レクサス NX 対 トヨタ ハリアー【高級SUV 姉妹車の違いを解説】

自動車ニュース / ガリバー

2022.7.19

レクサス NX 対 トヨタ ハリアー【高級SUV 姉妹車の違いを解説】

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

レクサスNX 対 ハリアー

高級車ブランドであるレクサスの中型SUVであるNX。そして、トヨタブランドの高級SUVのハリアー。この2台には共通のプラットフォーム(車台)であるGA-Kが使われている。パワーユニットも含め、姉妹車関係にあると言ってもよい。車両価格は大幅に異なるものの、高級SUV同士であるNXとハリアーを比較・評価してみた。

この記事の目次 CONTENTS
レクサスNXの特徴
トヨタ ハリアーの特徴
両車優れた燃費値
NXはハリアーと比べるとリーズナブルに見える?
値引きゼロなNX。値引き拡大中のハリアー
より立体的な造形美をもつNX
取り回しの良さはハリアー、荷室の広さならNX
大差がついた予防安全装備
ラグジュアリーでスポーティなNX。乗り心地重視のハリアー
両車納期長期化も加わり、非常に高いリセールバリューに
予算を無視すれば、NX優位
レクサスNX価格・スペック
トヨタ ハリアー価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

レクサスNXの特徴

NX NX

レクサスNXは、2021年11月にフルモデルチェンジし2代目となった。初代NXは、スポーティで迫力あるルックスで高い人気を誇り、国内レクサスの基幹車種だった。そのため、2代目NXにも注目が集まっている。
新型2代目NXのコンセプトは「Vital x Tech Gear」だ。生命的な躍動感(Vital)と先進技術(Tech)を融合した、スポーツギアとして開発された。さらにレクサスはカーボンニュートラルの一環として、電動化ビジョン「Lexus Electrified」を掲げている。そのためNXには、レクサスブランド初のPHEVを投入している。電動モデルは、2.5Lハイブリッドと2.5Lハイブリッドの2種類が用意された。
ガソリン車のラインアップも充実している。純ガソリン車は、2.5Lと新開発の2.4Lターボの2種類だ。パワーユニットの選択肢は豊富だ。プラットフォーム(車台)は、ハリアーと同じGA-KをNX用にチューニングして使っている。

トヨタ ハリアーの特徴

ハリアー ハリアー

国産高級SUVの代名詞であるトヨタ ハリアーは、2020年6月にフルモデルチェンジし4代目となった。初代と2代目は、レクサスRXと共通のプラットフォームを使用している。
3代目・4代目は国内専用車として独自の道を進んでいる。

ハリアーの開発コンセプトは「Graceful Life(優雅で豊かな人生)」である。機能や便利さのみを追求するのではなく、感性に訴え人生を高めてくれる存在を目指して開発された。高級アーバンSUVとして、歴代モデルが築いてきたハリアーらしさを継承している。3代目ハリアーよりも、さらに高級感やスタイリッシュさがアップした印象だ。

パワーユニットは2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッドの2タイプだ。人気が高いのは2.5Lハイブリッドである。プラットフォーム(車台)は、NXと同じGA-Kをハリアー用にチューニングして使用している。

両車優れた燃費値

1.燃費比較 

NXの評価 4.0
ハリアーの評価 3.5

レクサスNXの燃費は以下の通り(すべてWLTCモード)

  • 2.5L PHEV 19.8km/L(4WD) EV航続距離 88.0km(4WD)
  • 2.5Lハイブリッド 20.9~22.2km/L(FF)
  • 2.4Lターボ 12.2km/L(4WD)
  • 2.5L 13.9~14.4km/L(FF)

トヨタ ハリアーの燃費は以下の通り(すべてWLTCモード)

  • 2.5Lハイブリッド 22.3km/L(FF)
  • 2.0L 15.4km/L(4WD)

パワーユニットの設定が少しずつ異なるので、単純比較は難しい。唯一同じように見える2.5Lハイブリッドも、NXとハリアーでは仕様が異なる。エンジン型式こそ共通だが、NXはハイオク仕様でハイパワー仕様だ。フロントモーターも、より高出力になっている。同じなのは、E-Four(4WD)のリヤモーターくらいなのだ。

NXとハリアーの燃費値は大きな差が無く、ほぼ互角だ。ただし、NXは使用燃料がハイオクで、レギュラーガソリンより10円/L前後燃料費が高いのがマイナス点だ。
その他のパワーユニットは(NXとハリアーで直接比較が難しいものの)クラストップレベルの燃費値だ。どのパワーユニットでも、優れた低燃費性能というメリットを得ることができる。
惜しいのは、ハリアーの2.0Lガソリン車には、アイドリングストップ機能が設定されていない点だ。トヨタは、アイドリングストップが無くても競争力がある燃費性能、そして高価なバッテリーを使わなくていい分、顧客メリットがある、としている。カーボンニュートラルをアピールする会社との方針とはずれている。

NXはハリアーと比べるとリーズナブルに見える?

