クラウンクロスオーバーは、16代目クラウンの第1弾として登場したセダン+SUVだ。多用化したユーザーのニーズに対する新たな提案として登場した。
実は新型35系クラウンクロスオーバーの新車価格に対し、ワンランク上の高級SUV であるレクサス10系初代NXの中古車価格は、やや安い。中古車なら格上のプレミアムブランドにも乗ることが出来るのだ。
そこで今回は両車の燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。
買い替え前に愛車の買取相場を確認する
- 新型クラウンクロスオーバー(35系)の新車価格で初代レクサスNX(10系)が買える!
- クラウンクロスオーバー(35系)の特徴
- 初代レクサスNX(10系)の特徴
- 燃費はクラウンクロスオーバーの最新世代ハイブリッドが上回る
- 運転支援の機能の数では差があるが、快適装備はレクサスらしく充実
- 両車とも大幅値引きは期待しにくい
- 流麗かつダイナミックなクラウンクロスオーバー、都市型SUVらしいNX
- 後席の居住性はクラウンクロスオーバー、シートアレンジはNXに軍配
- クラウンクロスオーバーは渋滞や車庫入れに役立つ運転支援機能を搭載
- 快適な乗り心地のクラウンクロスオーバー。スポーティな走りのNX
- NXは高リセールが期待。クラウンクロスオーバーは今後の人気次第?
- 燃費や乗り心地重視ならクラウンクロスオーバー。SUVらしさならNX
- 35系トヨタクラウンクロスオーバー価格
- 初代10系レクサスNX中古車相場
- 35系トヨタクラウンクロスオーバーのスペック
- 初代10系レクサスNXのスペック
新型クラウンクロスオーバー(35系)の新車価格で初代レクサスNX(10系)が買える!
16代目クラウンは、2022年7月に世界初公開された。この時、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという4つのバリエーションが披露されている。
これまではFRレイアウトの後輪駆動車だった。だが16代目はセダンだけがFRレイアウトとなり、クロスオーバーをはじめとした3車種はFFレイアウトを採用している。
今回35系クラウンクロスオーバーのライバルとしたのは、初代10系レクサスNXだ。
35系クラウンクロスオーバー 新車価格 |
435万~605万円 |
10系NX 中古車価格帯 |
約350万~510万円(2020年式) |
35系新型クラウンクロスオーバーの新車価格に対し、プレミアムブランドであるレクサスの人気SUVである初代10系NXの中古車相場のほうがやや安価だ。中古車であれば、格上のプレミアムブランドである10系初代NXにも乗ることが可能だ。
*中古車相場は、2024年2月調べ。
クラウンクロスオーバー(35系)の特徴
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)の全景
35系クラウンクロスオーバーは、セダンとSUVを融合させた革新的なパッケージが特徴だ。これまでの概念にとらわれない、新たな価値を提供するクルマに仕上がっている。
プラットフォーム(車台)にはGA-Kという中型FF(前輪駆動)系を採用した。
外観デザインは、スタイリッシュなクーペライクなスタイルと、強さを感じさせるリフトアップスタイルを組み合わせることで、流麗さとダイナミックさを両立させている。
インテリアは、ディスプレイや操作スイッチを水平方向に集約したことで、どの席からも直感的に操作ができる機能レイアウトを実現した。インストルメントパネルからドアにかけてひと続きで包み込まれるような造形だ。また使用する内装部品にもこだわり、上質で豊かさを感じられる空間を演出している。
搭載しているパワートレインは2種類だ。
ひとつ目が、2.4L直列4気筒ターボエンジン+高い駆動力を発揮する最新の電動パワートレイン「eAxle」に新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせたハイブリッドシステムだ。
そしてふたつ目が、2.5L直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたシリーズパラレルハイブリッドシステムである。駆動方式は全車4WDだ。
安全装備は、機能向上した最新の予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備している。そのうえ、渋滞時の安全運転を支援する「アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)」や様々な駐車シーンでスムースな入庫・出庫を自動で行いリモート操作も可能な「アドバンストパーク(リモート機能付)」などの、高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」を搭載している。
初代レクサスNX(10系)の特徴
※上図:レクサスNX(10系)の全景
