スズキにとって世界規模で非常に重要なコンパクトカーが「スイフト」だ。スズキの国内登録車数ではソリオに次いで2番目に売れている車種でもある。そんな人気モデルであるスイフトの新旧モデルを燃費や価格、内装などについて比較・評価。新車・中古車購入時の参考にしてほしい。
中古車情報
- スズキスイフトの概要
- 新型スイフトはリアドアハンドルの位置が大きく変わった
- 新型スイフトは運転支援の検知能力が大幅に進化
- 新型スイフトは静粛性や使い勝手が向上
- スポーティさなら3代目、静寂性・快適性も求めるなら4代目スイフト
- 中古車らしい買い得感の3代目スイフト
- スイフトのおすすめは3代目?それとも新型の4代目?
- 新型スイフトの価格
- 新型スイフトの燃費、ボディサイズなどスペック
スズキスイフトの概要
スイフトの歴代モデルと、日本での販売年月は以下の通りだ。(スイフトスポーツを除く)
歴代モデル |
発売年月 |
*初代(国内) |
2000年~2004年 |
初代(グローバル) |
2004年~2010年 |
2代目 |
2010年~2017年 |
3代目 |
2017年~2023年 |
4代目 |
2023年~ |
※2023年12月に登場したDS系スイフトは、国内では5代目となる。しかし、スズキでは2004年に登場したグローバルモデルを初代スイフトとしていることから、この記事内では2023年12月に登場したDS系スイフトを4代目として表記した。
スズキ スイフトは、欧州で徹底的に走り込みを行い優れた走行性能を実現し、国産コンパクトカーの中で人気モデルとなっている。初代モデルは2004年に登場。欧州仕込みのスポーティなサスペンションセッティングなど、走りの良いコンパクトカーとして人気を不動のものとした。
歴代スイフトは、基本的にキープコンセプトだ。大きな方向性に変更は無く、一貫して走りと実用性、燃費にこだわってきた。
※上図:3代目スイフトの全景
2017年登場の3代目にあたる先代スイフトは、軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム「ハーテクト」を採用した。歴代スイフトが磨き続けていたハンドリング性能をさらに向上させている。デビュー当初、搭載されているパワートレインは以下の3種類だった。
- 1.2L直列4気筒DOHCエンジン+5MT・CVT
- 1.2L直列4気筒マイルドハイブリッド+CVT
- 1L直列3気筒ターボ+6速ATの3種類
3代目スイフトはRSグレードを設定しているのが特徴だ。欧州の道路環境である高い速度域を想定し、フラットでしっかりとした乗り味と直進安定性を発揮するサスペンションを採用している。
運転支援システムは、スズキ初採用となる単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」をはじめ、以下を搭載している。
- 誤発進抑制機能(5MT車を除く)
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 先行車発進お知らせ機能
- ハイビースアシスト機能(ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替え)
2017年7月にはスズキ独自の1.2L直列4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッド車を追加し、燃費32.0km/L(JC08モード)を実現した。また、欧州仕様のチューニングを施したRSにCVT車を設定。駆動方式も2WD、4WDを設定することで幅広いニーズに応えている。
3代目スイフトが初の一部改良を行ったのは、2020年5月のことだ。運転支援システムの拡充を実施し、以下の機能を全車標準装備とした。
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
- リアパーキングセンサー
- アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
- 車線逸脱抑制
- 標識認識機能
- ブラインドスポットモニター(隣接車線の後方から接近する車両を検知)
- リアクロストラフィックアラート(駐車場などで自車の後方左右から接近する車両を検知)
