コンパクトカー(輸入車) 人気おすすめランキングベスト3 2016秋

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの新車・コンパクトカー(輸入車Cセグメント)を聞きました。

  • RANKING BEST 1ボルボ V40

    ボルボ V40

    ボルボV40は2016年7月にマイナーチェンジした。V40は、歩行者や自転車を検知し、衝突の危険がある場合自動ブレーキが作動するなどの世界トップレベルの安全装備「インテリセーフ10」が標準装備されている。さらに、マイナーチェンジ後は歩行者エアバッグを標準装備し、より高い安全性能を得た。このクラスでは、トップクラスの安全性能である。交通死亡事故死を減らすための多くの機能が用意されており、大きな社会貢献となっている。また、通常のV40だけでなく、SUVテイストをプラスしたクロスオーバーモデルV40クロスカントリーも用意されており、好みでボディタイプも選ぶことができる。

  • RANKING BEST 2BMW 2シリーズ
    アクティブツアラー

    BMW 2シリーズ アクティブツアラー

    2シリーズアクティブツアラーの魅力は、パワーユニットの豊富さ。低燃費時代に合わせ、ガソリン車は高効率の直3 1.5L、直4 2.0Lの2タイプ。低燃費と大トルクが魅力のクリーンディーゼルは、直4 2.0L。そして、直3 1.5Lエンジンと組み合わされた新世代のPHEVが用意されている。このクラスで、これほど多彩なエンジンラインアップを誇るのは2シリーズ アクティブツアラーだけだ。さらに、BMWのもつ優れた運動性能も加わり、多くの人におすすめできるコンパクトカーに仕上がっている。こうしたことが評価され、2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、輸入車ナンバー1となるインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

  • RANKING BEST 3ミニ クラブマン

    ミニ クラブマン

    多くのファンを獲得しているミニ。ミニは全長4m以下のBセグメントに属するモデルで、家族で乗ったり荷物を載せたりと実用性を考えると、ミニブランドは好きだが購入を見送っていた、という人も多い。しかし、このクラブマンは、全長4,270㎜とかなり大きいため、しっかりと5人乗りできるようになった。また、クラブマンはワゴンボディのため、荷室も余裕がある。ミニの弱点と言われていた実用性を大幅に高めたことで、より多くの人におすすめできるモデルとなっている。また、低燃費のクリーンディーゼルエンジンもラインアップ。

オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • V40

    マイナーチェンジでエンジンラインアップも整理された。ガソリン車は、直3 1.5L車は16.5㎞/Lと、直4 2.0Lで15.9㎞/L。直4 2.0Lディーゼルは、20.0㎞/Lとなっている。1.5L車のエントリグレードV40 T3 Kineticの価格は339万円。ディーゼルのV40 D4 Kinetic は364万円となっていて、ガソリン車とディーゼル車の価格差はD4の価格は349万円に対して、ガソリンのT3の価格は324万円。ディーゼル車とガソリン車の価格差は25万円。この差なら、ハイオクガソリンと軽油との燃料費差で回収できる範囲だ。

  • アクティブツアラー

    アクティブツアラーには、比較的新しいエンジンが搭載されているため、全体的に燃費が良い。ガソリン車の218iは、直3 1.5Lターボで燃費は17.3㎞/L。225i xDriveは、直4 2.0Lターボ14.6㎞/L。クリーンディーゼルの218idは、直4 2.0Lターボで22.2㎞/L。そして、PHEVとなっている225xeは、直3 1.5Lターボで17.6㎞/L、EV走行可能距離は42.4㎞/Lとなっている。EVで42.4㎞走行できるので、通勤や送り迎えなど日常的な移動はほとんどガソリンを使うことなく使えるのが225Xe魅力だ。225xe アクティブ ツアラー Luxuryは、488万円と少々高価。その上、充電用の設備を自宅に設置しなければならないなど、多少手間とお金がかかる。対して、ディーゼルの218d アクティブ ツアラーLuxuryは413万円。225Xeと218dの価格差は大きく、いくら電気で走るといっても元を取るのは難しい。ガソリンの218i アクティブ ツアラーLuxury392万円と、ディーゼル車とガソリン車の価格差は21万円と少ない。ガソリン車はハイオク仕様なのに対して、軽油を使うディーゼル車は、燃料費が30円/L前後安い。その上、ディーゼル車は燃費が良いので、この価格差なら十分に元が取れるだろう。

