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クラウンクロスオーバーvsハリアーハイブリッド徹底比較!トヨタの高級SUVはどっちがお勧め?

日本を代表するセダンであるトヨタ クラウンが、2022年9月に高級SUVとしてクロスオーバーした。FF(前輪駆動)の4WDだ。

同じく高級SUVであるトヨタ ハリアーとは、プラットフォーム(車台)もハイブリッドシステムも基本的に同タイプを使用。2.5Lハイブリッド車は姉妹車関係にも見える。その違いを徹底比較する。

まったくの新型車! 従来型クラウンと異なるクロスオーバー

トヨタ クラウンクロスオーバーの特徴

クラウンクロスオーバー

クラウンクロスオーバー

先代クラウンは、世界的な高級セダンと同じくFR(後輪駆動)ベースだった。しかし、国内のセダンマーケットは壊滅的といえる。ほぼ国内専用車だった先代クラウンは、時代と共に売れにくいクルマとなった。
こうなると、一般的にグローバルモデルを導入することになる。だが、トヨタブランドのFRセダンはほぼ存在しない。ボディサイズが近かったレクサスGSも撤退し、ISも近い将来撤退すると予想されている。FRセダンはレクサスLSのみになる可能性が高い。
北米で人気のセダンは、FF(前輪駆動)モデルのカムリやレクサスESだ。FRセダンである先代クラウン今後も売れる見込みが立たないため、トヨタは延命しないことを決断した。

とはいえ、歴史あるクラウンの名を消すのは、営業面ではデメリットばかりだ。そこで、開発中のFFベースのグローバルモデルをクラウンとし、歴史をつなぐ大変革を行った。

車体のベースとなるプラットフォーム(車台)はFFベースのGA-Kである。国内では、RAV4やハリアー、カムリ、レクサスES、レクサスNXなどと共通だ。これをクラウン用に改良した。
多くのモデルがFF車を用意している中、クラウンクロスオーバーは全車後輪をモーターで駆動するE-Fourを選択した。

搭載されたパワーユニットは2つ。1つ目は、多くのモデルで使われている2.5Lハイブリッドをベースとしたものだ。2つ目はトヨタ初登場の2.4Lターボエンジンを使ったデュアルブーストハイブリッドシステムという。燃費性能よりもパワフルさを追求したパワーユニットだ。
リヤサスペンションは、クラウン用に新設計されたマルチリンクサスペンションを装備した。DRS(ダイナミックリヤステアリング)が走行状況に合わせ、リヤタイヤを同位相または逆位相に操舵する。駐車時には逆位相にリヤタイヤを操舵することで、最小回転半径を小さくし小回りが効くようにできるメリットもある。

新型トヨタ クラウンクロスオーバーは、クラウンの名を冠したこともあり、多くの新技術が投入された。先代クラウンとは全く異なるクルマだが、非常に完成度の高い1台だ。


優れた快適性を誇る高級SUVであるハリアー

トヨタ ハリアーハイブリッドの特徴

ハリヤーハイブリッド

ハリヤーハイブリッド

ハリアーは、長い歴史をもつラグジュアリーSUVだ。初代は1997年に登場した。初代と2代目は、レクサスRXとして発売されている。

初代ハリアーは、現在のラグジュアリーSUVのパイオニアとも言える存在だ。当時のSUVは、トラックなどに使われるラダーフレームが中心だったが、初代ハリアーは乗用車のプラットフォームを採用した。圧倒的に優れた乗り心地や静粛性、運動性能を得て大ヒットした。

2代目ハリアーは、2005年に早くもハイブリッド車が投入され、ブランド力の強化に繋がった。3代目ハリアーからはレクサスRXと決別し、独自の道を歩み始める。

現行の4代目トヨタ ハリアーハイブリッドは、2020年にデビューした。RAV4ハイブリッドと姉妹車関係にあり、パワーユニットやプラットフォームなどが共通化されている。それぞれのキャラクターに合わせた異なる味付けが施されており、ハリアーハイブリッドはトヨタブランドの高級SUVとしての価値を追求し上質な乗り心地と高い静粛性を重視している。
搭載されている2.5Lハイブリッドシステムは、このクラスで世界トップレベルの低燃費性能を誇る。4WDモデルのモーターは先代モデルよりもパワフルで、より楽しい走りと悪路走破性を高めた。また、PHEVの設定もある。

 

