車の排気量とは?排気量の大きさによる自動車税の違いやメリット・デメリット

車の排気量とは?排気量の大きさによる自動車税の違いやメリット・デメリット

排気量とは

排気量についての解説

排気量とは、「エンジンが吸い込める空気と燃料の総量」のことです。より正確に説明するのであれば、「空気と燃料を吸い込むシリンダーの容積」を意味します。

そもそも、クルマのエンジンでは空気と燃料の混合ガスが化学反応を起こすことでエネルギーが発生します。これによって発生するエネルギーがクルマの動力源なので、空気と燃料を多く吸い込めるクルマ(=排気量が大きいクルマ)ほど、力強く走ることができます。

排気量は、以下の計算式で算出できます。

【排気量の計算式】

{ボア(内径)÷2の2乗}×3.14(円周率)×ストローク(行程)×気筒数(※)

※気筒数=クルマに搭載されているシリンダーの数

排気量の計算式

「排気量=排気ガスの量」ではない

一般に排気量が大きいほど排気ガスの量も多くなります。

ただし、完全に比例する訳ではありません。排気ガスの量には、エンジンの回転数も関わっているからです。エンジンの回転数は車種ごとに異なるので、同じ排気量であっても車種によって排気ガスの量が異なるケースもあるのです。

クルマのサイズと排気量は比例しやすい

一般に、クルマのサイズと排気量は比例しやすいです。それは、以下のような理由からです。

  • ボディサイズを小さくするためにはエンジンも小さくせざるを得ない
  • 大きなクルマを動かすには多くのエネルギーが必要

そのため軽自動車やコンパクトカーは排気量が小さいことが多いです。またミニバンは、大人数で乗っても走行性能が落ちないように排気量が大きい傾向にあります。

排気量の調べ方

「愛車の自動車税はいくらだろう?」など、クルマの排気量が気になる場合は①車検証または②諸元表で確認することができます。

方法①車検証で確認する

車検証には、クルマのメーカーや種類、車両重量などとともに排気量が記載されています。 車検証は運転時の携帯が義務付けられているため、クルマの中に置いてあるはずです。

方法②諸元表で確認する

クルマの諸元表にも、エンジンの種類や燃費とともに排気量が記載されています。諸元表は自動車カタログや各メーカーの公式ページに掲載されているので、クルマに車検証を見に行くのが面倒な場合はこちらで確認してみましょう。

排気量の大きさで変わる3つのこと

排気量の大きさが違えば走行性能が変わるのはもちろん、クルマのカテゴリーや自動車税の金額が変わってきます。

①クルマのカテゴリー

道路運送車両法では、クルマのカテゴリーを以下のように大きさと排気量で分類しています。

分類 軽自動車 小型自動車 普通自動車
総排気量 660cc以下 661cc以上2,000cc以下 左記以上
大きさ 全長3.4m以下
全幅1.48m以下
全高2.0m以下
全長4.7m以下
全幅1.7m以下
全高2.0m以下
左記以上
代表的な車種 ・スズキ「ハスラー
・ホンダ「N-BOX
・トヨタ「アクア
・日産「ノート
・トヨタ「クラウン
・マツダ「CX-5
ナンバープレート 黄色ナンバー

色は白

分類番号は5か7

色は白

分類番号は3

(※出典:一般財団法人自動車検査登録情報協会

クルマのカテゴリー次第では自動車保険の任意保険料などが変わることもあり、特に軽自動車は安くなりやすいです。

②走行性能

排気量が大きいほど、一度に発生するエネルギー量も多いです。そのため排気量が大きいクルマは加速力が大きく、走行がスムーズです。

③自動車税の金額

毎年納める自動車税の金額は、クルマの排気量ごとに設定されています。2022年9月現在、自動車税の税額は以下の通りです。

総排気量 2019年9月までに新規登録 2019年10月以降に新規登録
660cc以下
軽自動車
1万800円 1万800円
1,000cc以下 2万9,500円 2万5,000円
1,001cc~1,500cc 3万4,500円 3万500円
1,501cc~2,000cc 3万9,500円 3万6,000円
2,001cc~2,500cc 4万5,000円 4万3,500円
2,501cc~3,000cc 5万1,000円 5万円
3,001cc~3,500cc 5万8,000円 5万7,000円
3,501cc~4,000cc 6万6,500円 6万5,500円
4,001cc~4,500cc 7万6,500円 7万5,500円
4,501cc~6,000cc 8万8,000円 8万7,000円
6,001cc~ 11万1,000円 11万円