初代NX(10系)は、当時レクサス初のコンパクトサイズSUVとして2014年に登場した。コンセプトは、「プレミアム・アーバン・スポーツ・ギア」だ。アグレッシブな走りと予感させるフォルムをもつ都市型SUVという想いが込められている。
あらゆるシーンで機敏なハンドリングを提供するために、サスペンションは新設計した。
さらに、NAVI・AI-AVS装着車にはショックアブソーバーの減衰力を車両状態の変化に応じて最適に電子制御する。しなやかな乗り心地と操縦安定性の両立に成功した。
パワートレインは、レクサス初となる2L直列4気筒ターボエンジンと2.5Lハイブリッドの2種類だ。
駆動方式は両パワートレインに2WDと4WDを設定した。ハイブリッド車には、E-Fourという電気式4WDシステムを搭載している。
10系レクサスNXは、2017年にマイナーチェンジを実施した。内外装の変更に加え、パワーバックドアが標準装備となるなど快適装備を充実させている。走行性能面ではサスペンションのチューニングを行い、操舵に対する応答性の向上やクルマの傾きを抑えるようになった。安全装備では、予防安全パッケージの「レクサスセーフティシステム+」を全車に標準装備し、安全性を向上させた。
2019年の一部改良では、予防安全パッケージの「レクサスセーフティシステム+」の機能強化を実施。プリクラッシュセーフティは昼間の自転車運転者や夜間の歩行者検知が可能となった。安全装備では以下が追加されている。
- レーントレーシングアシスト(レーダークルーズコントロール使用時に操舵支援を行う)
- ロードサインアシスト(カメラが主要な道路標識を読み取りディスプレイに表示)
- 先行車発進告知機能(先行車の発進をメーターなどでドライバーに知らせる)
同時にアンダーステアを抑制する「アクティブコーナリングアシスト」が全車に標準装備され、走行安定性を高めた。
そして2020年の一部改良では、メーカーオプションだったパーキングサポートブレーキ(静止物)が標準装備となり、安全装備の拡充が図られている。
燃費はクラウンクロスオーバーの最新世代ハイブリッドが上回る
1.燃費性能
35系クラウンクロスオーバーの評価は5.0
10系レクサスNXの評価は4.0
現行型トヨタクラウン クロスーバーの燃費は下記の通りだ(4WD、WLTCモード)。
2.5Lエンジンパラレルハイブリッド |
22.4km/L |
2.4Lターボエンジンパラレルハイブリッド |
15.7km/L |
対する旧型レクサスNX300hの燃費は下記の通りだ。
|
FF(2WD) |
4WD |
2.5Lエンジンハイブリッド |
16.4km/L |
15.8km/L |
燃費性能はクラウンクロスオーバーのほうが上回っており、走行性能もスポイルされていない。登場年月が約8年も違うと、車両重量が重くても、テクノロジーの進化によって燃費性能を向上させることができるということだ。
両車とも、エンジンを横置きしたFF(前輪駆動)のレイアウトだ。
35系クラウンクロスオーバーは2.5L、2.4Lターボエンジンの2種類のハイブリッドを搭載している。
10系NXは、レクサス初の2Lターボエンジンと2.5 Lエンジンのハイブリッドの2種類だ。クラウンクロスオーバーと10系NXともに、2.5Lエンジンのハイブリッドシステムを搭載しているが、世代が異なる。そのため、走行性能だけでなく、燃費性能にも差がついた。
車両重量は、35系クラウンクロスオーバーが1,750~1,900kg。10系NXは1,710~1,850kgだ。35系クラウンクロスオーバーのほうが約40~50kg重い。
運転支援の機能の数では差があるが、快適装備はレクサスらしく充実
2.価格比較
35系クラウンクロスオーバーの評価は 4.5
10系レクサスNXの評価は 4.0
現行型クラウンクロスオーバーの新車価格と、旧型クラウンハイブリッドの最量販グレードの中古車相場を比較したのが下記の表だ。
- 35系トヨタ クラウンクロスオーバーGアドバンスド4WD新車価格:510万円
- 10系レクサスNX300h中古車相場(2020年式):360~530万円
※中古車相場は2024年2月調べ
10系レクサスNXの中古車のグレード見てみると、ガソリン車、ハイブリッド車通じて最も流通台数が多いのがスポーティなFスポーツだ。
このグレードは、以下を採用することでシャープなハンドリングを実現している。
- 専用の内外装デザイン
- 専用チューニングを施したサスペンション
- ボディの小さなたわみを吸収しながら剛性を高めるパフォーマンスダンパー
インテリアは、シート表皮に本革を使用した専用のスポーツシートを標準装備している。クルマのキャラクターを変えるドライブモードセレクトスイッチは、スポーツ+とカスタムが追加され、エコ、ノーマル、スポーツの合計5タイプから選べるようになっている。
10系NXで最も豪華仕様なのが、バージョンLである。
特にインテリアは特徴的だ。
- 標準装備…運転席ポジションメモリー機能、前席ベンチレーション機能、前後席ヒーター機能付き本革シート、センターコンソール後部にAC100V・100Wのアクセサリーコンセント