標準車のスイフトのグレード構成の変更も実施している。1.0Lターボ車が廃止された一方、新たにハイブリッドSZを設定した。エアロ形状の前後バンパーやルーフエンドスポイラーを採用したグレードだ。
※上図:4代目スイフトの全景
4代目にあたる新型スイフトは、2023年12月に発売開始した。コンセプトは「エネルギッシュ×軽やか・日常の移動を遊びに変える洗練されたスマートコンパクト」だ。歴代スイフトの魅力であるデザインと走りに「クルマと日常を愉しめる」という新たな価値が加わったコンパクトカーとなった。
新型スイフトは取り回しのしやすい5ナンバーサイズをキープした。クルマの骨格にハーテクトという実績のあるプラットフォームを採用することで、高剛性と軽量化を両立している。さらにボディの結合部に減衰接着剤を塗布し、バッフル材の追加やダッシュパネルの板を厚くすることで、高い静粛性を実現しているのが特徴だ。
搭載するエンジンは、新開発のZ12E型1.2L直列3気筒DOHCエンジンだ。燃費性能を追求し、シリンダーヘッドの改善や電動ウォーターポンプなど7つの大きな改良によって高効率を実現。最高出力82ps、最大トルク108Nmを発生しながら、燃費性能はWLTCモードで24.5km/L(MZ 2WD CVT車)を達成している。
エントリーグレードのXGを除くグレードには、マイルドハイブリッドシステムを搭載した。最高出力3.1ps、最大トルク60Nmを発生するモーター機能付発電機+リチウムイオンバッテリーを組み合わせたものだ。
トランスミッションには高効率CVTを採用。トルクコンバーターに低剛性化したダンパーを用いており、空走感を減らしつつ高い静粛性能と燃費性能を実現している。なおトランスミッションはCVTに加え、中間グレードのMXに5速MTを用意した。駆動方式は5速MT車が2WD(FF)のみだが、CVT車は全グレードで2WDと4WDを選ぶことが可能だ。
運転支援システムは、単眼広角カメラと超音波センサーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全車に標準装備した。右左折時の歩行者・自転車、右折時の自動二輪車も検知可能となった。
オプションではドライバーモニタニング機能が新たに加わった。ナビゲーション横に設置されたカメラがドライバーの居眠りや脇見を検知すると、室内ブザー音とメーター内表示でドライバーに警報を行い注意喚起してくれる機能だ。
コネクテッドサービスにはスズキコネクトを採用した。24時間365日つながる安心のオペレーターサービスに加え、スマートフォンによるクルマの操作や駐車位置の確認など便利な機能を提供してくれる。
新型スイフトのエンジンの排気量は1.2Lのままだが、先代は4気筒だったのに対して新型は3気筒になった。そして運転支援システムのカメラやセンサーが大きく進化したことがトピックスと言える。
新型スイフトはリアドアハンドルの位置が大きく変わった
コンセプト&外装デザイン比較
※上図:3代目スイフトの後景
3代目スイフトは2017年1月から販売開始された。キャッチフレーズは「エキサイティング・コンパクト」だ。個性的でスポーティなデザイン、しっかりとしたハンドリングと高い走行性能、取り回しの良いサイズ感が魅力だ。
※上図:3代目スイフトのフロントフェイス
外観デザインは、スイフトらしいスタイリングを継承しながら、重心の低いプロポーションと躍動的なフォルムを採用し、大胆に進化した。大開口のフロントグリルを中心としたフロントマスクで力強さと存在感を表現している。
サイドは5ナンバーサイズをキープしながらも、フェンダーの張り出し感を強調し、力強さと安定感のあるスタイリングとした。
※上図:3代目スイフトのリヤエンド
3代目スイフトは、2020年5月の一部改良で外観が変更されている。新意匠のフロントメッキグリルによって全車メッシュパターンで統一された。RS、ハイブリッドRS、ハイブリッドSZに装着されている16インチアルミホイールも新意匠に変更されている。
4代目にあたる新型スイフトは2023年12月に登場した。コンセプトは「エネルギッシュ×軽やか 日常の移動を遊びに変える洗練されたスマートコンパクト」だ。スイフトの魅力であるデザインと走りに加えて「クルマと日常を愉しめる」とい新しい価値をユーザーに提供する。