2.価格比較

NXの評価 3.0
ハリアーの評価 2.5

レクサスNXの価格帯は以下の通り。

  • NX250(FF) 4,550,000円~NX450h+ F SPORT(4WD) 7,380,000円

トヨタハリアーの価格帯は以下の通り。

  • ハリアーS(FF) 2,990,000円~ハリアーZ レザーパッケージ(4WD) 5,040,000円

価格帯をみる限りでは、高級車ブランドであるレクサスNXがトヨタ ハリアーを圧倒している。
そこで、同じタイプの2.5Lハイブリッドを搭載しE-Four(4WD)であるNX350h バージョンL(6,350,000円)とハリアーZ レザーパッケージ(5,040,000円)を比べてみた。両車共に、レザーシートが標準装備された上級グレードだ。価格差は131万円とかなり大きい。

ハリアーに無くNXにある主な装備は以下の通りだ。

  • 20インチホイール
  • ヘッドランプクリーナー
  • e-ラッチインサイドドアハンドル
  • 後席 6:4 分割可倒式シート(電動格納機能付)
  • 運転席・助手席ベンチレーション機能付きシート

その他の細かい装備や、同じような装備だが高機能化されているものまで含めると、NXはかなり装備が充実している。

NXの予防安全装備パッケージ「レクサスセーフティシステム+」は、ハリアーの「トヨタセーフティセンス」の機能を大幅に上回った最新式だ。
さらにレザーシートやインテリアの質感もNXが大幅に上回る。NXの外観デザインはかなり複雑で繊細な造形なので、ハリアーより生産コストが高いのではないだろうか。

こうした部分をすべて含めると、NXとの価格差131万円というのも意外とリーズナブルに見えてくる。だがNXもトヨタブランドとのプラットフォームやパワーユニットの共通化など、コストダウンされている部分が多いことを鑑みると、やや割高な印象を抱く。NXがリーズナブルというよりは、むしろハリアーが割高とみるべきだろう。それでもハリアーは売れている。割高でも欲しいと思わせるのが、ハリアーの強力なブランド力といえる。

値引きゼロなNX。値引き拡大中のハリアー

3.購入時の値引き術

NXの評価 2.0
ハリアーの評価 4.0

レクサスは値引きゼロ戦略を続けているため、数万円程度の値引きやディーラーオプションサービスがある程度だ。値引きは、ほぼ期待できない。ただしレクサス車の下取り車がある場合、非常に高い下取り価格が提示されるケースが多い。
一般的に、ディーラー下取より買取店の方が高価になる。だがレクサス車の場合は、買取店も勝負にならないような下取り価格が提示される。ある意味、この下取車の高価買取が実質値引きともいえる。レクサス車以外は、通常の下取り価格だ。
NXの値引きは難しい。しかし何もしなければ本当に値引きゼロになるので、メルセデス・ベンツGLBやGLC、BMW X1やX3などの中で、同じ価格帯のモデルと競合させる必要がある。数万円の値引きか、ディーラーオプションのサービスが得られる可能性が高くなる。

対するトヨタ ハリアーは、納期が完全に未定の状態が続いている(2022年7月1日現在)。納期がまったく分からないとはいえ、ディーラーは受注しないことにはビジネスにならない。
現在は以下の二点を背景に、大幅値引きが行われている。

  1. 納期が長いことを理由に他メーカーに行かれるのを阻止
  2. 納期遅れのお詫び

国産車に直接的なライバル車は無いが、価格帯が近い以下の車種と競合させると良い。

  • 三菱アウトランダーPHEV
  • フォルクスワーゲン Tロック
  • 日産エクストレイル
  • マツダCX-60、CX-8

ハリアーの納期は長いので、じっくりと商談し少しずつ値引き額アップを狙いたい。

より立体的な造形美をもつNX

4.デザイン比較

NXの評価 4.0
ハリアーの評価 3.5

NXの外観 NXの外観

レクサスNXは、次世代レクサスのデザインランゲージ確立に向け、運動性能や機能に寄与するプロポーションに根差した「独自性」と、テクノロジーに根差した「シンプリシティ」の追求を目指した。