- オーナメントパネルは縞杢とバンブーの2種類
35系クラウンクロスオーバーは、19インチタイヤが中心だ。RS系、レザーパッケージには21インチの大径ホイールが標準装備となる。
クラウンクロスオーバーは、ほとんどのグレードが12.3インチのディスプレイオーディオ+6スピーカーだ。最上級グレードのRSアドバンスは、10スピーカーのトヨタプレミアムサウンドシステムを標準装備している(クロスオーバーXはオーディオレス)。
一方、10系NXは標準装備の10スピーカーのプレミアムサウンドシステムに加えて、圧倒的な臨場感が魅力の14スピーカー、マークレビンソンプレミアムサラウンドサウンドシステムを上級グレードのみにオプション設定している。室内の音にもこだわり、プレミアムブランドに相応しい設計となった。
両車とも大幅値引きは期待しにくい
3.購入時の値引き術
35系クラウンクロスオーバーの評価は2.5
10系レクサスNXの評価は 3.0
35系クラウンクロスオーバーは、2022年9月にデビューした新型車だ。そのため、値引きはほぼ無いのが基本となる。商談しだいとはいえ、10万円の値引きが提示されればまずまずといったところだ。値引きだけでなく、用品サービスや下取り車の価格アップなども交渉材料にするといいだろう。
10系NXは中古車での購入となるため、値引きはゼロと考えたい。端数程度の値引きが限界だろう。こちらも現金値引きだけでなく、下取り車の価格アップや用品値引き、保証の無料延長なども交渉材料とするよい。
もし、短期間で大幅値引きが提示された場合、むしろ何か理由があると考え注意する必要がある。
流麗かつダイナミックなクラウンクロスオーバー、都市型SUVらしいNX
4.デザイン比較
35系クラウンクロスオーバーの評価は 4.0
10系レクサスNXの評価は 4.5
クーペライクなシルエットのクラウンクロスオーバー
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)の全景
35系クラウンクロスオーバーのデザインは、セダン+SUVという新感覚のモデルを新時代のフラッグシップモデルとして表現している。スタイリッシュなクーペライクなシルエットと、力強さを感じさせるリフトアップスタイルの組み合わせが光る。
※クラウンクロスオーバー(35系)のフロントフェイス
タイヤは最大21インチの大径だ。従来のセダンの常識を打ち破る。ボディ側面近くまで外側に張り出した足回りと、ボディとタイヤの隙間の絶妙なバランスはボディ構造の工夫によるものだ。
※クラウンクロスオーバー(35系)のリヤエンド
セダンでもない、SUVでもない踏ん張り感のある力強いスタイルを実現した。
スポーティなフォルムとSUVらしさを両立したNX
※上図:レクサスNX(10系)の全景
10系レクサスNXは、当時レクサスで最もコンパクトなSUVとして、アグレッシブでEDGYなフォルムを追求した。レクサスのデザインフィロソフィーである「エルフィネス(先鋭・精妙の美)」をベースとしている。研ぎ澄まされた先進のスポーツギアとして、内側に凝縮された強さと、高いアジリティを感じさせるデザインだ。
※上図:レクサスNXのフロントフェイス
スピンドルグリルはレクサスのモデルであることがひと目でわかる。人が乗るキャビンの前後を大胆に絞り込むことで、贅肉を削ぎ落とした菱形のボディが形成される。
※上図:レクサスNXのリヤエンド
さらに張り出した前後のホイールフレアを融合させ、タイヤの存在を強調することで、SUVとしての力強さを表現している。
後席の居住性はクラウンクロスオーバー、シートアレンジはNXに軍配
5.室内空間と使い勝手
35系クラウンクロスオーバーの評価は4.0
10系レクサスNXの評価は4.0
現行型クラウンクロスオーバーと旧型レクサスNXのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。
【現行型トヨタクラウンクロスオーバー】
全長×全幅×全高 |
4,930mm×1,840mm×1,540mm |
ホイールベース |
2,850mm |
室内長×室内幅×室内高 |
1,980mm×1,540mm×1,170mm |
荷室容量 |
450L |
【旧型レクサスNX】
全長×全幅×全高 |
4,640mm×1,845mm×1,645mm |
ホイールベース |
2,660mm |
室内長×室内幅×室内高 |
2,080mm×1,520mm×1,180mm |
荷室容量 |
555L |
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)の運転席
※上図;クラウンクロスオーバー(35系)の後席
35系クラウンクロスオーバーと、10系NXのボディサイズで最も異なるのが全長だ。35系クラウンクロスオーバーは、10系NXに対して全長で290mm、ホイールベースは190mm長くなっている。そのため、クラウンクロスオーバーのリヤシートほうが広い。
※上図:レクサスNX(10系)の運転席
