マツダデミオ

<レッドの内装が鮮やかな「Mid Century」、オシャレな内装に安全装備をプラスした「Urban Stylish Mode」が登場>

マツダデミオマツダはコンパクトカーのデミオに、2つの特別仕様車「Mid Century」と「Urban Stylish Mode」を設定するとともに、一部仕様追加も行い発売を開始した。

マツダ デミオは売れている。クラス唯一の1.5Lクリーンディーゼルエンジンの搭載や優れたデザインが高く評価されているからだ。特別仕様車は一般的に、販売台数が下降して来たり、マイナーチェンジやフルモデルチェンジ前に行われるケースが多い。しかし、これだけ売れているクルマに、早くも特別仕様車や一部改良を施すことは非常に少ないのだ。こうした手法は、飽きられる前に新しいものを投入し、話題を喚起し高い人気を保っている状態をより維持していきたいというマツダの戦略なのだろう。

投入された特別仕様車は2タイプ。従来のデミオは、4つのインテリアをもっていた。今回、2つのインテリアを追加することで、個性の異なる6つのインテリアの中から、より自分の好みに合ったインテリアを選ぶことができるようになった。顧客の多様化されたニーズに対応すると同時に、選ぶ楽しさも提供している。

「Mid Century」は、デミオの「13S L Package」および「XD Touring L Package」をベースとした特別仕様車。センター部分に特徴的なエンボス加工を施した真っ赤なシートや、あえて樹脂素材の存在感を強調したインテリアパーツ、赤、白、黒のヴィヴィッドな色づかいなどの採用したインテリアをもつ。さらに、このインテリアカラーに合うボディカラーも用意された。「ソウルレッドプレミアムメタリック」「ジェットブラックマイカ」「スノーフレイクホワイトパールマイカ」の3色が設定された。

マツダデミオ「Urban Stylish Mode」は、デミオの「13S」および「XD」をベースにした。ピンクのストライプを使いながらも、ピアノブラック、オフホワイト、シルバーで引締め、柔らかさとシックさを融合させた専用インテリアをもつ。スタイリッシュな大人の女性をイメージしたモデルだ。この特別仕様車は、色だけでなく、自車の側方・後側方から接近する車両を検知する「ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)」、後退時に接近する車両を検知して警告する「リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)」も特別装備したのが特徴。運転が苦手という顧客に対して、安全性と安心して運転できるサポート機能も含んだ装備をプラスした。

装備の一部改良では、ディーゼルエンジンモデルで好評の「セーフティパッケージ」をガソリンモデルにも追加設定した。

さて、デミオ「Mid Century」XD FFの価格は1,998,000円。ベース車と同じ価格となった。ベース車のクロス/レザーのオフホワイトのシートなどが、レッドの専用布シートなどに変更されている。ここで気になるのが、シート表皮がレザーから布に変更されているということ。素材のグレードがダウンしているのに価格が同じでは、実質価格アップしているのでは? と思うのが普通だ。ただ、そうした部分を補う装備として、スーパーUVカットガラス(フロントドアガラス)、シートヒーター(運転席・助手席)、CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)などがプラス装備されている。こうなると、割高感は無く、こうした装備が欲しい顧客にとっては、お買い得感もあるだろう。

マツダデミオ次に、「Urban Stylish Mode」XD FFの価格は1,890,000円。ベースとなるXDの価格が1,782,000円なので、約11万円のアップとなる。随分価格がアップしている印象が強いが、アドバンストキー、フルオートエアコン、CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー(フルセグ)、ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)、スーパーUVカットガラス(フロントドアガラス)、シートヒーター(運転席・助手席)、フロントグリルガーニッシュ(ボディ同色塗装、13S Urban Stylish Modeのみ)がプラスされている。価格アップ分の装備は十分と言える。

ただし、この特別仕様車が今買い時か? と、問われると少々微妙。デミオに装備されている自動ブレーキを含んだ安全装備は、30㎞/h以下での自動ブレーキであるスマート・シティ・ブレーキ・サポートのみの設定だ。今や、軽自動車でもカメラを装備し歩行者を見分け自動ブレーキが作動する機能が用意されている時代。こうなると、30㎞/h以下に限定される自動ブレーキでは物足りなさを感じる。デミオレベルのクルマなら、せめてミリ波レーダーを使ってより高い速度域から自動ブレーキが使用できるスマート・ブレーキ・サポートは、もう必須装備といえる。デミオをベースとしたコンパクトSUVであるCX-3には用意されているので、こうした装備が用意されてからが買い時と言えるだろう。

■マツダ デミオMid Century/Urban Stylish価格

・13S Mid Century 1.3 2WD 1,717,200円 4WD 1,911,600円
・XD Mid Century 1.5 2WD 1,998,000円  4WD 2,192,400円
・13S Urban Stylish Mode 1.3 2WD 1,566,000円 4WD 1,760,400円
・XD Urban Stylish Mode 1.5 2WD 1,890,000円 4WD 2,084,400円
*すべて6AT車