輸入SUVおすすめランキング-専門家が厳選【新車ベスト5】

目次

輸入SUVの評価ポイント

世界的なCO2削減への取り組みから、急速にEV(電気自動車)が増えてきた。EVは床下に大きく重いリチウムイオン電池を搭載するため、床下に余裕があるSUVとの相性がよい。さらに、世界的なSUVブームということもあり、SUVのEVが増えている。
そこで、今回はこれからの主役といえるEVを中心にセレクトした。評価ポイントは、航続距離や価格、走行性能を中心に総合的に判断した

輸入SUV おすすめランキング ベスト5

  • RANKING BEST 1 輸入SUV ランキング ベスト1 BMW iX xDrive50

    BMW iX xDrive50

    圧倒的なパワーと極上の乗り心地

    BMW iXは、EV専用として開発したモデルだ。
    iXのデザインは、FR(後輪駆動)をメインとしたBMW車としては、ボンネットがやや短い。大きなエンジンが必要ないため、ボンネット下のスペースはコンパクト化できるからだ。その分、ホイールベースを長くできるので、同じ全長であればEVは居住スペースが広くできる傾向にある。
    iXのボディサイズは、全長4,955mm×全幅1,965mm×全高1,695mmとかなり大きく、室内スペースはとても広い。後席は足を組んでも十分な空間で、快適な移動が可能だ。

    iXでお勧めするのは、xDrive50だ。先進性と優れた走行性能、快適性が非常に優れたモデルであることを高く評価し1位とした

    iX xDrive50は、前後にモーターを設置した4WDで、システム出力は523ps&765Nmを誇る。0-100km/h加速は、なんと4.6秒。出力と加速力はスーパーカー並だ。
    iX xDrive50にはエアサスペンションが標準装備されている。路面の凹凸など、まるで無いような感覚で、滑るように走り、乗り心地も良好だ。iX xDrive50の航続距離は650kmと十分な距離も走れる。

  • RANKING BEST 2 輸入SUV ランキング ベスト2 ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

    ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

    ユニークなデザインと、圧倒的なコスパ

    2010年、日本から撤退した韓国メーカーのヒュンダイ。2022年に再上陸し、ブランド名をヒョンデとした。

    再上陸に際し、注目を集めているのがEV専用車であるアイオニック5だ。中でもお勧めは4WDのラウンジAWDである。アイオニック5には後輪駆動車もあるが、305ps&605Nmもの大出力を誇るAWDモデルが、アイオニック5らしさを最も体現しているグレードだ。

    アイオニック5ラウンジAWDのコストパフォーマンスは、国産EVをも圧倒する。数々の魅力的な装備を標準装備し、価格は驚愕の5,890,000円だ。 このコストパフォーマンスは、日本国内で発売されているEVの中でトップレベルだ。この圧倒的なコストパフォーマンスを高く評価して2位とした

  • RANKING BEST 3 輸入SUV ランキング ベスト3 BMW iX3

    BMW iX3

    BMW iX3は、内燃機関車であるX3をベースとしてEV化されたモデルだ。BMWは後輪駆動にこだわり続けているメーカーのひとつである。X3の駆動方式は4WD。だが、iX3は後輪駆動化されている。そのため、ボンネットの中にはエンジンは無く、空だ。

    一般的に、EVは航続距離を伸ばすために回生ブレーキを使う。この回生ブレーキは前輪駆動の方が効率よく発電できるので、前輪駆動のEVも多い。
    だがBMWは後輪駆動とすることで、走る楽しさを前面に出している。その走りは、なかなか強烈だ。エンジンが無くなったことで、とにかく軽快に走る。背の高く重いSUVなのに、カーブではヒラヒラと舞うように走り抜ける。エンジンが無いことで、フロントが軽いのだ。この走行性能の価値は高いと評価し、3位とした

  • RANKING BEST 4 輸入SUV ランキング ベスト4 ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

    ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

    小さなボディに660Nm! ギャップ萌えするコンパクトSUV

    ボルボC40リチャージには、XC40と同じプラットフォームであるCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)が使われている。
    このプラットフォームは、内燃機関と共通だ。そのためC40は、EV専用モデルなのだが、内燃機関車のXC40と共通部分が多い。また、XC40のEVであるリチャージとはパワーユニットも共通で、ほとんど同じクルマといえる。

    今回、XC40リチャージではなくC40リチャージを選んだ理由は、外観デザインにある。クーペルックのルーフラインや、独特の形状をしたリヤコンビネーションランプなど、デザイン性に優れているからだ。少し、近未来感もある。

    そして、4位に選んだのは、408ps&660Nmものパワーユニットを全長4,440mmという小さなボディに採用したことだ。CセグメントのコンパクトSUVなのに、想像を絶する豪快な走りが楽しめるようになった。通常は上質なコンパクトSUV、しかしアクセルをグッと踏み込むとスーパーカー並みの加速力を味わえる。このギャップを高く評価して4位とした

  • RANKING BEST 5 輸入SUV ランキング ベスト5 マツダ CX-8

    メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC

    珍しい7人乗りのEV

    メルセデス・ベンツEQBは、内燃機関車のGLBをベースとしたEVだ。そのため、外観デザインは、GLBに近い。
    EQBは、GLBと同じく全長4,685mmというやや小さめなボディに7人乗車を可能としている。多くのEVがあるが、3列シートをもつ7人乗りのEVは非常に数少ない。ほぼ2列シートしかなかったEVマーケットに、3列シートの価値をプラスしたことを高く評価して5位とした

    中でもお勧めのグレードが、EQB 350 4MATICだ。EQBには前輪駆動モデルも設定されている。しかし、大きな車体の前輪駆動車で385Nmという大トルクは、少々無理があり、運転が楽しいとは言い難いからだ。そこで、お勧めはEQB 350 4MATICとした。

輸入SUV おすすめ
5台を5項目で比較

輸入SUVのおすすめ5台を価格、電費・航続距離、走行性能、乗り心地、デザインの5項目で評価した。乗り心地やデザインで人気の輸入SUV。近年の新型はEV車も多く性能への関心も高いだろうと考え、気になる走行性能について詳しく言及した。

価格比較

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
高価だがコスパ抜群!?

BMW iX xDrive50の価格は12,850,000円。1千万円を楽々超える高級車だ。だがこの価格は、かなりバーゲンプライスである。
例えばPHEVのX5 xDrive45e M Sportの価格は11,190,000 円で、価格差は166万円だ。iXは、専用のカーボンボディをもち高価なリチウムイオン電池を大量に搭載していることを加味すると、かなりリーズナブルな価格設定といえるだろう。

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD
国産EV大ピンチ!? 圧倒的コストパフォーマンス!

アイオニック5ラウンジAWDの価格は5,890,000円。
もはや、ヒョンデ アイオニック5ラウンジAWDの価格は、国産EVにとって脅威と言っても良いほどだ。同等レベルのサイズや出力となる日産アリアB6 e-4ORCEの価格は7,200,600円。アイオニック5ラウンジAWDの方が約131万円も安価だ。
しかも、100V1600WのコンセントやV2H(住宅電力供給機能)や後部座席エアベンチレーションなど標準装備化され、充実した装備もアリアを上回る。

また、欧州系EVとは価格差がかなり大きい。コストパフォーマンスでアイオニック5ラウンジAWDに勝るEVは無いといえるほどだ。

BMW iX3

BMW iX3
PHEVより安価な価格設定

iX3 Mスポーツの価格は8,620,000円。
後輪駆動のEVというユニークなモデルということもあり、比較対象がない。強いて言えば、メルセデス・ベンツEQCが同等クラスのEVとなる。EQCの価格は9,910,000円なので、価格差は129万円にもなる。EQCは、4WDなので割高になるのは仕方ない部分ではあるものの、やや割高なイメージだ。

