな縦型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムだ。ナビを使用した場合、縦型の便利さを感じるだろう。進行方向のスペースがより広く、より先の情報を得やすいからだ。

レヴォーグのメーター レヴォーグのメーター

アイサイトX搭載グレードには、12.3インチフル液晶メーターが採用されている。自分に必要な情報を選択し表示することができる。ナビの案内画面をメーター内に表示することも可能だ。視線移動が少なくなるので、安全運転にも効果的である。

カローラツーリングの外観 カローラツーリングの外観

トヨタ カローラツーリングのデザインは、すでに発売済みのカローラスポーツと同じく、トヨタ独自のキーンルックが採用された。切れ長でワイドなヘッドライトや、台形の大型グリルで視覚的なボリュームを下げ、低重心でスポーティな走りのイメージをアピールしている。このキーンルックは、やや、好き嫌いが分かれるデザインといえるだろう。

カローラツーリングのフロントフェイス カローラツーリングのフロントフェイス
カローラツーリングのリヤエンド カローラツーリングのリヤエンド

リヤビューは、サイドに大きく回り込んだコンビネーションランプを採用した。ワイド感を表現し、安定感あるフォルムを生み出している。

カローラツーリングのインパネ カローラツーリングのインパネ
カローラツーリングのメーター カローラツーリングのメーター

カローラツーリングのインパネデザインは、薄型でワイド化され開放感を得た。また、Aピラーを細形化し、良好な視界も得ている。センターコンソールには、オプションの9インチ大型モニターが設置可能だ。

レヴォーグ、カローラツーリング共に、スポーティさを強調したデザインが採用されている。レヴォーグのフロントフェイスデザインは、かなり立体的でこだわりを感じさせる造形で魅力的だ。キーンルックのカローラツーリングは、ややクセがあり、万人受けしにくいデザインといえそうだ。

5.室内空間と使い勝手

レヴォーグの評価は 4.0
カローラツーリングの評価は 3.5

4:2:4の3分割のリヤシートをもつレヴォーグは使い勝手に勝る

レヴォーグとカローラツーリングのボディサイズは以下の通りだ。

全長×全幅×全高 ホイールベース 荷室容量
スバル レヴォーグ 4,755mm×1,795mm×1,500mm 2,670mm 492L
トヨタ カローラツーリング 4,495mm×1,745mm×1,460mm 2,640mm 392L
レヴォーグの運転席 レヴォーグの運転席
カローラツーリングの運転席 カローラツーリングの運転席
カローラツーリングの後席 カローラツーリングの後席

ホイールベースは近い数値だが、全長は260mmも異なり、レヴォーグのボディサイズは一回り大きい。当然、室内スペースはレヴォーグの方が広い。横方向のスペースは、さほど変わらない。レヴォーグ後席の座り心地も、なかなか良好だ。

レヴォーグの荷室 レヴォーグの荷室
カローラツーリングの荷室 カローラツーリングの荷室

ボディサイズの差は、荷室容量の差にも直結している。レヴォーグの荷室容量が492Lなのに対して、カローラツーリングは392Lと大きな差となった。

こうした差は、ボディサイズの差なので、仕方がない部分ではある。
レヴォーグのリヤシートが4:2:4の3分割可倒式なのに対して、カローラツーリングは6:4の2分割可倒式だ。さらに、レヴォーグの一部グレードにはパワーリヤゲートが装備されている。こうした部分の使い勝手面は、ややレヴォーグが上回っている。
ただ、カローラツーリングには、裏面に樹脂製のリバーシブルデッキボードが用意されている。樹脂製なので、濡れた荷物などを載せる際、汚れをあまり気にする必要がないので便利だ。

6.安全装備の比較

レヴォーグの評価は 4.0
カローラツーリングの評価は 3.0

自動運転時代の到来を感じさせるレヴォーグのアイサイトX

スバル レヴォーグに装備されているアイサイトは、飛躍的に機能が向上している。
新開発された広角ステレオカメラに、前後4つのレーダーを組み合わせたことで、360度センシングを実現した。
こうした技術により、車両検知と衝突回避の質が上がっている。
見通しの悪い交差点や狭い路地から広い道に出るときなど、前側方レーダーによって接近する車両を検知する。衝突の危険があるとシステムが判断した場合、警報音やなどで注意を喚起する。回避操作がない場合、自動ブレーキが作動し衝突回避をサポートする。
さらに、右折時の車両や歩行者を検知し、衝突の可能性がある場合、自動でブレーキを作動させる。
こうした、よく起きている事故形態に対応することで、より安全なクルマへと進化している。自動ブレーキは、歩行者の他に自転車にも対応可能だ。

