日産ルークスVSダイハツ タント 徹底比較~人気のスーパーハイト系対決~

自動車ニュース / ガリバー

2021.5.18

日産ルークスVSダイハツ タント 徹底比較~人気のスーパーハイト系対決~

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

ルークスvsタント

スーパーハイト系の軽自動車は、軽自動車の中でも最も人気のあるカテゴリーだ。
高い走行性能を誇る車種や、使い勝手の良い車種が増えている。
今回は人気の日産ルークスとダイハツ タントを徹底比較。
燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能などを比較・評価した。

この記事の目次 CONTENTS
日産ルークスの特徴
ダイハツ タントの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

日産ルークスの特徴

日産ルークス ハイウェイスター 日産ルークス ハイウェイスター( 以下ルークスの写真は記載がない限りハイウェイスター)

3代目となる日産ルークスは、2020年3月に登場した。
2代目の日産デイズ・ルークスから、デイズの名が外されているが、プラットフォーム(車台)などはデイズと共用している。
この3代目ルークスもデイズと同様、日産と三菱の軽自動車に関する合弁会社NMKVによる開発だ。
今回のモデルは、日産による企画・開発、三菱での生産となっている。

3代目ルークスは、ファーストカーとしての価値を追求した。
軽自動車ながら、今まで高級車に装備されていた運転支援技術や安全装備が用意されている。
優れた使い勝手や上質な内外装に加え、プロパイロットやSOSコールなどの先進技術も手に入れている。

ダイハツ タントの特徴

ダイハツ タント ダイハツ タント カスタム(以下タントの写真は記載がない限りカスタム)

4代目となるダイハツ タントは、2019年7月に登場した。
ダイハツ新世代クルマづくりである「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」を採用した第1弾のモデルだ。
世界初となるスプリットギヤを用いた新CVTなど、すべての機構を一新している。
しかしパワーユニットには、マイルドハイブリッドなどの技術は投入されていない。

2代目タントから搭載されている、ミラクルオープンドアも継続採用された。
左側ピラーレスで、大開口スペースが魅力的だ。
運転席を最大540mmスライドさせる機能もプラスされ、より使い勝手のいいモデルへと進化している。

1.燃費比較

ルークスの評価は3.0
タントの評価は3.5

マイルドハイブリッドのルークス惜敗

車種/エンジン種 燃費
ルークス/ターボ車 18.8㎞/L
ルークス/自然吸気車 20.8㎞/L
タント/ターボ車 20.0㎞/L
タント/自然吸気車 21.2㎞/L

日産ルークスには、低燃費化技術としてマイルドハイブリッドシステムが搭載されている。対するダイハツ タントは低燃費技術を搭載していないが、燃費がよい結果となった。
この差が付いた理由は車重が大きい。
ルークスの車重は940~1,000㎏、タントは880~920㎏だ。
スーパーハイト系は総じて車重が重く、小さなエンジンの軽自動車では負荷が大きい。
そのため、車重は燃費に大きく影響する。
ルークスは今後、軽量化が大きなテーマとなる。

2.価格比較

ルークスの評価は3.5
タントの評価は3.0

ルークスは価格は高いが、タントには無い先進装備があり、むしろお得感がある

2車種の価格帯は以下の通りだ。

  • 日産ルークス 1,415,700~2,066,900円
  • ダイハツ タント 1,243,000~2,002,000円

ルークスとダイハツ タントの価格帯を比べると、エントリーグレードではかなりタントが安価なのが分かる。
ただしタントのエントリーグレードには、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備「スマートアシスト」が装備されていない。
少しでも顧客に対して安価なイメージを持ってもらうためである。
スマートアシストを装着したタントのエントリーグレード価格は1,342,000円からだ。

ルークスのエントリーグレードは、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備が標準装備化されている。
ルークスの人気グレードであるハイウェイスターXプロパイロットエディション(FF)の価格は1,843,600円だ。
これに対して、同等レベルのタントカスタムXの価格は1,721,500円となっている。
価格差は約12万円だ。
ルークスには、タントにない機能として以下が標準装備されている。

  • マイルドハイブリッド
  • プロパイロット
  • SOSコール

SOSコールは、エアバッグが開くような事故などがあった場合、自動で専門オペレーターに通報してくれる。
救急車や警察への通報などもオペレーターが代行してくれるので、もしもの時に非常に頼りになる機能だ。
ルークスのハイウェイスターXプロパイロットエディションの装備は、多少装備差はあるものの、非常に魅力的といえる。
約12万円の価格差も十分納得できる。

3.購入時の値引き術

ルークスの評価は4.0
タントの評価は4.0

両車共に買い手が有利な状況。積極的に値引き交渉を!

