この記事の目次 CONTENTS
免許返納の説得ハードルは高い
先進安全装備のクルマへの切り替えを
安全なクルマの見極め方
ガリバーでは中立的な目線から安全性を評価
国産セダンやミニバン、SUVは全般的に優秀
軽はグレードによる制約に注意
標準装備化が遅れるコンパクトカー
今のクルマを高く手放して購入資金の足しに
先に買取店で査定を受けておくと安心
手が届かない場合は中古車も候補に

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

免許返納の説得ハードルは高い

高齢者の運転ミスで大きな事故が起こってしまった2019年。年末年始のタイミングで、高齢の親御さんと今後の運転や免許返納について話そうという人も多いのではないでしょうか。

しかし実際には、免許返納までのハードルは高いようです。

住んでいる地域によっては「クルマ以外に移動の手段がない」という人もいるでしょう。また「足腰が弱い家族がいるから、病院に行くのにクルマが必要」という話も聞きます。

中古車のGulliverを運営する株式会社IDOMが実施した座談会でも、下記のような声がありました。
「今は家族の送迎とか病院行くのに必要ですし、まだ運転も楽しい。運転に対しても不安はありません。 もう一回免許の更新をして期限が来たら返納しようかなと思っています。(シニアドライバー・68歳女性)」

先進安全装備のクルマへの切り替えを

親御さんの年齢によっては「まだ免許を返納するほどの年齢ではない」という場合もあるでしょう。
またこの記事を読んでいる60代、70代の人も「まだ健康で運転にも問題ない」という人いることと思います。

しかしクルマとは、一度買ったら何年も乗るもの。
そして視力や瞬発力は徐々に衰えていくため、ついつい「まだ大丈夫」と思ってしまうことも多いものです。

だからこそ「まだ大丈夫」と思える内に、先進安全装備がついたクルマへの切り替えをおすすめします。

安全なクルマの見極め方

安全なクルマの見極め方

一口に先進安全装備といっても、様々な機能があって分かりにくい今日この頃。痛ましい事故を減らすという観点では、特に以下を備えているクルマを選ぶことをおすすめします。

・クルマだけでなく人にも反応する「自動ブレーキ」
・アクセルとブレーキの踏み間違いに対応する「誤発進抑制装置」

一口に「自動ブレーキ」といっても、「クルマだけでなく人にも反応して止まってくれるもの」と「クルマにしか反応しないもの」があるので、購入する時は注意が必要です。事故を減らすことを考えれば、ぜひ「対人自動ブレーキ」がついたクルマを選びましょう。

また誤発進抑制装置も、「前方の障害物しか検知できないもの」と「後方への急なバックにも対応してくれるもの」があります。こちらも、クルマ購入の時にはしっかりと見極めることをおすすめします。

※自動運転の機能を過信せず、責任を持って安全運転を心がけましょう。

ガリバーでは中立的な目線から安全性を評価

「色んなクルマがあって、結局どのクルマが安全なのか分からない」

そんな声にお答えして、ガリバーではボディタイプ別に「安全な車ランキング」を発表しています。数多くのメーカーのクルマを取り扱っているガリバーだからこそ作れる、客観的なランキングです。

国産セダンやミニバン、SUVは全般的に優秀

ラインナップが減っており、残っている車種は「クラウン」など高級なクルマばかりになっているセダンは、全般的に安全装備が充実しています。

また最近人気のSUVも、新しいモデルが多いことも手伝い、全般的に安全性能が高いです。特にマツダの「CX-5」やスバル「フォレスター」など、ミドルサイズのSUVは優秀と言っていいでしょう。

ミニバンは、ボディサイズが大きく死角が多いにも関わらず、価格に敏感なファミリー層がターゲットだったこともあり、少し前までは安全装備が貧弱でした。しかしここ数年の注目の高まりを受け、トヨタの「アルファード」「ヴェルファイア」 を筆頭に、安全装備の強化がなされています。

軽はグレードによる制約に注意

軽はグレードによる制約に注意

軽自動車を購入するなら、注意したいのが「先進安全装備をつけられないグレード」がある車種があるということ。「価格が安いエントリーグレードは搭載不可」となっている場合があります。

それを踏まえて、2019年末の段階で安全な軽自動車のランキングは以下の通り。

1位 ホンダ「N-BOX」
2位 日産「デイズ」/三菱「eKワゴン」

1位の「N-BOX」は、先進安全装備の「ホンダセンシング」を全車標準装備。ただし「レスオプション」という、ホンダセンシングを外すことで値段を下げられるオプションもあります。値引きに惑わされないようにしてください。

2位の「デイズ」と「eKワゴン」は、日産と三菱が共同開発したクルマであるため、実はほぼ同じクルマです。デザインに多少の違いがあるだけなので、好き嫌いがなければ、値段が安い方を買ってもいいでしょう。

標準装備化が遅れるコンパクトカー

デミオ 外観

先進安全装備の標準装備化が遅れているのが、国産コンパクトカーです。こちらも高齢者に人気のボディタイプなので、購入時には注意が必要です。

そんな状況のコンパクトカーで、安全な車ランキングの上位には以下のクルマがランクインしています。

1位 マツダ「デミオ」
2位 ホンダ「フィット」

全メーカーの中でマツダだけが、歩行者も検知できる自動ブレーキなどを含めた先進安全装備を、全てのクルマに標準装備しています。当然「デミオ」もその対象で、安全装備が貧弱なコンパクトカーの中では堂々の1位にランクインしています。

2位のホンダ「フィット」にも、高い技術を誇る「ホンダセンシング」が搭載できます。しかし先ほどの「N-BOX」が標準装備化されているのに対し、こちらの「フィット」はオプション扱いで、しかも一部のグレードには搭載もできません。

今のクルマを高く手放して購入資金の足しに

最近ではだいぶ手頃になってきた先進安全装備ですが「ちょっと高い…」と感じてしまうことも多いもの。

そこで注目したいのが、今のクルマの手放し方です。

特に下取りの場合、新しいクルマの値引き交渉に目が向いてしまい、今までのクルマの下取価格には無関心になりがちです。しかし他のお店では、もっと高く買い取ってもらえる可能性もあるのです。

先に買取店で査定を受けておくと安心

重要なのが、あらかじめ買取店の査定を受けておくこと。その見積書を持ってディーラーに行き、下取り価格と比較して決めれば、先進安全装備分くらいの費用くらいにはなることもあります。

「なかなか査定に行く時間がない」という人にはガリバーの査定アプリ「ガリバーオート」もおすすめです。これなら自宅にいながら、しつこい営業を受けることなく簡単に査定が受けられます。

手が届かない場合は中古車も候補に

「それでも高い…」という場合には、中古車も選択肢に入れてみることをおすめしています。

中古車でも、1年落ちや2年落ちのクルマなら安全装備も充実しています。それでいて価格は新車よりもリーズナブルなので、まずは「中古車って大丈夫かな」と見てみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

「これくらいの値段で、こんな装備がついているクルマが良いんだけど」などご相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。