三菱エクリプスクロス新旧比較!ディーゼルは廃止、しかし待望のPHEVを追加

自動車ニュース / ガリバー

2021.1.26

三菱エクリプスクロス新旧比較!ディーゼルは廃止、しかし待望のPHEVを追加

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

三菱エクリプスクロス新旧比較!ディーゼルは廃止、しかし待望のPHEVを追加

三菱エクリプスクロスの新旧比較レビュー。
世界的にも人気の高いCセグメントのSUVとして、2018年3月に登場した三菱エクリプスクロス。
その後、早くも2020年12月にマイナーチェンジを果たした。
このマイナーチェンジではディーゼルを廃止し、三菱の最新電動化技術を搭載した待望のPHEVを追加した。
今回はマイナーチェンジ前後のモデルを、内装・外装、安全装備面で比較評価する。

この記事の目次 CONTENTS
三菱エクリプスクロスの歴史・概要
コンセプト&外装デザイン
内装
安全装備
走り、メカニズム
おすすめはマイナー前?それとも、マイナー後?
新車値引き交渉のポイント
三菱エクリプスクロスの価格・スペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

三菱エクリプスクロスの歴史・概要

三菱エクリプスクロスは、2018年3月に登場した新型車だ。
1クラス上のモデルであるアウトランダーをベースに、全長を短くしてCセグメントのSUVとした。
CセグメントSUVは世界的にも人気のカテゴリーであり、販売台数も多い。
三菱にとってエクリプスクロスは、グローバルでも非常に重要なカテゴリーなのだ。

マイナーチェンジ前のエクリプスクロス

デビュー当時のエクリプスクロスは1.5L直4ターボエンジンのみの設定だったが、もともと欧州仕様として設定されていた2.3L直4ディーゼルターボを、2019年6月に投入。

そして2020年12月、エクリプスクロスは、早くも大幅なマイナーチェンジを行った。
このマイナーチェンジでは、全長を拡大し、外観デザインも大幅に変更。
そして、三菱の最新電動化技術を搭載したプラグインハイブリッド車(PHEV)を投入した。
これは「近い将来、世界的に純ガソリン車の販売が停止される」というニュースを受けてのことだ。
なお、このエクリプスクロスPHEVを投入にしたことにより、2.3Lディーゼル車が姿を消している。

マイナーチェンジ後のエクリプスクロス

コンセプト&外装デザイン

ダイナミックシールドの使い方が上手くなったマイナー後モデル

マイナー前のエクリプスクロスのデザインは、後方に向けて大胆に傾斜していくクーペ風のルーフが特徴。

マイナーチェンジ前の外観

まさに、人気のクーペ系ルックのSUVだ。
そのスポーティなサイドビューに対して、フロントビューは三菱のデザインアイコンである「ダイナミックシールド」を装備。
この「ダイナミックシールド」は、「力強いパフォーマンスと、人とクルマを守る安心感」を表現している。
また、フロントフェイス上部には、薄くシャープなLEDヘッドライトとLEDデイライトを配置。

マイナーチェンジ前のフロントフェイス

一方、リヤビューは、前傾したリヤウインドウを上下で二分割するという個性的なデザインを採用している。
さらに、チューブ式LEDテールランプと中央のハイマウントストップランプが同一直線上で発光することで、幅広さと安定感を表現した。

マイナーチェンジ前のリヤビュー

対するマイナー後のエクリプスクロスのデザインコンセプトは、「Daring Grace(大胆にして、優雅)」。
全長が伸び、より優雅なシルエットになっている。

マイナーチェンジ後の外観

フロントフェイスは、マイナー前と同様「ダイナミックシールド」を採用。
よりシャープなデザインになり、精悍でスポーティな顔としながら、SUVらしい迫力を感じさせている。

マイナーチェンジ後のフロントフェイス

リヤビューは二分割された従来のダブルガラスから、流れるようなシルエットのシングルガラスに変更。
これにより、伸びやかなシルエットが強調された。
実用面では、後方視界もアップしている。
また、リヤコンビネーションランプの下部をボリュームアップしたことで、どっしりとした安定感が生まれている。