両車僅差! 世界トップレベルの低燃費性能

1.燃費比較 

クラウンクロスオーバーの評価 4.5
ハリアーハイブリッドの評価 4.0

トヨタ クラウンクロスオーバーの燃費は以下の通り(4WD、WLTCモード)。

  • 2.5Lハイブリッド 22.4km/L
  • 2.4Lターボハイブリッド 15.7km/L

トヨタ ハリアーハイブリッドの燃費は以下の通り(4WD、WLTCモード)。

  • 2.5Lハイブリッド 21.6km/L

基本的に同じ2.5Lハイブリッドを採用しているものの、クラウンクロスオーバーがハリアーハイブリッドを上回る燃費値を実現している。ハリアーハイブリッドのシステムをさらに改良し、高効率なハイブリッドシステムを用いたからだ。

システム上の大きな違いは、駆動用バッテリーにある。ハリアーハイブリッドがリチウムイオンバッテリーを使うのに対し、クラウンハイブリッドは、新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を採用している。
クラウンハイブリッドは低速でのレスポンス向上、電池出力を活用した中〜高速域でのダイレクトな加速を実現しながら、低コスト&低レアメタル化に成功した。

新開発された2.4Lターボのハイブリッドシステムは、燃費性能というより走行性能を重視したシステムだ。エンジンとモーターを直結させたシンプルな構造である。ターボエンジンのラグをモーターが補い、アクセルレスポンスに優れたパワフルな加速が魅力。後輪には水冷式大出力モーターのeAxle(イーアクスル)を設置し、よりトルク感ある走りをアシストする。

 

機能差を含めるとコスパに優れるクラウンクロスオーバー

2.価格比較

クラウンクロスオーバーの評価 3.5
ハリアーハイブリッドの評価 3.0

トヨタ クラウンクロスオーバーと、トヨタ ハリアーハイブリッドの新車価格帯は以下の通りだ。

 

エントリーグレード

ハイエンドグレード

クラウンクロスオーバー

4,350,000円(X 4WD)

6,050,000円(RS  4WD)

ハリアーハイブリッド

3,938,000円(S 4WD)

5,148,000円(Zレザーパッケージ4WD)

クラウンクロスオーバーのRSは、ハリアーハイブリッドとは異なるハイブリッドシステムを使うため、直接的な比較にならない。そのため、クラウンクロスオーバーの最上級グレードは、Gアドバンスト・レザーパッケージの5,700,000円ということになる。

 

先代クラウンハイブリッドは、約500万円からがスタート価格で、最上級グレードでは約740万円。高価な価格設定が、販売低迷の要因のひとつとなった。そのためクラウンクロスオーバーでは、RSを除くすべてが500万円台以下に抑えられている。

 

クラウンクロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージと、ハリアーハイブリッドZレザーパッケージの価格差は、約55万円と微妙だ。装備で比較すると、クラウンクロスオーバーには以下が標準装備されている。

  • パノラミックビューモニター
  • 100V1500Wコンセント
  • パワーイージーアクセス

この差を入れても、約55万円の価格差は埋まらない。ハリアーハイブリッドの方が安価に感じる。

だがクラウンクロスオーバーのほうが、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能が優れており、差は大きい。さらに後輪を操舵するDRSや、新開発のマルチリンクサスペンションなどの機能差も含めると、クラウンクロスオーバーの方がコストパフォーマンスに優れる。

両車、値引きは期待できないが手段はある

3.購入時の値引き術

クラウンクロスオーバーの評価 2.0

ハリアーハイブリッドの評価 2.5

トヨタ クラウンクロスオーバーは、2022年9月にデビューしたばかりの新型車だが、納期が超長期化している。コロナ禍における半導体や部品不足によるものだ。

この状況だと、値引きも端数のカット程度となるだろう。それでも、何もしないと本当に値引きゼロになるので、しっかりとライバル車と競合させたい。

ライバル車は、500万円以上のSUVだ。国産車では、ほとんどライバル車が無い。少し高価だが、レクサスNXと競合させるのも面白い。

ただし、経営母体が異なる販売店同士と競合させることが重要だ。経営母体が同じだと、裏で情報交換されているため、値引きを引き出すことが難しいからだ。

 

クラウンが下取車の場合、トヨタディーラーも顧客を守りたいので、値引きには多少対応するはずだ。値引きだけでなく、下取価格のアップなども交渉するとよい。

また、納期などの早さをメリットとして、高年式の中古車と競合させるのも良いだろう。競合車は、BMW X3やメルセデス・ベンツGLBやGLCなどだ。

 