また、グレード別設定になるが、自動運転時代を感じさせる新運転支援機能として、アイサイトXが用意された。
このアイサイトXの機能のひとつが、ハンズオフ機能である。高速道路などでの渋滞時、50km/h以下であれば、ステアリングから手を放しても車線維持しながら前走車に追従走行できる。
その他の機能では、高速走行時(約70km/h~約120km/h)で、ドライバーがウインカーを操作し、システムが自動で車線変更するアクティブレーンチェンジアシストなども用意されている。

さらに、ドライバー異常時対応システムも用意された。
この機能はドライバーが居眠りやよそ見をしている場合に、警告を発する。それでもドライバーが反応しない場合、ドライバーに病気など緊急事態が発生したと判断し、ゆっくりと減速・停止させる。ハザードランプやホーンで周囲に知らせる機能だ。
レヴォーグの価格帯モデルとしては、トップレベルの実力を誇る。

対するトヨタ カローラツーリングには、トヨタの予防安全装備である「トヨタセーフティセンス」が標準装備される。しかし、最新世代の「トヨタセーフティセンス」ではないため、機能面ではやや物足りないものになっている。と言っても、最新の「トヨタセーフティセンス」と比べてという意味で、平均レベルはクリアしている。

自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知する。右左折時の歩行者、右折時の対向車には対応していない。

オプション設定の機能は以下の通りだ。

  • ブラインドスポットモニター(BSM)…車線変更時などで死角にいる車両などを検知し警報を発する後側方車両接近警報
  • リヤクロストラフィックオートブレーキ…後退時に左右から接近する車両を検知し、衝突の危険がある場合、自動でブレーキを作動させる

これらのオプションは日々の運転で頼りになる機能なので、積極的に装備したい。

レヴォーグとカローラツーリングの予防安全装備を比べると、オプションフル装着比較でも、やはり設計の新しいアイサイトを搭載したレヴォーグの方が優れている。
レヴォーグの予防安全装備はかなり多機能なので、安心して走行できる。

7.走行性能の比較

レヴォーグの評価は 4.5
カローラツーリングの評価は 4.0

こだわり抜いた走行性能のレヴォーグ。バランスに優れたカローラツーリング

レヴォーグのエンジンルーム レヴォーグのエンジンルーム

スバル レヴォーグに搭載されているエンジンは、新開発の1.8L水平対向4気筒エンジンだ。出力は、177ps&300Nmである。わずか1,600回転で300Nmを発揮するので、街中を走行する際やクルージング時には、乗りやすく力強く感じる。

よりスポーティな走りとなるSTIスポーツなどで気持ちよく走ろうとして、エンジンをレヴリミットまで回すと、少々、パンチ不足を感じる。燃費重視のダウンサイジングターボエンジンであるため、高回転域の気持ちよさはあまり感じない。初代レヴォーグに搭載されていたパワフルな2.0Lターボエンジンが欲しいところだ。
ただ、CO2減が叫ばれる現代では、設定がむずかしいのだろう。

スバルはパワーユニットの電動化が遅れている。高出力のモーターとエンジンの組み合わせで、燃費と走りの両立は可能であるはずだ。電動化されたパワーユニットの投入に期待したい。

レヴォーグのハンドリングは、新開発されたプラットフォームであるSGPに、フルインナーフレーム構造を組み合わせたことで飛躍的に向上している。
より高剛性化された低重心のSGPにより、操縦安定性は格段に向上した。
とくに、STI系のグレードに装備されているZF製電子制御ダンパーは絶品である。電子制御によって、ダンパーの減衰力を走行状況にあわせて自在に変更することが可能となった。優れた乗り心地と、高い操縦安定性を両立している。

このしなやかなサスペンションに加え、スポーツモード系でのAWDセッティングは、アクセルオンでややリヤの駆動を増やしている。カーブでの立ち上がりでは、FR(後輪駆動)車のようにアクセルをグイグイ踏みながら曲がれるセッティングになっているので、爽快感がある。

カローラツーリングのエンジンルーム カローラツーリングのエンジンルーム

トヨタ カローラツーリングに搭載されている、1.8Lハイブリッドのシステム出力は122psだ。レヴォーグの177psと比べると、やや非力に感じるかもしれないが、実際は十分な出力である。ただ、より速く走ろうとアクセル開度が大きくなると、高回転域でのパンチ不足は感じる。レヴォーグ同様、ガンガン走るためのパワーユニットというよりは、高速道路などを爽快にクルージングするためのパワーユニットだ。

カローラツーリングの爽快な走りを支えているのは、最新のプラットフォームGA-Cだ。低重心でボディ剛性が高いこのプラットフォームが、カローラツーリングの基本性能の高さを司る。