※上図:4代目スイフトの後景
新型スイフトは、一目見たら印象に残るデザインを追求した。ボディ全体のラウンドした動きを表現したスタイリングと、外側へ張り出したフェンダーの組み合わせにより、走行性能の高さを想起させる。フローティングルーフを採用したことで、軽快な印象を与えてくれる。
空気抵抗は先代スイフトより約4.6%低減した。バックサイドスポイラーの採用をはじめ、フロントストレイク、フロントナンパー、ホイール形状などを最適化したことで実現している。
※上図:4代目スイフトのフロントフェイス
フロントグリルには、光沢を放つピアノブラックを採用し上質感を演出した。ワイド感は、LEDヘッドランプ、LEDフォグランプ、リアコンビネーションランプによってさらに強く感じられる。リアの台形フォルムとの相乗効果により、安定感のある佇まいとなった。
※上図:4代目スイフトのリヤエンド
スイフトの先代と新型におけるデザイン面での大きな違いは、リアドアハンドルにある。先代はCピラーガーニッシュに埋め込んでいたが、新型ではオーソドックスにドアパネルに装着した。デザインは正常進化といえるが、新型スイフトはシルバー加飾を多用し上質感を強調している。
新型スイフトは運転支援の検知能力が大幅に進化
予防安全装備の比較
※上図:3代目スイフトのインパネデザイン
2017年から販売された先代スイフトの運転支援機能は、スズキセーフティサポートである。単眼カメラとレーザーレーダーを採用した衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」を核としたもので、以下を搭載している。
※上図:3代目スイフトのメーター
3代目スイフトは2020年の一部改良で、運転支援機能を充実させている。先述の機能に加えて、以下を全車標準装備したのだ。
- 後退時ブレーキサポート
- 後方誤発進抑制機能
- アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
- 車線逸脱抑制機能
- 標識認識機能
- ブラインドスポットモニター(車線サポート付。隣接車線の後方から接近する車両を検知)
- リアクロストラフィックアラート(駐車場などで自車の後方左右から接近する車両を検知)
国産コンパクトカーの中でトップレベルの運転支援機能の充実を誇った。
※上図:4代目スイフトのインパネデザイン
2023年12に登場した新型、4代目スイフトは日常生活をサポートする最新のスズキセーフティサポートを採用した。
「デュアルセンサーブレーキサポートII」は単眼カメラとミリ波レーダーに変更され、先代よりも画角・検知エリアが拡大した。検知対象に自転車や自動二輪車も追加し、交差点での検知も可能となった。
※上図:4代目スイフトのメーター
以下の機能も加わり、さらに運転手の負担を軽減してくれるクルマとなった。
- アダプティブハイビーム(車両前方の状況を認識し、ハイビームの照射範囲を制御)
- 車線維持支援機能(車線中央付近の走行をキープできるようにサポート)
- 車線逸脱抑制機能(車線をはみ出さないようにサポート)
- アダプティブクルーズ(高速走行時や渋滞時に運転操作をサポート)
ドライバーモニタリングシステムも一部グレードで採用している。ナビゲーション横に取り付けたカメラによってドライバーの居眠り、眠気、脇見を検知して注意を促し、安全運転をサポートする機能だ。
2025年4月現在販売している国産コンパクトカーの中で、2020年に一部改良後の3代目スイフトは運転支援機能はトップレベルを誇っている。
しかし、新型スイフトは大幅な進化が見られる。自動ブレーキの検知対象や検知シーンの大幅な拡大や、これまで上級車にしか搭載されていなかったドライバーモニタリングシステムも搭載している。
予防安全装備の技術は日進月歩。設計が新しいモデルほど高性能になるので、その差は大きい。
新型スイフトは静粛性や使い勝手が向上
内装、室内空間の比較
3代目、4代目スイフトのボディサイズは以下の通りだ。
先代:3代目スイフト
ボディサイズ |
全長3,840mm×全幅1,695mm×全高1,500mm (4WDは全長1,525mm) |
ホイールベース |
2,450mm |
新型:4代目スイフト
ボディサイズ |
