日産ノートe-POWER vs ホンダ フィットe:HEV徹底比較!ハイブリッド車対決

自動車ニュース / ガリバー

2021.1.26

日産ノートe-POWER vs ホンダ フィットe:HEV徹底比較!ハイブリッド車対決

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

日産ノートe-POWER vs ホンダ フィットe:HEV徹底比較!ハイブリッド車対決

国内で軽自動車同様に高い人気を誇る、Bセグメントのコンパクトカー。
人気ベスト3のモデルが2020年に揃ってフルモデルチェンジを果たし、今後ますます激戦となりそうだ。
今回はそんな中から、ハイブリッド車である日産ノートe-POWERとホンダ フィットe:HEVを、燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能などさまざまな角度から比較評価する。

この記事の目次 CONTENTS
日産ノートe-POWERの特徴
ホンダ フィットの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4,デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

軽自動車と同様に高い人気を誇っているカテゴリーが、全長4m前後のBセグメントと呼ばれるコンパクトカーだ。
このBセグメントのコンパクトカー、今後、激戦が予想される。
なぜなら、このクラスの人気ベスト3であるトヨタ ヤリス、ホンダ フィット、日産ノートの3モデルが、揃って2020年にフルモデルチェンジしたからだ。

ただ、ヤリスとフィットは、従来通りハイブリッド車とガソリン車の設定なのに対して、ノートはハイブリッド車のみ。
かなり割り切った設定となった。

そんな人気のコンパクトカーのハイブリッド車、日産ノートe-POWERとホンダ フィットe:HEVを、比較する。

日産ノートe-POWERの特徴

3代目ノートe-POWERは、2020年12月に登場した。
「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」のコンセプトのもとに、開発。

ノート

2代目の登場は2012年なので、8年振りのフルモデルチェンジということもあり、プラットフォーム(車台)が刷新されている。
このプラットフォームは、CMF(コモン・モジュール・ファミリー)-Bと呼ばれる、次世代上級小型車用。
走行性能面は、大幅に向上している。
このCMF-Bは、ルノー・日産・三菱のグループで使用され、すでに、ルノー ルーテシアに採用済みだ。

また、先代ノートが販売面で大躍進するきっかけとなったハイブリッドシステム「e-POWER」も刷新、第2世代のe-POWERへと進化してえる。
より静粛性を高め、パワフル&スムーズさに磨きをかけた。

ホンダ フィットの特徴

4代目フィットは、3代目とは大きく異なる方向性へ舵を切っている。
これは、3代目の販売が少々物足りない結果となったからだ。

4代目は、数値ではなく「心地よさ」にこだわった。
プラットフォーム(車台)は3代目と共通だが、サスペンションなどを大幅に進化させた。
乗り心地面でも、従来のやや硬めでスポーティな乗り心地から、ゆったりとした乗り心地のセッティングに変更されている。

また、こうした乗り心地などとリンクするように、内外装デザインも大きく変更。
3代目は、エッジの効いたシャープなデザインだったが、4代目では柔らかな面で構成されたゆるキャラ的なデザインとなった。
インテリアも同様で、スッキリと落ち着いたデザインとなり、心地よさを演出している。

フィット

また、ハイブリッドシステムも刷新。
呼称はハイブリッドから、e:HEVへと変更された。
燃費性能面では数値にこだわらなかったことから、ライバル車ヤリスの80%程度に止まってしまった。

1.燃費比較

ノートe-POWERの評価は4.0点
フィットe-HEVの評価は4.0点

両車ともにシリーズハイブリッドシステムを採用

ノートe-POWERの燃費(FF)は、29.5km/L(WLTCモード)、 もしくは28.4km/Lとなっている。
しかし、29.5km/Lを達成したエントリーグレード であるFは、燃料タンクまで小さくして軽量化した特別グレード。
メインのグレードは、28.4km/Lとなっている。

一方、フィットe:HEVの燃費(FF)は、グレードごとに異なる。
エントリーグレードのベーシックが29.4km/L(WLTCモード)、中間グレードのホームが28.8km/L、上級グレードのネスとリュクスが27.4km/L、SUVルックのクロスターが27.2km/Lとなっている。