  • クラブマン

    ガソリン車は2タイプ。直3 1.5L車が17.2㎞/Lと17.1㎞/Lの2タイプ。直4 2.0Lは16.6㎞/L。新設定されたディーゼル車は、直4 2.0Lで22.0㎞/Lと22.7㎞/Lとなっている。どのモデルを選んでも優れた低燃費性能をもつ。ガソリン車とディーゼル車の価格差は20万円。こうなってくると、ハイオクと軽油の価格差で十分に回収できる。また、ミニの場合、リセールバリューが高いので、これも経済的に魅力のひとつ。短期の乗り換えでもメリットになる。

装備・使い勝手
  • V40

    ボルボV40には、世界トップレベルの安全装備「インテリセーフ10」が標準装備されていた。この安全装備は、歩行者だけでなく自転車まで判別し、衝突する可能性が高い場合は自動ブレーキが作動する。マイナーチェンジ前までは、歩行者と衝突した場合に。歩行者を守る歩行者エアバッグがオプション装備だったが、マイナーチェンジ後では歩行者エアバッグまで標準装備化された。標準装備化することで、より安全なクルマが走るようになれば、確実に交通死亡事故が減り、大きな社会貢献になる。この高い安全装備だけでも買う価値があるのがV40だ。
    V40はコンパクトカーなので、小回り性能は重要な要素。使い勝手面では、225/45R17タイヤを履いたInscriptionやRデザインに注意が必要。これらのグレードは、最小回転半径が5.5mと大きい。この数値は、5ナンバーミニバン並み。コンパクトカーなのにミニバン並みの最小回転半径では、狭い道での取り回しに若干苦労する。それ以外のグレードでは5.2mとなっていて、標準的なレベルに収まっている。

  • アクティブツアラー

    アクティブツアラーは、積載性に優れたモデルだ。荷室は広く468Lもある(PHVは400L)。代表的なCセグメントの5ドアであるVWゴルフの荷室380Lと比較すると、全高が高いメリットを十分に生かしている。アクティブツアラーの全高は、1,550㎜といのも絶妙。日本の立体駐車場に多い高さ制限内に収まっている。1,550㎜を超えると、車庫証明が取れなくなり購入機会を失う。アクティブツアラーは、このような点でも配慮されている。
    自動ブレーキ関連の安全装備も全車標準装備化されているので、どのグレードも安心して選べる。また、キーをもってリヤバンパー下に足を出し入れするだけで、自動でリヤゲートが開く機能もあり、両手がふさがっているときなどに便利だ。ただし、最小回転半径は5.5mと5ナンバーミニバン並み。全長が短いのに小回りが苦手だ。

  • クラブマン

    ミニと比べるとボディサイズは1クラスアップしたクラブマン全長4,270×全幅1,800×全高1,470mmとなった。Cセグメントと呼ばれるカテゴリーに属し、このクラスのベンチマークになっているフォルクスワーゲン ゴルフと同程度の大きさになった。クラブマンは、ワゴンボディにではあるが、それほど荷室は広いといえず360Lの容量となっている。フォルクスワーゲン ゴルフの380Lと比較すると狭いと感じるかもしれないが、5ドアHBだと思えば十分なスペースがある。
    内装には、センターコンソール上部にナビ機能を含むモニターがセットされた。ナビ機能の他に、各種モードの切り替えなどがここでできる。操作はシフトレバー手前のダイヤルで行う。タッチパネル式は、揺れる車内では指先を凝視して操作することになり、安全面でおすすめできるものではない。クラブマンはダイヤルでの操作なので、前方を見ながら操作できる点で安全性は高い。
    使い勝手面では、ミニという名前なのに小回り性能の指標である最小回転半径が5.5mと5ナンバーミニバン並みだ。