コロナの影響もあり、新車販売も好調とはいえない状況だ。
加えて2021年5月現在、日産は経営再建中で、ダイハツはタントの販売が低迷中である。
タントは今までN-BOXに次ぐナンバー2だった。
しかし2020年度の軽自動車販売台数では、スズキ スペーシアに負け3位になっている。
ルークスもタントも、値引きしてでも販売台数を増やしたいと考えているだろう。
こうした買い手に有利な条件が揃っているので、しっかりと商談すれば大幅値引きが狙える。

ただし、何もしなければ値引きはゼロになってしまう。
新車購入だと、クルマを指名買いする顧客の値引き額は小さく、強気に値引き交渉する顧客の値引き額は大きくなる傾向がある。
指名買いすると値引きが期待できないので、「しっかりと値引き次第、支払総額次第」という姿勢で商談に望むことが重要だ。
大幅値引きを引き出すために重要なのは、ライバル車との競合である。
このクラスでは、デイズやタント、N-BOX、スペーシアがライバル関係だ。

大切なのは、商談する前にライバル車の見積りを取っておくことだ。
あくまで「本命は先に見積りを取ったモデル」と営業マンに思わせることが重要である。
相見積りをとることで、値引き交渉に乗ってくる可能性が一段と高くなる。

商談中も、あくまで本命車種を見破られないようにしたい。
本命だと見破られた瞬間から、値引き額は伸びなくなる。
ある程度値引き額が提示されたとしても、即決は禁物だ。
長めの商談期間を取り、ジリジリと値引き額を引き出すとよい。

ルークスもタントも、未使用車が流通している。
未使用車は、メーカーやディーラーの都合で届出(登録)しただけの車両のことだ。
ほとんど新車コンディションだが、一度届出ると中古車扱いになる。
そのため、価格も大幅に安くなっていてコストパフォーマンスに優れる。
未使用車をあえて選ぶというのも、賢い買い物と言える。

4.デザイン比較

ルークスの評価は4.0
タントの評価は3.0

質感の高さはルークスが一枚上手?

日産ルークスは、2つのデザインが用意されている。
基準車と、他社のカスタム系と同じハイウェイスターだ。

ルークス 基準車 ルークス 基準車

人気が高いのはハイウェイスターである。
基準車、ハイウェイスター共に「品があり凛とした軽スーパーハイトワゴン」を目指している。

ルークスの外観 ルークスの外観

フロントフェイスには、日産のデザインアイコンであるVモーショングリルを装備した。
ハイウェイスターは、このVモーショングリルを強調し、より迫力あるフォルムとなっている。

ルークスのフロントフェイス ルークスのフロントフェイス
ルークスのリヤエンド ルークスのリヤエンド

またルークスには、オーテックというカスタマイズグレードも設定されている。
基準車をベースに、内外装がさらに上質に仕上がっているグレードだ。
ワンランク上の設定があるのは、スーパーハイト系のこのクラスではルークスだけである。

ルークスのインパネデザイン ルークスのインパネデザイン

インテリアは、先代モデルからかなり改善された。
洗練された空間と、直感的な使い勝手で、クラスを超える質感に仕上がっている。
この質感は、クラストップレベルといえる。

ルークスのメーター ルークスのメーター

センターコンソール上部には、大型9インチのモニターを設置した。
設置場所も高く、視認性もよい。

ダイハツ タントは、基準車とカスタムの2タイプが用意されている。

タント 基準車 タント 基準車

基準車は、シンプルなデザインが魅力だ。
好き嫌いがあまり出ないデザインなので、多くの人に支持されるデザインだ。
逆に言えば、特徴が無いともいえる。

タントの外観 タントの外観

カスタムは、ボトム部に向けワイドに開いたグリルが特徴だ。
これにより安定感と迫力がアップしている。

タントのフロントフェイス タントのフロントフェイス

また、フロントフェイスは、LEDを多用しギラギラ感が演出されている。
夜間でも、ひと目でタント カスタムと分かるデザインだ。

タントのリヤエンド タントのリヤエンド

インテリアは、極細のAピラーで優れた視認性を確保しているのが特徴だ。
さらに水平基調のインパネデザインで、ワイド感をアピールしている。
ただ、立体感を出し凹凸感が強いデザインとなり、ややコッテリしたデザインとなった。