ノートとフィットを比較すると、グレードにより若干差がある印象だが、カタログ値に関してはほぼ互角といったところだ。

ただ、実燃費に関しては、走行シーンによって少し差がでるかもしれない。
これは、ハイブリッドシステムの違いによるものだ。
両車ともにエンジンで発電し、主にその電力を使い、モーターを駆動して走行するシリーズハイブリッド方式を採用している。
ただ、フィットe:HEVは、高速域などエンジンの負荷が低い場合、「発電するよりエンジンの出力を直接使用して走行した方が燃費が良くなる」と判断すると、エンジン直結モードで走行する。
ノートe-POWERには、こうした機能がない。
そのため、速度域が高い高速道路などではフィットe:HEVの方が、燃費性能に優れる可能性が高い。

2.価格比較

ノートe-POWERの評価は3.0点
フィットe-HEVの評価は3.5点

コスパでは、フィットに軍配!

ノートe-POWERの価格帯は、2,029,500~2,186,800円。
対して、フィットe:HEVの価格帯は、1,997,600~2,327,600円となっている。
ノートは3グレードとシンプルな構成。
フィットは5グレード設定と選択肢は豊富だ。
しかし、両車ともにエントリーグレードは、装備がかなり貧弱なので外して考えたい。

比較したのは、ノートXとフィット ネス。
ともに上級グレードだ。
ノートXの価格は2,186,800円なのに対して、フィット ネスは2,227,500円。
ややフィット ネスの方が高価な設定になっている。
しかし、装備を比較すると、フィット ネスにはLEDヘッドライトやアルミホイールが標準装備ナノに対し、ノートXではこれらの装備がオプションになっている。
若干装備差はあるものの、全体的にややフィットの方が安価な印象だ。

3.購入時の値引き術

ノートe-POWERの評価は3.5点
フィットe-HEVの評価は3.5点

両車ともにフルモデルチェンジしたばかりだが、商談次第で大幅値引きも

ノートe-POWERは、2020年12月の発売。
フィットe:HEVは、2020年2月にフルモデルチェンジを果たしている。
両車ともに、フルモデルチェンジしたばかりのモデルだ。
本来なら、値引きゼロベースが基本となる。

ただし、コロナ禍で少ない顧客の奪い合いになっていることもあり、フィットはすでに値引きが拡大傾向にある。

ノートは、発売直後なので、今のところわずかな値引きのみといったところだが、早期に値引きが拡大する可能性が高い。
なぜなら、コロナ禍という厳しい販売状況下であることや、日産が経営再建中であることもあって、1台でも多く販売したい状態だからだ。

こうした買い手に有利な環境下では、大幅値引きを引き出しやすい傾向になる。
ただし、何もしなければ、値引きはほぼゼロになる。
しっかりとライバル車と競合させることが重要だ。
どのモデルが本命であれ、ノート、フィット、ヤリス、この3車種の見積りは必ず取っておきたい。
商談時には、営業マンにこの3車種の見積もりを持っていることを伝えよう。
コツは、本命車種の見積りを最後に取り、あくまでライバル車が本命であるように見せること。
その上で、予算重視であることを伝えるとよい。
新型車なので、すぐに大幅値引きは出ない。
ジックリと1ヶ月以上は時間をかけて、ジリジリと値引き額のアップを狙うといいだろう。

4,デザイン比較

ノートe-POWERの評価は4.0点
フィットe-HEVの評価は4.0点

好みにより評価が分かれるデザイン

ノートe-POWERのデザインは、先代ノート同様、ボディサイドのエッジの効いたキャラクターラインが特徴的だ。
このキャラクターラインにより、スポーティなシルエットを生み出している。

ノートの外観

フロントフェイスは、Vモーショングリルと一体化した薄型のヘッドランプが個性をアピール。
これは、新デザインのものだ。
また、グリル中央には、新デザインの日産ロゴが入る。
このグリルは、日本の伝統工芸である組子からインスパイアされ、「日本の風景に溶け込むデザイン」となっている。
今まで見たことのない、個性的なフロントフェイスとなっており、注目度は高い。

ノートのフロントフェイス

リヤビューは、水平に広がる横一文字のシェイプをもつ、シグネチャーのリヤコンビランプが印象的。
ただ、フロントフェイスほどの個性はない。

ノートのリヤビュー

対するフィットe:HEVのデザインコンセプトは、「用の美・スモール」。
全体的に柔らかい線と面で構成され、ゆるキャラ的で愛着を感じさせる。
安心・親近感のあるデザインだ。