対するハリアーハイブリッドは、2022年9月に一部改良が施された。ただでさえ納期が超長期化しているため、ハリアーハイブリッドもほぼ値引きゼロ状態といえる。日産エクストレイルやマツダCX-60などの最上級グレードをベースに競合させたい。また、異なる経営母体の販売店同士で、ハリアーハイブリッドを競合させるのもよい。

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やや古さを感じさせるデザインのハリアー

4.デザイン比較

クラウンクロスオーバーの評価 4.5

ハリアーハイブリッドの評価 3.5

クラウンクロスオーバーの外観

クラウンクロスオーバーの外観

クラウンクロスオーバーのデザインは、全高も1,540mmと低く、一見するとSUVらしさが少ない。どちらかというと、流麗なルーフラインをもつ4ドアクーペのようだ。少しフロア高を高くしてSUVらしさを出しているのと同時に、乗り降りしやすい高さになっている。

クラウンクロスオーバーのフロントフェイス

クラウンクロスオーバーのフロントフェイス

フロントフェイスは、セダンやSUVにありがちな大きな顔を回避している。デザイントレンドを追わず、シャープでスポーツカーのようなフェイスデザインとした。

サイドビューは大径21インチタイヤが前提のデザインだ。大径タイヤとフェンダーギリギリまで、タイヤを外に出すツライチにこだわった。ドッシリと安定した姿勢とホイールとボディが見事に調和した美しさを誇る。

クラウンクロスオーバーのリヤエンド

クラウンクロスオーバーのリヤエンド

リヤビューは、流行りの横一文字だ。デザイントレンドを追っているものの、安定感とワイド感を表現している。

トヨタデザインは、アルファードやヴォクシーに代表されるように、ターゲットユーザーに好まれるようなマーケットインのデザインが施されるケースが多い。先代クラウンもそうした傾向が強かった。しかし、クラウンクロスオーバーは、先代クラウンの影響を全く受けず、非常にオリジナリティあふれるデザインとなったのが大きな特徴だ。

ハリヤーハイブリッドの外観

ハリヤーハイブリッドの外観

対するハリアーのデザインは、流麗なクーペフォルムをベースとしながら、スタイリッシュかつ逞しいシルエット「Simple Beauty」を目指した。

ハリヤーハイブリッドのフロントフェイス

ハリヤーハイブリッドのフロントフェイス

姉妹車関係にあるRAV4がいかにもアウトドア感に溢れたタフなイメージなのに対し、ハリアーは完全にラグジュアリーSUVとしてデザインされている。ハリアーも流行りの迫力系フェイスを追わず、独自路線のフェイスデザインとした。

ハリヤーハイブリッドのリヤエンド

ハリヤーハイブリッドのリヤエンド

リヤビューは、クラウンクロスオーバー同様、流行りの横一文字型コンビネーションランプを採用した。2020年デビューのモデルだが、少し古さを感じさせるようになってきている。
惜しいのは、リヤのウインカー位置だ。バンパー下部に取り付けられていて、後方の車両からはウインカーの点滅が分かりにくい。

後席スペース重視ならクラウンクロスオーバー、使い勝手はハリアーが良い

5.室内空間と使い勝手

クラウンクロスオーバーの評価 4.0
ハリアーハイブリッドの評価 4.0

トヨタ クラウンクロスオーバー(4WD)と、トヨタ ハリアーハイブリッド(4WD)のボディサイズ、ホイールベース、室内サイズは以下の通りだ。

 

全長×全幅×全高

ホイールベース

室内長×室内幅×室内高

クラウンクロスオーバー 

4,930×1,840×1,540mm

2,850mm 

1,980×1,540×1,170mm

ハリアー ハイブリッド

4,740×1,855×1,660mm

2,690mm

1,880×1,520×1,215mm 

クラウンクロスオーバーのフロントシート

クラウンクロスオーバーのフロントシート

クラウンクロスオーバーのリヤシート

クラウンクロスオーバーのリヤシート

両車GA-Kプラットフォームを採用しているが、ホイールベースが異なる。クラウンクロスオーバーが、リヤサスペンションを新開発したからだ。ホイールベースが伸びた分、全長も190mm長くなった。室内長もクラウンクロスオーバーの方が長く、後席の広さに繋がっている。リヤシートが大幅に広く、足元は余裕たっぷりだ。