全長3,860mm×全幅1,695mm×全高1,500mm (4WDは全長1,525mm) |
ホイールベース |
2,450mm |
※上図:3代目スイフトの運転席
3代目スイフトはプラットフォームに「ハーテクト」を採用し、軽量化と高剛性を両立した。ボディやエンジン、足回りなど車両全般に徹底した軽量化を図ることで従来モデル比120kgの軽量化を実現している。走行&燃費性能の向上に加えて、居住性と積載性の両立にも貢献している。
※上図:3代目スイフトの後席
フロントドア、リアドアの開口高を拡大し、十分な乗降性を確保。さらに荷室開口地上高を従来モデルより80mm低くすることで、荷物出し入れ時の使い勝手を向上させている。
※上図:3代目スイフトの荷室
インテリアは、ドライバーを中心としたスポーティかつ操作性に優れた構成で、高い質感と先進性を表現している。ナビゲーションパネルやエアコンの操作系を運転席側に5度傾けて配置することで、スポーティな印象と操作性を彷彿させる。
スポーティなD型ステアリングホイールは操作性、乗降性に貢献した。フロントシートは着座時のフィット感、振動吸収性、旋回時のホールド性を強化している。座面形状とバネ配置の最適化、高性能低反発ウレタンの採用、サイドボルスターを高くした賜物だ。
RS系モデルは、スポーティかつ洗練された内装空間を演出している。センターコンソール、ステアリングホイール、シフトブーツ、専用ファブリックシート表皮にシルバー加飾やシルバーステッチを施した。
※上図:4代目スイフトの運転席
4代目スイフトは、エンジン透過音、ロードノイズなどを低減し、高い静粛性を実現している。ボディ結合部に減衰接着剤を塗布するとともに、バッフル材の追加やダッシュパネルの板を厚くした恩恵だ。
※上図:4代目スイフトの荷室
先代モデル同様に5ナンバーサイズのボディだが、荷室開口高の地上高を低くし、開口高や荷室幅も拡大した。荷室容量の変化は少ないが、使い勝手はぐっと向上している。
※上図:4代目スイフトの後席
インテリアは、コクピット風レイアウトを採用。ドライバーを中心にオーディオ、エアコンパネル、スイッチ類を配置した。ドライバーの手が届きやすく、高い操作性と視認性が共存している。
4代目スイフトも先代同様に5ナンバーサイズボディをキープした。プラットフォームもキャリーオーバーしているため、室内空間の広さに大きな変化はない。だが4代目スイフトは、静粛性や使い勝手が向上している。燃費性能は新型が有利だが、走りの楽しさを強調しているのは先代と言える。
スポーティさなら3代目、静寂性・快適性も求めるなら4代目スイフト
走行性能、燃費性能の比較
先代と新型スイフトの最高出力と燃費性能は以下の通り。
先代:3代目スイフト(JC08モード)
|
最高出力 |
燃費性能 |
1.0L直3ガソリンターボ |
102ps |
20.0km/L |
1.2L直4ガソリン |
91ps |
22.6~24.0km/L |
1.2L直4ガソリンマイルドハイブリッド |
91ps |
25.4~27.4km/L |
1.2L直4ガソリンハイブリッド |
91ps |
32.0km/L |
新型:4代目スイフト(WLTCモード)
|
最高出力 |
燃費性能 |
1.2L直3ガソリン |
82ps |
22.0~23.4km/L |
1.2L直3ガソリンマイルドハイブリッド |
82ps |
22.7~25.4km/L |
※上図:3代目スイフトのエンジンルーム
3代目スイフトは4種類のエンジンを用意しており、多彩なパワートレインが特徴だ。
- 1.2L直列4気筒エンジン、マイルドハイブリッド、フルハイブリッド
- 1L直列3気筒ターボ
中心となるK12C型1.2L直列4気筒エンジンは、熱効率を向上させたデュアルジェットエンジンだ。燃焼改善技術により圧縮比を12.0から12.5まで上げることで、熱効率を高めた。さらに冷却性能の向上や混合気最適化などにより、ノッキングを抑制している。優れた燃費性能と走行性能を両立を可能にしたのは、低回転域でのトルク向上に加え、フリクション低減やエンジンの軽量化およびコンパクト化によるものだ。