マイナーチェンジ後のリヤビュー

「ダイナミックシールド」を使ったデザインに慣れてきたのか、マイナー後のモデルは、全体的に洗練され、高級感のあるフロントフェイスとなっている。
また、伸びやかなシルエットは、マイナー前のモデルに比べて、ひとクラス上の優雅さと存在感がある。

内装

インパネデザインの変更は微小

インパネデザインは、マイナー前後でほぼ同じだ。
マイナー後のモデルに、やや大きくなった8インチのディスプレイが装備されているくらい。
画面が大きくなったので、マイナー後のモデルの方が視認性はよい。

マイナーチェンジ前のインパネデザイン
マイナーチェンジ後のインパネデザイン

なお、PHEVモデルはメーターがPHEV用になっている。
ただ、このメーターはアウトランダーPHEVとほぼ同じだ。

マイナーチェンジ前のメーター
マイナーチェンジ後のメーター

インテリアについては、マイナー後のモデルはブラックを基調色とし、エンボス加工のスエード調素材と合成皮革のコンビネーションシートを上級グレードに採用している。
オプションの本革シートは、従来のブラックに加えてライトグレーを新設定。
ドアトリムも同色でコーディネートされている。

マイナーチェンジ前の運転席
マイナーチェンジ後の運転席

安全装備

安全装備は物足りない部分も

安全装備についても、大きな変更点はなく、同じ仕様となっている。
ただ、マイナー前後とも、やや物足りない状況だ。

例えば、車線変更時に役立つ後側方車両検知警報システムがエントリーグレードでは装備できず、中間グレードでオプション設定、上級グレードで標準装備となっている。
この技術は、もはやコンパクトカーでも標準装備されているような装備だ。
標準装備化しないのは、物足りない。

また、駐車場をバックで出る時などに接近する車両を検知し、警報を発する「後退時車両検知警報システム」も同様だ。
こちらも物足りない。

さらに、全車速で先行車に追従、渋滞時などでのストップ&ゴーも可能とする「運転支援機能レーダークルーズコントロール」同様。
この機能も、もはや軽自動車でも標準装備化されつつある機能だ。
高額車なのに、エントリーグレードに装備ができないのは残念だ。

一方、PHEVの大きなメリットが、100V AC電源(1500W)のコンセントが装備されていることだ。
これを使えば、キャンプなどで電子レンジや炊飯器、照明などの電気用品が屋外で使用できる。
また、災害などで停電になった時には、電源車として多くの電化製品が使える。
さらに、少々高価だがV2H機器があれば、一般家庭の最大10日分の電力を家に供給できるようになる。
もし家で太陽光発電をしていれば、昼間の留守中にソーラー発電した電力をクルマに貯めて夜間使用するなども可能なのだ。

走り、メカニズム

マイナー前後ともに、卓越した運動性能と乗り心地。だが、PHEVモデルはさらに上を行く

マイナー前後ともに、1.5Lターボエンジンの出力は150ps&240Nmと変更はない。
ただ、この1.5Lターボエンジン、排気量が1.5Lということもあり、停止時からアクセルを踏んだ瞬間のアクセルレスポンスはあまりよくない。
また、ダウンサイジングターボということもあって、低回転域でのトルクは十分だが高回転域ではややパンチに欠ける。

マイナー前に設定されていた2.3Lディーゼルは、145ps&380Nmだった。
この2.3Lディーゼルの380Nmという強大なトルクは、非常に強烈な加速力を誇り、それでいて燃費は14.2㎞/L(WLTCモード)という低燃費を誇った。
しかし、ディーゼル車は価格がやや高価だったため、販売比率が高くなく、マイナー後には、姿を消している。
もし、マイナー前のモデルを選択するのであれば、ディーゼルがおすすめだ。

なお、マイナー後のモデルとなるPHEVは、基本的にアウトランダーPHEVと同じシステムだ。
2.4Lエンジンが発電し、前82ps&137Nm、後95ps&195Nmという出力を持つモーターを駆動する。
モーターは、ガソリン車とは異なり、瞬時に最大トルクを発揮する。
アクセルレスポンスに優れ、スムーズで静か、そして非常に力強い加速力を誇る。
モータードライブの魅力は、ここにあるといえる。

エクリプスクロスPHEVは、満充電で57.3㎞/L(WLTCモード)をEVで走行可能。
電力を使い切るとハイブリッドモードに移行し、16.4㎞/L(WLTCモード)という優れた数値となっている。

