スバルは、人気ワゴンモデルであるレヴォーグに、特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTを設定し、発売を開始した。通常買えるモデルとなにが違うのか、注目すべきポイントはどこかを詳しくまとめた。また、「最もオススメのモデルはどれか」という疑問にも回答している。

この記事の目次 CONTENTS
1.上級装備を標準装備化した特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORT
2.日本マーケットに合うよう開発されたレヴォーグ
3.2018年度上半期販売台数で苦戦のレヴォーグ。その理由は?
4.予防安全装備の標準装備化でグレードアップした特別仕様車
5.装備類は、スポーティグレードの1.6GT-S EyeSightとほぼ同じ
6.特別仕様車と1.6GT-S EyeSight、どちらを選ぶべき?
7.スバル レヴォーグ 特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTの価格、特別装備

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

1.上級装備を標準装備化した特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORT

発売が開始された特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTは、アイサイトセイフティプラスである先進予防安全装備や、その他の上級装備を標準装備している。
一方で、やや買い得感のある価格となっていることに注目だ。

2.日本マーケットに合うよう開発されたレヴォーグ

スバル レヴォーグは、2014年に登場した。
当初はワゴンモデルの設定しかなく、ほぼ日本専用車として開発されている。

日本で使うには大きすぎたレガシィツーリングワゴン

以前、スバルのワゴンと言えば、レガシィツーリングワゴンの人気が高かった。
しかし、レガシィシリーズは、北米マーケットのニーズを重視し、ボディがドンドンと大きくなっていった。

その結果、北米での販売台数は伸びたが、逆に日本マーケットでは販売台数を落としていった。
レガシィは扱いにくく大き過ぎるため、ユーザーからは「乗り換えるクルマがない」といった声が挙がるようになる。

ユーザーの不満と比例するように、レガシィの国内販売台数は減っていった。
すでに、多くの国内ユーザーがスバルから離れいている。

こうした状況を食い止めるためにも、日本マーケットに合ったワゴンが必要となった。
レヴォーグが開発された背景には、このような理由がある。

ガソリン仕様で日本マーケットを意識

レヴォーグの売れ筋グレードに搭載されたエンジンは、FB16型水平対向4気筒1.6Lターボ。
出力は170ps&250Nm、JC08モード燃費は16.0㎞/Lとなっている。

国内では、ハイオクガソリン仕様が敬遠される傾向があり、1.6Lターボエンジンはレギュラーガソリン仕様となっている。

3.2018年度上半期販売台数で苦戦のレヴォーグ。その理由は?

2018年度上半期のレヴォーグ新車販売台数ランキングは40位で、前年比71.3%となった。
販売台数面でかなり苦戦していることが分かる。

レヴォーグの新鮮さの無さ、スバルの営業力不足が理由

販売台数が振るわない理由には、すでにレヴォーグそのものが新鮮さを失ってきているという面もある。
ただし、昨年に対して約30%も販売台数が落ちているのは、それだけではなさそうだ。
それは、スバルの営業力が、今年フルモデルチェンジしたフォレスターに向いているという点だ。

そんな中、少しでも販売台数の底上げを狙って設定されたのが、お買い得感をアピールした特別仕様車レヴォーグ 1.6GT EyeSight V-SPORTということになる。

4.予防安全装備の標準装備化でグレードアップした特別仕様車

スバル レヴォーグ特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTは、エントリーグレードの1.6GT EyeSightをベースとしている。

特別仕様車でアイサイトセイフティプラスを標準装備化

ベース車のレヴォーグ1.6GT EyeSightには、歩行者検知式自動ブレーキを含む、先進予防安全装備「アイサイト」が標準装備化されている。
そのため、一定水準以上の安全性能を誇るクルマなのは間違いない。

しかし、レヴォーグ1.6GT EyeSightが300万円前後の高級車であることを考えると、この安全装備では物足りない。
とくに、後側方の車両を検知し警報を発する「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」や、ハイビームアシストくらいは欲しいところだ。
こうした装備は、レヴォーグ1.6GT EyeSightではセットオプションとなっている。