ハリヤーハイブリッドのフロントシート

ハリヤーハイブリッドのフロントシート

ハリヤーハイブリッドのリヤシート

ハリヤーハイブリッドのリヤシート

後席頭上のスペースは、全高の高いハリアーハイブリッドが上回る。

クラウンクロスオーバーの荷室

クラウンクロスオーバーの荷室

荷室容量は、クラウンクロスオーバーが450Lとなった。ボディサイズを鑑みると、もう少しスペースが欲しいところだ。SUVらしい積載性は期待しない方がよい。

ハリヤーハイブリッドの荷室

ハリヤーハイブリッドの荷室

ハリアーハイブリッドの荷室容量は、さらに小さい409Lだ。580LあるRAV4とは、かなりの差がついた。ハリアーハイブリッドは、キャンプなどのアウトドアレジャー用の使い勝手より、ラグジュアリーSUVとしての価値を追求している。

最新世代のトヨタセーフティセンスを搭載したクラウンクロスオーバーが良い

6.安全装備の比較

クラウンクロスオーバーの評価 4.5

ハリアーハイブリッドの評価 3.5

クラウンクロスオーバーのインパネ

クラウンクロスオーバーのインパネ

クラウンクロスオーバーに搭載されている予防安全装備パッケージは、最新世代の「トヨタセーフティセンス」だ。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と自転車、昼間の自動二輪車を検知し、衝突回避もしくは被害軽減を実現した。

よりリアルな交通事故シーンにも対応する。事故の多い交差点内で、右折時の対向車や歩行者、自転車、左折時の対向する歩行者と自転車も検知可能だ。

ハリヤーハイブリッドのインパネ

ハリヤーハイブリッドのインパネ

対するハリアーハイブリッドの「トヨタセーフティセンス」は、残念ながら1世代以上前のタイプとなる。自動ブレーキは、昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応するが、交差点内の自動ブレーキ機能などは無い。フロントクロストラフィックアラートという、交差点進入時に死角となるクルマとの出会い頭事故防止をサポートする装備もない。この差は大きい。

ハリヤーハイブリッドのメーター

クラウンクロスオーバーのメーター

運転支援機能にも大差が付いた。クラウンクロスオーバーには、PDA(プロアクティブドライビングアシスト)機能がある。歩行者や自転車、駐車車両がある場合、接近し過ぎないようにステアリング操作をアシストしてくれるのだ。横断歩行者がいる場合も、減速をアシストする。

さらに、カーブ手前での減速アシストも行う。街中でアクセルオフの際、先行車との車間距離が近いと自動減速、停止直前まで一定の距離を保ってくれる。ちょっとした自動運転のようで、ブレーキの踏みかえ回数も大幅に減り疲労軽減と安全面でも大きなメリットがある。(停止には自らブレーキを踏む必要がある。)

 

クラウンクロスオーバーで高速道路を走行中にクルーズコントロールを使用する際、一定の条件を満たすとアドバンストドライブ機能も発動可能になる。約40km/h以下の渋滞時にステアリングから手を放しても、車線を維持しながら先行車に追従走行ができるのだ。疲労軽減・安全運転にかなり寄与する機能のひとつである。

ハリヤーハイブリッドのメーター

ハリヤーハイブリッドのメーター

予防安全装備や運転支援機能の差は、とても大きい。ハリアーハイブリッドも業界平均レベルなのだが、クラウンクロスオーバーはさらにその先をいく業界トップレベルの実力を誇る。

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ハリアーを上回る優れた乗り心地と静粛性のクラウンクロスオーバー

7.走行性能の比較

クラウンクロスオーバーの評価 4.5

ハリアーハイブリッドの評価 3.5

 

トヨタ クラウンクロスオーバーとトヨタ ハリアーハイブリッドのシステム出力と車重は以下の通り。

 

システム出力

車重

クラウンクロスオーバー2.5Lハイブリッド

234ps

1,750~1,790kg

クラウンクロスオーバー2.4Lターボハイブリッド

349ps

1,900~1,920kg

ハリアーハイブリッド 2.5Lハイブリッド

222ps

1,620~1,690kg

クラウンクロスオーバーのエンジンルーム

クラウンクロスオーバーのエンジンルーム

クラウンクロスオーバーとハリアーハイブリッドには、基本的に同じ2.5Lハイブリッドシステムが使われている。だが、クラウンクロスオーバーに搭載されている2.5Lハイブリッドシステムは改良型で少しパワフルだ。