NXのフロントフェイス NXのフロントフェイス

外観デザインは、初代NXのイメージを継承した。
フロントフェイスは、スピンドルグリル中心としたデザイン手法に変更はない。しかし、より大きく張り出し、押出し感を増している。初代NXと比べると、やや穏やかなフェイスデザインになった印象だが、彫の深さが立体感をより際立たせており、かなり洗練されている。
シルエットは大きく張り出したフェンダーによって安定感が増した。全体的なスタンスがよく、存在感がある。

NXのリヤエンド NXのリヤエンド

リヤビューは、キレのある細型の左右コンビネーションランプを流行りの細型一文字ランプがつなぎ、ワイド感を強調している。台形ラインが組み合わされた、安定感のあるリヤビューを創り出した。
NXを近くで見ると、さらに微妙な面と線が複雑に組み合わされている。細かなレクサスデザインを具現化できるレクサスの生産技術も素晴らしい。

ハリアーの外観 ハリアーの外観

対するトヨタ ハリアーのデザインは、NXと比べるとシンプルだ。多くのSUVと同様、大きな顔と大きなグリルを組み合わせ、迫力ある押し出し感をアピールしている。売れるデザイン手法を存分に活用した。

ハリアーのフロントフェイス ハリアーのフロントフェイス

ハリアーは、やや薄い顔に小さなグリルが組み合わされている。他のSUVとは異なるハリアーらしいデザインで、ファンを魅了している。ルーフラインはクーペ風で、流麗なシルエットとなった。大きく張り出したフェンダーは逞しさの演出に一役買っている。

ハリアーのリヤエンド ハリアーのリヤエンド

リヤビューは、流行りの一文字型コンビネーションランプを採用した。極細タイプのシャープさによって、夜間ひと目でハリアーと分かるオリジナリティを表現した。

NXとハリアーのデザインは、かなり方向性が異なる。どちらが優れているかというより好みの問題だろう。
好き嫌いは別として、NXの立体的造形は、かなり飛びぬけている。生産技術も含め、高く評価できるポイントだ。

取り回しの良さはハリアー、荷室の広さならNX

5.室内空間と使い勝手

NXの評価 3.5
ハリアーの評価 3.5

レクサスNXとトヨタ ハリアーのボディサイズとホイールベースは以下の通りだ。

全長×全幅×全高 ホイールベース 荷室容量
レクサス NX 4,660mm×1,865mm×1,660mm 2,690mm 520L
トヨタ ハリアー 4,740mm×1,855mm×1,660mm 2,690mm 409L
NXのフロントシート NXのフロントシート
NXのリヤシート NXのリヤシート
ハリアーのフロントシート ハリアーのフロントシート
ハリアーのリヤシート ハリアーのリヤシート

レクサスNXとトヨタ ハリアーは、GA-Kと呼ばれる共通のプラットフォーム(車台)が使われている。そのため、ボディサイズや室内空間はほぼ同じだ。ややハリアーの方が広さを感じる程度の差である。

NXの荷室 NXの荷室
ハリアーの荷室 ハリアーの荷室

ハリアーの荷室容量は、このクラスのモデルとしはやや狭い。デザインを優先した結果だ。

狭い駐車場などでの扱いやすさの指標となる最小回転半径は、NXが5.8m。ハリアーが5.5mもしくは5.7mとなった。これは、NXのタイヤが最大20インチホイールで、ハリアーが19インチホイールとなっていることなどが影響している。最小回転半径5.8mは、大型ミニバンであるアルファード並みの数値だ。狭い駐車場や道では、少々扱いにくい。ハリアーの18インチ、17インチホイール装着車は、最小回転半径が5.5mと扱いやすさはまずまずだ。

NXの便利な機能は、電動格納式のリヤシートだ。荷物を頻繁に積む人にとって、リヤシートを倒したり起こしたりするのは少々面倒になる。しかし、電動格納式リヤシートであれば、スイッチひとつで操作が可能で便利だ。
また、NXハイブリッド車には100V/1,500Wのコンセントが一部グレードに標準装備されている。ハリアーハイブリッドは、全車オプションだ。アウトドアで家電製品を使えるようになり、新たな楽しみ方ができる。また、災害時に停電した場合は、クルマが発電機になる。一度に複数のスマートフォンの充電や、自宅の家電製品に電力を供給することが可能になるのだ。いざというとき、頼りになる装備である。