PHEVのX3 xDrive30e M Sportの価格は8,700,000円だ。なんと、PHEVの方が高価になっている。こちらも4WDなので、やや割高である。しかし、その分を含んでもEVであるiX3がPHEVより安価というのは、リーズナブルな価格設定といえる。

こうした価格設定が功を奏し、iX3はプレミアム輸入EVの中でもトップレベルの販売台数となっている。

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター
欧州車としては、コストパフォーマンスに優れる価格

C40リチャージ アルティメット ツインモーターの価格は6,990,000円。
他のEVと比べると安価な設定となっている。CセグメントのコンパクトSUVということも影響している。しかも、少しボディサイズが大きい日産アリアB6 e-4ORCEの価格は7,200,600円だ。アリアと比べると、約21万円もC40は安価だ。

C40は、EV専用車ではないものの、欧州車としてはなかなか買い得感のある価格といえる。ただ、ヒョンデ アイオニック5ラウンジAWD(5,890,000円)と比べると分が悪い。

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC
ユニークな7人乗りを武器に強気の価格設定

EQB 350 4MATICの価格は9,060,000円。
人気の高い7人乗りSUVであるGLBの勢いで、EQBもかなり売れそうな予感はする。
だが、内燃機関車をベースとしたEQBの価格は高過ぎる。
EQB全長は4,685mmと少々大きいが、C40リチャージと同じCセグメントのコンパクトSUVに属する。C40リチャージが6,990,000円なので、EQBは207万円も高価になる計算だ。EQBは7人乗りというユニークさを武器に、かなり強気の価格設定をしてきているといえるだろう。

燃費比較

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
意外なほどに優れた電費値

BMW iX xDrive50の航続距離(WLTCモード)、電費、バッテリー容量は以下の通り。

車種 航続距離 電費 バッテリー容量
iX xDrive50 650km 約5.8km/kWh 111.5kWh

iX xDrive50の車重は、2,530kgと超ヘビー級だ。これだけ大きく重いクルマで、電費約5.8km/kWhは、なかなか優秀といえる。航続距離も十分だ。よほどの長距離を短時間で一気に走るような使い方をする人以外であれば、なんの不満もないだろう。
iXは、高速移動が多いドイツ車らしく、意外なほど高速道路での電費に優れていた。高速道路では、積極的にコースティングし低電費化する。

iX xDrive50に搭載されているリチウムイオン電池容量は大容量だ。これだけ大きな容量のリチウムイオン電池を搭載していることから、150kWの出力をもつ急速充電器にも対応している。急速充電が出来るスポットの増設に期待したい。

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD
優秀な電費

アイオニック5ラウンジAWDの航続距離(WLTCモード)、電費、バッテリー容量は以下の通り。

車種 航続距離 電費 バッテリー容量
アイオニック5 ラウンジAWD 577km 約8.0km/kWh 72.6kWh

ヒョンデ アイオニック5ラウンジAWDは、航続距離・電費共に十分なレベルとなっている。
アイオニック5ラウンジAWDの車重は、2,100kgだ。この重さで電費約8.0kWhは、なかなか優秀だ。

アイオニック5には、回生ブレーキコントロールパドルシフトが装備されている。基本的に、回生ブレーキによるワンペダルドライブが可能だが、パドルシフトで回生ブレーキの強弱がコントロールできるので便利である。ワンペダルドライブでは、停止までアクセル操作ひとつでOKなタイプだ。

BMW iX3

BMW iX3
高速道路を得意とするEV

BMW iX3の航続距離(WLTCモード)、電費、バッテリー容量は以下の通りだ。

車種 航続距離 電費 バッテリー容量
iX3 508km 約6.4km/kWh 80kWh

iX3のバッテリーに対し、これだけの走行距離があれば十分な容量といえる。iX3もiXと同じく、高速クルージングが得意なモデルである。

一般的なEVは、ガソリン車と同じようにアクセルを戻すと、エンジンブレーキのように軽い回生ブレーキをかける。ところが、iX3はコースティングするのだ。iX3はコースティングさせることで電費を稼ぎだす。実際の走行では、速度が上がっても電費の落ちも少なく、高速道路だけならカタログ値の航続距離を超えるような電費値も出した。

