スーパーハイトワゴンは、広い室内空間とリアに両側スライドドアを採用しているクルマだ。軽自動車の新車販売の中心といえる。
今回は2023年11月にフルモデルチェンジを行った、スズキスペーシア/スペーシアカスタムについて紹介する。新旧モデルの燃費や価格、内装などについて比較・評価したので、購入の参考にしてほしい。
登録済み未使用車情報
- スズキスペーシア/スペーシアカスタムの歴史・概要
- スーツケースがモチーフの2代目スペーシア、新型は頑丈で大容量のコンテナ
- キープコンセプトの標準車と違い、スペーシアカスタムは新旧で大きくデザインが異なる
- 新型スペーシアの予防安全装備はデバイスの変更で機能が大幅強化
- 新型と旧型スペーシアのボディサイズは同じ。室内広さはほぼ互角。
- 新型スペーシアの自然吸気エンジンは、燃費性能が大幅に向上
- 新型スペーシアは静粛性、走行性が向上。高速道路利用は自然吸気エンジンも候補に入る
- フルモデルチェンジによって買い得感が高まる旧型スペーシア/スペーシアカスタム
- リセールバリューの期待できる装備は?
- ロングドライブが多いなら新型スペーシア。街乗りメインなら旧型で十分満足できる
- 新型スペーシア/スペーシアカスタム、価格・スペック
スズキスペーシア/スペーシアカスタムの歴史・概要
スペーシア歴代モデル |
発表年 |
型式 |
初代 |
2013年 |
MK32S/42S |
2代目(比較対象の旧型) |
2017年 |
MK53S |
3代目(新型) |
2023年 |
MK94S |
初代スズキスペーシアは、2013年にスズキパレットの後継車として登場した。子育て層に人気の“ママワゴン”と呼ばれるスーパーハイトワゴンの一種である。コンパクトカー以上ミニバン以下の広い室内空間と、扱いやすいボディサイズが特徴的だ。
初代スペーシアにはロングホイールベースの新プラットフォームが採用された。クラストップの室内長を実現するとともに、パレットに比べて車両重量で90kgのダイエットに成功している。
搭載されている2種類のエンジンには、「スズキグリーンテクノロジー」を採用している。ワゴンRで採用したエネチャージをはじめ、新アイドリングストップシステムなどの優れた燃費性能を実現していた。
※上図:2代目スペーシアの全景
2017年にフルモデルチェンジを行い、2代目スペーシアが登場した。2代目スペーシアは初代の子育て世代からよりターゲット層を拡大し、家族だけでなく仲間とアクティブに使えるモデルへと進化させている。
内外装のデザインはスーツケースをモチーフとしている。標準車にはルーフレールを採用し、アウトドアテイストを強めた。
搭載する2つのエンジンにはマイルドハイブリッド機構を搭載している。ISGというモーター機能付発電機と大容量化したリチウムイオンバッテリーを組み合わせたものだ。車速が10km/h以下になるとモーターのみで走行が可能となる。パワーモードでは、坂道や高速道路の合流などで力強い加速が必要な時に威力を発揮し、スムーズな走りが魅せる。トランスミッションには、全車CVTが組み合わされた。JC08モードの燃費は24.0~30.0km/Lと軽スーパーハイトワゴンでトップレベルの実力を発揮している。
2代目スペーシアは高い安全性を誇る。衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」には単眼カメラと赤外線レーザーレーダーが組み合わされた。さらに「後退時ブレーキサポート」も装備された。リアバンパーに内蔵した4つのセンサーにより、車両後方の障害物を検知して自動でブレーキをかける機能だ。
2018年にはスペーシア、スペーシアカスタムに続く、第3のモデルとしてスペーシアギアが追加された。スペーシアギアはアクティブにスペーシアを使いたいというユーザーにピッタリの、SUVとスーパーハイトワゴンのクロスオーバーモデルといえる。
2020年の一部改良では、運転支援システムをアップデートした。夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートとSRSカーテンエアバッグは標準装備化された。加えて全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールの採用や、さらに一時停止などの標識認識機能を向上させている。
2021年のマイナーチェンジでは内外装の変更に加え、運転支援機能に車線逸脱抑制機能が追加されている。車載通信機を搭載したことで、コネクテッドサービスの「スズキコネクト」にも対応した。
