中古軽自動車スーパーハイト系 おすすめランキング2016春

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この春おすすめの中古車・軽自動車スーパーハイト系を聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1スズキ スペーシア

    スズキ スペーシア

    スーパーハイト系と言われる軽自動車は、今や最も人気のあるカテゴリー。そのため、中古車になってもあまり値落ちしない。5年以上経ったモデルでも、あまり買い得感がない。しかし、クルマは古くなればなるほど故障のリスクが高まる。そのため、多少無理してでもできるだけ新しいモデルを選びたい。スペーシアは、年式によりパフォーマンスや装備が若干異なる。狙い目は、歩行者検知式自動ブレーキが付いたモデル。クルマとしての実力はトップレベルだが、あまり人気が無いモデルなので、ライバル車に比べると買い得感がある。とくに、届出済み未使用車がお勧め。ほとんど新車なのに、価格は安い。2015年モデルだと、130万円以上の予算があれば上質な中古車が選べる。

  • RANKING BEST 2ホンダ N-BOX

    ホンダN-BOX

    N-BOXは、現行モデルであるがデビューが2011年。2012~2013年など3年落ちモデルが多く出回ってきて、人気車だが買いやすい価格帯に入って来た。N-BOXは初期モデルでも横滑り防止装置(VSA)が標準装備されているので、最低限の安全装備は確保されているので安心だ。予算も110万円以上あれば、上質な中古車が選べる。人気のカスタム系は、やや高めで130万円以上からが上質な中古車が買える予算となる。室内の広さは、今でもトップレベル。おすすめはあんしんパッケージが装着されたモデル。自動ブレーキの性能は物足りないが、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグ装備される。

  • RANKING BEST 3ダイハツ ウェイク

    ダイハツ ウェイク

    軽自動車の進化のスピードは早い。とくに、安全装備や燃費はドンドンよくなっている。最近では色々なニーズに合わせ、実用一辺倒ではなく遊び心あふれるモデルも投入されている。ウェイクは、色々なレジャーに合わせて収納スペースを工夫したモデル。2014年11月に登場したばかりのモデルだ。しかし、ウェイクはメーカーが思った以上に売れていない。そのため、多くの届出済み未使用車がでてきている。比較的高額なモデルであるが、届出済み未使用車はなかなか買い得感がある価格になっている。2015年式で140万円以上の予算があれば、上質なモデルが買える。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • スペーシア

    地道に続けられている軽量化技術と低燃費エンジンなどにより、どの年式でも高い燃費性能を誇る。モデル途中から、マイルドハイブリッド機能を搭載。燃費は32.0㎞/Lを達成し、このクラスでライバルを圧倒しトップの座についている。クルマとしての基本性能は高い上のだが、中古車相場はライバルに比べやや安め。コストパフォーマンスに優れるクルマだ。

  • N-BOX

    現行の最新モデルの燃費が25.6㎞/L。デビュー当初のモデルは22.2㎞/Lだった。スペーシアが32.0㎞/Lであることを考えると、完全に一世代前の燃費だ。車重もスペーシアに対して約100㎏重い。燃費性能では勝負にならない。人気車のため、中古車相場は高め。コストパフォーマンスという面では、いまひとつだ。

  • ウェイク

    最も燃費の良いモデルが25.4㎞/L。クラストップの全高をもち空気抵抗も増え、車重も重いのでN-BOXより燃費が悪い。車重は1トンを超えていて、自然吸気エンジンでは役不足なので、ターボ車がお勧め。しかし、ターボ車を選ぶと燃費は23.8㎞/Lとさらに悪化。燃費性能で乗るクルマではない。

装備・使い勝手
  • スペーシア

    2015年5月に改良されたスペーシアには、デュアルカメラブレーキサポートが用意された。この機能は、軽自動車初となる歩行者検知式の自動ブレーキ。さらに、対車両では約100㎞/hから自動ブレーキが作動するというこのクラスでトップの性能を誇る。軽自動車は、なるべく新しいモデルを買え! としているのはこうした装備の進化が早いからだ。まだまだ流通量は少ないが、スペーシアは定期的に届出済み未使用車が一定量流通しているので、届出済み未使用車を狙うといいだろう。ただし、こうした先進安全装備は素晴らしいのだが、ベーシックなサイドエアバッグの設定がないなど、物足りない部分も多い。

  • N-BOX

    設計が古いので、自動ブレーキ関連も30㎞/h以下のものしか用意されていない。ただし、あんしんパッケージを装着すれば、スペーシアでは選べないサイドエアバッグ&カーテンエアバッグが装備される。横方向のスペースが無い軽自動車では、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグはもしもの時に役立つ安全装備だ。使い勝手面では、設計が古くても優れている。軽最大級の室内長218㎝を誇り、前席と後席のスペースは広く、5ナンバーミニバン並みだ。

