エンジンルーム洗浄のやり方は?注意点や費用の目安について整備士が解説

洗車をすることはあっても、なかなかボンネットを開けてエンジンルームまできれいにする方は多くないでしょう。
しかし、普段見えないところとは言えきれいにしておくことは気持ちの良いものです。
そこで、エンジンルームを洗浄する方法や注意点、業者に依頼するときの費用の目安について現役の整備士がお答えします。

エンジンルーム洗浄のメリット

エンジンルームを洗浄するメリットは主に以下のような点です。

  • 見た目をきれいに維持できる
  • 日常点検を兼ねることができる
  • 車の異常や不具合に気付きやすくなる
  • 売却時の査定アップに繋がる可能性がある

オーナーの義務である日常点検の実施

エンジンルームの洗浄では必ずボンネットを開けるので、合わせてエンジンルーム内の日常点検をするハードルも下がるでしょう。
ウォッシャー液の液量を見ておくだけでも、いざという時に空っぽで使えない、ということがなくなるので十分に価値があります。
各油脂類のチェックなどもおこなうことができればベストです。

異常や不具合の早期発見

エンジンルームの洗浄が、エンジンルーム内の異常や不具合を見つけるキッカケになるかもしれません。
オイル漏れやホースの破れなど、なにか気になるところがあれば車屋さんに相談してみましょう。
また車の不具合だけではなく、エンジンルーム内は温かいことから猫やネズミなどの居所となっているケースもあります。
こういった小動物は配線を噛みちぎることもあるので、それに起因する不具合が発生したり、作動部品に巻き込まれるといった予期せぬトラブルの元になります。

売却時の査定アップに繋がるかも

エンジンルームがきれいであること自体が明確にプラス査定になるわけではありませんが、査定士の車に対しての印象が良くなることで、売却時の査定アップに繋がる可能性があります。
買取店が特に買取を強化している車や、古く希少な車であればあるほど、この傾向は高くなるでしょう。

エンジンルーム洗浄の頻度の目安

エンジンルーム洗浄の頻度はご自身が気になったタイミングで、負担の掛からないやり方でできれば十分です。車を買ってから一度もやったことないという方がほとんどでしょう。
エンジンルーム洗浄の頻度は、どれくらいのきれいを維持したいかによっても変わってきます。
常に美しく保つのであれば、洗車のタイミングに合わせてエンジンルームを洗浄するのもひとつです。一方で車検ごとのタイミングで十分と考える方もいらっしゃるでしょう。

エンジンルーム洗浄を自分でする方法

エンジンルームを洗浄する場合、普段直接濡れるような場所ではないので、洗浄に際して注意が必要です。用意するものと手順を解説します。

エンジンルームの洗浄で用意するもの

  • 汚れてもよいタオル(クロス、ウエス)
  • ブラシ
  • 洗浄剤(専用クリーナー、カーシャンプーや家庭用の中性洗剤など)
  • マスカ
  • ホースリールまたは高圧洗浄機

【おすすめの洗浄剤】

しっかりとした洗浄をおこなう場合には上記のものを用意します。
マスカとは養生シートのことで、大判のビニールシートの1辺が養生テープやマスキングと一体になっているので、扱いやすくておすすめです。
また、ブラシは毛先の柔らかいものがおすすめで、細かい部分などの清掃には使い古しの歯ブラシが有効に活用できます。
簡易的な清掃であれば、カー用品
店などで清掃シートが販売されているので、これを使って気になるところを拭きあげるだけでも構いません。

エンジンルーム洗浄の手順

  1. エンジンを止めてボンネットを開ける
  2. バッテリーやコンピューターなど、水が掛かることが好ましくない部品をマスカやビニールを用いて養生する
  3. 必要に応じてタオル(ウエス・クロス)を使ってあらかじめ落とせる汚れを落としておく(後の洗浄が楽になります)
  4. 必要に応じて洗いやすいように、エンジンルーム全体にあらかじめ軽く水をかけておく
  5. 洗浄剤とブラシを使用して汚れの気になるところを洗浄する
  6. 水を使って洗浄剤が残らないように洗い流す
  7. 濡れた箇所をタオルで拭きあげる
  8. 数時間ボンネットを開けたままにしてエンジンルーム内を乾燥させる

