飛び石によるフロントガラスの傷は車検に通る?判断基準や修理費用を整備士が解説

飛び石によるフロントガラスの傷は車検に通る?判断基準や修理費用を整備士が解説

飛び石によるフロントガラスの傷は、大切な愛車に傷がついてしまうとショックですよね。また、フロントガラスに傷やヒビがあると車検に通らないと聞いたことのある方も多いでしょう。
この記事では車検合否の判断基準や修理費用、飛び石被害に遭わないための対策や、万が一飛び石を受けてしまった後にできる対策について、現役の整備士が解説します。

フロントガラスに傷やヒビがあると車検には通らない?

フロントガラスに傷やヒビができたときにまず気になるのは、車検に通るか否かでしょう。仮にガラスの交換が必要となれば、予期しない高額な出費にもつながるので、あらかじめ車検合否の基準は知っておきたいですよね。

「フロントガラスにある傷やヒビの大きさ」には車検に通る具体的な基準はありません。
ただし、フロントガラスは法令に則ったうえで、安全性を損なわない良好な視界を確保しなければいけません。(参考:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示)

そのため、フロントガラスにある傷やヒビが前方視界を妨げるものでなければ基本的に車検に合格できると言えます。
ただし、この判断基準は整備工場に在籍する個々の検査員や、会社のルールによって違いが出ます。

実際はヒビがあるとNGとする整備工場がほとんど

現場での判断基準を知るために、私の周囲の整備工場にアンケートを取ってみました。
結果として、「大小に関わらず、フロントガラスにヒビがあれば車検不合格と判断」とする整備工場が全体の9割を占めました。
車検不合格の場合、修理可能であれば修理、不可ならガラス交換としたうえで、車検を進めることになります。

よく、車検に通る傷やヒビの大きさの判断基準を硬貨の大きさに例えているケースが見受けられますが、実際には安全面を考慮したうえで、それよりも小さいサイズで車検不合格となることが多いでしょう。
いずれにしても、傷やヒビの状態は口頭での説明や写真だと伝わりづらいので、車検の合否については車検でお世話になる整備工場で直接ガラスの状態を確認してもらって判断を仰ぎましょう。

飛び石によるフロントガラスの傷の修理、交換にかかる費用の目安

フロントガラスの傷の修理にかかる費用の目安は1,000円~15,000円程度、フロントガラスの交換にかかる費用の目安は40,000円~100,000円ほどと作業内容によって幅があります。
フロントガラスの傷の修理や交換をする場合、方法は以下の3つのパターンに分けられます。

  • 修理キットを使用して自分で修理
  • 修理業者に依頼してガラスリペア
  • 業者に依頼してガラスの交換

自分でガラスリペアする場合の費用目安

カー用品店などではガラスリペアキットが1,000〜2,500円程度で販売されています。
ガラスがわずかに欠けた程度で、ヒビ(線状)がほとんど入っていない、軽度の傷であれば自分で傷の修理ができるかもしれません。(自分で修理するかどうかの判断基準の目安は後ほど解説します)
キットに記載の手順を確認してみて、自分でできそうであればチャレンジしてみるのも良いでしょう。
ただし、傷の修理は基本的には「一回限り」です。
失敗は許されないので、そのリスクを理解したうえで実施しましょう。

修理業者にガラスリペアしてもらう場合の修理費用の目安

修理業者にガラスリペアを依頼する場合の費用は1.5万円前後が目安です。車種、修理の難易度によっても費用は前後します。
ガラスを交換する場合と比較しても、大幅に安いです。修理にかかる所要時間は最短で30分〜1.5時間程度です。

フロントガラス交換の費用目安

フロントガラス交換にかかる費用は、工賃よりもガラスの種類(メーカー純正品、社外品、UVカットの有無や色付きなど…)によって大きく異なります。
軽自動車であれば最安でガラス代と工賃を合わせて4万円〜です。
一般的には10万円前後〜を予算と考えておきましょう。

また、最近の車は、フロントガラスに自動ブレーキに必要なセンサーやカメラが取り付けられています。
フロントガラスの交換後は、これら安全装置のエーミング調整(校正)が必要です。
このエーミング作業を伴う場合は、プラスで1.5万円〜の費用が上記のガラス交換費用に追加となります。