また、マイナー前後のエクリプスクロス4WD車の走りは、なかなか面白い。
三菱独自の車両運動統合制御システムS-AWC(Super-All Wheel Control)が採用されており、あらゆる路面状況でドライバーがイメージした通りのラインをトレースできる優れたハンドリングと走行安定性を実現する。

マイナーチェンジ前のエンジンルーム
マイナーチェンジ後のエンジンルーム

ガソリン車とディーゼル車の走行モードは、ノーマル、グラベル、スノーの3モード設定。
スノーモードは、安定性重視だ。
面白いのは、グラベルモード。
横滑り防止装置をオフにすれば、意識的に後輪をスライドさせるような走りも可能となる。
ボディ剛性が高く、サスペンションもしなやかなので、乗り心地も良好だ。

走行性能面ではガソリン車、ディーゼル車ともにマイナー前後で大きな差はなく、高いレベルにある。
しかし、まったく異なる走りをするのがPHEVだ。

PHEVはフロア下に、大きく重いモーターを駆動させるためのリチウムイオンバッテリーを搭載する。
これにより、エクリプスクロスPHEVの重心高は、ガソリン車に比べて非常に低くなっている。
重心高の低さは運動性能の高さに直結するため、エクリプスクロスPHEVは、カーブなどで抜群の安定感を発揮するのだ。
クルマの傾きも少なく、ピタッと路面に張り付くように走る。
この運動性能の高さは、PHEVならではだ。

これだけでも十分に楽しい走りが楽しめるのだが、PHEVは4WDの走行モードが4種類設定されているのも嬉しい。
ガソリン車のノーマル、グラベル、スノーの3種類に対して、ターマックモードが加えられて計4種類となっている。
このターマックモードは、モーターの出力特性や応答性を高めるという専用チューニングが施されたモードだ。
駆動力配分は、後輪への駆動力配分をさらに高めている。
こうしたチューニングにより、横滑り防止装置をオフにすれば、PHEVながら後輪を滑らせて走ることも可能だ。

その他のモードでは、非常にオートマチックな走りも可能。
三菱独自の車両運動統合制御システムS-AWC(Super-All Wheel Control)により、普通に運転していれば、滑りやすい路面であっても何事もなく曲がってくれる。
とても安心感の高いモデルに仕上がっているといえる。

エクリプスクロスPHEVの価格は、ガソリン車と比べるとかなり高額だ。
ただ、それに見合った運動性能面や燃費性能を持っている。
クルマの電動化がどんどん進む時代であることを考えれば、エクリプスクロスPHEVは積極的に選びたいモデルだ。

おすすめはマイナー前?それとも、マイナー後?

マイナー前ならディーゼル車。マイナー後は、PHEVがベスト

マイナー後のエクリプスクロスは、全長が伸びたことで荷室が広くなっている。
この部分以外は、ガソリン車やディーゼル車ともにマイナー前後で大きな差はない。

マイナーチェンジ前の荷室
マイナーチェンジ後の荷室

なお、ディーゼル車はマイナー後には姿を消しているので、中古車でしか選べない状態。
ディーゼル車はPHEVと並び、非常に完成度の高いモデルだけに、あえて中古車で選ぶという選択もよい。

悩みどころは、高年式のみのため、価格がやや高い点くらいだろう。
2019年式中古車価格の相場は、おおよそ260~320万円。
新車価格より、少し安いという程度。
狙い目はやや高値傾向ではあるものの、GプラスパッケージやGブラックエディションといったグレードだ。

一方、ガソリン車は流通量が少なく、価格が安定していないようだが、約250~280万円が相場だ。
ディーゼル車との価格差はそれほど大きくないので、ディーゼル車を選んだ方がよい。
マイナー前のエクリプスクロスは、まだ中古車価格が高いので、もう少し待ってからという選択もよい。
マイナーチェンジしているので、これから徐々に価格が下がる可能性が高いからだ。

こうなると、新車でエクリプスクロスを選ぶ場合、PHEV一択になる。
ただ、PHEVは外部から充電する必要があり、一戸建ての住宅が基本となる。
そのため、どうしても買い手を選んでしまう点がデメリットだ。

