• 4代目ステップワゴン(H21~H27・2009~2015)

  • REPORT 試乗レポート

小さく見えて不評だった3代目から、ステップワゴンの原点ともいえるスクエアなシルエットに。
広大な室内を誇る4代目ステップワゴンの試乗レポート。

  1. レポートをまとめると…
  2. より大きく立派に見えるデザインと、広大な室内スペースを誇るミニバンとしてデビュー
  3. 3列目シートをフロア下に収納できるのはステップワゴンだけ
  4. 中古車なら燃費に優れる後期モデルがおすすめ。より豪華な上級グレードの満足度が高い!

モデル概要

3代目の反省を生かし、ボクシィなスタイリングに

4代目となったステップワゴンは、3代目ステップワゴンに設定されていた2.4Lガソリンエンジンを廃止して2.0Lのみとなった。歴代モデルのコンセプトであるホンダ独自の低床・低重心パッケージングは継承されている。
3代目ステップワゴンは、シャープさを前面に出したデザインだったが、4代目はミニバンらしいボクシィなスタイルへ変更。より大きく見え、室内スペースもクラストップレベルを誇った。
ステップワゴン

外観デザイン&内装

標準車と、スポーティな外装パーツを装備したスパーダと2つの仕様

外観デザインは、標準モデルとエアロパーツ類でスポーティさを際立たせたスパーダの2つが用意される。標準車の外観デザインはオーソドックスな1BOX系ミニバンのもの。
スパーダは標準車に比べてフロントグリルのメッキが強調されるほか、フォグランプを組み込んだエアダムバンパーが採用され、スポイラーなどのエアロパーツが装着されることが特徴となる。

インテリアはインパネシフトを採用するなど、全体にミニバンらしい雰囲気。スパーダはクルーブラックの内装でスポーティさを演出している。
ステップワゴン

燃費

ミニバン燃費戦争により後期モデルはアイドリングストップ機能が装備。クラストップレベルの燃費を誇る

旧型モデルの時代には、ステップワゴンとセレナ、ノア/ヴォクシーが熾烈な燃費競争を展開していた。
その中でステップワゴンは新開発エンジンとCVTの組み合わせによって発売時にはクラストップの燃費を得ていた。

マイナーチェンジ後の後期モデルでは、アイドリングストップ機構が装着され、燃費が向上している。
この時点でも、一時的にクラストップレベルの数字を得ている。
ただ、後期モデルは2013年からなので、アイドリングストップ機構付きの中古車はそれほど流通量が多くない。
アイドリングストップ機能は、とくにストップ&ゴーの多い市街地走行で効果を発揮するので、そうした場所で走る機会が多い人は、アイドリングストップ機能付きの後期モデルを選ぶといいだろう。

室内の広さ

低床・低重心フロアを採用しているため、あまり大きくは見えないものの、室内スペースはクラス最大級!

ホンダ独自の低床プラットホームを採用し、ワンボックス系ミニバンとしてはやや低めの全高ながら、室内空間はクラス最大の広さを持つ。背が低いために見た目が広そうに見えないが、実は最も広い室内スペースをもつミニバンなのだ。

3列目のシートが簡単な操作で回転する形で床下に格納でき、広くてフラットなラゲッジスペースを作れるのは、ステップワゴンならでは。操作にあまり力を必要としないので、女性でも楽に操作できる。

乗車定員はスパーダでは多くのグレードで7人乗りが選べるが、ステップワゴンでは8人乗りを中心にしたバリエーションである。
ステップワゴン

乗車定員は何人が乗って走る機会が多いかによって選ぶことになるが、たいていのユーザーは多人数乗車をする機会は少ないと思う。それなのに、8人乗り仕様のほうが良く売れているのが実情だが、2列目にゆったり座れるキャプテンシートを設けた7人乗り仕様のほうがお勧めである。
ただし、売れていたのが8人乗りなので、7人乗りの中古車は見つけにくいかも知れない。

