日産は、フレーム構造をもつSUVである新型テラを2018年春に中国で発売を開始する。日産によると、フレーム構造をもつSUVなどの販売台数は2016年比で2022年にはプラス60%になると予想。中国において重量な戦略車である。また、日本導入も検討されているモデルでもある。

この記事の目次 CONTENTS
今春、中国で発売予定の新型テラ
ベースは海外モデル「ナバラ」の模様
2.5Lディーゼルエンジンを搭載!

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

今春、中国で発売予定の新型テラ

日産の小型商用車(LCV)を経営戦略上重要な役割を担うカテゴリーとして位置付けている。日産は、2022年までにLCVとフレームSUVの販売台数を40%増やし、ピックアップトラックおよびフレームSUVでグローバルリーダーとなることを目指すとしている。

日産によるとフレーム車種の伸びは、2016年比で2022年にはプラス60%になると予想している。そんな中、とくに注目されているマーケットが中国。まだ、整備されていない道も多く、フレーム構造をもつSUVなどのタフなクルマへのニーズは多い。

アジア各国で順次発売する予定

そんな中国を含めたアジア圏において重要な役割を担う新型モデルが登場する。2018年春には、まず中国に投入されるのが新型日産テラ(TERRA)だ。

この新型日産テラは、今春より中国を皮切りに、アジア各国で発売する予定。日本への導入も検討されているモデルだ。

ベースは海外モデル「ナバラ」の模様

今のところ新型テラのスペックなど詳細は不明。ただ、公開された画像を見ると、どうやらアジアやオーストラリアなどで販売されているピックアップのナバラがベースとなっているようだ。

ナバラと同じとすぐに感じる部分がインパネのデザイン。この部分は、テラもナバラもほぼ共通といった印象だ。

しかし、外観デザインは大きく異なる。新型テラは、外観デザインは、日産のデザインアイデンティティでもあるVモーショングリルが装備され、力強さとタフネスさ、そして押し出し感のあるデザインになった。見た目の印象からナバラ感を消し、差別化しているのが特徴だ。

画像を見ると共通点も多いナバラ

2.5Lディーゼルエンジンを搭載!

ナバラがベースとなるのであれば、新型テラのパワーユニットもナバラベースとなるだろう。ナバラには、YD25DDTiと呼ばれる2.5Lディーゼルエンジンが搭載されてる。

タイ仕様の7速AT車には、140Kw&450Nmを発揮するタイプのディーゼルエンジンを搭載。450Nmという大トルクを誇るエンジンなので、フレーム構造をもつSUVであっても十分な力強さを誇るだろう。

日本への導入は?

そして、気になるのが日本への導入有無。難点となるのが、ボディサイズだ。ナバラのベースとなると、タイ仕様のダブルキャブ4WDで全長5,255×全幅1,850×全高1,820㎜前後。これは、トヨタ ハイラックスに近いボディサイズだ。

5mを大きく超えるサイズなので、ショッピングセンターなど狭い日本の駐車場では、頭ひとつはみ出しているような雰囲気になる。日本ではやや大き過ぎる感じもある。

日本マーケットで新型テラのような大型SUVでフレーム構造をもつ本格派4WDは数少ない。ライバルは皆無だと考えられるので、わずかな販売台数であれば売れる可能があるのは事実だ。しかしそのわずかな販売台数のために、日本の厳しい保安基準や排ガス規制などに合わせて導入するのは、かなり高コストになる可能性がある。そう考えると、日本への導入の可能性は低いかもしれない。