エンジンルーム洗浄における注意点

エンジンルームを洗浄する際の注意点として、「電装品を水浸しにしない」、「むやみに艶出し剤を使わない」、「洗浄後にしっかりと乾燥させる」といったことが挙げられます。
その他の注意点も含めて以下にまとめました。実際に洗浄する前に、しっかりと読んでから臨んでください。

走行直後のエンジンルームが熱いときに作業しない

エンジンルーム内には非常に高温になる部品があります。
火傷やケガの恐れがあるので、かならずエンジンルームが冷えた状態で作業しましょう。

エンジンを掛けたまま作業しない

エンジンルーム内はクーリングファンが回転したり、ベルトが駆動しています。
手やタオルを巻き込んでしまうリスクがあるので、作業をするときはかならずエンジンを止めておこないましょう。

作業後にエンジンルーム内に忘れものがないか確実に確認をする

エンジンルーム内に掃除に使用した道具を置いたままにしてしまうと非常に危険です。
駆動している部品に巻き込まれてエンジン部品が損傷したり、排気管に触れているような状況だと発火して、最悪の場合には車両火災の原因となるケースも考えられます。

電装品を水浸しにしない

エンジンルームに使用されている電装品のコネクタは防水カプラとなっていることが多く、そう簡単に内部まで水が侵入しないようにできています。
それでも絶対に大丈夫という確証はありません。
また、たとえばフューズボックスやリレーボックスにはカバーが装着されていますが、パッキンがあって隙間から水が入らないように…とはなっていないので、やはり養生をしっかりとおこなって、電装品に直接水がかからないようにするのが無難です。
万が一、水がかかってしまったときは速やかにタオルなどで水分を拭き取り、ボンネットを開けて乾燥させるようにしてください。

分からないこと、やりづらいことを無理に行わない

エンジンルームの中は、見た目以上に非常に複雑です。
プロの整備士でも調べてからでないと心配な部品の脱着もあります。
掃除しづらいところを無理にしようとしたり、知識がないのにむやみに部品の脱着をおこなわないようにしましょう。
最悪の場合、エンジンが掛からなくなるということも発生することが考えられます。
また、無理な作業によりエンジンルーム内に清掃用品などを落としてしまうかもしれません。

むやみに艶出し剤を使わない

エンジンルームをきれいにする場合、プラスチック部品を中心に艶を出してきれいに見せるために、艶出し剤を塗布するケースがあります。
しかし、過度な塗布をしているケースが多く見受けられ、逆に埃やゴミの付着を招いたり、触れると艶出し剤が付着して手や服が汚れてしまうことがあります。
これらは、実際にエンジンルームをメンテナンスする整備士からあまり好まれません。
どうしても使用する場合には、最低限の量で薄く塗り伸ばす程度に留めておくのが無難でしょう。

洗浄後はしっかりと乾燥させる

エンジンルーム内には凹凸があるので、洗浄時に水が溜まってしまうことも考えられます。
水が慢性的に残っていると錆やカビ発生の温床となるケースもあるので、洗浄後はタオルなどで拭けるところはしっかりと拭いて、ボンネットを開けて確実に乾燥させましょう。
場合によっては、エンジンルームが温まるまでしっかり走行することで、乾燥時間を短縮させることも可能です。

エンジンルーム洗浄を業者に依頼するときの費用

エンジンルームの洗浄をプロの業者に依頼する場合の費用相場は5,000円〜です。
この金額に簡易的なコーティングが含まれていることもあるので、自分でやる手間やリスクを考慮するとコスパがよいのではないでしょうか。
また、簡易的な洗浄のみであれば2,000円程度〜で実施している整備工場やディーラーもあります。
一方でこだわったエンジンルーム洗浄だと15,000円〜と高額なメニューを用意しているお店もあります。
もし業者に依頼するときはトラブルを防止するためにも、費用とその作業内容がどの程度のものなのか事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

整備士のまとめ

エンジンルームの洗浄は絶対にやらないといけないというものではありません。
やるかやからないかは愛車を大切にしたい、見えないところもきれいにしておきたいというこだわり、気持ちによるところが大きいでしょう。
それでもきれいにしておくことは大切なことで、車のトラブルに早く気付く一助となることもあります。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。