BMW X1は、BMWの中では最も小さく、価格も安い入門クラスのクロスオーバーSUV。BMWではSUVではなく、SAV(スポーツアクティビティヴィークル)と呼び、現行型(F48型)は、2015年に登場した2代目となる。

この記事の目次 CONTENTS
FRからFFへ大きく変化した2代目X1
絶妙に良くできたエクステリア
最新のモジュラーエンジンを搭載
FFという新しい価値観を持ったハンドリング
安心安全も楽しさの一つ
X1(2代目)の価格

ライター紹介

221616 編集部

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FRからFFへ大きく変化した2代目X1

初代(E84型)との違いは、FRベースのプラットフォームから、BMWミニと同じ、FFベースのプラットフォームに変更され、エンジンも縦置きから横置きになったことだろう。

スペース効率が向上

FFベースのプラットフォームになったことで、初代と比較すると、横幅は20mm拡大され、全高は35mm高くなったが、全長は30mm短くなっている。そして、ホイールベースは90mmも短くなっているにも関わらず、居住性は向上しており、FF横置きエンジンのスペース効率の良さには驚かされる。FRにこだわっていたBMWが、FFを良しとしたのも納得である。

絶妙に良くできたエクステリア

X1のエクステリアデザインは端的に評価すると、「良くできているな」と感心させられる。キドニーグリルにL型テール、そして深く入れられたサイドのキャラクターラインなどは、誰もが認めるBMWの普遍的な要素だ。

その大事な要素を損なうことなく、キドニーグリルは少々厚みを持たせ、サイドのキャラクターラインは斜めにせり上がる。そのデザインは、BMWらしいスポーツセダンでも、はたまた、ヘビーデューティなクロカンでもない、まさに絶妙な味付けがされている。

機能的で質感の高いインテリア

インテリアも、エクステリアと同じく、実に絶妙である。セダンよりも高められた着座位置でありながら、本格的なクロカンよりも低い。その結果、適度に見晴らしがよく、車幅感覚もつかみやすい。

また、BMWらしくドライバーを中心としたレイアウトと、適度な高級感を残しながらも、決して嫌味な派手さは無く、シックで落ち着きのあるインテリアに仕上げられている。

最新のモジュラーエンジンを搭載

エンジンラインナップは、ガソリンエンジンが、1.5リッターの3気筒と、セッティングによってパワーが違う2.0リッター4気筒の2種類。そして、静粛性、環境性能、動力性能のすべてにおいて世界的に高く評価される、2.0リッター4気筒ディーゼルである。これらのエンジンは、1気筒あたり500㏄で設定された、BMW社最新のモジュラーエンジンになっている。

4気筒でもBMWらしさの宿るエンジン

ひと昔前であれば、「リッター100馬力」というのが高性能エンジンかどうかを決める一つの指標になっていた。xDrive25iに搭載されている2.0リッター4気筒エンジンエンジンは、最高出力231ps/5,000rpm、最大トルク35.7kgm/1,250-4,500rpmを発生し、しかも、絞り出すという感じではなく、まだまだ余裕だと言わんばかりにスムーズで滑らか。

「BMWと言えばシルキーシックス」と思っているエンスージアスト達でも、この新しい4気筒エンジンならば、十分納得できるレベルなのではないだろうか。

FFという新しい価値観を持ったハンドリング

FFベースというだけで、あまり走りは期待できないと思いたくなる気持ちはよくわかる。確かに、エンジンが縦置きFRの3シリーズや先代X1と比べると、明らかに異なるフィーリングだ。しかしそれは、あくまで今までのFRと比べてどうかという話であって、現行のFFベースX1のフィーリングがダメということにはならない。

FFになったことで最も感じる良さは、直進安定性である。やはり後ろから押されるよりも、前から引っ張ってもらった方が、車は素直に進行方向に向かって進む。そして、当然のことながらBMWが作ってきたFFなのだから基本的なハンドリングも申し分ない。

つまり現行型X1のドライブフィールは、今までとは違う新たな良さと理解することで、BMWはFRだけじゃないと納得できるのである。

安定感のある身のこなし

SUVの高さのある視点は、解放感があるのと引き換えに、地面との距離を感じ、フワフワしたような不安感を覚えることがある。しかし、現行X1は、BMWらしい安定感のあるハンドリングを維持できている。駆動方式が変わり、先代と比べて、全高が高くなってはいるものの、軽量化と低重心化したことが大きく影響しているのだろう。

安心安全も楽しさの一つ

売れる車の大切な要素である安全性能についても、X1は一切抜かりない。衝突不可避と判断された場合に働く自動ブレーキや、ハンドルを振動させることで車線のはみ出しを警告するレーン・ディパーチャー・ウォーニングなどを標準装備。

また、車両の衝突や横転、または、エアバックが展開してしまうような事故に遭遇してしまった場合、自動的に車両からSOSを発信するBMW SOSコールも備えるなど、心強い装備も充実している。

苦手な駐車も車にお任せ

車高が高いSUVは死角が多く、狭い道や駐車が苦手というドライバーも少なくないと思うが、X1には、障害物との距離を警告する、パークディスタンスコントロールや、リヤビューカメラを備える。さらに、システムが自動でハンドル操作を行い、ドライバーはアクセルとブレーキの操作だけで縦列駐車が行える、パーキングアシストも心強い装備だ。

X1(2代目)の価格

現行型が販売を開始したのは2015年。初回車検を迎えることになる2018年には、中古車の流通量が増加するだろう。つまり、新車よりもお買い得感のある中古車を購入するのであれば、2018年が大きなチャンスでもあるのだ。また、このページでは現行型の良さばかり伝えてきたが、先代X1も、やはり縦置きFRという大きな魅力がある。これからX1の購入を考えているのであれば、新旧をよく比較し検討していただきたい。

グレード 価格
X1 sDrive18i 406万円
X1 sDrive18i xLine 434万円
X1 sDrive18i M Sport 452万円
X1 xDrive18d 452万円
X1 xDrive18d xLine 477万円
X1 xDrive18d M Sport 495万円
X1 xDrive20i 495万円
X1 xDrive20i xLine 514万円
X1 xDrive25i M Sport 533万円
X1 xDrive25i xLine 592万円
X1 xDrive25i M Sport 614万円