ウィンカーの点滅が早くなっているのは、何かしらの不具合をドライバーにお知らせする機能です。ウィンカーの点滅が早くなることを「ハイフラ現象」とも言います。
なにが原因で早くなってしまっているのか、また修理となった場合にはいくらかかるのか?現役の整備士がお答えします。
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ウィンカーの点滅は一定速度でないといけない
そもそもウィンカーの点滅周期は「1分間で60回以上120回未満」と法令で定められています。この周期から外れることは法令違反となり、車検にも通りません。
ウィカーの点滅が早くなっているときはこの範囲外となっているので、当然車検にも通らない状態です。
早急に修理をする必要があります。
ウィンカーの点滅が早くなる原因
ウィンカーの点滅が早くなる原因は主に3つです。
- バルブ切れ
- バルブを抵抗のないLEDに交換している
- 配線の断線やソケット部での接触不良
これらの原因により、回路の消費電力が減少したことをコンピューターが検知して、ウィンカーの点滅を早くする制御となっています。
バルブ切れが原因
ウィンカーのバルブが切れた状態は保安基準不適合となるので、ドライバーにバルブ切れを知らせなければいけません。
バルブが切れるとウィンカーの電気回路が成立しなくなるので、電力を消費しません。
バルブ切れをきっかけに車のコンピューターが異常と判断して、ウィンカーの点滅を早めます。
LEDバルブに交換していることが原因
ウィンカーのバルブをLEDバルブに交換すると、ウィンカーの点滅が早くなります。
LEDには省電力という特徴があり、ノーマルバルブと比べて消費電力が大幅に減少します。これにより車側が、バルブ切れによって電気回路が成立しなくなったときと同じ状態になっていると勘違いしてしまい、ウィンカーの点滅を早めてしまいます。
配線の断線やソケットの不良が原因
配線が断線すると、電気回路のうえではバルブが切れているのと同じ状態となります。
結果的にウィンカーの点滅が早くなります。
配線の断線は、事故による影響や修理ミスといった外的な要因であることがほとんどです。
ソケットはバルブを装着するホルダーのことですが、劣化や錆による接触不良が発生することがあります。
ウィンカーの点滅が早くなった際の修理費用の目安
ウィンカーの点滅が早くなったとき、修理費用は1,500円~5,000円程度が目安です。主な原因ごとに修理費用についてまとめました。
バルブが切れているときの修理費用
バルブを交換すれば修理は完了です。修理費用の目安は1,500円〜です。
バルブ単品の価格は数百円です。
ウィンカーはフロントライト、リヤライト、サイドはミラーまたはフェンダー部分にバルブがあります。
場所が異なると工賃も異なりますが、当然車種によっても作業性がかわってくるので工賃にはバラつきが出てきます。
場合によってはリフトアップしたり、レンズの脱着を伴うこともあるので、その場合は費用もある程度高くなります。
それでも一般的な乗用車のバルブ交換だけであれば、数千円程度が相場です。
LEDバルブが原因のときの修理費用
LEDバルブを装着する場合、ウィンカーの点滅が早くならないための処置をする必要があります。
ウィンカーのある電気回路がノーマルバルブをつけたときと同じ電力を消費するようにしてあげれば、ウィンカーの点滅が早くなるハイフラ現象は解決します。
そのためにはウィンカーバルブと並列に、ノーマルバルブと同じ大きさの抵抗を接続する必要があります。
抵抗部分でノーマルバルブと同じ分だけの電力を消費することになるので、ウィンカーの点滅は正常になります。
この抵抗器は左右1セット分で1,000円〜で、取り付け工賃も合わせると5,000円〜が目安です。
抵抗は別で接続するタイプと、LEDバルブに内蔵されているタイプがあります。
抵抗内蔵タイプは別で抵抗器を用意する必要はなく、LEDバルブの交換のみで対応できます。
配線の断線やソケットの修理費用
配線の断線やソケット不良時の修理費用は、診断に要した時間によって大きく異なります。5,000円〜が目安となります。
整備士のまとめ
ウィンカーの点滅が早くなったハイフラ状態は、そのほとんどがバルブが切れたことが原因なので、まずはハザードを点滅させるなどしてバルブがついていないところがどこなのかチェックします。
車の整備に慣れた人でないと交換が難しいことも多いので、早めに整備工場などで対処してもらいましょう。
また、LEDのバルブに交換するときはハイフラ現象のリスクを念頭に、部品の準備をおこないましょう。
- Supervised by 整備士 ヒロ
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保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。