姉妹車ヴェルファイアが登場! より迫力重視のきっかけとなったモデルを分析する。

レポートをまとめると

▶このモデルから、人気のヴェルファイアが登場
▶ラグジュアリー志向のインテリア
▶動力性能、燃費、乗り心地などが大幅に進化

この記事の目次 CONTENTS
レポートをまとめると
モデル概要|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA01
デザイン&パッケージング|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA02
インテリア&シート|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA03
走り|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA04

ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

モデル概要|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA01

ド迫力フェイスのヴェルファイアがデビュー

2008年に「威風堂々、ミニバンの頂点」をテーマに登場したアルファードとヴェルファイア。このモデルから、より迫力のあるデザインが施されたヴェルファイアが姉妹車として追加され人気モデルへと成長する。2011年9月には、2.4Lのハイブリッドシステムを搭載したモデルが追加された。

デザイン&パッケージング|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA02

背の高いパッケージングと大きなフロントグリルが特徴。

初代アルファードに比べると全高はやや抑えられたが、基本的に背の高いパッケージングを採用する。背の高いボディは重心高が高くなってクルマ作りの方向性としは真っ当なものではないが、高い着座位置を求めるユーザーは多く、2代目アルファードでもこの方針が継続された。

フロントグリルは初代アルファードに比べて大きくなり、より堂々としたイメージを持つようになった。ただし、このモデルから姉妹車として設定されたヴェルファイアのほうがさらに迫力あるフロントデザインを採用したことで、アルファードはやや分が悪い感じになった。

アルファードの販売台数がヴェルファイアに及ばなかったのは、販売網によるところが大きいが、デザインの違いももうひとつの大きな要素だったといえる。

FF方式を採用した基本パッケージングにより室内の広さは十分。3列目シートにも大人が座れる余裕ある空間が確保されていた。

インテリア&シート|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA03

高い質感があるインテリア

インテリアは艶消しの木目調パネルやメタル調のセンターパネルなどが質感を表現していた。

2代目アルファードでも2列目シートの居住性や快適性はしっかり追求されていて、7人乗りの上級グレードには、エグゼクティブパワーシートが設定されていた。これはパワーリクライニングやパワーオットマンなどの機構を備えラグジュアリー仕様だ。

中級グレードの7人乗りにはエスティマで好評を得ていたリラックスキャプテンシートの設定があった。
これは超ロングスライドや横スライド、手動リクライニングなどの機能を備えていた。

この時代には8人乗り仕様が高い比率で売れていて、このシートは2列目が6:4分割のチップアップシートだった。

シートの仕様は、旧型アルファードを選択するときの大きなポイントになる。
中古車なので好みの仕様を見つける努力が必要になるが、基本的には快適性に優れた7人乗りがお勧めだ。

ただし、エグゼクティブパワーシートは350Gの“Lパッケージ”または350Sの“Cパッケージ”だけの設定なので、簡単に見つかるかどうか。また見つかっても最上級グレードであるだけに、中古車相場も高めになるのが普通だ。

走り|ALPHARD/VELLFORE REPORT AGENDA04

動力性能、燃費、操縦安定性などが改良されたポイント

初代アルファードは、エルグランドに対して勝利を収めたモデルではあったものの、ユーザーからは走りに関していろいろな不満が寄せられていた。それを解消したのが2代目モデルで、走りの性能は当時として大きく向上していた。

パワートレーンは、上級グレードにV型6気筒の3.5Lエンジン+6速ATが搭載され、中級グレードには直列4気筒2.4L+CVTの組み合わせが搭載された。全グレードにFFと4WDの設定があった。

初代モデルで設定されたハイブリッド車は2代目モデルの登場時には設定がなく、大きく遅れて登場することになる。

V型6気筒3.5Lの2GR-FE型は206kW/344N・mの余裕十分のパワー&トルクを発生する。2t級の重量を余裕で引っ張るだけの実力がある。トルクフルで滑らかな回転フィールも魅力となるエンジンだ。

直列4気筒の2.4Lエンジンは、トランスミッションが4速ATから無段変速のCVTに変更されたのがポイント。自然な加速感を実現したのを特徴とするエンジンだ。

コーナーでの操縦安定性やブレーキング性能なども初代に比べると良くなった部分だ。低床化が進められたことで、ロールが抑えられて安定した姿勢でコーナーを曲がれるようになった。全高の高いミニバンのネガが払拭されたわけではないが、初代に比べるとかなり良くなった。ブレーキの効き具合やブレーキング時の姿勢変化なども抑えられている。

2代目アルファード/初代ヴェルファイア ギャラリー

トヨタ ヴェルファイアハイブリッドZR
ボディサイズ (全長×全幅×全高) 4885×1840×1905mm
ホイールベース 2950mm
車両重量 2110kg
排気量 2362cc
最高出力 110kW(150ps)/6000rpm 125kW((170ps)/6000rpm (2.4Lガソリン) 206kW(280ps)/6200rpm (3.5Lガソリン)
最大トルク 190Nm/4000rpm 224N・m/4000rpm (2.4Lガソリン) 344N・m/4700rpm (3.5Lガソリン)
トランスミッション CVT(無段変速機)
燃費(JC08モード) 16.2m/L 10.8km/L (2.4Lガソリン) 9.5km/ L (3.5Lガソリン)