ハイブリッド車として人気の高いプリウス。ここでは、歴代モデルから現行モデルまでの特徴や中古車相場を分かりやすく解説します。
登録済み未使用車情報
- プリウスの歴代モデル
- 初代プリウス(1997.12~2003.9)
- 2代目プリウス(2003.9~2009.5)
- 3代目プリウス(2009.5~2015.12)
- 4代目プリウス(2015.12~2023.1)
- 5代目プリウス(2023.1~)
- 中古車相場とおすすめ年式・モデル
- 迷ったらプロに相談を
プリウスの歴代モデル
プリウスは1997年に登場し、2024年7月現在までに4度フルモデルチェンジしています。現行モデルは2023年1月発売の5代目です。
歴代プリウスの違いを数字で比較
販売時期 | 新車時価格 | 全体寸法 | 最高燃費 | |
---|---|---|---|---|
初代 10系 | 1997年12月~ 2003年9月 |
218万円~ 238万円 |
長4310mm 幅1695mm 高1490mm |
31.0km/L (10・15) |
2代目 20系 | 2003年9月~ 2009年5月 |
233.1万円~ 335万円 |
長4445mm 幅1725mm 高1490mm |
35.5km/L (10・15) |
3代目 30系 | 2009年5月~ 2015年12月 |
223.2万円~ 343.5万円 |
長4480mm 幅1745mm 高1490mm |
32.6km/L (JC08) |
4代目 50系 | 2015年12月~ 2023年1月 |
259.7万円~ 364万円 |
長4575mm 幅1760mm 高1470mm |
32.1km/L (WLTC) |
5代目 60系 | 2023年1月~ | 299万円~ 460万円 |
長4600mm 幅1780mm 高1420mm |
32.6km/L (WLTC) |
※新車時価格は最終モデルの数値。1,000円未満は四捨五入。以降公開しているデータも同様。全体寸法及び最高燃費は最終モデルの中でも代表モデルの数値を抽出しています。
初代は3ナンバーサイズのセダンでしたが、2代目以降は5ナンバーサイズのハッチバックに変化。モデルチェンジごとにサイズが大きくなっています。
燃費性能は、測定方法が随時変化しているため分かりにくいですが、モデルチェンジごとに向上しています。
Q. プリウスに40系はないの?
トヨタ車は初代、2代目…という表現以外に、型式番号に合わせて10系、20系…と呼ばれることも多いです。
基本的には10系から始まり、モデルチェンジごとに十の位が大きくなりますが、プリウスでは派生モデルの「プリウスα」が40系となっています。
Q. JC08モードやWLTCモードの違いは?
10・15モード、JC08モード、WLTCモードでは燃費の測定方法が異なります。
10・15モードは1991年に採用された燃費測定方法で、2011年にJC08モードが導入されました。そして2017年、国際的な測定方法のWLTCモードが導入されました。WLTCでは市街地・郊外・高速道路モードを計測した上で総合数値が算出され、より実燃費に近い値を得られます。
初代プリウス(1997.12~2003.9)
初代の特徴は、以下の通りです。
- 世界初の量産ハイブリッドとして登場
- THS(トヨタハイブリッドシステム)を採用
- 他のガソリン車と比べCO2の排出量は約1/2
- 他のガソリン車と比べ燃費は約2倍
初代プリウスは「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで登場。
初代から、現行モデルに続くモノフォルムシルエット(ルーフ部分を頂点に、前後になだらかな曲線を描くデザイン)を採用。当時としては先進的なデザインでした。
現在の中古車市場では、ほとんど流通していない一台です。
2代目プリウス(2003.9~2009.5)
2代目の特徴は、以下の通りです。
- 「THS」が「THSⅡ」に進化
- 最高燃費は35.5km/L(10・15モード)
- デザインはトライアングルモノフォルムに
- セダンから5ドアハッチバックに変更
2代目は燃費を向上させた上、最高出力が58PSから77PSに上がり、初代よりパワフルな走りができます。
外観は、より三角形に近いデザインに変化。空気抵抗を減らし、現在まで続くプリウスの形に近いデザインです。初代よりサイズを大きくしながらも、車重を140kg軽くしています。中古車市場で見られるのは、主に後期モデルです。
当時の中では先進装備も充実
装備面では、上位のG系グレードに横滑りを制御する「S-VSC(ステアリング協調車両安定性制御システム)」やスマートエントリー&スタートを標準装備。
また、安全確認とブレーキ操作で車庫入れや縦列駐車ができる「インテリジェントパーキングアシスト」もオプションで追加できました。