走り

必要十分なパワー。柔らかめなフットワークで快適な走りを実現

2.0LエンジンとCVTとの組み合わせは必要にして十分といった感じ。
特にパワフルなエンジンというほどではないが、市街地から高速道路まで普通に良く走って不満を感じさせない。
ふだんはエコ運転を支援するECONボタンを押してスムーズな走りを心がけたら良い。
ECONモードでの走りはちょっと物足りなさを感じるかも知れないが、それくらいの走りがちょうど良いのだ。

スパーダにはパドルシフトも装備されているので、スポーティな走りを楽しみたいならスパーダを選んだほうが良い。毎日の通勤に使い、一人で乗ることが多いユーザーにはスパーダがお勧めだ。

柔らかめの足回りによる乗り心地は快適なもの。細かな振動が気になる部分はあるが、大きな不満といった感じではない。

ホンダ独自の低床プラットホームは操縦安定性の高さにつながっていて、特にスパーダの走りはスポーティなイメージもある。タイヤサイズが大きくなって専用にチューンされたサスペンションを備えるからだ。相当に安定感の高い走りを示す。

操縦安定性と乗り心地は相反する要素なので、標準車は乗り心地重視で快適な走り、
スパーダは操縦安定性重視でスポーティな走りになる。

装備

前期モデルは横滑り防止装置(VSA)が標準装備されていないモデルが多いので要チェック

この当時の追突回避支援軽減ブレーキは、CMBSと呼ばれミリ波レーダーを使ったもの。現在のホンダセンシングのように高機能高性能ではなく、あくまで減速することを目的としている。後期モデルでは、最上級グレードのZiにだけ標準という設定とされるなど、ごく一部のグレードにしか設定がなかった。
この時代の価格も高くて、ほとんど売れなかったので、装着車を探すのは難しい。ただ、CMBSの装着車を見つけたなら、そのクルマをベースに検討したほうがいいだろう。最上級グレードなので、他の装備も十分に満足できるものとなっている。

前期モデルは、横滑り防止装置(VSA)が上級グレードしか装備されていない。背の高いミニバンは、重心が高くもしものときに横転の可能性が高い。なるべく横滑り防止装置が装備されている上級グレードを選びたい。

おすすめグレード

大幅に進化した燃費性能と安全装備を考えると、後期モデルのスパーダがおすすめ!

まず、前期か後期かという選択だが、多少距離を走っていても後期モデルを選んでおきたい。安全装備を含め、燃費性能など後期の総合性能が高いからだ。
標準車かスパーダかという選択になるが、やはりおすすめはスパーダだ。スポーティなデザインであると同時に、装備も標準車よりよい。こうした贅沢さがウリのミニバンなので、やはり上級グレードを選んだほうが満足度は高い。
スパーダならZiが良いだろう。追突被害軽減自動ブレーキであるCMBSが標準装備され、サイドエアバッグやカーテンエアバッグも標準装備されているので、現在でも高いレベルの安全装備といえる。
ステップワゴン
<関連記事>新車を最大限値引く方法があるって本当?ステップワゴンの新車値引き術

標準車なら、Gコンフォートセレクションが良い。左右のパワースライドドアが標準装備となっている。他のグレードだと、右側がパワースライドドアではないこともあるので、シッカリとチェックしておきたい。

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ホンダ ステップワゴン スパーダZi
(H21〜H27・2009〜2015)
ボディサイズ
(全長×全幅×全高)
4690×1695×1815mm
ホイールベース 2855mm
車両重量 1690kg
排気量 1997cc
最高出力 110kW[150ps]/6,200rpm
最大トルク 193Nm/4,200rpm
トランスミッション CVT(無段変速機)
燃費(JC08モード) 13.8㎞/L
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自動車評論家 松下 宏(まつした ひろし)

自動車評論家
松下 宏(まつした ひろし)

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。
誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
そのため、大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。