初代スペーシアは高い実力はあるものの、新車の販売台数はホンダN-BOXやダイハツ タント等のライバルに差を付けられていた。しかし、2代目スペーシアはN-BOXに次ぐ販売台数を記録するヒットモデルとなった。マイルドハイブリッド機能を採用し燃費性能を向上させたことや、クロスオーバーテイストのスペーシアギアを追加したことが要因だろう。
※上図:新型スペーシア(3代目)の全景
2023年11月にフルモデルチェンジを実施し、3代目スペーシアが登場した。現状モデルラインアップはスペーシアとスペーシアカスタムのみで、スペーシアギアは設定されていない。
3代目スペーシアは自然吸気エンジンが変更され、燃費向上が図られた。
そして、システム全体が一新されたのが自動ブレーキを含む予防安全装備パッケージ「スズキ セーフティサポート」だ。広角単眼カメラにより機能が増え、クラストップレベルの実力を誇る。
スーツケースがモチーフの2代目スペーシア、新型は頑丈で大容量のコンテナ
外装デザイン比較
新型スズキスペーシア/スペーシアカスタム(3代目)は、「ワクワク感」はそのままに、さらに楽しさを感じられるデザインに進化している。デザインモチーフを大容量のコンテナとして、「もっと自由に」「もっと使いやすく」という想いが込められている。
サイドデザイン比較
【3代目スペーシア/スペーシアカスタム】
普段の生活の可能性を広げてくれる「走るコンテナハウス」のような造形が特徴だ。ボディサイドには、プレス成形されたビード形状による力強いキャラクターラインは、コンテナを台車に載せたようなイメージだ。
また歴代スペーシアで初めてDピラーがボディと同色のデザインを採用した。キャビンスペースを大きく見せるだけでなく、頑丈なコンテナを表現している。2トーンルーフ仕様車は、Dピラーのルーフとボディカラーを繋ぐ部分にシルバーのアクセントを施すことで遊び心を表現している。
【2代目スペーシア/スペーシアカスタム】
サイドガラスをぐるりと囲んだドアは、スーツケースの取手がモチーフとなっている。
フェイスデザイン比較
【3代目スペーシア】
大型リフレクターLEDヘッドランプを採用し、誰にでも好まれる優しいフェイスデザインを演出した。ボディを上下に分割する力強いキャラクターラインで、頑丈で立体的な造形が特徴だ。
【3代目スペーシアカスタム】
内部をブラック化した薄型フルLEDヘッドランプとKEDフロントシーケンシャルターンランプを採用し、華やかさを演出している。大型のフロントグリルにはメッキと艶のあるブラックが組み合わされた。加えてメッキフロントバンパーガーニッシュによって、上質感と存在感を表現している。
【2代目スペーシア】
広さや大きさを感じるフェイスデザインを採用した。厚みのあるフロント部、切り立ったフロントガラス、丸くて四角いボディに高いベルトラインが特徴だ。
【2代目スペーシアカスタム】
圧倒的な迫力と存在感を強調する大型メッキフロントグリルやLEDヘッドランプにより、精悍で迫力あるデザインとなっている。
2021年の一部改良で、2代目スペーシア/スペーシアカスタムはともに、フロントグリルの意匠を変更した。スペーシアカスタムは、縦長の大きなグリルにメッキパーツを装着し、圧倒的な存在感を演出している。
キープコンセプトの標準車と違い、スペーシアカスタムは新旧で大きくデザインが異なる
デザインコンセプトを2代目の「スーツケース」から3代目の「コンテナ」へと変更しているが、標準車のスペーシアの外観デザインは、キープコンセプトの正常進化と言える。
※上図:新型スペーシアカスタム(3代目)の全景
※上図:2代目スペーシアカスタムの全景
外観デザインで大きく変わったのが、スペーシアカスタムだ。2代目はミニバンで人気の縦長の大きなフロントグリルを採用していたが、新型では骨太の2本のバーを採用し、ワイド感を演出するデザインとなった。
Lサイズミニバンで人気のトヨタヴェルファイアも、太いメッキバーを採用したフロントグリルを採用している。それを踏まえると、3代目スペーシアカスタムのデザインはスマッシュヒットしそうな予感がする。
※上図:新型スペーシアカスタム(3代目)の後景
※上図:2代目スペーシアカスタムの後景
標準車のスペーシアはキープコンセプトなので、世代による違いは小さい。だが、スペーシアカスタムは大きくデザインが変わったことで、2代目スペーシアは古さを感じるかもしれない。
新型スペーシアの予防安全装備はデバイスの変更で機能が大幅強化
予防安全装備の比較