最終のグレード・モデル一覧
グレード名 | 排気量 | 駆動方式 | 燃費(10・15) | 新車時価格 |
---|---|---|---|---|
S | 1496cc | FF | 35.5km/L | 238.4万円 |
Sツーリングセレクション | 30.0km/L | 254.1万円 | ||
Sスタンダードパッケージ | 35.5km/L | 233.1万円 | ||
G | 33.0km/L | 270.9万円 | ||
Gツーリングセレクション | 30.0km/L | 286.7万円 | ||
Gツーリングセレクション・レザーパッケージ | 30.0km/L | 335万円 | ||
S10thアニバーサリーエディション | 35.5km/L | 281.4万円 |
2代目プリウスのグレード展開は、標準モデルのS系グレードと上位モデルのG系グレードの2種類です。また、スポーティな外装や専用サスペンションなどを装備した「ツーリングセレクション」、Sグレードには装備を簡易化させた「スタンダードパッケージ」も存在します。
2代目プリウスの他のグレード・モデルもチェック|中古車のガリバー
3代目プリウス(2009.5~2015.12)
3代目の特徴は、以下の通りです。
- エンジンが1.8Lに変更
- ボディラインはより滑らかに
- 最高燃費は38.0km/L(10・15モード)※
- 3つのドライブモードを選べるように
- 最上位グレードではクルーズコントロール装備
- 後期はアクセサリー電源も装備可に
3代目はボディサイズがさらに大きくなり、システム全体で136PS相当のパワーを生み出せるようになりました。
ハイブリッドシステムは2代目から90%以上を新開発。発売当初のモデルで世界トップの38.0km/L(※JC08モードでは32.6km/L)を記録しました。
前期モデルと後期モデルの違い
3代目の前期モデルと後期モデルでは、内外装に若干の変化はあるものの、特別違いが大きい訳ではありません。外観で最も違うのは、ロアグリルの幅とフォグランプの位置です。また、後期ではクリアランスランプにLEDを採用しています。
後期モデルの中でも、2012年10月以降のモデルでは家庭用のAC100V電源をオプションで装備できました。
最終のグレード・モデル一覧
グレード名 | 排気量 | 駆動方式 | 燃費(JC08) | 新車時価格 |
---|---|---|---|---|
Sツーリングセレクション・G's | 1797cc | FF | 30.4km/L | 292.1万円 |
Gツーリングセレクション・レザーパッケージ | 30.4km/L | 343.5万円 | ||
Sツーリングセレクション・マイコーデ | 30.4km/L | 270.5万円 | ||
Gツーリングセレクション | 30.4km/L | 279.8万円 | ||
Sマイコーデ | 30.4km/L | 249.9万円 | ||
G | 30.4km/L | 259.2万円 | ||
Sツーリングセレクション | 30.4km/L | 259.2万円 | ||
S | 30.4km/L | 238.6万円 | ||
L | 32.6km/L | 223.2万円 |
グレードはSとGに加えて廉価グレードのLが設定されました。また、シートカラーやインテリア加飾、外板色などを選択できる特別仕様車「マイコーデ」もありました。
3代目プリウスの他のグレード・モデルもチェック|中古車のガリバー
4代目プリウス(2015.12~2023.1)
4代目の特徴は、以下の通りです。
- 前期モデルはデザインが大幅刷新
- 燃費に加えてアグレッシブさも追求
- 最高燃費は40.8km/L(JC08モード)※
- 4WD車をプリウスで初採用
- 前期は最上位グレードでToyota Safety Sense Pを標準装備
- 後期ではToyota Safety Senseを全車標準装備
4代目はトライアングルモノフォルムを継承しながら、低重心でアグレッシブなデザインとなりました。特に前期モデルのデザインは個性的です。
燃費はJC08モードで40.8km/L(※WLTCモードでは32.1km/L)を達成しながら、安定感を増し、走りの楽しさや快適な乗り心地も追求。安全装備も充実しました。
前期モデルと後期モデルの違い
前期のデザインで賛否が分かれたこともあり、後期は少し落ち着いた外観になっています。
また、前期モデルで最上位A系グレードにしか搭載がなかったToyota Safety Senseについて、後期で全車標準装備にした点は大きな違いといえます。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】プリウス50系前期・後期の違いまとめ!中古車相場は?買うならどっち?