ハリヤーハイブリッドのエンジンルーム

ハリヤーハイブリッドのエンジンルーム

しかし車重がやや重くなっていることもあり、加速感はハリアーハイブリッドが勝る。どちらも十分な出力で、高速道路でも余裕ある走りが可能だ。

 

異彩を放っているのが、クラウンクロスオーバーRS系の2.4Lターボハイブリッドだ。

RS系は、燃費より走行性能に振り切っている。フロントモーターは、エンジン直結だ。ターボエンジンの悪癖であるターボラグを、瞬時に最大トルクを発揮するモーターと組み合わせることで補完している。搭載されている2.4LターボのT24A-FTS型エンジンはターボラグも少なく、高回転域まで伸びパンチ力もある。完成度の高いエンジンにモーターが直結されたことで、抜群のアクセルレスポンスと高回転域まで伸びのある加速力を誇る。とてもパワフルで、気持ちの良いパワーユニットに仕上がった。

 

加えて後輪側にはeAxle(イーアクスル)という水冷式高出力モーターを装備し、出力は80.2ps&169Nmだ。このモーターにより、RSの前後トルク配分は前100:後0から前20:後80と幅広い範囲で制御可能となった。走行シーンによりきめ細かく制御される。

後輪操舵システムのDRSと組み合わされたことで、カーブではクルマの大きさを感じさせない軽快なハンドリングを披露した。登坂ではFR(後輪駆動)車のように、リヤタイヤにしっかりとトルクを分配する。アクセルコントロールで自在にクルマの向きを操作できるような制御で、FF(前輪駆動)車がベースとは思えない運転の楽しさも感じた。

 

クラウンクロスオーバーのサスペンションは、2.4L、2.5Lターボ車共に柔らかめだ。高級車らしく、乗り心地を重視した仕様である。カーブでは車体の傾きが大きめに出るので、スポーティさはあまり感じられなかった。よりスポーティな走りを望む人は、今後投入予定のクラウンスポーツに期待して欲しいとのことだ。

 

乗り心地と静粛性の比較でも、クラウンクロスオーバーがハリアーを上回る。ハリアーハイブリッドの乗り心地も悪くは無い。だがクラウンクロスオーバーの乗り心地がとくに優れているのだ。

これには新開発のマルチリンクサスペンションが実力を発揮している。ハリアーハイブリッドでは、多少タイヤのゴツゴツ感や路面のザラザラした感じが伝わってきたが、クラウンクロスオーバーはこうした感覚がほとんど伝わってこない。大径21インチタイヤをしっかりと履きこなし、ソフトでゆったりとした乗り心地を提供してくれた。クラウンクロスオーバーの乗り心地は、トヨタブランドの中で最良と言える。

 

静粛性も同様だ。ハリアーハイブリッドも高いレベルにあるが、クラウンクロスオーバーはさらにその先を行く。車外の騒音を見事にカットし、エンジンが始動したことが分からないほどの静粛性を得た。この静粛性の高さもトヨタブランドトップレベル。まさに、クラウンの名に恥じない静粛性と乗り心地だった。

 

多くの部分でハリアーハイブリッドを上回る走行性能を誇るクラウンクロスオーバーだが、悪路は苦手だ。クラウンクロスオーバーの最低地上高は、わずか145mmである。先代クラウンが135mmだったので、一般的なセダン並みの高さだ。この最低地上高で悪路に入るのはリスクが高い。

一方、ハリアーハイブリッドの最低地上高は190mmと十分だ。ラグジュアリーSUVだが、悪路でも十分に走行できる。ただしリヤ駆動力はモーターなので、少しトルク不足を感じる。ハードな悪路での走行は難しい。

両車とも超絶高リセールバリューが期待できる

8.リセールバリュー比較

クラウンクロスオーバーの評価 4.5

ハリアーの評価 4.5

 

トヨタ車は、総じて高リセールバリューを維持しているケースが多い。加えて人気のSUVであることや、新車納期が超長期化によって、リセールバリューはかなり高い傾向にある。

 

クラウンクロスオーバーは、転売目的の未使用車が徐々に増えてきている。新車価格を大幅に上回る価格が付く状態がしばらく続くとみられているので、リセールバリューもかなり高値となることは確実だ。新車販売も好調なので、長期的にみても高リセールバリューを維持するだろう。

 