大差がついた予防安全装備

6.安全装備の比較

NXの評価 4.5
ハリアーの評価 3.0

NXのインパネ NXのインパネ

レクサスNXには、最新の予防安全装備パッケージ「レクサスセーフティシステム+」が全車標準装備されている。トヨタ ハリアーに搭載されている予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」と基本的に同じシステムだ。

NXのメーター NXのメーター

ところが予防安全装備の機能は、NXがハリアーを圧倒する。重要な自動ブレーキの機能は、ハリアーが昼夜の歩行者・昼間の歩行者に対応しているのに対し、NXは昼夜の歩行者と自転車・昼間の自動二輪車までも対応可能だ。交差点内における右左折時の歩行者との衝突回避・被害を軽減する。さらに交差点での出会頭の衝突、右折時の対向車との衝突被害の軽減や衝突回避も行う。

ハリアーのインパネ ハリアーのインパネ

自動ブレーキの機能だけでこれだけ大差がついたのは、開発のタイミングが要因だ。NXのデビューは、ハリアーより約1年半遅い。その間、予防安全装備の開発が大幅に進んだということになる。

ハリアーのメーター ハリアーのメーター

だがハリアーの自動ブレーキ機能もクラス平均点レベルを維持している。決して、大きく劣っている訳ではない。むしろ、NXが国産車トップレベルの圧倒的実力を得たということだ。

NXの運転支援機能には、自動運転に近い安全機能「PDA(プロアクティブドライビングアシスト)」が搭載されている。
この機能はなかなか優れている。

  • 走行中、横断中の歩行者を発見➡自動的に減速
  • 路肩を歩行中の歩行者や自転車と自車の距離が近い➡距離を空けるようにステアリング操作をアシスト
  • 市街地走行中、ドライバーがアクセル操作をしていない➡前走車との距離が縮まれば、停止直前まで前走車との車間距離を保ちながらスムースに自動減速
  • カーブの手前で自車の速度では曲がれないとシステムが判断➡減速を支援

少し慣れが必要だが、ブレーキとアクセルの踏みかえ回数が大幅に激減する。安全運転支援だけでなく、ドライバーの疲労軽減にも役立つ機能だ。

ラグジュアリーでスポーティなNX。乗り心地重視のハリアー

7.走行性能の比較

NXの評価 4.0
ハリアーの評価 3.5

レクサスNX、トヨタハリアーの出力は以下の通りだ。

モデル 出力
NX450h+(2.5L PHEV)※ 309ps
NX350h(2.5Lハイブリッド)※ 243ps
NX350(2.4Lターボ) 279ps&430Nm
NX250(2.5L) 201ps&241Nm
ハリアー(2.5Lハイブリッド)※ 218ps(FF)/222ps(4WD)
ハリアー(2.0L)  171ps&207Nm

※…システム出力 

NXのエンジンルーム NXのエンジンルーム

レクサス初のPHEVであるNX450h+は、まさにNXを代表する高い完成度を誇る。出力は309psと非常にパワフルだ。アクセルをグッと踏むと、ドンと背中を押されたような力強い加速が始まる。モータードライブ車らしく、一瞬で最大トルクを発生させる。アクセルレスポンスは抜群で、スムースで気持ちの良い走りが楽しめる。
EV航続距離は88kmだ。電力を使い切るとハイブリッド車として走行する。エンジンが始動しても、エンジンははるか遠くにいるような感覚だ。静粛性は非常に高く、エンジンが始動する瞬間も、かなり意識していないと分からないほどだ。高級SUVであるNXのベストチョイスといえるパワーユニットだ。

2.5Lハイブリッドは、さらに完成度を増した。よりスムースでアクセルレスポンスも良好な上に、静粛性も高い。
4WDのE-Fourは、リヤに40ps&121Nmのモーターを装着した。加速時にはやや後ろから押されるようなフィーリングだ。パワフルなので、ラフロードではリヤタイヤを意図的にスライドさせるような走りも可能だ。

新開発の2.4Lターボは、なかなか速い。低速トルクも力強く、わずかなターボラグさえ気にならなければ、街中でも乗りやすく仕上がっている。エンジンの回転もスムースで、レヴリミットまで気持ちよく回る。高回転域でもパンチがあり、なかなかスポーティなエンジンだ。

街中を中心に走るなら、2.5Lでも十分だ。だが高速道路では、高級車としてもう少しパワーが欲しい。エンジンは高回転型タイプでも、もう少し低回転域でのトルクが欲しい。
静粛性が非常に高い他のパワーユニットと比較すると、2.5Lエンジンは高回転域に入ると少し賑やかに感じる。