タントのインパネデザイン タントのインパネデザイン
タントのメーター タントのメーター

メーターはセンターメーター風となり、ダッシュボード奥に設置された。
その影響で、モニターはセンターコンソール中央に位置している。
モニター位置が低いため、視認性は微妙だ。

外観デザインに関しては、ある意味好みの問題もあるが、ルークスハイウェイスターの方がより大きく見える。
また、タントのインパネデザインは、少々メカ感がある。
上質感やリラックスできる空間という点では、ルークスが優勢だ。

5.室内空間と使い勝手

ルークスの評価は4.0
タントの評価は4.5

室内の広さはルークス、使い勝手はタント

スーパーハイト系の大きな魅力は、室内の広さだ。
広さと言っても、実際は頭上のスペースであり、その他広さはハイト系とほとんど変わらない。
とはいえ、スーパーハイト系は激戦クラスなので、各社フルモデルチェンジする毎に、ミリ単位で室内の広さにこだわっている。

2021年5月現在、最後発となる日産ルークスもクラストップレベルの広さを目指して開発されている。

ルークスの運転席 ルークスの運転席
ルークスの後席 ルークスの後席
ルークスの荷室 ルークスの荷室

ルークスのホイールベースは2,495mm、タントのホイールベースは、2,460mmだ。
ホイールベースは、室内の広さに直結する指標である。
そのため、ルークスの室内スペースはタントよりもやや広い。
使い勝手面でも、ルークスの後席スライド幅は320mm、スライドドアの開口幅も650mmと、クラストップレベルとなっている。

タントの運転席 タントの運転席
タントの後席 タントの後席
タントの荷室 タントの荷室

対するタントの左側ドアは、ピラーレスのミラクルオープンドアだ。
助手席ドアを開くと、1,490mmという驚愕の開口幅となる。
子どもや高齢者の乗り降りのしやすさだけでなく、大きな荷物の出し入れにも便利だ。
また、タントは世界初となる運転席540mmスライド機能をもつ。
この機能により、運転席から後席への移動も簡単だ。

広さではルークス、使い勝手ではタントが優勢といえる。

6.安全装備の比較

ルークスの評価は4.0
タントの評価は3.5

SOSコール有無が予防安全装備の差に

日産ルークスの予防安全装備は最新モデルで、機能も充実している。
歩行者検知式自動ブレーキは安心の全車標準装備だ。
上級グレードには、SOSコールや運転支援機能であるプロパイロットも標準装備化されている。
SOSコールは、エアバッグが開くような衝撃を受けた場合、専門のオペレーターからドライバーに連絡が来る機能だ。
ドライバーが意識を失っているなどの状況に応じて、オペレーターが救急車や警察などに通報してくれる。
こうした装備は、つい最近まで一部の高級車にしか装備されていなかった。
もしもの時に頼りになる機能が、軽自動車にも搭載されたのは大きい。

プロパイロットは高速道路などで同一車線内を維持しながら、全車速で先行車に追従走行する機能だ。
渋滞時のストップ&ゴーにも対応し、ドライバーの疲労軽減に貢献してくれる。
ただし、この機能が標準装備化されているグレードは限られている。
上級グレード以外はオプション設定もないので、注意が必要だ。

ダイハツ タントは、SOSコールを除くと、ルークスとほぼ同等の予防安全装備を搭載している。
以下の機能はターボ系モデルに標準装備している。
しかしその他のグレードでは、オプションでも選択できないので注意が必要だ。

  • 全車速追従式クルーズコントロール(プロパイロットに相当)
  • レーンキープコントロール(車線を維持する機能)

ルークスとタントの安全装備を比べると、SOSコールの有無が大きい。
SOSコールがないグレードであれば、両車はほぼ同等程度の予防安全装備だ。
だがもしもの時のために、こうした設定があることが重要だ。