※上図:レクサスNX(10系)の後席
全高は旧型レクサスNXが、105mmクラウンクロスオーバーより高くなっているが、室内高の差はわずか10mmだ。クラウンクロスオーバーに比べて、旧型レクサスNXは床面も高くなっているため、実際のヘッドクリアランスはあまり変わらない。
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)の荷室
荷室容量を比べると、35系クラウンクロスオーバーは450L。対して10系NXは、555Lと大きく上回っている。さらに、リアシートを畳めばラゲッジスペースは拡大するので、スキー板のような長尺物やキャンプ道具などの大きな荷物を積む際には、圧倒的な利便性を誇る。
また、取り回しの良さの指標となる最小回転半径は、35系クラウンクロスオーバーが5.4mとコンパクトカー並みだ。これは、後輪操舵機能であるDRSによって実現した。10系NXは5.3m~5.7mと装着するタイヤサイズによって異なっている。18インチホイールを履くグレードは5.7mとなるため、狭い駐車場などでは扱いにくさを感じるだろう。
※上図:レクサスNX(10系)の荷室
10系NXはラゲッジルームの積載量やシートアレンジの多彩さが光る。大きな荷物を積む人にはユーティリティーの良さを感じられるだろう。
一方のクラウンクロスオーバーはロングホイールベースにより、リアシートの居住性が高いのが特徴だ。後席に大切な人を乗せるショーファーとして使う人や、乗り心地の良さを求めるのであれば35系クラウンクロスオーバーをオススメしたい。
クラウンクロスオーバーは渋滞や車庫入れに役立つ運転支援機能を搭載
6.安全装備&運転支援機能の比較
35系クラウンクロスオーバーの評価は4.5
10系レクサスNXの評価は3.5
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)のインパネデザイン
現行型クラウンクロスオーバーの予防安全装備は、最新の予防安全装備パッケージである「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備している。さらに、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」も搭載しており、以下の安心・安全な先進機能を装備している。
- アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)…渋滞時の安全運転を支援
- アドバンストパーク(リモート機能付)…駐車シーンでスムースな入庫・出庫を自動で行い、リモート操作も可能
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)のメーター
ただし、XとGグレードは、ブラインドスポットモニター(BSM)や後方車両への接近警報プラス安心降車アシスト(SEA)がオプションとなっている。
また、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)+フロントクロストラフィックアラート(FCTA)+レーンチェンジアシスト(LCA)はRSのみのパッケージオプションだ。
※上図:レクサスNX(10系)のインパネデザイン
10系NXは、デビュー当初からプリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)をはじめ、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、ブラインドスポットモニター(BSM)といった運転支援機能を採用していた。
※上図:レクサスNX(10系)のメーター
2017年に行ったマイナーチェンジでは、予防安全パッケージ「レクサスセーフティシステム+」を標準装備し、以下の運転支援機能の強化・追加を行っている。
- プリクラッシュセーフティ…歩行者検知機能付衝突回避支援
- レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付(LDA))…車線逸脱による事故の予防に貢献
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)
- アダプティブハイビームシステム(AHS)…先行車や対向車を遮光し、ハイビームを照射する
駐車場におけるアクセルペダル踏み間違い時の衝突被害軽減に寄与するパーキングサポートブレーキ(静止物)をオプション設定するなどサポートを強化した。そして2019年の一部改良時にも「レクサスセーフティシステム+」は機能が追加され、さらに安全性を向上させている。
運転支援機能は、日進月歩で進化している。そのため、35系クラウンクロスオーバーのほうが優れているのは自明の理だ。それでも、2019年以降であれば10系NXでも及第点レベルの機能となっている。ただ、それ以前のモデルでは、やや機能面で物足りなさを感じる。10系NXの場合、安全性を重視するのであれば、2019年式以降が狙い目だ。