ハリアーのエンジンルーム ハリアーのエンジンルーム

対するトヨタ ハリアーの2.5Lハイブリッドの出力は、レギュラーガソリン仕様だからか、NXの2.5Lハイブリッドより25psほど下回る。だがNXの方が車重は少し重いため、それほどパワー差は感じない。2.5Lハイブリッドは優れた静粛性を誇る。

2.0Lエンジンは、街乗り程度であれば、それなりに走る。ただ高級SUVであることを考えると、NXと同様、せめて2.5Lくらいの排気量は欲しいところだ。高速道路などでは、アンダーパワー感がある。エンジンが高速回転型だからか、低速域でのトルクも細く、ややストレスを感じることもある。

続いて乗り心地やハンドリングを比較する。
レクサスNXは3つのモデルがある。

  • 基準車
  • バージョンL(乗り心地や豪華さを重視)
  • Fスポーツ(専用エアロ&サスペンションなどでスポーティな走りを重視)

乗り心地の良さ優先なら、バージョンLがおすすめだ。スポーティ仕様のFスポーツの乗り心地も十分によい。よりしっかりとした乗り心地を求めるなら、Fスポーツがお勧めだ。むしろ、Fスポーツは乗り心地が良すぎるので、もっとサスペンションハードに設定してもいいかもしれない。

NXのハンドリングは、総じてスポーティなセッティングになっている。高速域でも高い操縦安定性を誇り、スポーツドライビングを楽しめる。PHEVやハイブリッド車は、後席下付近に大きく重いバッテリーを設置したことから、前後の重量バランスがよく旋回性能もよくなっている。

対するハリアーは、フワフワ感のある、乗り心地重視なセッティングだ。低速域での乗り心地は、なかなか優れている。だが残念ながら、NXの乗り心地には届いていない。車両価格の違いが如実に出た。
乗り心地は、NXにはやや負けるものの、このクラスのSUVの中では、間違いなくトップレベルの乗り心地性能といえる。

ハリアーハイブリッドのハンドリングは、NXと同様に前後の重量バランスに優れ、よく曲がる。NXの硬質なシッカリ感は無いが、違和感なく普通に走れる。ガソリン車は、可もなく不可も無くといった印象だ。

優れた運動性能と乗り心地の両立を目指し、高いレベルにまとめ上げたNX。走りが楽しいのはNXだろう。
ハリアーは、街乗りを中心とした乗り心地重視の仕様だ。車両価格が高いだけあり、走行性能面では総合力でNXに軍配が上がる。

両車納期長期化も加わり、非常に高いリセールバリューに

8.リセールバリュー比較

アリアの評価 4.5
bZ4Xの評価 4.5

レクサス車は値引き販売をしないため、従来から高いリセールバリューを維持してきた。トヨタブランドもレクサスブランドほどではないが、高めのリセールバリューを誇っている。そして、NXとハリアー両車共に、超人気のSUVカテゴリーに属するモデルなので、かなり高いリセールバリューが期待できる。

ハリアーの場合、すでに中古車も出回っているが、中古車価格は新車価格越えの車両が多く流通している。コロナ禍による半導体・部品不足が続き、納期が長引いている。この影響で、中古車価格が押し上がっているからだ。
ハリアーのリセールバリューは異常値ともいえるくらいの高いレベルに達しており、NXも同様の現象が起きている。

注意したいのは、半導体・部品不足が解消し納期が正常に戻るタイミングだ。新車の納期が短縮されれば、現在ほどの高いリセールバリューは期待できなくなる。売却を考えているのであれば、新車の納期が通常に戻る前に売却したい。

NXでより高額査定が期待できるグレードは、ハイブリッドのスポーティなFスポーツである。日本マーケットでは、こうしたスポーツグレードの人気がとても高いからだ。以下のオプションが装備されていれば、査定がさらに上がる可能性がある。

  • レザーシート
  • ムーンルーフ
  • マークレビンソンオーディオ

ハリアーで高額査定が期待できるグレードは、ハイブリッドの最上級であるZグレード、もしくはハイブリッドZ レザーパッケージだ。高級車系は、やはり最上級グレードの人気が高い。
以下のオプションがあればさらに高額査定も狙えるだろう。

