コンパクトカー(国産車) 人気おすすめランキングベスト3 2016秋

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの新車・コンパクトカー(国産)を聞きました。

  • RANKING BEST 1マツダ アクセラ

    マツダ アクセラ

    2016年7月に大幅改良が行われたマツダ アクセラ。コンパクトカーというカテゴリーに入るものの、デミオなどと比べるとやや大きなボディサイズをもつCセグメントに属する。アクセラは大幅改良で、ラインナップが大幅に見直された。2.0Lガソリン車が廃止され、CX-3にも搭載されている1.5Lクリーンディーゼルが新たに登場した。アクセラスポーツ(5ドアハッチバック)には、1.5Lと2.2Lのクリーンディーゼル、1.5Lガソリンを搭載。アクセラセダンには、1.5Lガソリンと2.2Lクリーンディーゼル、そして2.0Lハイブリッドが用意された。国産車でひとつの車種でガソリン、クリーンディーゼル、ハイブリッドと3つのパワーユニットをもつのはアクセラだけ。また、今回の大幅改良では、待望の歩行者検知式自動ブレーキ「アドバンスト スマート・シティ・ブレーキ・サポート」が一部のグレードを除き標準装備化された。

  • RANKING BEST 2日産 ノート

    日産 ノート

    Bセグメントと呼ばれる国産コンパクトカーの中で、ノートは唯一、歩行者検知式自動ブレーキを標準装備している。2012年のデビュー時には、横滑り防止装置(VDC)さえ標準装備されてなかったが、2015年7月のマイナーチェンジでは、歩行者検知式の自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキが全車に標準装備された。ノートには、ハイブリッド車がないのが弱点でもある。しかし、2016年末頃にエンジンを発電機として使いEV走行するシリーズハイブリッドが投入される予定だ。ガソリン車は、1.2Lと1.2Lミラーサイクル+スーパーチャージャー付が用意されている。どちらもガソリン車の中では、トップクラスの低燃費を誇る。

  • RANKING BEST 3スズキ イグニス

    スズキ イグニス

    イグニスは、全長3,700㎜というアクアやノートなどのコンパクトカーと比べても、さらに小さなボディサイズとなっている。この小さなボディでありながら、SUVとクロスオーバー車として、とてもユニークな存在だ。クロスオーバー車なので、全長は短くても、全高は高く1,595㎜もある。そのため、立体駐車場に多い全高制限1,550㎜を超えているので、こうした立体駐車場を使う人は、寸法上で車庫証明が取れず購入することができないのが難点でもある。ただし、全高が高いので意外と存在感があるのも特徴だ。そして、オプションだが歩行者検知式自動ブレーキであるデュアルカメラブレーキサポートが用意されており高い安全性能をもつ。エンジンは1.2Lのマイルドハイブリッド。モーターのみの走行はできないが、ボディが軽量であることもあり、優れた低燃費性能をもつ。

オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • アクセラ

    新しく追加された1.5Lクリーンディーゼル車は、優れた低燃費性能と力強さを両立した実用性の高いパワーユニットだ。燃費値は21.6㎞/Lとなっていて、20.4㎞/Lという1.5Lガソリン車をやや上回る。燃費差はわずかだが、クリーンディーゼル車は燃料に軽油を使うため20円/L前後ガソリンより安い。クリーンディーゼル車の価格は、30万円ほどガソリン車に対して高いが、エコカー減税免税のメリットや燃料費が安いので、この差はさらに縮まる。走行距離が長くなる人なら、燃料費差で元が取れるようになる。逆に走行距離が短い人は、ガソリン車の方がリーズナブルになる。

  • ノート

    ノートは、1.2Lミラーサイクルエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせるという、非常にユニークなエンジンを搭載する。コストの高いエンジンのため、低燃費だが車両価格が意外と高くハイブリッド車に近い。このエンジンを搭載したX DIG-Sグレードが売れ筋で、燃費は26.2 km/Lとガソリン車としてはトップクラス。それほど力強さが必要ないというのなら、23.4㎞/Lという燃費値の1.2L車もある。こちらは、車両価格が約20万円以上安くなるので、予算重視なら1.2Lモデルでも十分だ。

