• 日産エクストレイル

  • REVIEW 新旧比較レビュー

新型 VS 旧型。2015年5月にハイブリッドが追加されたばかりの
エクストレイルの違いを徹底検証。

概要

新型エクストレイルは6年ほどの期間を経て登場したモデルなので、いろいろな部分で進化しているのは確かだが、
全体としては従来のモデルを継承した部分も多い。変わった部分と変わっていない部分をしっかり確認しておきたい。

外装

新型車は大きくなったので車庫の確認を

外観デザインは変わった。
フルモデルチェンジなのだから当たり前だが、新型車のほうが今風であり、
新型車が登場したことで旧型モデルのデザインは古くなったのは間違いないが、
旧型の四角いデザインの方がSUVっぽくて好きというファンも多いくらいだ。
キャプション
また、新型車も画期的に斬新なデザインというほどではないので、旧型だから極端に古臭く見えるということもないだろう。 また新型車はボディサイズが大きくなった。
問題となるのは全幅で、これまでよりも35mm拡大しただけだが、1800mmの大台を超えている。
2段式や3段式などの立体駐車場では、これが制約となって車庫証明が取れないケースも出てくる。

旧型モデルの中古車なら入るが、新型車は入らないというケースもあるので自分の車庫事情も注意したいポイントだ。

性能とメカニズム

汚れても水洗いできるスグレモノ

メカニズムに関しては、基本部分は変わっていない。
電子制御式の4WDシステムであるオールモード4×4-iを採用するのは従来と同じである。ただ、部分的に進化しているところがある。

「アクティブライドコントロール」「アクティブエンジンブレーキ」、「コーナリングスタビリティアシスト」
などの先進技術が盛り込まれたことで、これまでに比べて走りが進化した。

乗り心地や運転のしやすさ、操縦安定性と安全性などが従来に比べて向上しているのだ。
具体的な数値でこれだけ進化したといえるようなものではないが、乗り比べてみれば走りのフィールが変わっているのが分かる。

ALL MODE 4×4 - i
電子制御の4WD機能を使い、一般道でもスムースに走れるシャシ制御を入れたALL MODE 4×4 - i

装備

旧型車では、絶対手に入らないエマージェンシーブレーキが魅力

装備ではエマージェンシーブレーキパッケージが大きい。
エクストレイル用のものはソナー+単眼カメラ式で、
ミリ波レーダー方式と赤外線方式の中間くらいにあるものだが、追突軽減ブレーキとしての効果は高い。
今どきのクルマには絶対に必要な装備だ。

中古車を選ぶとこれは絶対に手に入らない装備なので、中古車を買うユーザーは諦めるしかない。
逆に新車を買うなら絶対に装着しておこう、後々手放すときのリセールバリューにも大きく影響する。 自動ブレーキが付いていないクルマは、査定価格が大幅にダウンするなんてことにもなりかねない。

新旧エクストレイル 3つの選び方

POINT1 価格

「新車か? 中古車か?」を考えるときに大きなポイントになるのは価格だ。
新車は売れ筋グレードに欲しい仕様を装着すると330万円台の予算が必要になる。
ところが中古車なら年式とグレードによって異なるが、
初期モデルの20年式あたりなら100万円前後から見つかるし、
25年式の高いものでも240万円くらいまでの予算で手に入る。

新車と比べたら確実に安く手に入るのが旧型モデルの中古車だ。
ただ、200万円を超えるような予算で年式の新しいものを買うのは、あまり中古車のメリットが出てこない。
エマージェンシーブレーキパッケージがあることによる、新型の魅力が大きく響いてくるからだ。

エクストレイルの中古車を選ぶなら、100万~150万円くらいの価格帯を中心に、
200万円くらいまでの予算で考えるのが良い
と思う。
特にガソリン車を買うなら、魅力の差はそれほど大きくないので、旧型モデルを狙っていくのも正解である。
いくら新車の燃費が良いとはいえ、車両価格が100万円以上も違うのであれば、
燃費差による燃料費で差が埋まることはない。

POINT2 クリーンディーゼルを選ぶ前に

新型車ではディーゼルが設定されなくなった。
そのためもあって旧型エクストレイルのディーゼルは20GTの中古車相場が235万~290万円とかなり高めになっている。
これを買うなら、マツダのCX-5やCX-3の新車を買ったほうが良いのではないかと思えるくらいの相場である。

旧型エクストレイルのディーゼル車は、初のクリーンディーゼルとして評価されるべき存在だが、最新のマツダのディーゼルに比べると見劣りする。

日産はそれに勝てないからディーゼルをやめたともいえるので、注意しておきたい。
今後、マツダのディーゼルが中古車で高く評価されてくると、エクストレイル・ディーゼルの中古車相場も下がってくるだろう
買うときには高めだったのに、リセールバリューは安めになってしまうなんてことにもなりかねない。

旧型エクストレイル ディーゼル
旧型エクストレイル ディーゼル

POINT3 2WDか4WDで迷ったら

4WDは必要なく、単にデザイン的にSUVが好きという理由で、
新車で安価なエクストレイル2WDを選ぶ人もいるだろう。
そうした選択もありだが、予算重視で2WD車を選ぶというのであれば、
旧型中古車の上級グレードで4WD車がお勧めだ。

やはり、SUVの魅力は4WD機能にある。
4WDには、雪などだけでなく、雨やなどの路面が滑りやすいときの安心感もある。
雨の高速道路などでの安定感は4WDならではのものがあるからだ。
どうしても新型が良いのなら、1年落ち程度の高年式で4WDモデルを探すといいだろう。

エクストレイルを含め、SUVのリセールバリューは良いので、
高年式の新型を買い短い期間で乗り換えるというのもありだろう。

お得に乗り換えるなら

新車&中古車とも、下取り車の処理は必ず買取店で本当の価格をチェック!

新旧どちらのエクストレイルにするか決まったら、最後は下取り車の処理だ。
まずは、新車の場合、買取専門店で現在の適正な価格を知ることから始めたい
最終的に高く引き取ってもらえるところで売ればいい。

買取店が下取りの価格で負けるのでは、
存在意義が無いので下取り価格をやや膨らませて買取店で商談するといいだろう。
きっと、頑張ってくれるはずだ。

中古車の購入の場合、買取と中古車販売を同時に扱う店が多い。
この場合、買取と中古車販売両方で利益がでるので、当然、お店側も気合いが入る。
値引きや買取額アップなどが期待できる。それでも、他の買取店で査定くらいして望みたい。
中古車を購入するのに、他の買取店より、低い買取価格を提示されないようにするためだ。

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新型・2代目エクストレイル 比較ギャラリー
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自動車評論家 松下 宏(まつした ひろし)

自動車評論家 松下 宏(まつした ひろし)

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。
誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
そのため、大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。