フィアット500フィアットは、主力コンパクトカーである「500(チンクエチェント)」に、限定車「Fiat 500 Super Pop Coccinella(スーパーポップ ・コッチネッラ)」を設定し、200台限定とし発売を開始した。

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優れたデザインは未だ魅力的だが、ハード部分が古くなってきた


フィアット500の日本デビューは、2008年とやや古い。すでに、9年が経過。完全にモデル末期状態だ。フィアット500の優れた部分は、これだけ長い期間が経過しているのに、まったく古臭く見えないデザイン力だ。古く見えないというより、今でも魅力的なデザインで、こうしたモデルは世界中でもフィアット500くらいだろう。
しかし、デザインは今でも高いレベルにあるものの、エンジンや安全装備といったハード部分の古さは隠しきれない。例えば燃費性能。スーパーポップの燃費値は19.4km/L。国産モデルは、1.3Lで25.0㎞/Lレベルに達している。しかも、フィアット500はハイオク仕様なので、燃料費はさらに高くなる。コンパクトカーとして重要な、ランニングコストはやや高めになる。

安全性能を重視する顧客にとっては、選びにくい

フィアット500そして、歩行者検知式自動ブレーキなどを含んだ先進予防安全装備が用意されていない。低速域で対車両の簡易型自動ブレーキさえも用意されていないのだ。
国産車では、すでに軽自動車にも歩行者検知式自動ブレーキが用意されている。フィアット500は、エアバッグなどは充実しているものの、先進予防安全装備は完全に遅れている状態だ。安全性能を重視する顧客にとっては、選びにくい状況だ。

特別感は価格のみ?!特別に価格を引き下げたコッチネッラ


フィアット500限定車「フィアット 500 コッチネッラ」は、「1.2 Pop」をベースとしている。車名の「コッチネッラ」とは、イタリア語で「てんとう虫」。幸せを運んでくれるシンボルと言われている。幸せを呼ぶてんとう虫をイメージしたエンブレムやステッカーを付加している。なんと、この限定車の特別装備は、エンブレムやステッカーのみ。ほとんど特別感がないシンプルな限定車だ。ボディカラーは、人気のボサノバ ホワイトとブルー ヴォラーレを設定した。

コッチネッラの魅力とは

では、この限定車の魅力は何か? 端的に言えば、価格だ。なんと、通常モデルより145,800円もお得な価格設定がされている。

フィアット500は、ナビなどを装備し価格アップを5万円ほどに抑えたお買い得車ナビゲーションパッケージを5月に発売したばかり。その翌月に、またお買い得な限定車コッチネッラを投入。もはや、フィアット500は叩き売り状態に入ったようにも見える。

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フォルクスワーゲン アップと競合させる、値引き術


フィアット500フィアット500は、国内フィアット車販売の基幹モデル。2016年の販売台数は4,229台で、輸入車車種別販売台数で17位。モデル末期の割には、かなり善戦している。
しかし、同じ輸入車でライバル車になるフォルクスワーゲン アップ! がマイナーチェンジした。アップ!の登場で、当然フィアット500は、販売台数を落とすことが予想できる。そこで、フィアット500は限定車という形で価格勝負に出たともいえる。

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ほぼ、価格引き下げといいった状況にあり、この状況はとても買い手に有利な状況だ。フィアット500の購入を考えているのだとしたら、今がチャンスだろう。限定200台なので、比較的容易に売れてしまうかもしれないが、限定車以外も大幅値引き状態になっているのは十分に予想できる。そのため、限定車が売り切れになったとはいえ、諦める必要はない。

フィアット500の値引き交渉術

まず、フィアット500の商談前にフォルクスワーゲン アップ! の見積りを必ずとっておきたい。その後、フィアット500の商談に入ろう。フィアット500は、ついでに見に来た程度で本命ではないといった雰囲気で商談を始めたい。

限定車は約15万円引きなので、それ以上の値引きを狙いたい。限定車も更なる値引きを狙いたい。まず、価格次第でフィアット500の購入もありという意思を伝え、営業マンから値引きをするように仕向けたい。その後、「50万円くらい値引きしてよ」と迫ってみるといいだろう。「さすがに50万円も値引きできません」といいながらも、一定の値引き額が提示されるだろう。そこで「じゃぁ、アップ!の購入をやめて500にするので、40万円値引きしてくれますか? 今、決めますよ」と迫ってみるといいだろう。「そんな値引きしたことありません」などと断ってくるかもしれない。多くの営業マンが値引きの上限を上げることはできないからだ。そこで「店長に今決めるから、決済求めてきてよ」とギリギリの値引きを迫ってみよう。営業マンは、今決めるという約束に弱い。相手の値引き額アップを確認しながら、徐々にこちらの要求する値引き額を引き下げながら、妥協点を見つけると上手くいく。

下取りの処理は必ず買取専門店で

こうした大幅値引きをした場合、注意したいのが下取り車の価格。値引きした分を取り返そうと、下取り車の価格を下げてくることもあるのだ。しかも、フィアット販売店の多くは、下取り車の再販能力が高いとは言えない。下取り車で損をしないように、事前に買い取り店へ行き査定してもらい、現在の正しい価格を知る必要がある。最終的に、最も高いところで売却すればいい。
こちらで今の車の買取相場をチェックしてから査定に行くと良いだろう。

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。

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