安全装備に関するこうしたネックは、特別仕様車では解消されている。
スバルリヤビークルディテクションも、ハイビームアシストも標準装備されているのだ。

今回「STI Sport」限定色のWRブルー・パールを採用

その他の装備では、足回りにビルシュタイン製ダンパーと18インチアルミホイール(ブラック塗装+切削光輝)を装着している。

エクステリアには、LEDヘッドランプ(ブラックベゼル)やダークメッキ加飾+ブラック塗装フロントグリルが装備されている
インテリアには、運転席8ウェイパワーシートと、アルミパッド付スポーツペダルが採用されている。

ボディカラーは、「STI Sport」にのみ設定していた外装色「WRブルー・パール」となっている。

5.装備類は、スポーティグレードの1.6GT-S EyeSightとほぼ同じ

レヴォーグ特別仕様車のベース車は、1.6GT EyeSightとなっている。
しかし、プラスされた装備を比較すると、上級グレードの1.6GT-S EyeSightに、アイサイトセーフティプラスを装備したのとほぼ同じだ。

そのため、実際には、1.6GT-S EyeSightベースの特別仕様車と考えても良いだろう。

特別仕様車ではオプション分の価格がお買い得に!

レヴォーグ特別仕様車の価格は3,078,000円となっている。
装備が酷似している、上級グレード1.6GT-S EyeSightと、同じ価格だ。

ここで注目したいのは、特別仕様車の方が「約162,000円お買い得」という点だ。
なぜなら、上級グレードではオプションとなっているアイサイトセイフティプラスが、特別仕様車では標準装備されているのだ。
つまり、オプション分の金額がお得ということになる。

6.特別仕様車と1.6GT-S EyeSight、どちらを選ぶべき?

スバル レヴォーグ特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTと比較対象となるのは、装備が酷似しているスポーティグレード1.6GT-S EyeSightだ。
「どちらを買うべきなのか?」という疑問には、「値引き次第だ」という返答になる。

1.6GT-S EyeSightはオプションの選択が必要

お買い得な特別仕様車は、通常「最初からお買い得なので値引きはあまりできません」と言われるケースが多い。
一方、上級グレードの1.6GT-S EyeSightが大幅値引きされれば、お買い得な特別仕様車の価値はなくなる。

特別仕様車と1.6GT-S EyeSightの2グレードで見積りを取り、より安い方を選択するといいだろう。
もちろん、1.6GT-S EyeSightには、アイサイトセーフティプラスをオプションで選択する必要がある。

ライバル車と競合させ、値引きを狙う

指名買いでは値引きを引き出すことができないため、ライバル車との競合は必須だ。
ただし、国産車には、レヴォーグのライバル車になるモデルが無い。

そのため、やや価格帯が異なるが、フォルクスワーゲン ゴルフヴァリアントや、プジョー308SWと競合させるとよい。

スバル レヴォーグのリセールバリューは、高い水準で推移している。
つまり、中古車として売却する場合でも、高価買取が期待できる。

7.スバル レヴォーグ 特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTの価格、特別装備

スバル レヴォーグ 特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORTの価格、特別装備は以下の通り。

レヴォーグ 特別仕様車1.6GT EyeSight V-SPORT価格

  • 1.6GT EyeSight V-SPORT:3,078,000円

レヴォーグ 1.6GT EyeSight V-SPORTの主な特別装備

  • 18インチアルミホイール(ブラック塗装+切削光輝)&225/45R18タイヤ
  • ビルシュタイン製ダンパー(フロント倒立式)
  • フロント17インチ2ポットベンチレーテッドディスクブレーキ
  • LEDハイ&ロービームランプ(ブラックベゼル)
  • コールドウェザーパック[フロントワイパーデアイサー/フロントシートヒーター]
  • アルミパッド付スポーツペダル
  • メッキ加飾付フロントグリル(ダークメッキ+ブラック塗装)
  • ブラックカラードドアミラー
  • アイサイトセイフティプラス(運転支援) [スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)/ハイビームアシスト(自動防眩ルームミラー付)]
  • アイサイトセイフティプラス(視界拡張)[フロント&サイドビューモニター]