この記事の目次 CONTENTS
生産終了で値上がり必至!?
超人気モデル! 未使用車がお買い得
未使用車なら、高額なカスタムも手が届く!?
すべてにおいて高性能で中古車価格も安価に
音楽、静粛性にこだわったサウンドマッピングシステム付きがベストな選択
まとめ

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ホンダのイメージといえば、「モータースポーツ」か「N-BOX(軽自動車)やフィット(コンパクトカー)」の2つに大別されるだろう。
特に、ホンダの軽自動車は人気が高い。
今回は2021年4月現在、買い時のホンダ軽自動車を5車種、厳選してお伝えする。

生産終了で値上がり必至!?

1位 ホンダS660

ホンダS660

ホンダS660は、2015年に登場。
1990年代に話題となった「2シート軽自動車」の名車ビートの後継モデルといえる。
ビートと同様、エンジンをシート後方に設置したMR(ミッドシップエンジン・リヤドライブ)車でオープンボディを継承した。

S660に搭載されたエンジンは、当時のNシリーズに採用されていたS07A型ターボをベースに、新設計のターボチャージャーを組み合わせている。
出力は、軽自動車の自主規制内の64ps&104Nmに留めている。
本来なら、もっと高出力タイプにすることも可能だった。
しかし軽自動車の出力自主規制内となり、S660の魅力を削いでいた。
そのため、アフターマーケットからは、多くのパワーアップキットが発売されている。
ミッションは、当時、軽自動車初となる6速MTとCVTが用意された。

S660は爽快なハンドリングを実現するために「ボディ剛性」にこだわった。
そこで、ボディ骨格の多くを「直線+なめらかな曲線 」で構成した。
こうした技術により、S660は非常に高い運動性能とオープンカー特有の爽快感も得ている。

そんなS660だが、ホンダは2022年3月をもって生産を終了することを発表。
次期モデルの投入もないようだ。

こうなると、中古車相場がアップするのが通例。
2022年3月以降になると、徐々に中古車価格は上昇する可能性がある。

元々、S660はとても走行性能に優れたユニークなモデルだ。
スポーツカーに興味があるのなら、今が買い時。
今後、中古車相場が上がる可能性が高いので、まだ相場が安定している今の内に買っておきたい。
数年乗ってもリセールバリューが上がっていれば、リーズナブルに個性的なスポーツカーを楽しめる。

S660の中古車相場は、5年落ちの2016年式で130~190万円ほどだ。
MT車の方が、やや高値傾向にある。
車両価格は200~240万円なので、高値維持といったところだ。
S660のグレードは、αとβの2グレード設定。
グレードの大きな差は本革シートで、αに標準装備される。
センターディスプレイは両車オプションなので、装着された車両を選ぶとよい。

超人気モデル! 未使用車がお買い得

2位 2代目ホンダN-BOX

ホンダN-BOX

2代目ホンダN-BOXは、新車販売台数ナンバー1の座に何度も君臨した人気軽自動車である。
2017年にフルモデルチェンジし、2020年にマイナーチェンジを行った。

2代目N-BOXは、超大ヒットした初代N-BOXのキープコンセプトである「日本の家族のしあわせのために」を引き継いだ。
ファミリーカーの新たなスタンダードとなることを目指して開発されたモデルである。
広大な室内と両側スライドドアの利便性に磨きをかけている。
シートアレンジは、従来のベンチシートに加えて、助手席スーパースライドシート、スロープ仕様を設定。
新採用の助手席スーパースライドシートは、助手席シートの前後スライド量を570mmとした。
このスライド量により、後席・運転席間の移動が容易になり、後席にいる小さな子供の面倒なども見やすくなっている。
色々なシートアレンジも可能で利便性が高い。

そんな人気のN-BOXが、中古車市場に2020年、2021年式の未使用車が多く流通している。
コロナ禍による販売低迷などの影響だろう。
未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で届出(登録)しただけの車両で、ほとんど新車コンディションだ。
しかし、中古車扱いになるため、中古車価格は新車に比べると大幅に安く買い得感がある。
人気のN-BOXでこうした未使用車が流通するのは珍しいので、リーズナブルに手に入れるチャンスと言える。

2020年式の未使用車は、約110~160万円が相場だ。
お勧めはG EXホンダセンシングだが、中古車流通量が少ない。
流通量が多いのは、G Lホンダセンシングで、中古車相場は約130~150万円だ。
新車価格が154万円程度なので、130万円台の未使用車なら買い得感がある。
150万円前後の未使用車の場合、オプションだった右側パワースライドドアなどが装備されていたり、4WD車だったりするケースが多い。
そういった仕様なら、買い得感がある。
人気のN-BOXということもあり、少し強気な価格設定だが、やはり未使用車は買い得だ。

未使用車なら、高額なカスタムも手が届く!?