1.0L直列3気筒ターボエンジンは、直噴化と過給器により1.0Lという小排気量ながら、1.5L自然吸気エンジ相当の高出力、高トルクを実現している。また、1.2Lエンジンのフルハイブリッドシステムは、MGUと呼ばれる駆動用モーターと軽量コンパクトで伝達効率に優れたオートギヤシフト(AGS)を組み合わせたスズキ独自のシステムだ。
組み合わされるトランスミッションは、CVTを中心に多彩だ。
- 1.2L直3エンジン、マイルドハイブリッド:5速MT
- 1.2Lフルハイブリッド:5速AT
- 1Lターボ:6速AT
駆動方式は2WDを中心に1.2L直3エンジン&マイルドハイブリッドに4WDを設定した。
軽量・高剛性を両立したプラットフォームのハーテクトは、優れたハンドリング性能としなやかな乗り心地を両立するため、サスペンションを新設計し、路面の異なる欧州各国で走り込みや性能確認を実施している。
さらに、RS、ハイブリッドRS、RStはフラットでしっかりとした乗り味と直進安定性を実現している。速度域の高い欧州の道路環境を想定し、ショックアブソーバー、タイヤ、電動パワーステアリングに欧州チューニングを施したのだ。
※上図:4代目スイフトのエンジンルーム
対する4代目スイフトは、1.2L直列3気筒ガソリンエンジン1種類をベースに、マイルドハイブリッドの有無というシンプルな構成だ。1.2L直列3気筒エンジンは新開発されたZ12E型で、街乗り走行での軽快な走行性能を両立している。これは効率化による高い燃費性能と、低速から滑らかに上昇するトルク特性によるものだ。
トランスミッションは、軽量化を実現した新開発のCVTが中心だ。静粛性と燃費性能に貢献している。ハイブリッドMXには5速MT車も用意されている。
駆動方式はCVT車が2WDと4WD、5速MT車は2WDのみだ。
軽量・高剛性ボディを実現できたのは、軽量で強度の高い高張力鋼板の使用範囲の拡大や、構造用接着剤の採用によるものだ。さらに、リアサスペンションの伸び縮みするストローク量を増やし、路面の凹凸などによる大きな衝撃を緩和した。
ただ、実際の乗り心地は、やや硬めだ。走行速度が上がると、徐々にしなやかさが増してくる。
操縦安定性も高めている。スタビライザーの仕様変更を行い、コーナリング時の車体の傾きを抑えた恩恵だ。
スポーティさが強調されているのは、3代目スイフトだ。欧州チューニングを施したグレードを設定しているためである。4代目スイフトは、歴代スイフトのもつスポーティさに加え、静粛性などの快適性も重視。先代スイフトより、ワンランク上のクルマに仕上がったと言える。
中古車らしい買い得感の3代目スイフト
価格比較
3代目スズキ スイフトの中古車相場は以下の通り。(2025年3月調べ)
- 3代目スイフト中古車相場(2022年式):約90~160万円
- 2022年最終モデルの新車価格帯:1,388,200~2,048,200円
4代目スイフトの新車価格は以下の通り。
|
2WD |
4WD |
XG CVT |
172万7000円 |
189万2000円 |
ハイブリッドMX 5MT |
192万2800円 |
ー |
ハイブリッドMX CVT |
192万2800円 |
208万7800円 |
ハイブリッドMZ CVT |
216万7000円 |
233万2200円 |
3代目スイフトの後期モデルで3年落ち(2025年比)である2022年式の中古車相場は、約90~160万円となった。当時の新車価格に対して、約65~78%だ。旧型モデルになったことも影響し、順調に中古車価格は下がっていて、中古車らしい買い得感が出てきている。
3代目スイフトの中古車価格は、おもしろいことに年式が古くなってもあまり下がらないのが特徴だ。8年落ち(2025年比)となる2017年式でも中古車相場は約70~120万円を維持している。3代目スイフトの中古車は、なるべく年式の新しい車両を選ぶのがおすすめだ。
4代目スイフトの新車価格は、3代目スイフトよりもやや価格がアップした。燃費性能や予防安全装備の性能向上分などが大きいので、妥当な価格アップといえる。
3代目スイフトは中古車でしか買えないので、単純比較はできない。だが、価格の安さという点では、3代目スイフトのコストパフォーマンスはなかなかのもの。
一方4代目スイフトは、燃費や予防安全装備など、ほぼすべての面で3代目スイフトを上回っている。この性能差をどう判断するかで、選択肢は変わってくるだろう。
スイフトのおすすめは3代目?それとも新型の4代目?