新型トヨタスペーシア/スペーシアカスタム(3代目)は、「デュアルセンサーブレーキサポートII」を搭載している。認識画角がステレオカメラの2.6倍となった単眼カメラとミリ波レーダー、そして超音波センサーが組み合わされている。
衝突被害軽減ブレーキ(デュアルセンサーブレーキサポートIIと低速時ブレーキサポート(前進・後退)を組み合わせた機能)の検知対象は以下のとおりだ。
- 昼夜の前方の車両
- 昼夜の前方の歩行者
- 前方の自転車
- 前方の自動二輪車
- 交差点内の右左折時の歩行者と自転車
- 交差点内の右折時の車両
- 出会い頭時の車両
旧モデルに搭載されていたデュアルセンサーブレーキサポートは、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーが組み合わされたシステムだった。
3代目スペーシア/スペーシアカスタムにはデュアルセンサーブレーキサポートIIが搭載された。広角化された単眼カメラ、ミリ波レーダーそして超音波センサーというマルチデバイスを組み合わせたシステムだ。検知対象は、2代目の車両と歩行者に加え、自転車、自動二輪車、交差点での検知も対応した。
さらにシステムの変更により、アダプティブクルーズコントロールには以下が追加された。
- カーブ速度抑制機能(先行車の追従走行や定速走行に加えて、カーブを認識しカーブ手前になると自動で速度を抑制する)
- 車線変更時の加減速を補助する機能
- 割り込みなどに対する接近警報機能
さらに、以下の機能は全車に標準装備され、安全性を向上させている。
- 車線維持支援機能(車線中央付近の安定した走行をサポートし、区画線が見えにくい場合には、先行車の走行軌跡情報なども活用する)
- 発進お知らせ機能(先行車の発進だけでなく、信号の切り替えまで知らせる)
- 標識認識機能(ディスプレイ表示やブザー音で注意喚起を行う)
2代目スペーシア/スペーシアカスタムの安全性能は2020年の一部改良前後で大きく異なる。改良後は以下が改善され、安全性が向上している。
- デュアルカメラブレーキサポートの標準装備化(夜間の歩行者も検知)
- SRSカーテンエアバッグの標準装備化
- 全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールの採用
- 一時停止などの標識認識機能の向上
3代目と比べると、2代目スペーシア/スペーシアカスタムは設計が古いため、機能面では物足りない。3代目が最新技術の粋を集めたもので、旧世代のシステムでは敵わないのは当然だ。しかし、2代目も軽自動車の平均値は維持しているので、一定レベルの予防安全性能は担保している。
新型と旧型スペーシアのボディサイズは同じ。室内広さはほぼ互角。
車両サイズ、室内空間比較
新型スペーシア/スペーシアカスタムと、旧モデルのボディサイズやホイールベース、室内寸法は以下のとおりだ。
|
新型(3代目) |
旧型(2代目) |
全長×全幅×全高 |
3,395mm×1,475mm×1,785mm |
3,395mm×1,475mm×1,785mm
|
ホイールベース |
2,460mm |
2,460mm |
室内長×室内幅×室内高 |
2,170mm×1,345mm×1,415mm |
2,155mm×1,345mm×1,410mm |
3代目スペーシア/スペーシアカスタムのボディサイズは、全長、全幅、全高すべて2代目と同じ数字となっている。しかし、室内長では+15mm、室内高は+5mm拡大している。旧モデルより若干室内の広さが大きくなっているが、実際にはほぼ同じと言えるだろう。
乗車定員は4人のままだが、新型スペーシアはリアシートの快適性が大幅に向上
内装比較
※上図:新型スペーシア(3代目)の運転席内装
※上図:2代目スペーシアの運転席内装
新旧モデルともに軽自動車なので、乗車定員は4人だ。しかし、3代目スペーシア/スペーシアカスタムは、一部グレードを除いて、マルチユースフラップをスズキ車で初めて採用したことで、快適性が高まっている。
マルチユースフラップは以下の3つのモードから選ぶことができる。
- オットマンモード…リアシートの座面に設置されているフラップの位置や角度を調整することで、くつろぎ感を得られる
- レッグサポート…走行中の姿勢安定をサポートする
- 荷物ストッパーモード…荷物の落下を予防する
さらに、左右独立したセンターアームレストを採用。マルチユースフラップを併せて使用することで、後席の快適性を高めるとともに、座面に置いた荷物の横ずれを防止できる。
※上図:新型スペーシア(3代目)の後席内装
※上図:2代目スペーシアの後席内装