  • ウェイク

    クラストップの1,835㎜という全高をもち、趣味で使うクルマとしての開発されたウェイクだけに、使い勝手の良さはトップレベル。シートアレンジは多彩で、収納スペースはいたるところにある。ラゲッジルームの下には、約90Lものラゲージアンダートランクがあり、高い全高を生かし、長尺物を縦て収納することもできる。このスペースを3分割して棚のようにして使えるオプションもある。

走行性能
  • スペーシア

    スズキの軽量化技術が生かされているため、車重が軽い。このクラスの他車は、車重が重いため、ターボ車でないとやや非力な印象となる。しかし、スペーシアは車重が軽いためそれほど非力感を感じない。当然、軽さは燃費にもいい影響を与える。さらに、マイルドハイブリッド機能を搭載したモデルは、アイドリングストップ時からの再始動がとても静かで振動をほとんど感じることがない。このレベルは、もはや高級車並みだ。軽自動車とは思えない上質感がある。また、いたずらに車高を高くしなかったこともあり、カーブでの安定感もある。ただし、横滑り防止装置が付いていないモデルは、もしもの時にリスクが高いので、必ず横滑り防止装置が装備されている中古車を選びたい。

  • N-BOX

    N-BOXも背が高く重いため、自然吸気エンジンでは街乗りが中心の使い方がお勧めとなる。ロングドライブや急勾配が多い道をよく使うというのであれば、ターボ車がお勧めだ。背が高いと、クルマの重心が高くなりカーブでは不安定になるが、N-BOXはそうした不安感がないサスペンション設定になっている。ただし、不安感は少ないが、運転していて楽しくはない。ホンダは、重心が高いともしものときに横転の危険性があるため、横滑り防止装置を標準装備化している。

  • ウェイク

    クラストップの全高としたことで、逆に約1トンというヘビー級な車重となってしまっている。これだけ重いと、自然吸気エンジンでは役不足。積極的にターボ車を選びたいモデルだ。ダイハツもそうした動力性能を理解していて、4グレード設定の内2グレードがターボモデルとなっていて、ターボ車を推奨するラインアップとなっている。安全装備は一定レベルに達しているものの、やはりこれだけ背が高いと横風に弱く、橋の上など風が強い場所ではフラフラする。

デザイン
  • スペーシア

    スズキ スペーシア

    クルマとしての性能は優れているのに、販売台数が伸びない理由はデザインだと言われている。デザインが悪いわけではなく、マーケットのニーズが小さな軽自動車に必要以上のインパクトを求める傾向が強いからだ。そのため、やや大人しく小さなクルマに相応しいデザインが施されたスペーシアではインパクト不足とされている。逆に、デザインは破綻していても、LEDなどを駆使して目立つモデルは売れている。標準モデルのスペーシアでは物足りないというのであれば、スペーシア カスタムを選ぶといいだろう。

  • N-BOX

    ホンダ N-BOX

    標準車は、なんだか笑っているような顔をもち愛嬌のあるデザイン。小さな軽自動車らしい愛着がわく顔だ。だが、人気が高いのはN-BOXカスタム。装備も良いというのもあるが、中古車相場も高い。しかし、デザインは無理やり押し出し感を強調したコテコテフェイスになっている。軽自動車の売れる方程式通りといった印象で、マーケットインなデザインだ。

  • ウェイク

    ダイハツ ウェイク

    スズキのハスラーのように、アウトドアなどで存在感を出すために、とにかく目立ちたい、という意識が強いデザインだ。ハスラーが四角いボディに丸目ライトだったのに対抗してか、四角いボディに四角いライトで勝負に出た。結果的に、個性派はあるもののかなり好き嫌いがハッキリとしたデザインとなってしまったようだ。LEDヘッドランプも標準装備されており、豪華な仕様となっている。

中古車値引き交渉術

今回のベスト3も含め、軽自動車は予算が許す限り届出済み未使用車を積極的に選びたい。届出済み未使用車とは、ディーラーが販売目標を達成し、より多くのインセンティブをメーカーからもらうために、買い手がいないのに自社名義で一旦登録してしまった自社登録車から生まれる。こうしたクルマが、オークションや中古車専門店持ち込まれ届出済み未使用車となる。
一旦登録されたとはいえ、コンディションはほぼ新車。それでいて、中古車扱いなので、価格は新車に比べると大幅に安い。こうなると、お気に入りの仕様のクルマさえ見つかれば、新車を買う意味があるのか? と、思ってしまうほど。さらに、届出済み未使用車は、コンディションがほぼ同じ。つまり、他の中古車店の未使用車と競合させ値引きを引き出しやすい。届出済み未使用車は、スズキとダイハツに多い傾向。今回紹介しなかったが、タントも含めスペーシア、N-BOXで競合させれば一定の値引きに応じてくれるはずだ。
また、届出済み未使用車では、登録年月日に注意したい。2~3か月程度前のクルマなら気にする必要がないが、中には半年から1年といった届出済み未使用車がある。こうしたモデルは、長期在庫となっている可能性が高いため、中古車店としては早く売ってしまいたいクルマだ。コンディションも新車並みとは言いにくい状況になってきているので、そうした部分を指摘して値引き交渉の材料に使うといいだろう。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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