スズキ ハスラー
<低燃費性能はそのままに、ワゴンRがあいきょうあるアクティブなスタイルに大変身!>
スズキハスラースズキは、ハイト系ワゴンとSUVのクロスオーバー車であるハスラーの発売を開始した。このモデルのベースとなっているのは、スズキの看板車種といえるワゴンR。ワゴンRのプラットフォームやパワーユニット、インテリアの基本部分を共用しているのが特徴だ。

しかし、基本部分がワゴンRと同じと言われなければ、このハスラーはまったくの別物に見えるから不思議。ワゴンRやスペーシアなど、良くも悪くも実用性重視のデザインとなっているスズキ車とは思えないほど遊び心がいっぱいだ。スズキ デザイン部門の底力を感じさせるデザイン力が光る。
デザインで特徴的は、ほとんど垂直に見えるAピラーの角度だ。Aピラーが立ったことで、水平で長いルーフがより長くなり、ボクシィなスタイリングをより強調。その四角いスタイリングとは相反するクッキリパッチリ系の丸いヘッドランプが絶妙な味を出す。さらに、全体的にあいきょうを感じさせる柔らか曲線で構成されるバンパー類が組み合わされて、コンパクトな軽自動車らしいキュートさを表現している。また、ボディ全体もシャープなエッジを効かすというより、エッジを落とし丸みのあるデザインとすることで、親しみやすさも感じさせるデザインだ。また、一般的にブラックのバンパーやフェンダーアーチは、SUVらしいタフネスさを表現する。しかし、ハスラーにとっては、タフネスさのツールというよりは、キュートなデザインの一部とされている。
スズキ ハスラーインテリアも基本には、ワゴンRと共通。インテリアまわりの塗装や、シートのカラーパイピングなどにより、ポップでアクティブなイメージに仕上げている。ワゴンRベースなので、インテリアの使い勝手は高い。
驚くことに、ただカワイイだけでなく、アプローチアングル(28°)とデパーチャーアングル(46°)をしっかり確保している。ハスラーは、SUVで4WDの設定もあることから、高い実用性も兼ね備えているだ。実用性では、大径タイヤの採用とサスペンションストロークの変更により、180mmの余裕ある最低地上高を確保(2WD)。4WD車は175mmとなる。車高をアップし、大径ホイールが採用されたことにより、足回りの設定もグレードアップした。フロントスタビライザーを全車に採用し、ショックアブソーバーの減衰力をチューニング。車高が高くなった分、安定感のあるハンドリングとなるようにチューニングされている。
見た目だけではないのもハスラーの特徴だ。こういったスタイルで4WD設定があるということで、オフロードでのパフォーマンスアップにも力が入れられている。さすがに、ジムニーのような本格的4WDとはいかないまでも、ワゴンRの4WD機能を電子制御技術で進化させている。その機能のひとつがヒルディセントコントロールだ。この機能は、滑りやすい急な下り坂では、タイヤをロックさせてしまうと滑り落ちてしまう。そうならないように、車速を制御する。ドライバーはブレーキ操作なしに約7km/hの一定速度で降坂できるシステムなのだ。軽自動車初となる装備だ。
そして、もうひとつの機能がグリップコントロール。横滑り防止装置ESPの機能を使い、滑りやすい路面での発進時に、エンジントルクやブレーキが効果的に作動するように制御させることでスムーズな発進をサポートする。この制御も軽自動車初だ。
スズキ ハスラー一般的に、車高を上げAピラーを立て、大径ホイールを履くと燃費性能は悪くなる傾向になる。しかし、燃費性能はFF車で29.2㎞/Lという低燃費を実現。ベースのワゴンRが30.0㎞/Lなので、約3%のダウンで済んでいるのには驚きだ。また、ターボ車も燃費は26.8㎞/L。ワゴンRスティングレーの27.0㎞/Lから、わずか0.2㎞/L落ちているだけだ。ワゴンRの基本燃費性能が良いとはいえ、スズキの低燃費化技術は高いレベルにある。その結果、一部のMT車を除き、全車エコカー減税は免税となっている。さらに、アイドリングストップにも新たな機能が加わった。よほどスズキに問い合わせがあったのだろう。 アイドリングストップ機能が使えない理由をドライバーにフィードバックするというアイドリングストップインフォメーションが装備された。また、アイドリングストップ時間をコントロールする機能も採用。燃費優先、標準、快適優先の3モードが設定できるようになった。
安全装備に関しても、スズキはハスラーで大きな舵を切った。最上級グレードのハスラーX(FF)の価格が1,369,200円。ハスラーはAグレードを除き、なんと追突被害軽減自動ブレーキであるレーダーブレーキサポートが標準装備されているのだ。ベース車のワゴンR FXリミテッドが1,291,500円なので、細かい装備を抜きに比べるとわずか約8万円アップでハスラーが買える計算だ。4WD車の価格アップも似たようなもので、4WD機能としてヒルディセントコントロールやグリップコントロールが追加されていることを考えれば、ワゴンRと比べるとFF車よりもハスラーの4WD車はお買い得感がある。ハスラーの場合、エントリーグレード以外は、ある一定以上の装備が標準装備となっているので、装備を見ながら予算と相談という選び方になる。基本的には、Gグレードをベースに考えるといいだろう。シンプルな装備だが、これで十分といえる内容なのでおすすめだ。最上級グレードのXに近い装備を求めるのなら、セットオプション装着車がおすすめ。装備は、ディスチャージヘッドランプ、運転席シートリフター、チルトステアリング、フロントアームレストボックスが追加される。特別安いとは言えないが、価格は63,000円高。
■価格
・A  2WD 5MT 1,048,950円 4WD 5MT 1,166,550円 2WD CVT 1,048,950円 4WD CVT 1,166,550円
・G 2WD 5MT 1,127,700円 4WD 5MT 1,240,050円 2WD CVT 1,211,700円 4WD CVT 1,334,550円
・Gターボ 2WD CVT 1,295,700円 4WD CVT 1,418,550円
・X 2WD CVT 1,369,200円 4WD CVT 1,492,050円
・Xターボ 2WD CVT 1,453,200円 4WD CVT 1,576,050円

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