快適な乗り心地のクラウンクロスオーバー。スポーティな走りのNX
7.走行性能の比較
35系クラウンクロスオーバーの評価は4.5
10系NXの評価は3.5
35系クラウンクロスオーバーと、10系NXのハイブリッドシステムのスペックは以下の通りだ。
【35系クラウンクロスオーバー】
パワートレイン |
システム出力 |
2.5Lハイブリッド |
234㎰ |
2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッド |
349㎰ |
【10系NX】
パワートレイン |
出力 |
最大トルク |
2.5Lハイブリッド |
197㎰(システム出力) |
- |
2.0Lターボエンジン |
238ps(最高出力) |
350N・m(最大トルク) |
とにかくパワフルな2.4Lデュアルブーストハイブリッド
※上図:クラウンクロスオーバー(35系)のエンジンルーム
35系クラウンクロスオーバーのパワートレインは2.5Lと2.4Lターボのハイブリッドシステムの2種類だ。2.5Lハイブリッドは、パワフルさと低燃費性能を両立している。駆動用バッテリーにはバイポーラ型ニッケス水素電池を採用し、徹底したシステム効率の追求している。
トヨタブランド初となる2.4Lターボデュアルブーストハイブリッドシステムは、システム出力349㎰とかなりパワフルだ。モーター駆動らしいレスポンスの良さと、ターボエンジンのパワフルさが融合され、豪快で気持ち良い加速性能が楽しめる。
35系クラウンクロスオーバーの乗り心地は、基本的にソフトだ。小さな凹凸も見事に消し去り快適な乗り心地を提供する。特に後席の乗り心地は抜群だ。後輪側に設置されたモーターの効果もあり、後輪駆動車らしいフィーリングも良好。全般的に、乗り心地を重視したサスペンションセッティングになっている。
硬めのサスペンションでスポーティさをアピールする10系NX
※上図:レクサスNX(10系)のエンジンルーム
10系NXの2.5Lハイブリッドは、とくに速いという印象はないもののシステム出力は197㎰と十分なものとなっている。燃費も良く、10系NXでは人気のパワーユニットでお勧めだ。
2.0Lターボエンジンは最高出力238ps、最大トルク350Nmを発生する。2.5Lハイブリッドと比べると、かなりパワフルに感じる。しかし、ダウンサイジングターボエンジンなので、低・中速域のトルクは十分なのだが、高回転でのパンチのある加速は望めない。
10系NXの乗り心地はやや硬めだ。特に18インチタイヤ装着車は、路面の凹凸をしっかりとドライバーに伝えてくる。ラグジュアリースポーツSUVらしく、スポーティな走りを嗜好するドライバーにとってはむしろ好印象な乗り心地といえるだろう。スポーティグレードのFスポーツは、その傾向がより明確だ。
なるべく乗り心地重視であれば、バージョンLグレードを選択するとよい。
NXは高リセールが期待。クラウンクロスオーバーは今後の人気次第?
8.リセールバリュー比較
35系クラウンクロスオーバーの評価は3.5
10系NXの評価は4.5
10系NXの中古車相場は約350~510万円(2020年式)だ。当時の新車価格が、約455~633万円だったので、新車価格の77~81%となった。人気プレミアムSUVらしく、リセールバリューが高くなっているのが分かる。
レクサスのSUVは、非常に高いリセールバリューを誇る。SUV人気が続く限り、10系NXは今後も高いリセールバリューを維持すると予想できる。
10系NXの中でリセールバリューがより高いのが、スポーティグレードのFスポーツだ。
一方、35系クラウンクロスオーバーの新車価格は435万円~640万円だ。売れ筋グレードのGアドバンス・レザーパッケージは570万円となっている。デビュー時は高い人気を得て納期が長期化していた。
だが、35系クラウンクロスオーバーのリセールバリューは、今後の人気次第だ。クラウンスポーツやクラウンセダンも登場し、選択肢が増え、人気が分散している。クラウンシリーズの中で最も人気となれば、高いリセールバリューとなる可能性が高い。逆もまた然りだ。リセールバリュー面では、まだまだリスク含みとなる。
リスク含みとはいえ、トヨタ車でSUVでクラウンなので、一般的なモデルより高めになることは確実だろう。
燃費や乗り心地重視ならクラウンクロスオーバー。SUVらしさならNX
9.まとめ・総合評価
35系クラウンクロスオーバーは、高い走行と環境性能を両立する人気のハイブリッド車だ。オーソドックスな2.5Lエンジンのハイブリッドシステムに加えて、パワフルな走りを楽しめる2.4Lターボエンジンのハイブリッドの2種類を用意している。
対する10系NXのハイブリッドシステムは2.5Lの1種類だ。これに加えて、準ガソリン車である2.0Lターボが加わる。CO2減が叫ばれる今、クルマを買うのであれば、準ガソリン車は選びにくい。10系NXは2.5Lハイブリッド車一択になる。
35系クラウンクロスオーバーは、燃費性能や乗り心地を重視する人にお勧めだ。パワフルさが欲しい人は、2.4Lターボのデュアルブーストハイブリッドモデルが良いだろう。
