中古ミニバン おすすめランキング2016春

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この春おすすめの中古車・ミニバンを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得!」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

  • RANKING BEST 1日産 セレナ

    日産 セレナ

    2010年に登場しモデル末期に入ったセレナ。だが、逆に考えれば中古車だと、買い得感のある価格で現行車に乗れるメリットもある。設計が古いセレナだが、何度も改良が加えられていて、年式が新しいほど性能・装備が充実している。狙い目は、マイルドハイブリッド機能が付いたS-ハイブリッド。高年式だと、最新の歩行者検知式自動ブレーキが付いたモデルも選べる。販売台数も多く、価格もこなれてきているので、選びやすく買い得感もある。高年式で上質な中古車を探すと約200万円以上の予算が必要になるが、2011年式まで年式を落とせば150万円以上くらいの予算があれば、程度の良い中古車が見つかりそうだ。

  • RANKING BEST 2旧型トヨタ ノア

    トヨタ ノア

    最近のミニバントレンドは、強面の迫力重視。そのため、先代ノアはファミリー層を意識したやや優しい顔つきだったこともあり、ヴォクシーほどの人気を得ることができなかった。その傾向は中古車マーケットでも同じで、中古車価格もヴォクシーに比べ安めとなっている。同じクルマなので、ノアのデザインが嫌でなければ、ヴォクシーより買い得感がある。ノア&ヴォクシーはフルモデルチェンジし、随分時間が経過したこともあり、旧型ノアも多く中古車マーケットに流通している。特別燃費が良いとか、自動ブレーキが付いているといったクルマではないが、総合力の高いミニバンである。モデル末期で完成度が高い2013年式だと、180万円以上の予算で質の高い中古車が手に入る。デビュー直後の2007~2008年式まで古くなると100万円以上の予算で比較的上質な中古車が選べるようになる。

  • RANKING BEST 3三菱 デリカD:5

    三菱 デリカD:5

    現行モデルとはいえ、デビューは2007年と古い。その間、何度も改良が加えられ熟成されてきた。デビューは古いが、まだ現行車で見栄えもよく、オフローダー的なミニバンは他社には無く、4WD車も多くユニークな存在だ。また、2013年1月から2.2Lクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルが投入。大きく重いミニバンは、大トルクを誇るディーゼルエンジンとの相性は良い。さらに、ミニバンでクリーンディーゼルエンジンを搭載するのはD:5のみ。4WDとディーゼルという組み合わせのミニバンは他には無く、アウトドア志向の強い顧客にピッタリ。この独自性を評価して裏3位としている。ただし、中古車は流通量が少なく選びにくい。2013年式のディーゼル車は、人気が高く300万円以上の予算が必要になる。比較的流通量が多い2007~2008年式であれば、140万円以上の予算があれば、程度の良いD;5と出会える可能性が高い。

中古車オススメランキングの3台を比較

燃費・経済性
  • セレナ

    初期モデルで14.6㎞/L程度、最新モデルでは15.4㎞/L前後の燃費性能となっている。マイルドハイブリッド機能が付いたとはいえ、飛躍的に燃費性能が向上したわけではない。2.0Lガソリン車のミニバンとしては、標準的なレベルだ。まだ、現行モデルということもあり、中古車価格はそれほど下がっていない。

  • ノア

    先代ノアのデビュー当時年式である2007年モデルの燃費値は、10・15モードで13.4㎞/L前後の燃費値。JC08モードにすると、もう少し燃費が悪くなる。15~16.0㎞/Lが最新モデルの燃費値なので、ここまで燃費が悪いとなると少々選びにくいかもしれない。ただ、中古車価格も安いので仕方ないところだろう。

  • D:5

    D:5には、2.0Lと2.4Lのガソリン車、そして2.3Lのクリーンディーゼル車がある。デビュー直後から、しばらくの間は2.4Lの4WDだけだった。この車両の燃費は10・15モードで10.4㎞/L。今となっては、なかなかシビレる燃費値だ。最新モデルは、JC08で11.2㎞/Lまで改善されている。こうなると、経済性面ではクリーンディーゼル車がお勧め。クリーンディーゼル車の燃費は13.6㎞/Lという燃費値だけでなく、ガソリンに比べ軽油は20円/L以上安いので、高い経済性を誇る。クリーンディーゼル車は2013年1月から発売されたので、高年式な上、タマ数も少ないでの価格も高めなのが悩みどころ。

装備・使い勝手
  • セレナ

    高年式だと歩行者検知式の自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」が装備されている。高年式を狙うなら、エマージェンシーブレーキが装備されているモデルを選びたい。2列目シートには、リラックスヘッドレストが用意されたモデルがある。ヘッドレストの両端を前に引き出せば、頭部が安定し揺れが抑えられる仕組み。クルマの中で、気持ちよく寝ることができるアイテムだ。年式が古いモデルは、重要な安全装備のひとつ横滑り防止装置(VDC)が装備されていないモデルもあるので注意が必要。

  • ノア

    ノアの3列目シートは、左右跳ね上げ式を採用。女性でも簡単に跳ね上げ作業ができるような工夫がされている。ラゲッジスペースは、下方に掘り下げた収納スペースがある。3列目シートの状況に関係なく長尺物を縦に積むことも可能。安全装備面では、年式が古いモデルには横滑り防止装置(VSC)が装備されていない車両がある。横滑り防止装置は、現在は法律で装備が義務付けられているほど重要な安全装備。購入時には、必ずチェックしておきたい。

  • D:5

    本格的な電子制御4WDシステムを搭載した唯一のミニバンがデリカD:5。この機能は、2WDや4WDオート、走破性を高める4WDロックと、ドライバー自ら選択肢走行できる楽しみがある。4WDにこだわりをもつ三菱だけに、走破性の高さは折り紙つき。価格の安いFFモデルも用意されているが、D:5を選ぶのであれば、積極的に4WDモデルを選びたい。
    <関連記事> 人気ミニバン10種類をシートアレンジで比較!「本当に使いやすい車」はこれだ!