ハリアーハイブリッドも、転売目的の未使用車が流通している。クラウンクロスオーバーほどの高値ではないものの、新車価格を軽くオーバーしている車両がほとんどだ。

ハリアーハイブリッドも納期が超長期化しているので、新車購入を諦めた人が高年式の中古車を買う傾向にある。中古車相場は急上昇し、現行モデルでは、ほとんどの車両が新車並みの中古車価格となっている。ハリアーハイブリッドのリセールバリューも非常に高くなっている。

新車の超長期納期が解消されない限りは、異常ともいえる高リセールバリューが続くと予想できる。仮に異常事態が収束しても、歴代ハリアーはとても高いリセールバリューを誇ってきた人気モデルなので、乗換え時にも十分メリットのあるモデルだ。

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ハリアーブランド推しでなければ、クラウンクロスオーバーがお勧め

9.まとめ・総合評価

トヨタ クラウンクロスオーバーとハリアーハイブリッドは、同じ高級SUVカテゴリーだが、かなり方向性が異なる。クラウンクロスオーバーは、4ドアクーペ寄りなのに対して、ハリアーハイブリッドは正統派ラグジュアリーSUVといえる。

 

悪路を走らないという前提であれば、クラウンクロスオーバーがほぼすべての面で優れるためお勧めしたい。設計の新しさに加え、クラウンという名を冠したことで数々の新技術が投入されているからだ。

 

クラウンクロスオーバー

ハリヤーハイブリッド

総合得点(40点満点)

32.0

28.5

1.燃費

4.5

4.0

2.価格

3.5

3.0

3.購入時の値引きしやすさ

2.0

2.5

4.デザイン

4.5

3.5

5.室内空間と使い勝手

4.0

4.0

6.安全装備

4.5

3.5

7.走行性能

4.5

3.5

8.リセールバリュー

4.5

4.5

クラウンクロスオーバー 価格・スペック

クラウンクロスオーバー価格

2.5Lハイブリッド(4WD)

CROSSOVER G

4,750,000円

CROSSOVER G “Advanced・Leather Package”

5,700,000円

CROSSOVER G “Advanced” 

5,100,000円

CROSSOVER G “Leather Package” 

5,400,000円

CROSSOVER G X

4,350,000円

 

2.4Lターボハイブリッド(4WD)

CROSSOVER RS

6,050,000円

CROSSOVER RS “Advanced” 

6,400,000円

クラウンクロスオーバー 燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

クラウンクロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージ

ボディサイズ

4,930mm×1,840mm×1,540mm

ホイールベース

2,850mm

最低地上高

145mm

最小回転半径

5.4m

車両重量

1,790kg

総排気量

2,487cc

エンジン種類

A24A-FXS型 直4 DOHC

エンジン最高出力

137kW(186ps)/6,000rpm

エンジン最大トルク

221N・m/3,600~5,200rpm

フロントモーター最高出力

88kW(119.6ps)/-rpm

フロントモーター最大トルク

202N・m/-rpm

リヤモーター最高出力

40kW(54.4ps)/-rpm

リヤモーター最大トルク

121N・m/-rpm

駆動用バッテリー種類

バイポーラ型ニッケル水素

WLTCモード燃費

22.4km/l

サスペンション前/後

マクファーソンストラット/マルチリンク

タイヤサイズ

225/45R21

ハリアーハイブリッド 価格・スペック

ハリアーハイブリッド価格

2.5Lハイブリッド(4WD)
S

3,938,000円

G

4,339,000円

Z

4,848,000円

Z レザーパッケージ

5,148,000円

 

ハリアーハイブリッド 燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード

ハリアーハイブリッド Z レザーパッケージ

ボディサイズ

4,740mm×1,855mm×1,660mm

ホイールベース

2,690mm

最低地上高

190mm

最小回転半径

5.7m

車両重量

1,750kg

総排気量

2,487cc

エンジン種類

A24A-FXS型 直4 DOHC

エンジン最高出力

131kW(178ps)/5,700rpm

エンジン最大トルク

221N・m/3,600~5,200rpm

フロントモーター最高出力

88kW(120ps)/-rpm

フロントモーター最大トルク

202N・m/-rpm

リヤモーター最高出力

40kW(54ps)/-rpm

リヤモーター最大トルク

121N・m/-rpm

駆動用バッテリー種類

リチウムイオン

WLTCモード燃費

21.6km/l

サスペンション前/後

マクファーソンストラット/ダブルウィッシュボーン

タイヤサイズ

225/55R19

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員