3位 2代目ホンダN-BOXカスタム

N-BOXカスタム

※画像は2017年9月、フルモデルチェンジ発売時のモデル

2代目ホンダN-BOXカスタムも、基準車のN-BOXと同じく2017年にフルモデルチェンジし、2020年にマイナーチェンジを行っている。

2代目N-BOXカスタムの魅力は、迫力あるフォルムと豪華な装備だ。
外観では、流れるように光るシーケンシャルウインカーを装着した。
さらに、ヘッドライトは9灯のLEDが装備されている。
高級感あふれる装備で、夜間などは特に目立つフェイスになっている。

安全装備面は、ホンダの予防安全装備パッケージ「ホンダセンシング」を全車標準装備した。
歩行者検知式自動ブレーキに加え、サイド&カーテンエアバッグも標準化されている。
N-BOXでは一部オプションなどになっている安全装備が標準装備されているのは評価が高い。

インテリアは、ブラックを基調とした上質かつ精悍な空間にまとめている。
装備では、全車にプラズマクラスター付きエアコンに、1グレードを除き右側もパワースライドドアが標準装備している。
細かいところだが、運転席・後席のルームランプもLED化されている。

こうした高級感たっぷりのN-BOXカスタムも、未使用車が多く流通している。
未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で届出(登録)しただけの車両のことだ。
ほとんど新車コンディションながら、一度届出(登録)すると中古車扱いになる。
そのため、中古車価格は新車に比べると大幅に安価だ。

未使用車として多く流通しているグレードは、G・Lホンダセンシングである。
中古車相場は140~170万円程度だ。
新車価格は約175万円と、新車並みの価格となっている車両もある。
N-BOXカスタムは超人気車ということもあり、強気の値付けになっている。
ただ、150万円台の車両も多くあるので、この価格帯なら買い得感がある。

未使用車でも、しっかり値引き交渉をしたい。
新車見積りと比べ、20万円以上安くなるように交渉するとよい。
値引き対応してくれないなら、新車購入した方がよいだろう。
これくらい安くなれば、予算的にもN-BOXカスタムに手が届く人も多くなるだろう。

すべてにおいて高性能で中古車価格も安価に

4位 2代目ホンダN-WGN

ホンダN-WGN

2代目ホンダN-WGNは2019年に登場した。
N-WGNは、ハイト系ワゴンと呼ばれるカテゴリーに属しており、他にはスズキ ワゴンRやダイハツ ムーヴなどがある。
人気のN-BOXは、左右スライドドアだが、N-WGNは通常のヒンジドアだ。
全体的なバランスが良く、誰にでも合うタイプの軽自動車だ。

2代目N-WGNは、安全性能と使い勝手を追求した。
誰もが心地よく使え、親しみやすさを感じるクルマを目指し開発されている。

外観デザインは、先代のスポーティなスタイルから、親しみやすい可愛いらしいスタイルとなった。
ちょっとホッとする癒し系デザインともいえる。

インテリアは、ブラウンを基調にまとめられている。
シート表皮はアイボリー、背面をブラウンとすることで、明るく広く心地よい空間となった。

燃費は23.2㎞/L(WLTCモード)。
マイルドハイブリッド機能などを搭載していないことを考えると、なかなか優秀な数値といえる。

また、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備「ホンダセンシング」の機能もトップレベル。
昼夜の歩行者だけでなく、自転車にも対応している。
さらに、運転支援機能である前走車全車速追従式クルーズコントロールも標準装備だ。
高速道路など、渋滞時のストップ&ゴーも容易となった。

かなり完成度の高いN-WGNだが、ハイト系ワゴン全体の人気が下がっていることもあり、中古車価格は比較的安価傾向になっている。
特に、未使用車の買い得感が高い。
未使用車とは、メーカーやディーラーの都合で届出(登録)しただけの車両だ。
そのため、新車コンディションとなっている。
ただ、一度届出(登録)すると中古車扱いになるため、新車に比べると安価な価格設定になっている。