7.走行性能の比較

ルークスの評価は4.0
タントの評価は3.5

操縦安定性、静粛性、乗り心地共に、ルークスの優位

ルークスのエンジンルーム ルークスのエンジンルーム
タントのエンジンルーム タントのエンジンルーム

日産ルークスのエンジン出力(車重:940~1,000㎏)

  • 自然吸気:52ps&60Nm
  • ターボエンジン:64ps&100Nm

ダイハツ タントのエンジン出力(車重:880~920㎏)

  • 自然吸気:52ps&60Nm
  • ターボエンジン:64ps&100Nm

両車のエンジンスペックは全く同じだが、車重はタントの方がすこし軽い。
ただ、加速性能などで差を感じることはなかった。
どちらの自然吸気エンジンも、車重が重いスーパーハイト系には少々負荷が大きく非力感がある。
おすすめは両車共に、ターボ車だ。

走行性能で差を感じたのは、操縦安定性である。
スーパーハイト系は全高が非常に高いため、横転の可能性も高い。
そのため、サスペンションを少し硬めにして対応しているモデルがほとんどである。
両車共に、乗り心地はやや硬めだ。
ルークスの方が若干サスペンションの動きがよく、乗り心地はよかった。

カーブは走行性能にやや差が付いた。
ルークスが素直に良く曲がるのに対し、タントはややダルなハンドリングだ。
また、カーブでの安定感もルークスが一枚上手である。
ルークスは重心が低い印象があり、カーブでフラつかず曲がる姿勢も安定している。
ルークスの走行安定性は、クラストップレベルといえるものだ。

静粛性も若干ルークスが上回る。
とくに、ロードノイズ(タイヤと路面が擦れて発生する音)が少ないのが特徴だ。

8.リセールバリュー比較

ルークスの評価は4.0
タントの評価は4.0

両車共に、上級グレードなら高リセールバリューが期待できる

日産ルークスやダイハツ タントのようなスーパーハイト系軽自動車は、軽自動車の中でも最も人気のあるカテゴリーだ。
そのため、すべてのスーパーハイト系モデルが高いリセールバリューとなっている。
リセールバリューが高いと、中古車価格も高くなるため、中古車としてはあまりコストォーマンスがよいとはいえない。
ただ、短期での乗り換えであれば、高値で売却できる可能性が高いのであまり損をすることはないだろう。

より高いリセールバリューを期待するのであれば、ルークスはハイウェイスターXプロパイロットエディションか、ハイウェイスターGターボプロパイロットエディションで純正ナビを装備した車両がよい。
タントでは、カスタムRS系に純正ナビを装着したモデルがおすすめだ。

新車に加えてチェックしておきたいのが、未使用車だ。
未使用車とは、買い手がいないのに届出(登録)しただけの車両のことを指す。
一度届出すると中古車扱いになるので、中古車店で新車よりも安価な価格で販売される。
ほとんど新車コンディションなので、好みのグレードや色などが合致する車両があれば積極的に選ぶとよい。
未使用車はコストパフォーマンスに優れている。

9.まとめ・総合評価

走行性能か? 使い勝手か? 何を重視するかで選択肢が変わる

日産ルークスの走行性能は、このクラスで完全に頭ひとつ抜けている。
スーパーハイト系は、背が高いため走行性能面では不安定になりがちだ。
しかしルークスは、そうしたスーパーハイト系の弱点を克服し安心して乗れるクルマに仕上がっている。
ターボ車であれば、高速道路での走りにも余裕があり、ロングドライブも快適に移動できる。

ダイハツ タントは、ルークスほどの走行性能はないが、使い勝手に優れた装備が魅力だ。
運転席のロングスライド機能や、伝統のピラーレスであるミラクルオープンドアなどのユニークさが際立っている。

ルークスとタントは優れたポイントが異なっているため、簡単には甲乙つけ難い。
走行性能重視ならルークス、使い勝手重視ならタントがおすすめだ。
クルマ選びの優先順位を決めておくことが大切だ。

ルークス タント
総合得点(40点満点) 30.5点 29.0点
1.燃費 3.0点 3.5点
2.価格 3.5点 3.0点
3.購入時の値引きしやすさ 4.0点 4.0点
4.デザイン 4.0点 3.0点
5.室内空間と使い勝手 4.0点 4.5点
6.安全装備 4.0点 3.5点
7.走行性能 4.0点 3.5点
8.リセールバリュー 4.0点 4.0点