車の水垢落とし方!水垢の原因やおすすめ対策商品を整備士が解説

車の水垢落とし方!水垢の原因やおすすめ対策商品を整備士が解説

車には水垢の付着がつきものです。しかし、放置していると目立ってしまうので、なかなかのクセモノです。水垢の落とし方や予防方法、おすすめ商品について現役の整備士が解説します。

車の水垢の種類と落とし方

一般に水垢とは大気中のゴミやチリといった不純物や水道水に含まれるミネラル成分がボディやガラス面に残って跡になったものです。
しかし、車に付着する水垢には「水性」と「油性」の2種類があり、付着の原因が異なります。

水性と油性、2週類の水垢の原因

  • 水性の水垢
    水性の水垢は大気中のホコリやゴミ、チリ、砂などが原因で付着します。
    雨水に含まれていることもあるので、雨が降った後にボディが乾くと目立つことが多いです。
  • 油性の水垢
    油性の水垢は、車の部品に使用されているグリスや潤滑剤といった油分を含むものが、雨や洗車、経年的な要因で流れ出たものや、ワックスやコーティングの成分が同様に流れ出たものが水垢の原因になります。

水垢の落とし方

水垢は付着した直後であれば、頑固な水垢となることは少ないです。
早い段階でカーシャンプーを使用して、スポンジで優しくこすりながら洗車をすれば、水垢の跡やシミが残ることはまずありません。
しかし、しつこい水垢もあります。特に油性の水垢を数週間放置していると、ボディにこびりついてしまって、洗車では簡単に落とせないこともあります。

洗車で簡単に落ちない場合は、カー用品店やホームセンターで販売されている、水垢取りクリーナーや目の細かいコンパウンドを使います。
それらを柔らかいクロスにつけ、優しくこすりながら磨くことで落とせることが多いので、試してみてください。
また、後ほどくわしく解説しますが、多くのご家庭にある住宅用洗剤や日用品を代用して、水垢を取る方法もあります。

水垢汚れが取れないのはウロコが原因かも

コンパウンドなどを使用しても水垢汚れがまったく取れないことがあります。その場合、水垢ではなくウロコになってしまっている可能性があります。
ウロコとは、ボディやガラスにイオンデポジットやウォータースポットが発生した状態を指します。ウロコの元は水道水に含まれるカルキ成分や、酸性雨です。マメに洗車をしていれば影響は受けづらいです。しかし、洗車をほとんどしない、洗車後に拭き取りを行わないといったことが、ウロコが発生する要因となります。

また、上記のような洗車時の注意を怠っていた場合、コーティング施工車の方が何もしていない車よりも、頑固なウロコが発生する可能性が高いです。
完全に除去することは素人には難しいので、プロの洗車スタッフに依頼することをおすすめします。

車の水垢取りは家にあるもので出来る?

車の水垢取りは、家にある家庭用洗剤・日用品等でも代用できます。
ただし、もともと用途の異なるものです。
溶剤の成分が、ボディにとっては刺激が強すぎることもあります。
ボディのコーティングやワックスを傷めたり、ボディ以外の箇所(例:ゴムモールなど)に付着してシミになったり、劣化を早める原因になることも考えられます。
あくまで応急用と捉えて、基本的には車専用の水垢クリーナーを使用することをおすすめします。
以上を踏まえたうえで、水垢の種類に応じて使える住宅用洗剤・日用品は以下のとおりです。

  • 水性の水垢…お酢、クエン酸【酸性】
  • 油性の水垢…重曹、食器洗い洗剤【アルカリ性や中性】

それぞれの水垢の種類に応じてご紹介していますが、コーティングの劣化やボディ以外の部分への付着が心配であれば、水性・油性の水垢問わず中性洗剤で試してみることをおすすめします。

車の水垢取りおすすめ商品3選

車用の水垢取り・クリーナーでおすすめの商品を3つ紹介します。

水アカスポットクリーナー

水垢取り専用のクリーナーで、コンパウンドが含まれていないのでボディに優しく安心です。
「水垢がよく取れた」「思うように取れなかった」…と、真逆のレビューが混在しますが、値段も安く全体での評価は良いです。
スプレータイプなので、水アカだけをピンポイントで落としたい時に便利です。

本当によく落ちる水アカ 鉄粉シャンプー

普通のカーシャンプーよりも、水垢や鉄粉の除去能力が強いカーシャンプーです。
コーティングやワックスの被膜を落とすほどの除去能力があります。
十分な時間を確保して、手洗い洗車ができる時に使うのがおすすめです。
水垢取りに特化している商品ではないので、しつこい水垢の除去には向きませんが、日頃からボディメンテナンスをマメにできるひとにおすすめの商品です。

水あか専用クリーナー

商品名の通り、水垢専用のクリーナーです。
頑固な水垢に効果があるという声も多く、水垢取りに悩んでる方におすすめの商品です。
メッキモールやガラスへの付着はNGなので、安全に使用するためにボディに直接スプレーするのではなく、スポンジやクロスにスプレーして塗り込む方法がベストです。

黒い車におすすめな水垢取りはある?