サイドビューのキャラクターラインも、あまりエッジを効かせていないところがポイント。
優しいシルエットだ。

フィットの外観

リヤビューは、ボリュームをボディ下部に集め、ドッシリとした安定感を演出している。
また、大型のコンビネーションランプ採用し、上質感もアピールする。

フィットのリヤビュー
フィットのフロントフェイス

ノートとフィットのデザインは、方向性が大きく異なる。
ざっくり言えば、ノートはカッコいい系、フィットはカワイイ系だ。
こうなると、どっちの方向性が好みかで、評価は大きく変わる。

5.室内空間と使い勝手

ノートe-POWERの評価は4.0点
フィットe-HEVの評価は3.5点

室内の広さはノート。前席の視界の良さはフィット

ノートのボディサイズは、全長4,045×全幅1,695×全高1,520mm。
ホイールベースは2,580mmとなっている。
一方、フィットは、全長3,995×全幅1,695×全高1,540mm、ホイールベース2,530mmだ。
ノートの方が、やや全長が大きく、ホイールベースも長い。

このホイールベースの差は、室内スペースに直結する。
つまり、室内スペースは、ノートの方が広い。
後席のニールーム、後席頭上回りのスペースなど、広さはクラストップレベルだ。

ノートの後席
フィットの後席

積載性という面では、フィットだ。
フィットには、リヤシートの座面を跳ね上げ、背の高いものを立てて積むことができる機能がある。
こうした使い方が必要な人にとっては、フィットの利便性は高い。

ノートの荷室
フィットの荷室

また、運転席からの視界の良さも、フィットが勝る。
Aピラーを極細化する技術により、死角が減って開放感があるのだ。
死角が減り、視界が良くなれば、安全運転にも貢献する。

ノートのインパネデザイン
フィットのインパネデザイン

6.安全装備の比較

ノートe-POWERの評価は4.0点
フィットe-HEVの評価は3.5点

オプション設定だが充実した安全装備をもつノート

ノート、フィットともに、昼夜の歩行者や昼間の自転車対応の自動ブレーキを標準装備化しており、予防安全装備は充実している。
どのグレードを買っても、安心できる。

ただ、細かい機能差はあるものの、大きな差となっているのがノートに装備されているSOSコールとプロパイロット(ナビリンク機能付)だ。
SOSコールは、エアバッグが展開するような事故が起きた場合、自動でコールセンターに通報してくれるシステム。
ドライバーと連絡が取れない場合やなどは、オペレーターが警察や救急車の手配を代行する。
また、プロパイロットを使用時にハンドル操作が一定時間検知されないなど、ドライバーからの反応がない場合、ハザードを点灯して徐々に減速し停止。
その後、コールセンターに自動通報し、オペレーターにより警察や救急車の手配を行う。

プロパイロット(ナビリンク機能付)は、従来の車線を維持しながら先行車に追従する機能の他に、ナビのマップデータを元にあらかじめカーブやジャンクションの大きさを把握し、スムーズに曲がれるように、車速をコントロールしてくれるシステムだ。
今までこうしたカーブなどでは、プロパイロット機能をオフにするか、設定速度を低くするなどの操作が必要だった。
しかし、自動で減速してくれるので、よりドライバーの負担が減り、自動運転に近い運転支援機能へと進化している。

フィットにはなく、ノートに用意されている予防安全装備は他にもある。
インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)+BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)だ。
オプション設定なのは残念だが、オプション選択すればより安全なクルマとなる。

ノートの運転席
フィットの運転席

7.走行性能の比較

ノートe-POWERの評価は4.5点
フィットe-HEVの評価は3.5点

異なるフィーリングのパワーユニット

ノートには、第2世代となる新開発のe-POWERが搭載された。
発電用1.2Lエンジンは、出力をアップしながら燃費を向上。
インバーターは、なんと40%小型化、33%も軽量化された。
さらに、従来モデルではリーフと同じモーターが採用されていたが、新モーターを搭載し、先代の109ps&254Nmから116ps&280Nmへと、出力もアップしている。