最終のグレード・モデル一覧
グレード名 | 排気量 | 駆動方式 | 燃費(WLTC) | 新車時価格 |
---|---|---|---|---|
Aプレミアムツーリングセレクション | 1797cc | FF/4WD | FF: 27.2km/L 4WD: 25.4km/L |
FF: 344.2万円 4WD: 364万円 |
Aプレミアム | FF/4WD | FF: 30.8km/L 4WD: 28.3km/L |
FF: 333.1万円 4WD: 352.9万円 |
|
Aツーリングセレクション | FF/4WD | FF: 27.2km/L 4WD: 25.4km/L |
FF: 317.1万円 4WD: 336.9万円 |
|
A | FF/4WD | FF: 30.8km/L 4WD: 28.3km/L |
FF: 300.4万円 4WD: 320.2万円 |
|
Sツーリングセレクション | FF/4WD | FF: 27.2km/L 4WD: 25.4km/L |
FF: 290.2万円 4WD: 310万円 |
|
S | FF/4WD | FF: 30.8km/L 4WD: 28.3km/L |
FF: 273.1万円 4WD: 292.9万円 |
|
E | FF | 32.1km/L | 259.7万円 | |
SセーフティプラスⅡ | FF/4WD | FF: 30.8km/L 4WD: 28.3km/L |
FF: 281.4万円 4WD: 301.2万円 |
4代目のグレード展開は、廉価グレードのE、標準グレードのS、上位グレードのAの3段階。また、Sグレードでも安全装備を充実させた特別仕様車「Sセーフティプラス」も存在します。
4代目プリウスの他のグレード・モデルもチェック|中古車のガリバー
5代目プリウス(2023.1~)
5代目(現行モデル)の特徴は、以下の通りです。
- 従来よりボディは大きく、さらに低重心に
- 従来より走りのスポーティーさが際立つ
- エンジンは2.0Lと1.8Lを用意
- 最高燃費は32.6km/L(WLTCモード)
- Toyota Safety Senseを全車標準装備
- Zグレードにはトヨタチームメイトも標準装備
より近未来的になった5代目。低重心でリアの視界が狭く、ボディサイズも大きくなっているため、運転初心者よりは運転好きな方に向いています。
最高燃費32.6km/Lを有するのはKINTO専用車のUグレードのみ。安全装備は文句なしのトップクラスと言って良いでしょう。
【関連記事】トヨタ 新型プリウス(60系)と旧型(50系)はどう違う?プリウスを新旧比較!
グレード・モデル一覧
グレード名 | 排気量 | 駆動方式 | 燃費(WLTC) | 新車時価格 |
---|---|---|---|---|
Z (PHEV) | 1986cc | FF | 26.0km/L | 460万円 |
Z | FF/4WD | FF: 28.6km/L 4WD: 26.7km/L |
FF: 370万円 4WD: 392万円 |
|
G | FF/4WD | FF: 28.6km/L 4WD: 26.7km/L |
FF: 320万円 4WD: 342万円 |
|
U(KINTO専用) | 1797cc | FF/4WD | FF: 32.6km/L 4WD: 30.7km/L |
FF: 299万円 4WD: 321万円 |
現行モデルでは、KINTO専用で1.8Lエンジンを搭載したUグレードと、2.0Lエンジンを搭載したG及びZグレードが展開されています。
なお、プラグインハイブリッド車(Z、PHEV)のEV走行距離は87kmです。
※2024年7月末時点の情報です。
中古車相場とおすすめ年式・モデル
ここからは、プリウスの中古車相場と購入におすすめするモデルをご紹介します。
年式ごとの中古車相場
年式 | 中古車相場 ※支払総額 |
---|---|
2010年式(3代目前期) | 50万円~85万円 |
2015年式(3代目後期) | 100万円~130万円 |
2018年式(4代目前期) | 150万円~240万円 |
2019年式(4代目後期) | 160万円~280万円 |
2022年式(4代目後期) | 230万円~300万円 |
2023年式(5代目) | 310万円~460万円 |
プリウスは中古車市場での流通台数が多く、安い車両から高い車両まであります。モデルチェンジ前後で価格が異なるので「少しでも安く」と思うなら、モデルチェンジ前の車両を選ぶと良いでしょう。
なお上記の価格は支払総額での相場であり、車両価格は上記より10~15万円ほど安いです。
中古プリウスを選ぶときのポイント
中古プリウスの購入では、以下の点に注意してください。
- 価格と燃費、安全性能のバランスを考える
- バッテリーやエンジンの寿命を考慮する
- マイナーチェンジ前後の違いも気にする
燃費は経年劣化で悪化し、安全装備はグレードによっても差があるので、注意が必要です。さらに低年式車や過走行車は、駆動用バッテリーやエンジン関係の部品交換で多額の整備費用がかかる可能性もあります。
【関連記事】プリウスのバッテリー交換、費用と時期の目安を整備士が解説
安さ重視なら3代目だが不具合の注意
予算100万円前後でプリウスを買うなら、基本的な選択肢は3代目です。
現在のクルマは10年を超えても乗れることが多いですが、プリウスの駆動用バッテリーの寿命は概ね10年・10万キロとされ、タイミングベルトの寿命とも重なります。3代目は新しくても9年落ちなので「部品交換がされた状態か」「きちんと整備してきた車両か」をしっかり確認しましょう。
価格と性能のバランス重視なら4代目
価格を抑えつつ、燃費性能や安全性能も重視するなら4代目がおすすめです。
その中でもコストを重視するなら、2018年式(前期)をお勧めします。この場合、安全予防パッケージのToyota Safety Senseを標準装備するA系グレードかSセーフティプラスを選ぶと良いでしょう。リセールを考えたり、予算が高めだったりするならツーリングセレクションを検討しましょう。
迷ったらプロに相談を
中古のプリウスは選択肢が豊富です。他方で流通台数が多いばかりに、より良い一台を見極めるのに迷う方も多いでしょう。迷った時は、お気軽にご相談ください。