新車値引き交渉のポイント

コロナ禍ということもあり、一定の値引きの期待大

大幅なマイナーチェンジを施したエクリプスクロス。
本来なら、しばらくの間は値引きゼロベースとなる。
ところが、三菱の販売状況は非常に厳しい。
2020年登録車新車販売台数ランキングのベスト50に入っているのは、45位のデリカD:5のみだ。
本来ならば、人気CセグメントSUVであるエクリプスクロスもランキング内に入ってほしいところだ。

しかも、コロナ禍で来店顧客数は減っている。
こうなると、マイナーチェンジ直後とはいえ値引きしてでも売りたいという状態になる。
今の三菱は、背に腹はかえられない環境下にあるのだ。

こうした状態なので、買い手にとって非常に有利な状態となっている。
ただ、何もしなければ微々たる値引きで終わるので注意が必要だ。
必ずライバル車と競合させたい。
PHEVは、本来ならトヨタRAV4 PHVと競合させたいが、現在、諸事情で受注を停止している。
そのため、同じ価格帯であるRAV4ハイブリッドや、フォルクスワーゲンT-ロックなどの見積りを先に取り、商談したい。
ガソリン車の場合は、同じ価格帯のSUVであるトヨタC-HRハイブリッド、マツダCX-30などと競合させるのがおすすめだ。

しっかりと競合させれば、三菱は少ない顧客を取られたくない一心で、値引き対応となるだろう。
コツは、あくまでエクリプスクロスが本命と悟られないこと。
「予算重視で、なるべく支払総額が安い方がよい」という姿勢を崩さないことだ。
さらに、即決せずに少なくとも1ヶ月以上じっくりと商談してじわじわと値引き額をアップさせたい。

そして、新車値引きと同等に重要なのが、下取り車の売却だ。
大幅値引きを引き出しても、下取り車が安ければ元も子もない。
ディーラーなどでは値引きした分、下取り価格を低くするなどの駆け引きをすることがある。
とくに、営業マンに「買取店で査定しました?」と、聞かれた場合は要注意だ。
こうした駆け引きに負けないように、下取り車の適正価格を知っておこう。

適正価格を知るには、事前に複数の買取店に行き、事前に査定してもらうとよい。
複数店で査定してもらえば、適正価格が分かってくる。
最終的に最も高値を付けたところで売却すればいいだけだ。

しかし、コロナ禍で人との接触はなるべく避けたい、また、複数のお店で査定する時間がないという人もいるだろう。
こうした人は、WEBサイトで査定相場がざっくり分かるサービスを使うとよいだろう。
中古車大手のガリバーでは、過去6ヶ月間で実際に顧客から買い取ったクルマの価格情報を公開、「ざっくりな相場」が確認できるようになっている。
より詳しい査定額を調べたければ、WEB上で走行距離や年式などの情報を入力するだけで、無料で査定も可能だ。
ぜひこれらのサービスを上手く活用して、下取りで損をしないようにしたい。

三菱エクリプスクロスの価格・スペック

PHEV(全車4WD)

  • M:3,848,900円
  • G:4,152,500円
  • P:4,477,000円

ガソリン車

  • M 2WD:2,531,100円/4WD:2,751,100円
  • G 2WD:2,867,700円/4WD:3,087,700円
  • G Plus Package 2WD:3,126,200円/4WD:3,346,200円
代表グレード エクリプス クロスP
ボディサイズ 全長4545×全幅1805×全高1685mm
ホイールベース 2670mm
最小回転半径 5.4m
車両車重 1920kg
駆動方式 4WD
エンジン型式など 4B12 MIVEC 2.4リッター直4 DOHC 16バルブ
エンジン最高出力 128PS(94kW)/4500rpm
エンジン最大トルク 199N・m(20.3kgf・m)/4500rpm
フロントモーター最高出力 82PS(60kW)
フロントモーター最大トルク 137N・m(14.0kgf・m)
リアモーター最高出力 95PS(70kW)
リアモーター最大トルク 195N・m(19.9kgf・m)
駆動用バッテリー リチウムイオン
ハイブリッド燃料消費率 16.4km/L(WLTCモード)
EV走行換算距離 57.3km(WLTCモード)
サスペンション (前)マクファーソンストラット (後)マルチリンク
タイヤサイズ (前)225/55R18 (後)225/55R18

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