パーソナルテーブルも進化した。スマートフォンやタブレットを立てかけられるストッパーをはじめ、500mlの紙パックにも対応したドリンクホルダーなど機能性が向上している。
※上図:新型スペーシア(3代目)の荷室
※上図:2代目スペーシアの荷室
インパネデザイン
【3代目スペーシア/スペーシアカスタム】
※上図:新型スペーシア(3代目)のインパネデザイン
インテリアデザインは、インパネや前席ドアの上部を立体的な造形とすることで、機能性と広さを演出するデザインを採用した。さらにカップホルダーやインパネボックス、前席ドアトリムにビード形状を施すことにより、外観同様頑丈で大容量のコンテナを表現している。
【2代目スペーシア/スペーシアカスタム】
※上図:2代目スペーシアのインパネデザイン
水平基調のスタイリングで、伸びやかさと見晴らしのよさを表現したインパネ形状を採用した。運転席前の視界を確保し、開放感のある広々とした室内空間を演出している。また外観と同じスーツケースをモチーフにしたカラーパネルを採用している。
新旧を比較して大きく変わったのが、助手席前の収納だ。2代目では助手席前にインパネアッパーボックスを採用していたが、3代目では室内空間をより自由に、心地良く使えるようにとオープンタイプの大型トレーを採用した。
見た目は収納するものが見えないインパネアッパーボックスのほうが良い。だが大きなモノを収納できないので、利便性は3代目の大型トレーのほうが高いと言える。
メーターパネル
【3代目スペーシア/スペーシアカスタム】
※上図:新型スペーシア(3代目)のメーター
デジタルメーターを採用した。視認性湖上とコンパクト化を実現している。
【2代目スペーシア/スペーシアカスタム】
※上図:2代目スペーシアのメーター
アナログ式をメインに液晶パネルを組み合わせたメーターパネルだ。メーターが大きいため広いスペースが必要となっている。
3代目スペーシア/スペーシアカスタムは、センターパネルにUSB電源ソケットを設置したのをはじめ、スイッチや装備の配置を見直すことで、スムーズな操作が可能となっている。
新型スペーシアの自然吸気エンジンは、燃費性能が大幅に向上
走行性能、燃費性能比較
新型スズキスペーシア/スペーシアカスタム(3代目)のエンジンと出力、燃費性能(WLTCモード)は以下のとおりだ。
【3代目スペーシア/スペーシアカスタム】
|
最高出力 |
最大トルク |
4WD燃費 |
FF燃費 |
660ccエンジン |
49ps |
58N・m |
22.4km/L |
25.1km/L |
660ccターボエンジン |
64ps |
98N・m |
19.8km/L |
21.9km/L |
旧型のスズキスペーシア/スペーシアカスタムのエンジンと出力、燃費性能(WLTCモード)は以下のとおり。
【2代目(旧型)スペーシア/スペーシアカスタム(最終モデル)】
|
最高出力 |
最大トルク |
4WD燃費 |
FF燃費 |
660ccエンジン |
52ps |
60N・m |
20.2 km/L |
22.2km/L |
660ccターボエンジン |
64ps |
98N・m |
19.2 km/L |
19.8km/L |
自然吸気エンジンの新旧比較
※上図:新型スペーシア(3代目)のエンジンルーム
新型のスズキスペーシア/スペーシアカスタムに搭載される自然吸気エンジンはR06D型に変更されている。新型といっても、すでにハスラーなどの搭載されているエンジンだ。R06D型は燃焼効率を高めて、街中で良く使う低中速域の動力性能を向上すると同時に静粛性も高めている。さらにマイルドハイブリッドシステムと組み合わせることで、WLTCモードで25.1km/Lという優れた燃費性能を実現している。
※上図:2代目スペーシアのエンジンルーム
旧型に搭載されているR06Aエンジンは、旧型よりも最高出力と最大トルクの数値は低くなっている。だが、体感的に大きな差はない。
燃費性能は旧型から大幅に向上した。
ターボエンジンの新旧比較
新型スペーシア/スペーシアカスタムに搭載されているターボエンジンは、旧型と同じR06A型のターボエンジンだ。しかし、軽量で高効率な新CVTとマイルドハイブリッドによって、パワフルな加速性能を発揮することが可能となった。
燃費性能を比較すると、旧型は19.2(4WD)~19.8km/L(FF)に対して、新型は19.8(4WD)~21.9km/L(FF)とFF車の燃費性能が大幅に向上している。これは両エンジンともに燃費向上に貢献する低転がり抵抗タイヤの効果も大きいと言える。
新型スペーシアは静粛性、走行性が向上。高速道路利用は自然吸気エンジンも候補に入る