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター
航続距離は十分だが、電費が・・・

C40リチャージ アルティメット ツインモーターの航続距離(WLTCモード)、電費、バッテリー容量は以下の通りだ。

車種 航続距離 電費 バッテリー容量
C40リチャージ アルティメット 484km 約6.2km/kWh 78kWhh

バッテリー容量に対する航続距離は、まずまずの数値となっている。少し気になるのが電費。直接比較はできないものの、同等レベルの出力と車重となっているアイオニック5ラウンジAWDの電費は約8.0km/kWh。少し差が出ている点が、少々気になる部分だ。

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC
電費・航続距離共に平均レベル!?

メルセデス・ベンツEQB 350 4MATICの航続距離(WLTCモード)、電費、バッテリー容量は以下の通り。

車種 航続距離 電費 バッテリー容量
EQB 350 4MATIC 468km 約7.0km/kWh 66.5kWh

EQB 350 4MATICのバッテリー容量は、やや少ない。だが、C40リチャージの航続距離と同等程度だ。この差は、EQB電費がC40リチャージより優れていることが影響している。逆に、アイオニック5と比べると電費では、少し差が広がっているので、電費や航続距離共に平均レベルといえるだろう。

走行性能比較

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
クセになりそうな怒涛の加速力

どのEVも共通して、大きく重いリチウムイオン電池を床下に設置している。そのため、SUVであっても重心が低く運動性能が高い。これは、iX xDrive50も同じだ。

iX xDrive50は、前後にモーターを設置している。システム出力は驚愕の523ps&765Nmだ。これだけの大出力だと、車重が2,530kgあっても重さをまったく感じさせない。ラグジュアリナー空間と快適な乗り心地を誇るiX xDrive50だが、アクセルを床まで踏むと、怒涛の加速を始める。0-100km/h加速は、なんと4.6秒だ。モーターの特性上、アクセルを踏んだ瞬間から765Nmもの強大なトルクが解放される。頭は後方に引っ張られ、体はシートに押し付けられる。クセになりそうな加速力だ。

大きなボディながら低重心化されたことで、意外と軽快にカーブを走り抜ける。ハンドリングもいかにもBMWらしく、ステアリング操作に対して正確無比な反応で走ることが楽しくなる。回生ブレーキを使い、アクセル操作で停止できる1ペダルドライブを使えば、疲労軽減にも大きな効果があった。タイトなカーブが続く山道でもブレーキとアクセルを踏みかえる回数が激減し、ドライビングを楽しめる。

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD
AWDなのに、まるで後輪駆動車のような走行フィール

アイオニック5ラウンジAWDの出力は、305ps&605Nmである。これだけの出力があるので、かなり俊足だ。0-100km/h加速は、5.2秒と並みのスポーツカー以上を誇る。抜群のアクセルレスポンスと、ほぼ無音でスムースな加速は、爽快感に溢れる。

アイオニック5ラウンジAWDの駆動力制御は、なかなか個性的だ。通常走行時はほとんど後輪駆動状態で走る。これが、なかなか気持ち良い。アクセル操作でクルマの向きをコントロールできるのは、後輪駆動ならではだ。
ただ、路面のミュー(摩擦係数)が急に変化するようなときなどは、動きが少しギクシャクする。回生ブレーキの制御にもう少し洗練さが欲しい。

BMW iX3

BMW iX3
スポーツカーのようなSUV

iX3は内燃機関車のBMW X3がベースだ。EVなので、ボンネットの中に重たいエンジンがない。そのため、非常にフロントが軽い。

iX3は、床下に大きく重いリチウムイオンバッテリーを搭載している。内燃機関車のSUVと比べ、かなり重心が低く、優れた操縦安定性を誇る。さらに43:57という重量配分が組み合わされたiX3は、フロントが軽く軽快でいながらビタっと安定したハンドリングを手に入れている。車重は2,200kgと重いのに、軽快に走るのだ。

後輪側に設置したモーターは、286ps&400Nmの出力を持つ。アクセルを踏み込むと、グッと後輪側に駆動力が加わり、グイグイと速度を上げていく。SUVなのに、スポーツカーに乗っているような感覚を味わえる。

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター
コンパクトSUV最速確定!?