  • イグニス

    イグニスの価格は、他のコンパクトカーに比べるとやや高めだ。これは、ISGと呼ばれるモーター機能付きの発電機をもつマイルドハイブリッド機能が搭載されていることもある。それでも、やや高めの価格設定に変わりなく、生活の足としてという使い方にはあまり合わないだろう。イグニスは、このマイルドハイブリッド機能により、FFの売れ筋グレードで28.0㎞/Lという低燃費性能を誇る。ただし、モーターのみでのEV走行はできない。このマイルドハイブリッド機能と、スズキの軽量化技術によりわずか880kgという軽量ボディによるものだ。この燃費性能は、1.2L自然吸気エンジンではトップクラスの実力だ。

装備・使い勝手
  • アクセラ

    大幅改良により、歩行者検知式の自動ブレーキが一部グレードを除き標準装備された。アクセラはサイド&カーテンエアバッグも標準装備化されているので、国産車としてトップレベルの安全性を誇る。価格がやや高めなのは、こうした安全装備が標準装備されていることも要因のひとつだ。また、7インチWVGAセンターディスプレイ&コマンダーコントロールも、ほぼ標準装備化。コマンダーコントロールは、視線移動も少なく安全に操作ができる機能だ。

  • ノート

    ノートの魅力は、コンパクトカーでは数少ない歩行者検知式自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキ全車に標準装備化されていることだ。全車に標準装備化されているということは、より多くの安全なクルマが社会に増えていくことになり、結果的に交通事故死が減り社会貢献にもなる。とくに、こうしたコンパクトカーは高齢者や初心者が乗ることが多い。運転ミスが発生る可能性が多いクルマこそ、こうした安全装備は必要だ。さらに、移動物検知機能式のアラウンドビューモニターは、クルマの周囲を映像で確認できる。周囲の安全を確認できるので、不注意による人や物などの衝突防止に役立つ。

  • イグニス

    イグニスにはオプションではあるが、このクラスでは数少ない歩行者検知式自動ブレーキが用意されている。イグニスを購入するなら必ず装備したいオプションだ。オプション価格は97,200円で、サイドエアバッグなどもセットで装備されるので、リーズナブルな設定といえる。コンパクトカーは、横幅が狭く衝突時のエネルギーを吸収するスペースが少ない。そのため、安全性を重視するならサイドエアバッグも必須装備なのだ。イグニスは、最低地上高180㎜と高くオフローダーとしての機能もあるモデル。走破性を高めるために、4WDにはグリップコントロールと呼ばれる機能がプラス。急で滑りやすい下り坂を自動(約7㎞/h)で降りることができるヒルディセントコントロールも用意されている。

走行性能
  • アクセラ

    走りにこだわるマツダは、アクセラに初の技術であるG-ベクタリングコントロールを全車に標準装備した。この機能は、ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させることで、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールするもの。運転時に起きる揺れを軽減することができるので、同乗者の快適性もアップ。さらに、滑りやすい路面での操縦安定性も向上させている。下手なドライバーでも運転技術に優れたドライバーのような運転ができる。こうした装備を含め、全体的にスポーティで走る楽しさに満ちたクルマに仕上がっている。

  • ノート

    1.2Lミラーサイクル+スーパーチャージャーエンジンは、とてもユニークな仕様。通常時は、1.2Lミラーサイクルなので、優れた燃費性能を誇る。いざ力が必要なときには、スーパーチャージャーが動き1.5L車並みの力を発揮し力強い走りを披露。ただし、燃費は良くはない。つまり、パワーと低燃費を上手く使い分けることができる賢いエンジンといえる。乗り心地やハンドリング性能は、それほど進化していない。やや突き上げ感のあるフットワークや直進性は少々物足りないものだ。このあたりは、更なる改善を期待したい部分。走りを楽しむというタイプのクルマではない。

  • イグニス

    マイルドハイブリッド機能付きの1.2Lエンジンは91ps&118Nmという出力。とくに、優れた部分はないのだが、実際に走り出すとなかなかパワフル。これは、スズキの軽量化技術により880㎏と軽い車重が効いている。また、わずかだがモーターアシストも加わるので、元気の良い走りが可能だ。イグニスは、背の高いクロスオーバー車なのだが、軽量ボディが軽快感とパワフルさを際立たせ、連続するカーブなどもスイスイ駆け抜けていく。背の高さからくる不安感も少ない。通常走行時は、運転席が高いこともあり、視界が開け運転しやすい。また、着座位置が高めになっていることで、クルマに潜り込むような姿勢を取らなくてよいので、高齢者にとって乗り降りがしやすいのもイグニスの特徴のひとつだ。