水垢取り・クリーナーには、全ボディカラー対応のものから、メタリック系塗装専用のものや、黒色やダーク系カラーの濃色専用のものなどさまざまなタイプがあります。
黒い車は磨き傷やくすみが他の色よりも目立ちやすいという性質があります。
頑固な水垢を落とすためには、ある程度のコンパウンド成分が必要ですが、そのコンパウンドが原因で磨き傷がついてしまっては本末転倒です。
黒い車(濃色)専用の水垢取りは、白やシルバーなどの明るいボディカラー用の水垢取りと比べて、含まれているコンパウンドの成分が超微粒子になっています。
これにより、コンパウンドで頑固な水垢除去に対応しつつも、ボディに磨き傷をつけにくい仕様になっています。
濃色用水垢取りは、以下が洗車用品で有名なシュアラスター製のものでおすすめです。

車の水垢取りを業者に頼んだ際の費用の目安

整備工場や洗車・コーティング専門店のような業者に依頼して水垢を取ってもらうのも、ひとつの手段です。自分自身でやるよりも、確実で安心です。
水垢取りは依頼をするお店で費用が異なりますが、基本的にボディサイズが大きくなるほど、手間も時間も増えるので料金が高くなる傾向にあります。
また、洗車メニューに水垢取りが含まれていることもあれば、オプションメニューになる場合もあります。

カー用品店・ディーラーの場合

  • 軽自動車・コンパクトカーサイズ…4,000円〜 
  • ミニバンサイズ…5,000円〜

一般的にカー用品、ディーラーで水垢取りを依頼する場合、費用の目安は4,000~5,000円です。この費用感であれば、洗車に簡易的な水垢取りも含まれるようなイメージです。

頑固なしつこい水垢取りになれば、オプション費用が掛かったり、板金塗装業者や洗車専門業者(社内に内製化の場合もあり)に外注することもあります。
その場合は費用も高くなるので、目的と予算に応じてよく相談してメニューを決めましょう。

洗車・コーティング業者の場合

  • 軽自動車・コンパクトカーサイズ…4,000円〜 数万円
  • ミニバンサイズ…5,000円〜数万円

洗車・コーティング業者に水垢取りを依頼する場合も、おおむね最安値は4,000円~5,000です。カー用品店やディーラーと大きく変わりはありません。
しかし、専門業者とだけあってオプション作業の幅が広く、水垢のつきにくいコーティングの同時施工などもできることがあります。
その分掛かる費用の幅は広く、軽自動車サイズでも数万円掛かる場合もあります。
しかし、その分納得のできる高いクオリティでの仕上がりも期待できるでしょう。

車の水垢防止におすすめの商品と方法

そもそも厄介な水垢をつきにくくする方法があればベストで、洗車も楽になります。
水垢をつきにくくする方法や、おすすめの商品を紹介します。

水垢をつきにくくする方法

車に水垢をつきにくくするには以下のような方法があります。

  • 雨の日に乗らない
  • 屋内ガレージに駐車する
  • カーポートに駐車する
  • こまめに洗車する
  • 洗車の時はモールや隙間まで綺麗にする

雨の日に乗らないのはあまりにも極論ですが、雨風が防げる屋内ガレージに車を保管することができれば、かなり水垢の付着を防ぐことができます。
カーポートは水垢の予防で言うと限定的ですが、当然ながら無いよりはある方が効果的です。
こまめな洗車はもっとも大切なことです。
時間を掛けてやらずとも、雨の日の翌日などにサッと水をかけ流して拭きあげるだけでも、水垢の予防に効果的です。
また、ドアのモール部分や内側の全周、給油口の蓋を開けたところ、バンパーグリルなど、汚れが堆積しやすい部分は、そこを通過した水がボディに付着することで水垢の原因になります。
洗車の際には、定期的にこうした目に付きにくい部分のお手入れをすることが非常に大切です。

ボディコーティングは必ずしも水垢防止にはならない

ボディコーティングは、コーティングの成分によってはむしろ水垢が残りやすい特性がある場合もあります。ボディコーティングは、あくまでボディの塗装膜を守る役割が主なものだからです。
また、コーティングをしているからと定期的なメンテナンスや洗車を怠っていると、何もコーティングをしていない車よりも酷い状態(水垢、イオンデポジットが取れない)になる車を、わたし自身もたくさん見てきました。
コーティング施工の有無に関わらず、汚れたボディを長く放置しない、こまめな洗車が重要です。

水垢をつきにくくする商品2選

整備士がおすすめする水垢をつきにくくするのに役立つ商品を、厳選して2つ紹介します。

防汚性を持った滑水コーティング

コーティングは必ずしも水垢予防になるとは限らないと解説しました。
一方でコーティングにはそれぞれ特徴があります。(撥水・親水など)

この商品は滑水性能を謳い、ボディに付着した水がこぼれ落ちていくような特徴を持ったコーティングで、防汚性に定評があります。
ガラスコーティングしている車にもおすすめで、水垢がつきにくくなります。
わたし自身も愛車に使用している商品です。

こまめな洗車が苦手な方におすすめ

水垢をつきにくくするために重要な「こまめな洗車」が難しい方におすすめなのが、サッと拭くだけで汚れたボディをクリーニングできる使い捨てシートです。
汚れシミや水垢の気になる箇所を素早いタイミングで綺麗にすることで、頑固なシミ・水垢になるのを予防します。

整備士のまとめ

車の水垢の最大の予防策は、コーティング施工の有無に関わらず、こまめな洗車をすることと、ボディについた水分をそのまま放置してしまわないことです。
それさえ実行していれば、古く年数の経過した車でも綺麗に維持することが可能です。
すでにボディに染みついた、頑固な水垢を落としたい場合はボディカラーに応じた、車用の水垢クリーナーやシャンプーを使用して、十分時間の確保できるときに手洗いしましょう。
満足のいく仕上がりにならない場合は、プロの業者に依頼するのが無難で安心です。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。