10系NXは、とにかくレクサスブランドが好きな人や、できるだけ予算を抑えたいという人に向く。その上で、なるべく燃費がよくスポーティな走りや乗り心地、ラグジュアリーな空間を好む人ならば、さらにピッタリだ。
ただし、前期モデルは自動ブレーキなどの予防安全装備がやや物足りない。2019年の改良後モデルは改善されておりお勧めと言える。さらに、安定した高いリセールバリューも魅力のひとつだ。
2代目NXがデビューして約2年が経過した。初代10系NXの中古車流通台数が増えたため、選択肢も増えている。価格も安定してきているので、中古車を購入するのであれば、この好機を逃さないようにしたい。
クラウンクロスオーバー |
レクサスNX |
|
総合得点(40点満点) |
32.5 |
31.0 |
1.燃費 |
5.0 |
4.0 |
2.価格 |
4.5 |
4.0 |
3.購入時の値引きしやすさ |
2.5 |
3.0 |
4.デザイン |
4.0 |
4.5 |
5.室内空間と使い勝手 |
4.0 |
4.0 |
6.安全装備 |
4.5 |
3.5 |
7.走行性能 |
4.5 |
3.5 |
8.リセールバリュー |
3.5 |
4.5 |
35系トヨタクラウンクロスオーバー価格
|
通常 |
レザーパッケージ |
RSアドバンスド |
6,400,000円 |
- |
RS |
6,050,000円 |
- |
Gアドバンスド |
5,100,000円 |
5,700,000円 |
G |
4,750,000円 |
5,400,000円 |
X |
4,350,000円 |
- |
初代10系レクサスNX中古車相場
- 約350~510万円(2020年式)
35系トヨタクラウンクロスオーバーのスペック
代表グレード |
クロスオーバーGアドバンズド 4WD |
ボディサイズ |
4,930mm×1,840mm×1,540mm |
ホイールベース |
2,850mm |
最低地上高 |
145mm |
車両重量 |
1,770kg |
エンジン型式 |
A25A-FXS |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
2,487cc |
最高出力 |
186ps(137kW)/6,000rpm |
最大トルク |
221N・m(22.5kgm)/3,600~5,200rpm |
フロントモーター型式 |
3NM |
モーター最高出力 |
119.6ps(88kW) |
モーター最大トルク |
202N・m(20.6kgm) |
リアモーター型式 |
4NM |
モーター最高出力 |
54.4ps(40kW) |
モーター最大トルク |
121N・m(12.3kgm) |
燃費(WLTCモード) |
22.4km/L |
駆動方式 |
四輪駆動(4WD) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:ストラット 後:マルチリンク |
タイヤサイズ前後 |
225/55R19 |
最小回転半径 |
5.4m |
初代10系レクサスNXのスペック
代表グレード |
300h バージョンL 4WD |
ボディサイズ |
4,640mm×1,845mm×1,645mm |
ホイールベース |
2,660mm |
最低地上高 |
170mm |
車両重量 |
1,850kg |
エンジン型式 |
2AR-FXE |
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
総排気量 |
2,493cc |
最高出力 |
152ps(112kW)/5,700rpm |
最大トルク |
206N・m(21.0kgm)/4,400~4,800rpm |
フロントモーター型式 |
2JM/2FM |
モーター最高出力 |
143ps(105kW) |
モーター最大トルク |
270N・m(27.5kgm) |
リアモーター型式 |
2FM |
モーター最高出力 |
68ps(50kW) |
モーター最大トルク |
139N・m(14.2kgm) |
燃費(WLTCモード) |
15.8km/L |
駆動方式 |
四輪輪駆動(4WD) |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション型式 |
前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン |
タイヤサイズ前後 |
225/60R18 |
最小回転半径 |
5.7m |
クラウンクロスオーバーのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和5年12月(2023年12月)〜現在
- 新車時価格
- 440.0万円〜755.0万円
クラウンクロスオーバーの在庫が現在1件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。