多く流通しているグレードは、GホンダセンシングとLホンダセンシングだ。
中古車相場はエントリーグレードのGホンダセンシングが100~120万円前後となっている。
新車価格が130万円なので、少し安価な設定だ。
ただ、Gは装備が貧弱気味である。
予算重視ということで割り切るのであれば、良い買い物になる。

Lホンダセンシングの中古車相場は、120~140万円程度。
新車価格は約136万円なので、わずかに安価な設定だ。
ナビやETCが装備されているモデルを選ぶといいだろう。

未使用車は、まだ新型車なので、強気の価格設定となっている。
ただ、新車と同様に値引き対応も可能だ。
新車でも10万円程度の値引きはしてくれる。
未使用車は新車の支払額より20万円以上安くなければ選ぶメリットが無くなる。
新車見積りを取った上で、未使用車の値引き要求をしっかりとしたい。

また、未使用車以外では、100~140万円程度が中古車相場で、100万円前後の場合もある。
走行距離は5,000㎞以下のものがほとんどなので、こだわらなければ未使用車以上のコストパフォーマンスになる。
ホンダディーラー系は少し高値傾向なので、予算重視なら一般の中古車店がよい。

音楽、静粛性にこだわったサウンドマッピングシステム付きがベストな選択

5位 ホンダN-BOXスラッシュ

ホンダN-BOXスラッシュ

ホンダN-BOXスラッシュは、2014年に登場し2020年に生産が終了したモデル。
N-BOXをベースに、アメリカンカスタムの手法チョップトップ風にルーフを低くした個性的なスタイルをもつ。
N-BOXの名が付いているものの、スライドドアではなく通常にヒンジドアになる。

チョップトップ風の外観と同様に、インテリもアメリカンカスタムでまとめられている。
ブラックやレッド、ブラウンなど、最終モデルでは計8タイプのユニークなインテリアが用意された。
なかなか質感も高く、インテリアにこだわりたいのであればピッタリのモデルだ。

インテリアだけでなく、オーディオにもこだわっている。
N-BOXスラッシュには以下が標準装備されている。

  • 四方を囲む、ケブラーコーンスピーカー
  • アルミドームツィーター
  • バックロードホーン型サブウーファー(優れた重低音を奏でる)

オプションではサウンドマッピングシステムが用意されている。
緻密にマッピングされた高性能スピーカーで、臨場感あふれる音楽を楽しめるのだ。
このサウンドマッピングシステムは、より高品質な音楽を楽しめるために、スピーカーだけでなく車体の防音材を大幅にブラスした。
この防音材の効果で、非常に静粛性に優れた室内になり、走行中のノイズがほとんど入ってこない。
サウンドマッピングシステムの高品質な音楽を十分に楽しめるようになっている。
まさか、軽自動車でこのサウンドが?! と、驚くほどのレベルだ。
しかも防音材を大幅にプラスしたことにより、車内の静粛性も大幅に向上。
もはや高級セダン並みともいえる静粛性を手に入れ、快適な移動が可能となった。
音楽を楽しみたい人や静粛性を重視したい人にピッタリの装備だ。

N-BOXスラッシュの中古車価格相場は、5年落ちの2016年式で90~130万円ほどだ。
新車価格が約130~170万円で、中古車相場は新車価格の70%程度である。
生産が終了したモデルとしては、意外と高値を維持している。
これは中古車流通量が少ないことや、一定のファン層がいると予想できる。
やや高値となっている中古車だが、これほど個性的な軽自動車は今後出てくる可能性は低い。
N-BOXスラッシュの世界観が理解できれば、価値ある1台になる。

中古車選びで注意しなくてはならないのは、サウンドマッピングシステムがオプションであることだ。
つまり、中古車流通量が少ない上に、オプションだったサウンドマッピングシステムが装備されているモデルを探さなければならないということだ。
そうなると、なかなか好きな色や内装などを選ぶことが難しくなる。
どこかで妥協が必要だ。
標準装備しているのは、Xターボインテリアカラーパッケージのみ。
G・Lグレード系のインテリアカラーパッケージにオプションとなっている。

まとめ

今回は2021年4月現在、買い時のホンダ軽自動車を5車種、厳選してお伝えした。
大人気のN-Box、派生形のN-Boxカスタム、N-Boxスラッシュはやはりおすすめだ。
生産終了予定モデルのS660はまさに今が買い時といえる。
安全性能など高い仕上がりとなっているN-WGNも要チェックだ。