旧型スペーシア/スペーシアカスタムにも、軽量・高剛性のプラットフォーム「ハーテクト」が採用されている。これに加えて新型スペーシア/スペーシアカスタムには、ハスラーなどにも採用されている環状骨格構造や構造用接着材の採用によりボディ剛性や操縦安定性をさらに向上させている。
新型には、アンダーボディ接合面に減衰接着材の採用をはじめ、遮音バッフルを左右計8カ所に採用。吸音性のある成型天井材の採用などにより、室内空間の高い静粛性を実現している。
新型スペーシア/スペーシアカスタムに乗って最初に感じるのは、静粛性の高さだ。助手席との会話だけでなく、後席との会話明瞭性が旧型とはあきらかに違う。まさに室内と外が遮断されているように感じる。
ボディ剛性が向上したことにより、走行安定性は一段と質感が向上した。コーナリングする際の揺れが少なくなるだけでなく、加減速時の前後方向の揺れも減少。背の高いスーパーハイトワゴンとは思えないほどの揺れの少なさが特徴だ。運転しやすいが、乗り心地は硬め。低速域だと、ややゴツゴツ感が伝わってくる。速度が上がれば、乗り心地は少し向上する。とくに、乗り心地の硬さは、後席で感じやすい傾向がある。
ターボエンジンのパワフルな走りは旧型からの進化は少ないが、エンジンが換装された自然吸気エンジンは大幅に質感が向上している。アクセルを踏んで加速する際のエンジン音の音質が、低く抑えられており、発生しても嫌な音ではない。
旧型の自然吸気エンジンはかなり耳障りな音が発生するので、この部分の進化は大きい。もちろんマイルドハイブリッドの効果も絶大で、アクセルペダルをあまり踏まなくてもスムーズに走行可能だ。
これまで高速道路などを頻繁に利用する人ならば、ターボエンジンがオススメだったが、新型スペーシア/スペーシアカスタムならば、自然吸気エンジンでも不満は少ないだろう。旧型スペーシア/スペーシアカスタムでも軽スーパーハイトワゴンでは実力は高かったが、新型は質感の高さに磨きを掛けてさらに実力が高くなっている。
フルモデルチェンジによって買い得感が高まる旧型スペーシア/スペーシアカスタム
価格比較
新型スペーシア/スペーシアカスタムの価格は以下のとおり。
【新型スペーシア価格 自然吸気エンジン】
|
FF |
4WD |
ハイブリッドG |
153万100円 |
165万6000円 |
ハイブリッドX |
170万5000円 |
182万4900円 |
【新型スペーシアカスタム価格 自然吸気エンジン】
|
FF |
4WD |
ハイブリッドGS |
180万1800円 |
192万5000円 |
ハイブリッドXS |
199万5400円 |
211万5300円 |
【新型スペーシアカスタム価格 ターボエンジン】
|
FF |
4WD |
ハイブリッドXSターボ |
207万3500円 |
219万3400円 |
旧型スペーシア/スペーシアカスタム中古車相場(2019年式)は以下の通りだ。
|
自然吸気車 |
ターボ車 |
旧型スペーシア |
70万~150万円 |
- |
旧型スペーシアカスタム |
90万~160万円 |
100万~160万円 |
※2024年1月調べ(2018年式)
新型スペーシア/スペーシアカスタムの新車価格は、旧モデルの新車価格よりも上昇している。
- ハイブリッドG 2WD(エントリーグレード)…+約20万円
- ハイブリッドXSターボ 4WD(最上級グレード)…+約28万円
- ハイブリッドXS (売れ筋グレード)…+約30万円
人気のハイブリッドXSは、FF、4WDともに最も価格が上昇した。
標準車のスペーシアのハイブリッドG(エントリーグレード)は、スペーシアの魅力が半減しているモデルといえる。アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能の設定がなく、リアのマルチユースフラップが未装着となった。
上級グレードのハイブリッドXは、オプションのセーフティパッケージを付けないとアダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能が装着されない。ライバル車との価格差はグッと縮まってしまう。
一方スペーシアカスタムは、ハイブリッドGSは運転支援機能が標準装備となっている。だが、マルチユースフラップの設定がないなど物足りない。そのため、ハイブリッドXSもしくはXSターボを選びたい。
旧型と比べて価格の上昇が大きなハイブリッドXSだが、ナビゲーションを除けば、スペーシアらしい装備が標準装備となっている。新型ではハイブリッドXSがベストバイと言える。
リセールバリューの期待できる装備は?