走行性能
  • V40

    V40は、エンジンにより組み合わされるミッションが異なる。1.5L車が6速AT、2.0Lディーゼルと2.0Lガソリンが8速ATとなる。やや8速AT車の方がスムースな印象だ。1.5L車は、152ps&250Nmとなかなかパワフル。2.0L車は245ps&350Nmとかなり力強い。ガンガン走るのが好きというのでなければ、1.5L車で十分だろう。そして、2.0Lディーゼルは190ps&400Nmを発揮。クラストップレベルの最大トルクを発揮していることもあり、アクセル操作ひとつでかなりスポーティな走行が可能だ。この最大トルクは、余裕のある走りが可能で、1.5L車と比べると1クラス上のクルマに乗っているような余裕を感じるほど。それでいて低燃費なのもディーゼルの魅力だ。デビュー当時のV40は、かなり硬めのフットワークだったが、現在では随分乗り心地が良くなっている。ただ、クリーンディーゼルは車重がやや重いことやトルクが大きいこともあり、フットワークはややかためでスポーティさを際立たせている。

  • アクティブツアラー

    BMW初のFF(前輪駆動)モデルということで話題になった。FF化されたことで、BMWらしいスポーティな走りは健在か?と心配されたが、FFであることすら感じさせないスポーティな走行性能は、さすがBMWというべきレベルだ。1,550㎜という比較的高い全高をもつクルマなのだが、想像以上に機敏に動く。そして、アクティブツアラーには新世代のクリーンディーゼルエンジンが搭載されている。このエンジンは、もはやガソリン車と区別がつかないほどスムースに回る。それでいて330Nmもの大トルクがあるので、なかなか力強い加速が可能。そして、注目のPHEVである225xeは、システム最大出力224ps&385Nmを誇る。アクセルを踏んだ瞬間から、モーターは最大トルクを発生し前輪に伝えるので、かなりレスポンスのよいクルマに仕上がっている。レスポンスが良いので、乗っていて気持ちがいい。さらに、わずか6.7秒(ヨーロッパ仕様車値)で100km/hまで加速可能な瞬発力もある。このモデルは125km/hまでEV走行が可能なので、電力が無くなるまで日本ならほとんどEV走行が可能だ。この2台を味わうと、136ps&220Nmの1.5Lガソリン車は、走行性能や燃費面で物足りなさを感じる。平均的なパフォーマンス以上のものがあるのだが、PHEVとディーゼル車の出来が良すぎるのだ。

  • クラブマン

    ボディが大きくなり重くなると、鈍重さが増すのは仕方のないことだが、クラブマンは、かなりそうしたネガティブ要素を抑え、ミニの魅力であるゴーカートフィーリングを味合わせてくれる。通常のミニほどのキレは確かにないが、このクラスのモデルとしてはかなりキレのあるハンドリング性能をもつ。ホイールベースが長くなったこともあり、コーナーリング中は安定感が増していて、逆に走りやすい。その中でも、かなりキレキレの走りを披露するのがクーパーSDクラブマン。最大トルクは400Nmとクラストップレベル。これに、ゴーカートフィーリングが加わるのだから、かなり刺激的だ。それほど速さが必要ないのなら、330NmのクーパーDクラブマンでも十分楽しい。どうしてもガソリン車という人以外は、ディーゼル車がおすすめだ。

デザイン
  • V40

    V40

    マイナーチェンジで顔つきが随分変わった。北欧神話に登場するトール神(雷神)がもつハンマーをモチーフにしたT字型のポジションライトが印象的なLEDヘッドライトが装備された。これは、新型XC90より導入を開始した新世代ボルボの新たなデザインアイコンだ。全体的にマイナーチェンジ前のモデルより、高級感と迫力が出ている。
    また、ドイツ車とは明らかに違う北欧デザインは、洗練されていて好感度は高い。ドイツ車の迫力重視系が苦手というのなら、V40のようなデザインが良いだろう。また、ドイツ車と比較すると販売台数も少ないため、注目度も高い。