さらに、このプラットフォームを使いながら、トヨタはリヤサスペンションにダブルウィッシュボーン式を使っている。
最近、Cセグメントコンパクトカーの多くは、ダブルウィッシュボーンより機能的にダウンするトーションビーム式を採用するモデルも多い。これは、コストダウンが大きな目的だ。
しかし、あえてカローラツーリングは、ダブルウィッシュボーン式リヤサスペンションを使ったことで、かなり上質な走行性能を得た。高剛性ボディとの相乗効果も高く、乗り心地は上質である。フラットライドでしなやかなさが際立ち、ドライバーの頭が振られないので、運転もしやすい。

ただ、17インチタイヤを履くモデルに関しては、ややロードノイズが気になるケースがある。しかしその分、クイックでスポーティなハンドリングが魅力的だ。カローラツーリングは、レヴォーグほどのストイックさはないものの、なかなか気持ちのよい走りが可能である。

カローラツーリングのハイブリッド車には、4WDであるE-Fourが用意されているが、あくまで滑りやすい道でのアシスト的な役割だ。レヴォーグのような悪路走破性はない。

8.リセールバリュー比較

レヴォーグの評価は 3.5
カローラツーリングの評価は 3.5

両車中古車流通量が少なく、良好なリセールバリューを維持

初代スバル レヴォーグのリセールバリューは、高値を維持している。2016年式の中古車相場が160~240万円程度だ。やや価格帯の幅が広いが、ようやく新車価格の半分程度に落ちてきている。SUVブームの影響で、フォレスターなどと比べると、リセールバリューはやや低めだが、良好なリセールバリューを維持している。
高めのリセールバリューを維持できている要因は、ステーションワゴンという数少ないカテゴリーであること、中古車流通量が少ないこと、多くのスバル車ファンに支えられていることなどが考えられる。

2代目のリセールバリューも、恐らく初代と同等レベルとなることが予想できる。ただ、2代目レヴォーグは、初代以上にグレードによる機能差がある。
以下の機能を搭載したEX系のグレードが、より高いリセールバリューになるだろう。

  • ハンズオフ機能をもつアイサイトX
  • 11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム
  • ヘルプネットが使えるコネクティッドサービス

中でも、最もスポーティなSTI Sport EXが一番高いリセールバリューとなりそうだ。

トヨタ カローラツーリングもレヴォーグと同じような傾向にある。
従来モデルであるカローラフィールダーの中古車価格を見ると、2016年式ハイブリッド車で100~160万円程度が相場だ。高価格帯の車両は、5年落ちになってもかなり高値を維持している。

カローラツーリングも同様の値動きだ。
2021年7月現在、高年式しか流通していないが、新車価格とそれほど変わらないくらい高値を維持ししている。
ただ、新車値引きが大きくなっているので、カローラツーリングの高年式であれば新車を買った方がよいかもしれない。

高値が期待できるのは、最上級グレードのハイブリッドW×Bだ。このグレードで、オプションの9インチディスプレイやシートヒーター、おくだけ充電などが装備されていれば、プラス査定が期待できる。

9.まとめ・総合評価

価格、サイズが異なるワゴン選択の決め手は、先進機能?

スバル レヴォーグとトヨタ カローラツーリングは、サイズも価格帯も異なる。
共通なのは、ステーションワゴンというボディ形状だ。

レヴォーグはボディサイズが大きく、価格も高い。その分、積載性や予防安全装備、スポーティな走行性能などに関しては、カローラツーリングよりも上回る。
走る楽しさは、まさにレヴォーグの美点だ。ガンガン攻める走りをしても、クルマがしっかりと反応してくれる。サーキット走行なども楽しめるレベルにある。
優れた予防安全装備面も、レヴォーグが上回る。低速域でのハンズオフ機能など、自動運転時代を感じさせる機能が満載だ。先進技術に惹かれるなら、やはりレヴォーグという選択になる。

カローラツーリングは、価格とのバランスがよい。予防安全装備はレヴォーグには届いていないものの、平均レベルは確保しているので安心できる。
走行性能も高いレベルにある。レヴォーグのように、サーキット走行などで走りを楽しめるようなレベルではないが、快適な乗り心地や気持ちのよいハンドリングにより、爽快なツーリングが可能だ。ロングドライブでも疲れは少ない。

そして、カローラツーリングハイブリッドは、とにかく燃費がよい。これは、カローラツーリングで最も優れた部分でもある。逆に、レヴォーグにとっては、カローラツーリングにかなわない部分だ。

端的に言えば、走行性能と先進予防安全装備への優先順位が高いのならレヴォーグ、燃費と価格、総合バランス重視ならカローラツーリングという選択になるだろう。

レヴォーグ カローラツーリング
総合得点(40点満点) 29.5点 29.0点
1.燃費 3.5点 4.0点
2.価格 3.0点 3.5点
3.購入時の値引きしやすさ 3.0点 4.0点
4.デザイン 4.0点 3.5点
5.室内空間と使い勝手 4.0点 3.5点
6.安全装備 4.0点 3.0点
7.走行性能 4.5点 4.0点
8.リセールバリュー 3.5点 3.5点