- 全方位モニター付メモリーナビゲーション装備
- スズキコネクト対応通信機装備
- ボディカラーはブラックかホワイト
旧型スペーシア/スペーシアカスタムは内外装の変わった2021年式で中古車の価格に違いが出ている。軽自動車の中古車は需要が多いため、割高感はある。だがスペーシアだけでなく、スペーシアカスタムでも100万円以下の中古車は多く出回っている。
流通台数が多いのは、圧倒的にスペーシアカスタムの自然吸気車だ。カスタムは外観デザインが大幅に変わったため、旧モデルの今後の値落ちに期待出来る。ただし、自然吸気車はエンジンが変わっているので、走行性能を気にするならばターボ車を選ぶと良いだろう。
標準車の相場は、アダプティブクルーズコントロールの有無で変わってくる。高速道路にはほとんど乗らないし、ロングドライブもしないのであれば、割安な非装着車のハイブリッドXを狙うのが良いだろう。
ロングドライブが多いなら新型スペーシア。街乗りメインなら旧型で十分満足できる
オススメは新型?それとも旧型?
新旧のプラットフォームはともにハーテクトを用いている。
新型は環状骨格構造や構造用接着材を採用することで、操縦安定性が向上した。また、ターボエンジンは流用だが、自然吸気エンジンは高効率の新型に換装されている。
新車価格は旧型に対して最大で約30万円アップしたが、走行性能や安全性能の伸び幅を見れば決して高くはない。その差を実感できるのは、高速道路での走行時だ。静粛性やアダプティブクルーズコントロールの制御などには圧倒的な差を感じる。
しかし高速道路はあまり利用せず、街乗りが中心ならば、旧型スペーシア/スペーシアカスタムでも十分満足できる。マイルドハイブリッドシステムを搭載したエンジンは、軽スーパーハイトワゴンで旧型とはいえ高いレベルの燃費性能を発揮しているからだ。
リアサーキュレーターなどの装備やスーツケースをモチーフとしたデザインのインテリアは、旧型にもオシャレな雰囲気が漂っている。
年式によっては、すでに100万円以下でも上質な中古車が購入可能だ。フルモデルチェンジによって旧型の中古車はさらにリーズナブルになるだろう。
また、新型の新車価格は大幅にアップしている。生活の足として使うのであれば、旧型の求めやすい価格は大きなメリットといえる。
新型スペーシア/スペーシアカスタム、価格・スペック
新型スペーシアの価格
【新型スペーシア価格 自然吸気エンジン】
|
FF |
4WD |
ハイブリッドG |
153万100円 |
165万6000円 |
ハイブリッドX |
170万5000円 |
182万4900円 |
【新型スペーシアカスタム価格 自然吸気エンジン】
|
FF |
4WD |
ハイブリッドGS |
180万1800円 |
192万5000円 |
ハイブリッドXS |
199万5400円 |
211万5300円 |
【新型スペーシアカスタム価格 ターボエンジン】
|
FF |
4WD |
ハイブリッドXSターボ |
207万3500円 |
219万3400円 |
新型スズキスペーシアカスタム燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード |
ハイブリッドXS |
全長×全幅×全高 |
3,395mm×1,475mm×1,785mm |
ホイールベース |
2,460mm |
トレッド(前/後) |
1,300mm/1,295mm |
車両重量 |
910kg |
エンジン型式 |
R06D |
エンジンタイプ |
直列3気筒DOHC12バルブ |
総排気量 |
658cc |
エンジン最高出力 |
36kW(49ps)/6,500rpm |
エンジン最大トルク |
58N・m(5.9kg-m)/5,000rpm |
モーター型式 |
WA04C |
モーター最高出力 |
1.9kW(2.6ps)/1,500rpm |
モーター最大トルク |
40N・m(4.1kg-m)/100 |
燃費(WLTCモード) |
23.9km/L |
駆動方式 |
前輪駆動 |
トランスミッション |
CVT |
サスペンション |
前:マクファーソンストラット式、後:トーションビーム式 |
タイヤ(前/後) |
165/55R15 |
最小回転半径 |
4.6m |
スペーシアのカタログ情報
![](https://221616.com/assets/img/car-topics/noimage.jpg)
- 現行モデル
- 令和5年11月(2023年11月)〜現在
- 新車時価格
- 153.0万円〜189.1万円
スペーシアの在庫が現在132件あります
以下車両の保証内容詳細は画像をクリックした遷移先をご確認ください。