ノートのエンジンルーム

また、静粛性も大幅に向上。
従来のe-POWERは、停車時や低速走行時にも発電することがあってエンジン音が大きく聞こえ、静粛性は物足りなかった。
しかし、第2世代のe-POWERは、停車中や低速走行中はできる限り発電しない制御となり、静粛性を大幅に向上した。
さらに、路面のロードノイズが大きくエンジン音が消されるような状態であると判断した場合、積極的に発電し充電する。
こうした制御により、クラストップレベルの静粛性を得ている。

一方、フィットe:HEVは、1.5Lエンジンで発電し、109ps&253Nmという出力のモーターで走行する。
ノートe-POWERと大きく異なる部分は、高速域でエンジンの負荷が低い場合だ。
モーターで走行するよりエンジンの出力で走行した方が効率的と判断すると、エンジン直結モードで走行する。
こうした機能は、ノートにはなく、高速道路などでの走行では、ノートより低燃費が期待できる。

フィットのエンジンルーム

ノートとフィットは、同じモータードライブモデルとはいえ、フィーリングが若干異なる。
ノートは、フィットより力強いモーターを使い、モーターの大トルクを感じさせる力強いフィーリングをもつ。
フィットより、少しパワフルで伸びのある加速感だ。

フィットは、むしろモーターのトルク感をそれほど感じさせないセッティング。
これは、あえてモーターの存在感を消し、心地よい加速フィールにこだわった結果だ。
もちろん、アクセルを全開にすれば、豪快な加速感が楽しめる。

異なるフィーリングをもつパワーユニットだが、乗り心地やハンドリング面では、よく似た感覚に仕上がっている。
両車ともに乗り心地を重視。
サスペンションのストロークを十分に使ったしなやかさが魅力だ。
速度が上がるとクルマの傾きも大きくなるが、傾くスピードがゆっくりなので、怖さはなく、コントロールしやすい。
とくに、ノートは限界速度域でもグイグイとノーズが入っていき、よく曲がる。

両車ともに、ステアリング操作に対するクルマの動きが穏やか。
のんびり走っても、気持ちよい仕様になっている。

8.リセールバリュー比較

ノートe-POWERの評価は3.5点
フィットe-HEVの評価は3.5点

平均的リセールバリュー

このクラスのコンパクトカーは人気があるのだが、販売台数が多いこともあり、中古車価格は平均的になる。
むしろ新車で売れすぎると、中古車マーケットでは供給過剰になり、リセールバリューが下がることもあるほどだ。

ただ、両車ともに先代モデルでは、スポーティグレードが高めのリセールバリューとなっていた。
ノートはNISMO系、フィットはRS系が、高めのリセールバリューを維持していたのだ。
残念ながら、今回フルモデルチェンジしたノート、フィットともに、今のところこうしたスポーティグレードの設定はない。

また、グレードや装備でもリセールバリューは変化する。
ノートでは、最上級グレードのX、オプション装備はSOSコールやLEDヘッドライト、アラウンドビューモニター、純正ナビなどが装備されたモデルは高めになるだろう。
フィットは、最上級グレードで本革シートを装備したリュクスや、流行りのSUVテイストをプラスしたクロスターが高値傾向。
純正ナビは、プラス査定になる。

9.まとめ・総合評価

ノートe-POWERの総合点は30.5点/40点
フィットe-HEVの総合点は29点/40点

総合力でノートe-POWER優位

ノートe-POWERは、新開発のプラットフォームや第2世代のe-POWERシステムなど、大幅に進化している。
また、メーターは液晶メーターを採用するなど、インテリアの質感も向上している。
先代モデルと比べると、進化幅は非常に大きい。

対するフィットe:HEVは、プラットフォームがキャリーオーバーしていることもあり、室内空間などは従来モデル程度に止まった。

ノートとフィットを比べると、総合力でノートがやや上回っている印象だ。
まず、室内の広さや、オプション設定ではあるものの安全装備の充実度は、ノートが優位だ。
また、車内の静粛性や走りの良さも、ノートがやや勝る。
全体的に性能に大差はないものの、多くの面でノートがフィットを上回る印象が強い。

ノートe-POWER フィットe-HEV
総合得点(40点満点) 30.5点 29点
1.燃費 4点 4点
2.価格 3点 3.5点
3.購入時の値引きしやすさ 3.5点 3.5点
4.デザイン 4点 4点
5.室内空間と使い勝手 4点 3.5点
6.安全装備 4点 3.5点
7.走行性能 4.5点 3.5点
8.リセールバリュー 3.5点 3.5点

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員