4代目スイフトは予防安全装備が大幅に進化し、上質な走りを実現した。非常にコストパフォーマンスが高いコンパクトカーと言える。
対する3代目スイフトは、2020年の一部改良後のモデルで予防安全装備や運転支援機能が充実した。中古車で狙うなら、この改良後のモデルがお勧めだ。
「3代目か?4代目か?」という質問は、何を重要視するかで正解が変わる。とにかく安価に抑えたいのなら3代目スイフトだ。2022年式など高年式であっても、予算が160万円ほどあれば、最上級グレードで程度のよい中古車が買える。
価格よりも、優れた予防安全装備や低燃費性能を重視するならば、4代目スイフトになる。予防安全装備と燃費性能の差は、かなり大きい。
3代目スイフトのお勧めのグレードやオプションは?
3代目スイフトは2017年~2023年に販売されており、100万円以下で購入できる中古車が数多く出回っている。中古車は1.2Lエンジンを搭載したモデルが中心だ。1Lターボ車も数は少ないが比較検討できる程度には流通している。
お勧めのグレードのひとつ目は、1.2ハイブリッドRS。運転支援機能が充実した2020年の一部改良後が良いだろう。トランスミッションはCVTのみだが、欧州仕様のしっかり感のある乗り味が楽しめる。もう一つは1.2RSの5速MT車だ。100万円台で手に入る貴重なコンパクトMT車だ。
オプション装備は、全方位モニター用カメラパッケージやナビゲーションシステム付きを狙いたい。また、USBソケットがオプションとなっていたので、装着されているクルマのほうが便利だろう。
新型スイフト(4代目)のお勧めのグレードやオプションは?
4代目にあたる新型スイフトのお勧めグレードは、ハイブリッドMZ一択と言える。このグレード以外、全車速追従式クルーズコントロール、停止保持機能、電動パーキングブレーキは装備されていないからだ。高速道路をほとんど走らないというのであれば、ハイブリッドMXでもよいかもしれない。
また、ハイブリッドMZには、スズキコネクト対応のディスプレイオーディオを標準装備している。エアバッグが展開するような大きな衝突を検知すると、専門オペレーターへ自動通報。ドライバーの意識が無い場合などは、救急車の手配や警察への通報も行ってくれるヘルプネットも使用可能だ。必須オプションが無いくらい予防安全装備や快適装備などが充実している。
新型スイフトの価格
|
2WD |
4WD |
XG CVT |
172万7000円 |
189万2000円 |
ハイブリッドMX 5MT |
192万2800円 |
ー |
ハイブリッドMX CVT |
192万2800円 |
208万7800円 |
ハイブリッドMZ CVT |
216万7000円 |
233万2200円 |
新型スイフトの燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード |
1.2ハイブリッドMZ(2WD) |
トランスミッション |
CVT |
全長×全幅×全高 |
3,860mm×1,695mm×1,500mm |
ホイールベース |
2,450mm |
車両重量 |
950kg |
最小回転半径 |
4.8m |
エンジン型式 |
Z12E型 直3DOHC |
総排気量 |
1,192cc |
エンジン最高出力 |
82ps(60kW)/5,700rpm |
エンジン最大トルク |
180N・m(11.0kgm)/4,500rpm |
モーター最高出力 |
3.1ps(2.3kW)/1,100rpm |
モーター最大トルク |
60N・m(6.1kgm)/100rpm |
WLTCモード燃費 |
24.5km/L |
サスペンション前後 |
マクファーソンストラット/トーションビーム |
タイヤサイズ前後 |
185/55R16 |