車の納期遅れはいつまで?納期遅延の要因と解消の目処、対処法

車の納期遅れはいつまで?納期遅延の要因と解消の目処、対処法

長引く納期遅れ「3ヶ月なら早い方」

コロナ禍での半導体不足から始まったクルマの納期遅れ。現在も新車の供給不足は続いており、納期が遅れる傾向にあります。かつて1~3ヶ月程度といわれていた新車の納期は、今や3ヶ月なら早い方で、納車まで半年~1年かかる車種も多いです。

トヨタは多くの車種で納期5ヶ月以上か要問合せの状態

納期遅れの影響を最も強く受けているのはトヨタだといわれています。トヨタ車は全国的に人気が高く、販売台数が多い分だけしわ寄せを受けやすいからです。

トヨタは車種ごとに納期の目安をメーカーHPで公開しています。公式HPに納期目安を示しているメーカーが少ない中、この取り組みはユーザーにとって参考になります。
今回は30車種(コンパクトカー、ミニバン、セダン、ワゴン、SUVより)を抽出し、それぞれの納期を調べました。

【30車種の納期目安の内訳(2022年10月10日現在)】

  • 4ヶ月以内…7車種
  • 5ヶ月以上(「4-5ヶ月」表記含む)…10車種
  • 要問合せ(納期の目安表記なし)…13車種

問い合わせが必要な車種は、納期が1年前後などかなりの長期になっているか、事実上受注を停止している状態。人気車種では、例えばライズで1年近く納車を待つケースがあるようです。またアルファードやプリウスはフルモデルチェンジを控え、新型の発売日に現行型の納車が間に合わない恐れがあるため受注できなくなったという事情があります。一方、カローラなどの一部車種は納期が2〜4ヶ月程度と比較的短いです。

ホンダでも多くの車種が納期半年以上

ホンダも納期の目安を公開しており、人気車種は軒並み納期が半年以上となっています。ヴェゼルやフリード、ステップワゴンなどの普通自動車はもちろんのこと、軽自動車のNシリーズでも納期が半年前後となっている車種が多いです。

その他のメーカーでも納期遅れが続く

現在メーカーHP上で納期の目安を公開しているのはトヨタ、レクサス、ホンダのみ。その他のメーカーは、同じ車種でもグレードやオプションによって納期が前後するといった理由から公開していません。

トヨタやホンダに比べると、他のメーカーは2~3ヶ月で納車できる車種も多いようです。しかし人気車種はやはり納期が遅い傾向にあり、例えば日産のエクストレイルは1年弱、軽自動車でもスズキのハスラーが5~6ヶ月程度とみられています。

納期遅れで下取り車が車検切れするケースも

車検証のイメージ

車の買い替えのタイミングとして多いのが車検前。車検の満了日を見越して車を注文したものの、納期が遅れて下取り予定のクルマの車検が切れてしまうというケースも生じています。

残念ながら、「下取り車が車検切れするから」という理由で納期を早めたり、注文したクルマをキャンセルしたりすることはできません。納車待ちの間に車検切れのリスクが生じた場合は、一時的なサブスクサービスの利用といった対処法も視野に入ります。

納期遅れの主要因は半導体等の不足と流通の乱れ

現在の納期遅れの主な要因は、新型コロナウイルスによる半導体等の不足と、ロシアのウクライナ侵攻による流通の乱れです。

コロナ禍が始まった2020年から半導体は世界的な不足状態に陥り、今年は中国でのロックダウンも自動車生産の遅延に大きな影響を与えました。ロシア・ウクライナ情勢による流通の乱れは、今なお安定しない状態が続いています。
ただし半導体については現在生産数が回復傾向にあり、車の納期も夏頃に比べると短くなる傾向がみられます。

この他の要因として、今年は各メーカーで新発売やフルモデルチェンジの車種が相次いだということもあります。新型車などの場合は受注開始直後に注文が集中しやすく、納期が長くなりやすいです。トヨタのシエンタやクラウン、日産のサクラなどがその例です。

納期が完全に戻るのは2024〜2025年か

アメリカの金融大手JPモルガンは、半導体不足が2022年の下半期から2023年にかけて解消されるとの見解を示していました。実際に、現在半導体の不足は徐々に解消されつつあります。

しかし自動車業界ではまだ納期遅れが続くという見方が多く、フォルクスワーゲンは自動車業界の半導体不足が2024年頃まで続くと予想しています。日本国内でも、納期が従来の1~3ヶ月に戻るのは2025年頃ではないかといった声があります。

納車が遅い場合の対処法

欲しいクルマの納期が遅い場合、考えられる選択肢は①買い替えを見送る、②納車を待つ、③納期が短い車種などに変更する、④中古車を購入するの4つです。

対処法①車検を更新して買い替えを先送り

現在、人気車種は半年~1年前後も納車を待たなければいけない状態です。車における1年という期間はとても長く、場合によっては納車して数ヶ月のうちに同車種がフルモデルチェンジするということも考えられます。

特に「車検の残期間が短い」「まだ年式が新しいのであと2年乗れる」といったケースでは、買い替えを先送りするのも一つの選択肢でしょう。

対処法②サブスク等を使って納車を待つ

「特定車種の現行型がどうしても欲しい」という時は、地道に納車を待つのも一つの選択肢です。

納車を待っている間にクルマの車検が切れそうな場合の対処法は、車検を更新するか、カーリースやサブスクの利用が考えられます。車検の満了日に対して納車予定の時期がどれだけ開くかを確認し、乗り切り方を検討しましょう。

【関連記事】どっちが得?クルマのサブスクとカーリースを徹底比較

対処法③納期が短い車種や在庫車を購入する

人気車種ではまだ納期が不透明なケースもありますが、最近は2~3ヶ月程度で納車できる車種も増えています。販売店によっては在庫が残っていて、色やグレードに大きなこだわりがなければ短期間で納車できることもあります。

対処法④中古車を購入する

「燃費が悪いから早く買い替えたい」「納期が短い車種で気に入るものがない」といった場合は中古車も一つの選択肢です。

新車を購入するまでの「つなぎ」とするのであれば、低年式車や走行距離の長い車を選ぶことで、低価格で購入できます。
「できるだけ新車に近い条件で購入したい」という場合も、登録済み未使用車(車両登録を済ませているものの、実際には使われていない車のこと)を探すといった方法があります。

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【関連記事】登録済み未使用車とは?買う前に知っておきたいこと

現在は新車不足で中古車需要が高まり、中古車の買取価格も上がっています。「買取価格次第で買い替えを検討しよう」という場合は買取店の無料査定を受けてみましょう。

ライター紹介

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221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。