日産は、BセグメントのコンパクトSUVであるジュークに新グレードとなるジューク15RX VセレクションStyle NISMO(ニスモ)の発売を開始した。

この記事の目次 CONTENTS
ニスモ専用エアロパーツを装着した新グレード
都会派SUVとしてデビューした標準車
ジュークニスモは、200ps!
遅すぎたジューク15RX VセレクションStyle NISMOの登場
日産ジューク15RX VセレクションStyle NISMO価格
日産ジューク「15RX VセレクションStyle NISMO」の専用装備

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ニスモ専用エアロパーツを装着した新グレード

新グレードとなる「15RX VセレクションStyle NISMO」は、2WDで売れ筋グレードとなる「15RX Vセレクション」をベースとし、NISMO専用のエアロパーツなどを装備した。

さらに、15RX VセレクションStyle NISMOに、インテリジェント アラウンドビューモニター、キセノンヘッドランプ、ディスプレイ付自動防眩式ルームミラーを装着した、「アラウンドビューモニターパッケージ」も設定している。

都会派SUVとしてデビューした標準車

日産ジュークは、2010年に登場した新型車。すでに、9年目を迎えモデル末期だ。標準車のジュークは、都会派SUVとして割り切られていた。デビュー当時は、1.5Lエンジンを搭載し114ps&150Nmをアウトプット。駆動方式は、SUVでありながら4WDが無くFF(前輪駆動)のみという割り切った設定だった。個性的なデザインや、SUVなので車高が高く見晴らしが良いため、運転しやすいということもあり、コンパクトカーの購入を考えていた顧客から多くの支持を得て人気モデルになった。

その後、やや遅れて1.6Lターボエンジンを搭載した16GT系が登場。190ps&240Nmという大出力と、トルクベクトル付きインテリジェント 4×4(4WD)が用意された。

ジュークニスモは、200ps!

2013年には、ジューク15RX VセレクションStyle NISMOの原点ともえいるジュークニスモがデビューした。
ジュークニスモは、16GT FOURをベースとし、出力は200ps&250Nmへアップ。さらに、専用エアロパーツや専用サスペンションを装備。スポーティな外観と優れた走行性能を誇った。16GT系にプラスされた装備類を考えると、ジュークニスモは価格アップが少なくコストパフォーマンスに優れたモデルだった。こうしたこともあり、ジュークニスモは人気グレードとなる。

速さにこだわったジュークニスモRSも登場!

ジュークニスモの走行性能をより引き上げたモデル、ジュークニスモRSが2014年に登場。ジュークニスモRSは、214ps&250Nmとジュークニスモよりさらにパワーアップ。その他、サスペンションやブレーキ、シートなどもグレードアップし、ジュークの最上級グレードとなる。
ただし、ニスモモデルは約300万円以上という高価な車両価格になっている。標準車の価格が200万円程度だったので、ニスモモデルは多くの人が乗れるモデルでは無かった。

遅すぎたジューク15RX VセレクションStyle NISMOの登場

何かと話題になったジュークニスモだったが、肝心の標準車は徐々に販売台数を落としていく。2017年度の登録車販売台数車種別ランキングで、ベスト50にも入れない状況になってしまった。人気のSUVなのだが、マーケットでは完全に存在感を無くしている。
ジューク15RX VセレクションStyle NISMOは、そんな販売不振を改善し、わずかでも販売台数を伸ばすために用意されたモデルだ。簡単にまとめると、ジューク15RX VセレクションStyle NISMOは、ニスモのエアロパーツ類を標準車に装着しただけといえる。走行性能関連のパーツは装備されていない。見た目を重視したモデルだ。

本来ならば、ジューク15RX VセレクションStyle NISMOは最も早く導入すべきだった。日本では、スポーティな外観をもつモデルの人気が高いからだ。
ただ、日産としては、ニスモブランドを安売りしていいのか? と、いう懸念もあった。ただ、ジュークにはニスモブランドのトップに君臨するジュークニスモRSが存在する。こうしたトップグレードは、高価で買えないものの、ニスモのブランドをより身近に感じたいというファンも多い。さらに、ニスモというブランドを全く知らない。走行性能の向上に興味はない。でも、エアロパーツが付いたスタイリッシュなモデルが欲しいというニーズも多い。ジューク15RX VセレクションStyle NISMOなら、そうしたニーズを満たすことができる。

しかも、ニスモというブランドを知ってもらえるいい機会にもなる。次もニスモモデルに乗りたい、と思ってもらえれば、今後大きなメリットにもなる。
ジューク15RX VセレクションStyle NISMOの登場で、ジュークの販売台数もやや好転するだろう。ただ、これだけモデル末期近くになると、ジューク15RX VセレクションStyle NISMOの投入は遅すぎた感がある。

日産ジューク15RX VセレクションStyle NISMO価格

ジューク15RX VセレクションStyle NISMOの価格は、2,247,480円。ベースの標準車と比べると、約21万円の価格アップだ。プラスされた装備の内容を見ると、まずまずの買い得感ある価格設定となっている。

ただ、すでに9年目というモデルに、約225万円という価格は決して安いとは言えない。同じクラスでライバル車になる、ホンダ ヴェゼルやマツダCX-3のガソリン車も十分に購入できる。ジューク15RX VセレクションStyle NISMOは、大幅値引きが条件になる。

グレード 価格
ジューク15RX V Selection Style NISMO 2,247,480円
ジューク15RX V Selection アランドビューモニターパッケージ Style NISMO 2,312,280円

日産ジューク「15RX VセレクションStyle NISMO」の専用装備

専用装備は以下の通り。

  • NISMO専用LEDハイパーデイライト(車幅灯連動)
  • NISMO専用サイドターンランプ付電動格納式リモコンブラックドアミラー(ドアロック連動格納機能付)
  • NISMO専用フロントバンパー
  • NISMO専用フロントグリル
  • NISMO専用オーバーフェンダー
  • NISMO専用サイドシルプロテクター
  • NISMO専用リヤバンパー
  • NISMO専用ルーフスポイラー(ハイマウントストップ付)
  • NISMO専用エキゾーストフィニッシャー
  • 215/55R17 94Vラジアルタイヤ&ブラック17インチアルミホイール(17×7J)