マツダ デミオ
マツダ デミオ インテリア

質感を重視し、スポーティなイメージもうまくプラス。欧州車のような仕上がりの高さを見せる。さすがは世界戦略車だけのことはある。

マツダ デミオ リヤ

重厚感あふれるデザインだけに、サイズ的にも拡大しているように思えるがそんなことはなし。ハイデッキながら、見切りのよさにもこだわる。

マツダ デミオ エンジン

エンジン本体にも画期的な技術が搭載されているが、1tを切る軽量なボディ、さらにはマツダとしては初採用となるCVTとの組合せによって、23km/Lというクラストップレベルの低燃費と優れた環境性能を実現している。

コンパクトの原点を見つめ直しグローバルスタンダードを目指す!

 1996年にデビューした初代デミオは、当時のコンパクトカーカテゴリーに新風を巻き起こし、幅広い層からの支持を集めた。国内においては、累計販売台数が100万台を突破し、いまやマツダの屋台骨を支える存在として確固たる地位を築いている。そんなデミオがいよいよフルモデルチェンジを行ない、3代目へと進化を遂げる。
 新型デミオのコンセプトは、「パーソナルスマートコミューター」。初代/2代目と続いたスペースワゴン的なキャラクターとは一線を画し、小さいことを利点とするコンパクトカーの原点を見つめ直すことで新たなコンパクトカー像を提案している。
 その狙いはボディサイズに現れている。一見すると、現行型よりも大きくなっているように見えるが、3サイズは、全長3885mm×全幅1695mm×全高1475mm。全幅こそ5ナンバー枠いっぱいまで拡大されているが、2代目と比較すると全長は40mm短く、全高は55mm低くなっている。他のBセグメントモデルが、大型化していくなか、あえてサイズアップしていないのは、先述したコンパクトカーらしく、扱いやすさに重きをおいたものであることがうかがえる。また、サイズのみならずショルダーラインが前方へ大きく下降したデザインやドアミラーの取付位置を低く設定するなどの効果によって、取り回し性は大幅に向上している。
 こうしたタウンユースを主とするコンパクトカーとしてのこだわりは、インテリアにも見て取れる。運転席はあらゆるドライバーが使う状況を鑑み、どんな体型の人でも最適なドライビングポジションをとれるよう調節量の幅を広くとるとともに、シフトレバーの位置を人間工学に基づいて高めに設定するなど、スムーズなドライブが行なえるよう配慮している。限られたスペースのなかに室内収納を豊富に備えたり、このセグメントのモデルとしては広々としたラゲッジスペースを確保するなど、使い勝手の良さも見逃せないポイントだといえるだろう。
 気になるエンジンバリエーションは、直列4気筒の1.3リッターが2タイプと1.5リッターをラインナップする。とくに注目は、1.3リッターのミラーサイクルエンジンだ。ピストントップランドの形状を変更し、膨張比をアップ。さらに吸気側カムシャフトのカムプロフィールを変更することで、吸気バルブのタイミングを遅閉じさせることでノッキングを抑制しながら熱効率を高めるとともに、ポンピングロスの低減が図られている。これにより、通常時・加速時ともにスムーズな走りと低燃費を実現している。また、S-VT(シーケンシャル・バルブタイミング機構)の作動域を高回転域まで拡大し、圧縮比の縮小にともなう、トルク低下を最小限に抑えている。このミラーサイクルエンジンは、100kgにもおよぶ軽量化、CVTを組み合わせることにより、23km/Lというクラストップレベルの低燃費を実現しているのだ。
 新型デミオが属するBセグメントは、欧州において販売も好調に推移しており、競合車種も多く、まさに群雄割拠の様相を呈している。新型デミオは、そんな欧州市場に打って出るグローバルカーとしての役割も担う。それゆえ日本国内だけでなく、欧州市場での激戦を勝ち抜くための新たなアイデアが豊富に盛り込まれている。それらは低迷を続けている国産コンパクトカークラスに活況をもたらすものになることは間違いないだろう。発表は目前、姿を現わすのはもうすぐだ。

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代表グレード
新型デミオ予想スペック
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3885mm×1695mm×1475mm
車両重量[kg]
990kg
総排気量[cc]
1348cc
最高出力[ps/rpm]
90ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm]
12.2kg-m/4000rpm
ミッション
CVT
10・15モード燃費[km/l]
23.0km/l