  • アクティブツアラー

    アクティブツアラー

    BMWのクルマとしては、やや背が高く違和感がある。しかし、ボンネットは前方に向けて急激に傾斜させ、低く睨みの効いたフロントフェイスにBMW特有のやや前傾したキドニーグリルと特徴的な4灯式丸型のLEDヘッドの組み合わせは、まさにBMWといえるデザイン。見慣れてくると、なかなか精悍に見えてくる。インテリアは、インパネデザインこそBMWだが、セダン系のコックピットのように包まれるような感じはなく、広く解放感がある空間デザインになっている。前方に大きく傾斜したインパネは、空中に浮いているようにも見え、アクティブツアラーの世界観を表現している。

  • クラブマン

    ミニ クラブマン

    変わらないデザインがミニの魅力のひとつだ。クラブマンは、大幅にボディサイズを拡大。これだけ大きくなったら、ミニらしさがなくなってしまうのではという心配もあったが、ミニはやっぱりミニだった。ボディが大きくなっただけで、変わらない安心感がある。細部を見ると随分違うのだが、全体像はミニそのもの。ただし、真横から見ると、ホイールベースが伸びたことで、ルーフも伸びやや間延びしたようにも見える。インテリアデザインは、かなりコンサバになった。大きなセンターメーターはなくなっている。代わりに、メインのメーターはドライバーの前に設置された。ミニとの共通性を出すために、ナビなどが入るモニターにはセンターメーター風のデザインが施されている。1クラスアップしたこともあり、質感やデザインなど落ち着きのあるデザインが採用されている。

新車値引き交渉術

Cセグメントと呼ばれるこのクラスは、欧州を中心に超激戦マーケット。そのため、どのモデルも非常に高い完成度を誇る。日本マーケットには、フォルクスワーゲン ゴルフがその中心で、メルセデス・ベンツAクラス、ボルボV40、BMW1シリーズ、2シリーズなどが高い人気を誇る。ドイツ系以外でデザインに優れるプジョー308やシトロエンC4といったモデルもあり、選択肢はかなり豊富。これに対し国産車は少なくスバル インプレッサやアクセラ、オーリスなどでCセグメント車は欧州車が中心だ。
当然、Cセグメントのクルマの購入時には、こうしたライバル車と必ず競合させることが重要だ。魅力的な車種が多く、ついつい指名買いになりがちだが、ミニを除き一定の値引きが引き出せる。少なくとも3車種くらいとは競合させるといいだろう。また、12月末が輸入車メーカーの決算月になる。そのため、12月末は決算直前に売り上げを立てるため、自社登録という売ったことにする手法が使われる。自社登録車は、その後登録済み未使用車として、中古車マーケットで販売される。つまり、とにかく売りたいモードに入った12月末は大幅値引きが引き出しやすい時期ということになる。また、1月以降になると中古車マーケットに未使用車が出てくる。未使用車は、新車コンディションとほとんど同じで価格が大幅に下げられているのでかなりお買い得だ。当然、その際もライバル車と競合させることが基本となる。同様に、9月末も狙い目だ。大手ディーラーのヤナセの決算月になるからだ。ヤナセも同様に自社登録をするので、その前に大幅値引きをしてもらうか、10月以降に出てくる未使用車を狙うといい。
こうした手法が使えないのがミニだ。ミニは、強力なブランド力を背景に未だ値引きゼロという商売を続けている。よほどのことがないと大幅値引きは難しい。とはいえ、競合させないと、オプションサービスなども受けられないことも少なくないので、必ずライバル車と競合させたい。即決せずに、じっくりと商談するといいだろう。

その他のボディタイプ別オススメランキング

  • 軽自動車ハイト

    燃費、小回り、街で乗るならやはり便利な軽。

  • 軽自動車スーパーハイト

    燃費と小回りに加えて、アウトドアにも!

  • ミニバン

    広くて便利、ファミリーカーの代名詞

  • コンパクト国産車

    無難に選びたいなら、おいしいとこ取りのコレ!

  • SUV

    デザインと走りを重視する人へ

  • 高級セダン

    いつかは乗りたい、王道スタイル。

クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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