フロントガラスの傷を自分で修理するかの判断基準

先ほど解説したように、カー用品店などで販売されているガラスリペアキットを使用すれば、自分でフロントガラスの傷を修理することができるケースがあります。

フロントガラスの傷を自分で修理するかの判断基準については、以下にまとめた修理できない条件のうち、いずれかひとつでも当てはまると修理できないです。

  • 傷そのものの凹み部分が直径8mm以上
  • 直径2cm以上のヒビ
  • ガラスの上縁・横縁から4cm以内にある傷・ヒビ
  • ガラスの下縁から8cm以内にある傷・ヒビ
  • すでに一度、修理済みの傷・ヒビ
  • 傷の深さがガラスの厚みの半分以上ある(実際に確認することは難しいので参考までに)

上記に当てはまる傷・ヒビは、基本的にフロントガラスを交換しなければいけません。
場合によっては修理ができる可能性もあるので一度、修理業者に相談してみるのもよいでしょう。
また、自分でリペアして失敗すると再修理ができないリスクがあるので、判断基準内に収まる大きさの傷やヒビであっても、比較的欠けが大きい場合(パッと見で誰もが認識できる程度で、傷やヒビの直径が5mm〜ほど)、修理に自信のない方は修理業者に依頼することをおすすめします。
ちなみに傷が小さすぎると、リペアできないケースがあります。

フロントガラスのヒビの広がりを防止する方法

フロントガラスにヒビが入ってしまった場合、ガラスリペアできる範囲であればヒビが広がらないうちに早急に修理しましょう。
しかし、どうしてもすぐに修理できない、交換することになったが作業までに時間を要する場合の応急処置について紹介します。

傷の広がりを防止する簡単な方法として、傷が外的な影響を受けにくくするために、セロハンテープを貼って応急処置をする方法があります。
可能であれば幅の広い透明なセロハンテープを使用して、1枚で傷をすべて覆うことができるのがベストです。
透明なセロハンテープを使用するのは、安全のために前方視界を確保するためです。

フロントガラスに飛び石による傷が付きにくくする対策

フロントガラスに飛び石による傷がつきにくくする予防策は、以下のとおりです。

  • 前走車との車間距離を十分にとる
  • 大型車後方の走行を避ける
  • 荒れた路面の走行を避ける
  • 車検に適合するプロテクションフィルムを貼る

前走車との車間距離を十分にとって大型車の後方を避ける

最大の予防策は前走車との車間距離を十分にとることです。
フロントガラスに傷を付ける原因のほとんどである飛び石は、前走車のタイヤが巻き上げて飛んできたものが多いからです。
また、ダンプカーやトラックといった大型車は、重量があってタイヤのサイズも大きく、小石などを巻き上げやすいです。そのため、大型車の後方を走るのを避けることは有効な予防策となります。
わたしも過去に何度か飛び石を受けた経験がありますが、いずれも前走車はトラックやダンプカーでした。
加えて、高速道路または幹線道路で走行速度の高いシチュエーションでした。
速度域が高いと小石等を跳ね上げるリスクがより高まるので、一般道より車間距離に注意が必要です。

砂利道などの荒れた路面の走行は避ける

砂利道はもちろんのこと、工事現場の近くや工場地帯は道路に小石や砂利が散乱しているケースが多く、走行している車がそれらを巻き上げやすい環境にあります。できる限り、こうした路面の走行は避けることをおすすめします。
また、どうしても走らなければいけないときはいつも以上に車間距離をとることが対策となります。

プロテクションフィルムを貼る

ここで使うプロテクションフィルムとはガラスを飛び石などによる損傷から守るために、フロントガラスの表側に貼る透明なフィルムのことを指します。
認知度はまだ低いですが車検適合のものもあって、もしものときに安心です。
ただし、経年劣化で年数が経てば当初は車検適合であっても、透過率が下がり車検不適合となる可能性があります。
またガラス全面に貼るタイプもあれば、車検時に影響しないガラスの黒いセラミック部分のみをカバーするようなものも車種によっては販売されています。
特に全面タイプはの施工は高額になるため、費用対効果について納得できるのであれば、フロントガラスの飛び石対策に有効です。

整備士のまとめ

飛び石を受けてフロントガラスに傷が入ったとき、まずは傷が広がらないようにセロハンテープを使用して養生します。
その後、なるべく早急に車屋さんで直接傷を見てもらい、修理の可否や車検に通るかどうかを確認してもらい、相談することをおすすめします。
法的に明確な基準がないものの、ヒビが広がると車検に通らないケースが多いので、修理する場合はヒビが広がってしまう前に、早急におこなうようにしましょう。
また、飛び石による被害は普段の運転から予防することができます。
特に荒れた道や高速道路などでは車間距離を十分に確保する運転を心がけましょう。

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Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。