排気量が大きい場合のメリット・デメリット

メリット

  • 加速力が大きく、走行がスムーズ
  • 車内の静粛性が高い

先述の通り、排気量の大きいクルマは一度に多量のエネルギーを生み出すのでパワー(馬力)があり、走行性能が高いです。特に走り出しの加速や上り坂では、そのメリットを大いに感じられます。また乗車人数が多く、車体が重くなりがちな場合もパワー不足を感じにくいです。

もう一つのメリットは、エンジン音が小さいことです。排気量が大きいとエンジンの回転数を減らしても充分に加速できるので、それだけエンジン音も小さくなります。

デメリット

  • 燃費が悪く、環境にも悪影響
  • 維持費がかかる

排気量が大きいと一度に消費する燃料も多いため、一般に排気量の大きいクルマほど燃費が悪いです。また排気ガスの量も排気量の大きさに比例して増えるため、環境にも負担をかけます。

この他にも、自動車税が高くなったり、燃費の悪さから燃料代がかかったりと維持費が高くなりがちなのもデメリットです。

排気量は「大きい・小さい」どちらが良い?

排気量の大きいクルマ・小さいクルマのどちらが良いのかは利用目的や居住地によって異なります。

排気量の大きいクルマが向いている人

以下のような人にとって排気量の大きなクルマは便利でしょう。

  • 高速道路を良く利用する
  • ドライブが好き
  • 山間部に住んでいる
  • 大人数でクルマに乗ることが多い

運転に加速力や走りの力強さを求める場合は、排気量の大きいクルマが向いています。クルマの運転に爽快感を求める人、また居住環境として上り坂が多い場合や大家族には排気量の大きい大型セダンミニバンがオススメです。

排気量が2,500cc以上のクルマの例

トヨタ「カムリ」、日産「セレナ」、マツダ「CX-5」など

排気量の小さいクルマが向いている人

運転に加速力が必要ない、以下のような人には排気量の小さいクルマの方が良いでしょう。

  • 短距離での運転が多い
  • 維持費を安く抑えたい
  • 乗車人数が限られている

クルマの利用頻度や移動距離が少ないのであれば、加速力や静粛性に欠けていても大きな問題はありません。特に市街地走行が多い場合は信号などで停まることも多く、加速力は不要でしょう。

クルマの維持費にお金をかけたくない場合も、軽自動車やコンパクトカーなど排気量の小さいクルマがオススメです。

排気量が1,500㏄以下のクルマの例

ホンダ「フィット」、日産「キューブ」、トヨタ「ヤリス」など

排気量の小さいクルマの探し方

排気量の小さいクルマを探すなら、軽自動車かコンパクトカーをおすすめします。軽自動車の排気量は660cc以下、コンパクトカーは1,500cc以下と定められていて、ともに排気量はかなり小さいです。

より維持費が安いのは軽自動車ですが、コンパクトカーは5人まで乗車可能(軽自動車は4人)で、カーゴスペースも軽自動車より広いといったメリットがあります。

ガリバーでは、中古車検索で「軽自動車」または「コンパクト/ハッチバック」を選択するとそれぞれの在庫がチェックできます。検索結果の一覧で排気量の確認も可能です。

クルマ選びでは燃費ランキングもチェック!

排気量の大きいクルマは加速力があるものの、維持費が高くなりがちです。維持費はクルマを所有している限り、継続して負担しなければいけません。特に燃料代は走行距離に比例してかかるので、ドライブ好きでも気になるところです。

ガリバーでは人気車種の燃費をメーカー横断で比べた「人気車種燃費ランキング」を紹介しています。維持費の負担を減らしたい場合はぜひ参考にしてください。

併せて読みたい!クルマの基礎知識

noricoでは、ナンバープレートによるクルマの違いや税金に関する解説など、カーライフでの疑問を分かりやすく説明しています。他の記事もぜひ参考にしてください。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!