走行性能
  • セレナ

    さすがのセレナも、最新モデルのミニバンと比べるとやや劣る部分が多い。しかし、相手が旧型のノア&ヴォクシー、ステップワゴンなどと比べれば優位だ。とくに、マイルドハイブッドを搭載したモデルは、アイドリングストップからの再始動時にエンジンの騒音や振動がほとんど感じられないレベルになっている。このレベルは、高級車並みだ。

  • ノア

    先代ノアなので、さすがに古さは隠せない。今となっては、重心も高くハンドリング性能は、カーブでの傾きも大きい。乗り心地もやや粗い印象だ。ノアの中には、チューニングモデルであるG’sが用意されていた。G’sは、専用サスペンションやボディ剛性を高めるなどのチューニングが施され、ミニバンなのにビックリするくらいシッカリとした走りができたモデルだ。こうしたモデルが見つかれば、多少高価でも買う価値はある。

  • D:5

    ガソリン車2.4Lで、最新モデルが170ps&226Nmとなっている。4WDで多少重くなっているとはいえ、必要十分といったパワーとトルクだ。これに対して、クリーンディーゼル車の最大トルクは、なんと360Nm。自然吸気のガソリン3.5Lエンジン並みの最大トルクをもつ。大きく重いミニバンとはいえ、360Nmものトルクがあれば余裕ある走りが可能。アウトドアレジャーなどで、ロングドライブを繰り返す人にとっては、余裕のあるトルクは疲労軽減の効果もある。

デザイン
  • セレナ

    日産 セレナ

    デビュー当初から、あまり迫力を重視した強面ではなく、クリーンで上品なスタイルを売りにしてきたセレナ。この好感度の高いデザインに、エアロパーツを装備したハイウェイスターや、カスタマイズされちょっとギラギラ感をプラスしたライダー、エアロモードなど多彩な種類の外装を用意している。ハイウェイスター以外は、流通量が少ないのが難点だが、より自分の好みのセレナを選ぶことができる。

  • ノア

    トヨタ ノア

    ファミリー層向けに、やや優しい顔をしたデザインをもつ旧型ノア。デザイン性を無視して、迫力ばかり求める傾向が強いミニバンの中では、逆に新鮮に見えるようになった。よく見ると、随分愛嬌のある顔なので愛着もわいてくるだろう。

  • D:5

    三菱 デリカD:5

    太めの縦格子グリルに、フロントやリヤにアンダーガードを連想するデザインが施され、本格的なオフローダーデザインとなっている。こうしたデザインは、他のミニバンにはない独自性が感じられる。ミニバン=ファミリーというイメージが強いが、D:5はアクティブなライフスタイルを若年層にも似合うミニバンだ。

中古車値引き交渉術

新車、中古車とも、ミニバンの人気は非常に高い。旧型になったノアの価格も思った以上に下がっていない。こうした状況は、かなり売り手が有利な状況。セレナの高年式モデルは、新車とそれほど変わらない価格で売られているほどだ。
こういう状況下になると、高年式の中古車は新車と競合させた方がいい。セレナなどは、モデル末期ということもあり、超大幅値引きが期待できる。一度新車で見積りを取ってみて比べてみるといいだろう。中古車として、価格的メリットがなければ新車を購入したほうがいいと説明し、中古車の値引きを要求したい。また、セレナは2016年にフルモデルチェンジする。セレナの中古車をより安く買いたいのなら、フルモデルチェンジ後がお勧めだ。
旧型ノアは、ヴォクシーと比べるとやや安めの中古車相場となっている。ヴォクシーの方が、人気が高いので、ノアの中古車を買う場合は、ヴォクシーと競合させたい。ヴォクシーで、ノアと同じような中古車と競合させれば、ノアの中古車店側としてはヴォクシーにとられる可能性を強く感じるはずなので、一定の値引きには応じるはずだ。

D:5は、流通量が少ないので、お気に入りの中古車を見つけることは容易ではない。似たような同じD:5が簡単に見つかるわけがないので、似た中古車同士を競合させることも難しい。ただし、あまり人気のあるクルマではないため、ここで客を逃がしたらしばらく次の客は来ないと中古車店側も思うはず。そこを利用して「D:5は本命ではないけど、ちょっと見に来た」程度の雰囲気で商談してみよう。「本当はセレナかヴォクシーが欲しい」くらいで商談を進め「安くなるなら考える」というスタンスで望むと値引きが期待できる。D:5の購入でやってはいけないのは「D:5が本命」と悟られてしまうこと。流通量が少ないクルマなので「スグ売れてしまう」「他にも商談がある」などと言われ、値引きも無いまま即決を迫られることになるからだ。

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クルマ評論家 CORISM代表 大岡智彦 氏
クルマ評論家 CORISM代表
大岡智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

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