この記事の目次 CONTENTS
自分でギアチェンジをするMT
軽量で故障も少ない
数が少ないMT車
絶対マニュアルで乗ってほしい3車種
マツダ「ロードスター」
トヨタ「86」
スバル「WRX STi」
初めてのMT車にオススメの2車種
スズキ「スイフトスポーツ」
スズキ「ジムニー」

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

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自分でギアチェンジをするMT

ハンドルレバーを操作するだけで、自動的にギアが切り替わるオートマチック(AT)に対して、自分でクラッチとブレーキを使ってギアを変えるマニュアルトランスミッション(Manual Transmission)車。

自分でギアを変えるからこそ、「クルマを操作している」という感覚を楽しむことができます。また状況や望む走りに合わせて、ギアを柔軟に変えられるのも嬉しいポイント。モータースポーツで見かけるドリフト走行などは、マニュアル車でないと難しいです。

軽量で故障も少ない

マニュアルトランスミッションというのは昔から使われている古い機構なので、構造もシンプル。そのため故障が少ないというメリットがあります。

また構造がシンプルなだけにトランスミッションの重量が軽く、それはクルマの軽さに繋がります。軽い分だけ速く走ることができますし、操作も機敏になります。また使う燃料も少なくて済むのです。

数が少ないMT車

WRX STI_外観

そんなMT車の最大の欠点は、展開車種が少ないこと。現在新車で購入できるクルマは以下の通りで、AT車に比べると圧倒的に選択肢が少ないのです。

【トヨタ】
・ヴィッツ
・コペン(※ダイハツのOEM供給車)
・カローラ/カローラツーリング
・カローラスポーツ
・カローラアクシオ/カローラフィールダー
・ヤリス
・C-HR
・86

【日産】
・ノート
・マーチ
・フェアレディZ

【マツダ】
・キャロル
・ロードスター/ロードスターRF
・CX-3
・CX-5
・CX-30
・MAZDA2
・MAZDA3
・MAZDA6セダン/ワゴン

【ホンダ】
・シビック
・S660

【スバル】
・BRZ(※トヨタ「86」と兄弟車)
・WRX STI

【スズキ】
・アルト/アルトワークス
・ジムニー
・ジムニーシエラ
・スイフト/スイフトスポーツ
・ハスラー
・ワゴンR

【ダイハツ】
・コペン

絶対マニュアルで乗ってほしい3車種

上記のようなマニュアル車ラインナップの中でも、以下のクルマは「ぜひマニュアル車を選んでほしい」「マニュアル車でなければそのクルマの魅力を充分感じられない」と断言できる3車種です。

・マツダ「ロードスター」
・トヨタ「86」
・スバル「WRX STi」

マツダ「ロードスター」

ロードスター 外観

・新車時価格(税込):249.5万円〜368.3万円
・中古車相場:19.9万円〜418.3万円

1989年に誕生して以来、30年以上愛され続けているマツダのロードスター。以前は直列4気筒2.0Lのみの設定でしたが、2015年に現行モデルである4代目にモデルチェンジ。それに伴い、搭載エンジンもSKYACTIVの直列4気筒1.5Lのみになりました。

マツダ唯一のFRレイアウトを維持し続けてきており、それだけにシフトチェンジをよりダイレクトに感じられます。まさしく自分の身体の延長のような、「人馬一体」の走りが楽しめる一台です。

トヨタ「86」

トヨタ86_外観

・新車時価格(税込):199万円〜648万円
・中古車相場:83万円〜598万円

スバルとトヨタの共同開発によって生まれたトヨタ「86」。スバルでは「BRZ」の名前で販売されています。「直感ハンドリングFR(後輪駆動)」をコンセプトに、スポーツ走行とその操作感を楽しむための一台として生まれました。

搭載しているエンジンは自然吸気の2.0L水平対向4気筒。ロードスターと同じFRですが、より排気量が大きくパワフルな走りが自慢で、6速MTを搭載したMT車は最高出力が207ps、最大トルクは212Nmです。(※AT車では200ps&205Nm)

スバル「WRX STi」

スバル WRX STI_外観

・新車時価格(税込):379.1万円〜710.6万円
・中古車相場:185.9万円〜729.9万円

スバル自慢のEJ型水平対向4気筒エンジンにツインスクロールターボを搭載し、さらにクロスレシオの6速MTを組み合わせたWRX STi。スバルのフラッグシップともいうべきクルマで、現在でもラリー車両のベースに使われています。

排気量はトヨタ「86」とほぼ同じ1994ccながら、305psという最高出力。タイプSでは時速100kmまで5.2秒で到達、最高速度は時速266kmという速さです。それでいて、速いだけでなく意のままに操縦する感覚を楽しむことができます。

初めてのMT車にオススメの2車種

「いきなりロードスターはハードルが高い…」「もう少しリーズナブルな価格のクルマを」という人にオススメなのが、コンパクトサイズながらMT車らしい操作感が楽しめる以下の2台です。

・スズキ「スイフトスポーツ」
・スズキ「ジムニー」

どちらもスズキのクルマですが、先ほどのラインナップでも分かるように、スズキはMT車が充実しているメーカーなのです。

スズキ「スイフトスポーツ」

スイフトスポーツ_外観

・新車時価格(税込):183.6万円〜203万円
・中古車相場:29.5万円〜244.2万円

スポーツ志向の本格なクルマでありながら、手頃な値段で手に入る一台として人気を集めてきたスイフトスポーツ。

現行の4代目は、それまでの1.6Lエンジンから1.4Lターボエンジンにダウンサイジングしましたが、最高出力は136psから140psとパワーアップ。レスポンスも良く、気持ちいい走りを楽しめます。

スズキ「ジムニー」

ジムニー_外観

・新車時価格(税込):145.8万円〜187.6万円
・中古車相場:5万円〜207.6万円

軽自動車でありながら、本格的なオフローダーとして高い評価を集めているスズキのジムニー。AT車でも悪路走行に強い一台ではありますが、アウトドアを楽しむ人にこそMT車を選んでほしいです。というのも、山や森に入って舗装されていない道を走れば、「力を強すぎると路面を掘ってしまう」といったシーンもあるもの。そんなときもMT車だと難なく対応できるからです。

エンジンは軽自動車だけにコンパクトで、660ccのインタークーラー付き直列3気筒ターボ。駆動方式はFRベースのパートタイム4WDで、4速ATと5速MTが用意されています。