デザイン
  • アクセラ

    アクセラ

    マツダのデザインコンセプトである魂動デザインを、さらに洗練させた。ワイド&ローなスタンスを際立たせ、大人の落ち着きを感じさせる精悍かつ品格のあるスタイルに仕上げた。躍動感のあるスタイルは、走る楽しさをもアピールしている。2.2Lのクリーンディーゼル車には、電動パーキングブレーキ(EPB)が採用され、センターコンソールまわりのデザインは、すっきりとしたものになっている。

  • ノート

    ノート

    日産車のデザインアイデンティティであるVモーショングリルが、ノートに採用されている。また、ボディサイドに入ったシャープなキャラクターラインなど、全体的にポテッとしたシルエットでありながら、こうしたデザイン手法によりスポーティな雰囲気にまとめられている。モデル途中で装備されたLEDヘッドランプは、より精悍なフェイスを作り出している。インテリアでは、やや地味目のカラーしかない内装色が少々物足りない点だ。そして、ノートの魅力はカスタマイズされたモデルが豊富なこと。エアロスタイル、ライダー、アクシス、ニスモと選択肢が豊富。より自分の好みに合ったモデルを選べるのが魅力。

  • イグニス

    イグニス

    小さいクルマがもつ独特の魅力を上手く引き出したデザインだ。アルトなどと共通するメガネをかけたようなデザインのヘッドライトなど、小さいクルマらしさがもつ愛嬌のあるスタイリングになっている。SUVとのクロスオーバー車だからといって、無理やり力強さやタフネスさを表現しようとしなかった点が上手い。あまりタフさを表現しなかった外観デザインに対して、インテリアデザインはSUVらしいタフで骨太感のあるデザインを採用。インサイドドアグリップなどは、オフロードを走行中に揺れる体を支えることができるくらい太くタフな仕様となっている。

新車値引き交渉術

マツダ アクセラは、基本的に値引きゼロ戦略を取っている。元々やや高めの価格設定の上、値引きゼロのため、ライバル車との支払総額差は広がり、国内販売台数は非常に厳しい状況になっている。それでも、国産車ならスバル インプレッサ、輸入車ならVWゴルフ、プジョー308などと競合させてみれば多少の対応はしてくれるはずだ。
日産ノートは、大幅値引きが期待できる。ノートの価格は高めなので、まず、アクアやフィットハイブリッドなどと必ず競合させたい。日産は三菱の燃費不正の影響で、軽自動車の人気が下がり営業マンも販売台数を伸ばせずにいる。そのため、営業力はノートやセレナに注がれており、一定の販売台数を確保したいからだ。競合となれば、大幅値引きしてでも売りたい状況にある。つまり、買い手が有利だ。
スズキ イグニスは、ボディサイズで比べると、やや小さいため直接のライバル車といえるクルマはない。とはいえ、指名買いでは値引きの期待はできない。イグニスはやや高価なので、同じ価格帯であるデミオやフィット、ヴィッツなどのガソリン車と競合させたい。あくまで、本命は他車であることを装い、「イグニスは面白そうなので見に来た」程度で商談したい。スズキも燃費不正の影響で、集客に苦しんでいるため、買い手有利なマーケット状況だ。
そして、下取り車の処理も重要だ。まず、新車ディーラーでは下取りありとなしの2つの見積りを取る。そこで、下取り車の価格がわかったら、買取店へ行き査定してもらおう。まずは、今乗っている車の本当の価格を知ることが大切だ。そこで、まず買取店の価格と下取り価格を比較しよう。一般的には、買取店の価格の方が高価だ。そうでないと、買取店には存在理由がない。もし、買取店の方が安い場合、下取りの方が高価なことを伝え、価格をアップしてもらう交渉をするか、他のお店に行ってみて査定してもらうといい。買取店同士で競合させるのもひとつの方法だ。最終的には、最も高価な価格で売却できる店に売ればいい。また、買取価格だけでなく新車が来るまでの間、お店によっては代車サービスをしてくれるので、そうしたサービスを積極的に使うのもよい。このように顧客側にメリットの高いサービスをしてくれる買取店がおすすめだ。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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