C40リチャージ アルティメット ツインモーターの出力は、408ps&660Nmもの大出力を誇る。0-100km/h加速は4.7秒だ。523ps&765Nmの出力をもつBMW iXが4.6秒なので、0.1秒しか変わらないほど速い。

C40リチャージの全長は4,440mmだ。いわゆるCセグメントのコンパクトSUVである。内燃機関車も含めて、C40リチャージはCセグメントSUV最速レベルの加速力をもつ。洗練されたオシャレなコンパクトSUVなのに、スーパーカー並みの加速力をもっているのだ。

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC
ライバルと比べるとやや穏やかな加速感

EQB 350 4MATICの出力は、292ps&520Nmだ。C40リチャージやアイオニック5と比べると、やや控えめな数値であり、実際に加速力は穏やかだ。
とはいえ、520Nmである。遅いはずがなく、内燃機関車のGLBとは比べ物にならないくらい速い。7人乗車でも十分余裕のある走りが可能だ。

通常走行時は、後輪モーターがメインで駆動し、必要に応じて前輪モーターが駆動する。後輪駆動的な走りは、なかなか楽しめる。
回生ブレーキの強さは、パドルシフトで4段階に切り替えが可能だ。自分好みの減速感に変更できるのは嬉しい。

乗り心地比較

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
無敵のラグジュアリーSUV

BMW iX xDrive50のボディには、カーボンなどの最先端マテリアルを使われ、非常に強靭だ。そのため、標準装備されているエアサスの能力が十分に活かされ、驚くほど快適な乗り心地を実現した。路面の凹凸などまるで無いような、滑るような走りだ。

EVの静粛性も加わり、その快適性はクラストップレベルの実力を誇る。ゆったりと大きなシートも適度に柔らかくドライバーを包み込む。まさに、ラグジュアリーSUVの頂点にあるクルマであることが実感できた。

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD
20インチタイヤは大き過ぎ!?

アイオニック5ラウンジAWDに装備されているタイヤは、255/45R20だ。全長が4,635mmであることを考えると、かなり大きめのタイヤが装着されている。
基本的にアイオニック5ラウンジAWDの乗り心地は、ややソフト系で良好だ。しかし、タイヤが大きすぎるのか、多少ドタバタする感じも見え隠れする。

BMW iX3

BMW iX3
硬めだが、荒れた路面でも乗り心地は良好

BMW iX3は、Mスポーツの設定しかなく、乗り心地は硬めだ。ゴツゴツとしたショックも伝わってくるが、尖った衝撃ではなくマイルドに変換されている。少し距離を走ると意外と体に馴染んでくる。
大きめの路面の凸凹が連続するような場所を走るシーンでは、見事な足さばきで何事もなかったように駆け抜けた。硬めの乗り心地ながら、荒れた路面でも快適だ。

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター
速度が上がるとしなやかさがアップ!

ボルボは、大径ホイールをよく用いる。C40リチャージは、CセグメントのコンパクトSUVなのに20インチホイールが標準装備されており、乗り心地が少々心配になる。
だがその心配は、よい意味で裏切られる。C40リチャージは、低速域だとややゴツゴツした感じが残る、硬めの乗り心地だ。しかし速度が上がると、徐々にしっとりした乗り心地に変化するのだ。中・高速域では、フラットライドな快適な乗り心地になった。

このクラスでは、トップレベルの乗り心地を実現している。

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC
乗り心地をアップしたいのならAMGラインパッケージがお勧め

メルセデス・ベンツEQB 350 4MATICのオプションは、AMGラインパッケージがある。このオプションを選択すると、スポーティなエアロパーツやスポーツシートなどが装備される。
その中で、最も乗り心地を向上させているのが、アジャスタブルダンピングシステムだ。走行状態に合わせてサスペンションの設定を最適化してくれるので、ややソフトでフラットな快適な乗り心地となる。ややゴツゴツとした硬さを感じる内燃機関車のGLBとは、まったく異なる乗り味だ。

内外装・デザイン比較

BMW iX xDrive50

BMW iX xDrive50
キドニーグリルは欠かせない!