  • レザーシート
  • 調光パノラマルーフ
  • JBLプレミアムサウンドシステム

予算を無視すれば、NX優位

9.まとめ・総合評価

NXとハリアーは、それぞれレクサス、トヨタとブランドは異なるが、高級SUVとしての価値をアピールしている。

二車のプラットフォームやパワーユニットは微妙に異なるものの、共通のものを使用しコストダウンを図っている。そうした点だけを見ると、ハリアーのデザインを変え、より豪華にした仕様がNXなのか? と思ってしまうかもしれない。

ところがこの2台、まったくキャラクターや性能面が異なり、独自の存在感を放っている。特にデザインは大きく異なるので、好みが分かれる部分だ。

では、どちらが良いのか?
予算を無視するとお勧めはNXだ。デザインは好みがあるので除外した上で、以下の項目はNXが優勢だからだ。

  • パワーユニットの選択肢の豊富さ
  • 予防安全装備の性能差
  • インテリアの質感と装備
  • 走行性能

同じタイプの2.5Lハイブリッドを搭載したモデルで比較する。
E-Four(4WD)であるNX350h バージョンL(6,350,000円)と、ハリアーZ レザーパッケージ(5,040,000円)の価格差は131万円だ。かなり大きな差となっているが、NXがハリアーより勝っている箇所を金額換算すると131万円分の価値はある。
ただし、NXは基本値引きゼロだ。ハリアーは大幅値引きもあるので、実際の価格差は131万円以上になる。予算に余裕があるのであれば、NXを買った方が満足感は高い。

NX ハリアー
総合得点(40点満点) 29.5 28.0
1.燃費 4.0 3.5
2.価格 3.0 2.5
3.購入時の値引きしやすさ 2.0 4.0
4.デザイン 4.0 3.5
5.室内空間と使い勝手 3.5 3.5
6.安全装備 4.5 3.0
7.走行性能 4.0 3.5
8.リセールバリュー 4.5 4.5

レクサスNX価格・スペック

レクサスNX価格

FF AWD
NX450h+“version L” - 7,140,000円
NX450h+“F SPORT” - 7,380,000円
NX350h 5,200,000円 5,470,000円
NX350h“version L” 6,080,000円 6,350,000円
NX350h “F SPORT” 6,080,000円 6,350,000円
NX350“F SPORT” - 5,990,000円
NX250 4,550,000円 4,820,000円
NX250 “version L” 5,430,000円 5,700,000円

レクサス NXスペック

代表モデル レクサス NX350h F SPORT(FF)
ボディサイズ 全長4,660mm×全幅1,865mm×全高1,660mm
ホイールベース、最小回転半径 2,690mm、5.8m
トレッド前/後 1,605mm/1,625mm
最低地上高 185mm
車両重量 1,750kg
エンジン A25A-FKS型 直列4気筒DOHC
総排気量 2,487cc
最高出力、最大トルク 140kW(190ps)/6,000rpm、243Nm/4,300 – 4,500rpm
フロントモーター最高出力/最大トルク 134kW(182ps)/270Nm
トランスミッション 電気式無段変速機
燃費 20.9km/L(WLTCモード)
サスペンション前/後 マクファーソンストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前後235/50R20

トヨタ ハリアー価格・スペック

トヨタ ハリアー価格

2.0Lガソリン車

2WD(FF) 4WD
S 2,990,000円 3,190,000円
G 3,410,000円 3,610,000円
G“Leather Package” 3,710,000円 3,910,000円
Z 3,930,000円 4,130,000円
Z“Leather Package” 4,230,000円 4,430,000円

2.5Lハイブリッド車

2WD(FF) 4WD
S 3,580,000円 3,800,000円
G 4,000,000円 4,220,000円
G“Leather Package” 4,300,000円 4,520,000円
Z 4,520,000円 4,740,000円
Z“Leather Package” 4,820,000円 5,040,000円

トヨタ ハリアー スペック

代表モデル トヨタ ハリアーZ ハイブリッド(E-Four)
ボディサイズ 全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mm
ホイールベース、最小回転半径 2,690mm、5.7m
トレッド前/後 1,605mm/1,625mm
最低地上高 190mm
車両重量 1,750kg
エンジン A25A-FXS型 直列4気筒DOHC
総排気量 2,487cc
最高出力、最大トルク 131kW(178ps)/5,700rpm、221Nm/3,600 – 5,200rpm
フロントモーター最高出力/最大トルク 88kW(120ps)/202Nm
トランスミッション 電気式無段変速機
燃費 22.3km/L(WLTCモード)
サスペンション前/後 マクファーソンストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前後225/55R19