BMWを象徴するデザインアイコンは、なんといってもキドニーグリルだ。しかし、iX xDrive50はEVだ。エンジンが無いので、グリルを付ける必要がない。
だがiXは縦の大型キドニーグリル風の加飾を施し、BMWらしさをアピールする選択をした。iXは、EV専用車だが従来のデザインを踏襲している。

インテリアは、EV専用車らしく新たなデザインとなった。スイッチ類を極力少なくしたシンプルなデザインだ。
インパネには、12.3インチのインフォメーション・ディスプレイと14.9インチのコントロール・ディスプレイを1つにまとめたカーブド・ディスプレイを装備した。ディスプレイが少しドライバー側に向けられ、視認性も向上している。画面タッチや音声入力の他、ダイヤル式のコントローラーも残されていて、操作性はよい。

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD

ヒョンデ アイオニック5 ラウンジAWD
スタイルだけで欲しいと思えるピクセルデザイン

アイオニック5の大きな魅力は、とにかくユニークなデザインだ。
EV専用車らしく、短いボンネットに長いホイールベースをもつシルエットをもつ。画像の最小単位であるデジタルピクセルにアナログな感性を加えた、いかにも近未来的でユニークなデザインである。ある意味、EVの中で最も目立つデザインだ。

室内空間は、とにかく広い。居住空間は、「Living Space」をテーマとした。後席もとにかく広い。後席で足を組んでも、足元のスペースは十分な余裕がある。EVのメリットを最大限活かしている。前席と後席共に電動でスライドでき、使い勝手も良好だ。とにかくリラックスできる空間に仕上がっている。

BMW iX3

BMW iX3
内燃機関車との差別化が物足りない

BMW iX3の内外装デザインは、ベース車となる内燃機関のX3とほとんど変わらない。差別化ポイントは、専用グリルにバンパーやシフトノブ付近に入れられた差し色程度となっている。ベース車がX3なので、仕方がない部分も多いものの、もう少しEVであることをアピールするポイントがあってもよい。

ボンネットを開けると、カバーがある。しかし、その下は、ガラガラの広いスペースが・・・。せめて、小物入れにするなどの工夫が欲しかった。

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター

ボルボ C40リチャージ アルティメット ツインモーター
主にリーフとリヤビューでXC40と差別化

C40リチャージ アルティメット ツインモーターは、XC40リチャージと同じCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)を使っている。そのため、全体的に似たシルエットだ。フロントフェイスなどは、ほとんど見分けがつかないほど似ている。インテリアも同様である。

XC40とまったく異なる点が、ルーフラインとリヤビューだ。C40リチャージは、流麗なクーペ風ルーフラインをもちエレガントにまとめている。また、Cピラーに沿ってルーフまでつながり発光するリヤコンビネーションランプは、とても個性的だ。

C40リチャージのナビや音声認識には、グーグルが使われている。音声認識の精度も高く使いやすいが、ナビ画面の文字が小さく少々見にくいのが難点だ。

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC

メルセデス・ベンツ EQB 350 4MATIC
上手く差別化できた外観デザイン

メルセデス・ベンツEQBは、ベース車のGLBとは異なるデザインを施し上手く差別化した。フロントフェイスは、EQBがGLBベースとは感じさせないほどで異なるブランドであることをアピールしている。ライバル車のBMW iXが、ベース車のX3とほぼ同じデザインとしているのとは異なる。
それだけに、インテリアがほぼ同じなのが少々物足りなく感じる。

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ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員