マツダMX-30 vs トヨタC-HR徹底比較!デザイン重視のSUV対決

空前のSUVブームの中にあって、CセグメントのSUVとして新規投入されたマツダMX-30。
発売直後から、そのユニークなデザインや優れた走行性能で大ヒットしたトヨタC-HR。
今回は、マツダの新たな提案ともいえるこのMX-30と、人気SUVであるC-HRを燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能などさまざまな角度から比較・評価する。

この記事の目次 CONTENTS
マツダMX-30の特徴
トヨタC-HRの特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

従来のセダンやハッチバックといったモデルが低迷する中、多くの新型SUVが投入され、よく売れている。
まさに、空前のSUVブーム。
SUVは背が高く見晴らしが良いため運転しやすいことが、人気の理由となっている。
また、セダンやハッチバックにユーザーが飽きてきていることも、ブームの要因のひとつだ。

そんな中、新規投入されたマツダMX-30は、EV(電気自動車)とマイルドハイブリッド車が設定されたCセグメントのSUVだ。
EVはやや遅れて2021年1月以降の発売となっている。

対する、トヨタC-HRは4代目プリウスに採用された最新のGA-Cプラットフォーム(車台)を使用した、都会派SUVだ。
低重心化されたプラットフォームが採用されたこともあり、悪路走破性というより、オンロードでの走りを重視している。
最近ではやや販売が低迷してきたが、ユニークなデザインや優れた走行性能、ハイブリッドシステムによる低燃費性能が高く評価され、発売直後から大ヒットした。
年間SUV新車販売台数ナンバー1の座に君臨したこともあるほどの、人気コンパクトSUVである。

今回はマツダの新たな提案ともいえるMX-30と、人気SUVであるC-HRを比較する。

*注:記事内に掲載しているC-HRの画像はマイナーチェンジ前のものです。

マツダMX-30の特徴

MX-30は、CセグメントのSUV として2020年10月にデビューした。
この時すでに、マツダは同じセグメントのSUVであるCX-30を発売済み。
この2台は、プラットフォームなどの主要部分が共通化されており、姉妹車関係だ。
しかし、内外装のデザインやパワーユニットなどはまったく異なっており、見た目からは姉妹車とは思えないほど、それぞれが独自の個性を放っている。

MX-30

MX-30のデザイン的な特徴は、観音扉となるBピラーレスのフリースタイルドアだ。
個性を感じさせる一方で、後席のアクセスや使い勝手面で、やや扱いにくさを感じる部分もある。

パワーユニットには、2.0Lガソリンのマイルドハイブリッドシステムを搭載。
このマイルドハイブリッドシステムは、e-SKYACTIV Gと呼ばれている。

また、MX-30にはEVも存在する。
すでに欧州では発売されているが、日本での発売はやや遅れて2020年1月の予定だ。

トヨタC-HRの特徴

2016年12月に発売されたC-HRは、トヨタとしてかなりチャレンジングなモデルでこだわりが凄い。

そのこだわりのひとつがデザインだ。
比較的万人受けするデザインになりがちなトヨタにおいて、C-HRは明確に好き嫌いがハッキリ分かれるデザインを採用している。
エッジが効いており、存在感は抜群だ。

C-HR

また、SUVながら悪路走破性にはこだわらず、オンロードでの走行性能を磨き抜いた。
プラットフォームには、4代目プリウスと同じ、低重心化されたGA-CプラットフォームをC-HR用に改良して使用。
「レスポンス」、「リニアリティ」、「コンシステンシー」を突き詰め開発されている。
その結果、背の高いSUVとは思えないほど、オンロードでの優れた運動性能を誇るモデルとなった。

1.燃費比較

MX-30の評価は3.0点
C-HRの評価は4.0点

微妙な燃費性能となったMX-30

MX-30のパワーユニットは、今のところ2.0Lのマイルドハイブリッドシステムe-SKYACTIV Gのみ。
燃費は15.6㎞/L(FF、WLTCモード)だ。
この燃費値は、少し微妙な数値といえる。
CX-30の2.0Lガソリン車(FF、AT)の燃費値である15.4km/L(FF、WLTCモード)と、わずか0.2㎞/L程度しか差がないのだ。
燃費面では、少々物足りない。

対するC-HRの燃費は、1.8Lハイブリッドが25.8㎞/L(FF、CVT WLTCモード)、1.2Lターボが14.9㎞/L(FF、CVT WLTCモード)という数値になっている。
1.8Lハイブリッドの燃費値は、このクラスでは世界トップレベルの実力。
同じハイブリッドという文字が入るMX-30だが、燃費値では勝負にならない。

一方、C-HRの1.2Lターボと比べると、MX-30の燃費値はやや優れている。
最大出力やトルクもMX-30が勝っているので、C-HRの1.2Lターボはやや厳しい状態だ。

2.価格比較

MX-30の評価は3.5点
C-HRの評価は3.0点

やや、割安感があるMX-30

MX-30のエントリーグレード価格は、2,420,000円(FF、6AT)から。
これに、好みのセットオプションをプラスすることになる。

対して、C-HRのエントリーグレードは、1.2LターボのS-Tで2,415,000円(FF、CVT)。
ほぼ同等の価格となっている。
また、1.8LハイブリッドのエントリーグレードであるSは2,745,000円。
ハイブリッド車ということもあり、やや高めの価格設定となっている。

装備的には、安全装備の機能や特殊な観音扉のフリースタイルドア分などを含めれば、MX-30の価格は安く感じる。
今後出てくるMX-30のEVが、どれだけハイブリッド車に近い価格になるかも注目したいポイントだ。

3.購入時の値引き術

MX-30の評価は2.5点
C-HRの評価は4.0点

大幅値引きが期待できるC-HR

MX-30は、デビュー直後の新型車。
さらに、マツダは値引き販売を抑制する戦略をとっていることもあり、大幅値引きはあまり期待できない。
しかし、コロナ禍で自動車販売も低迷していることや、SUV人気でライバル車が多いこともあり、しっかりと競合させれば、わずかではあるが値引きを引き出すことが可能だ。

MX-30の直接的なライバル車は、C-HRやスバルXV。
加えて、1クラス下になるが価格帯が同等程度になるホンダ ヴェゼルハイブリッドや、トヨタ ヤリスクロスハイブリッド、日産キックスなどの見積りを先に取って商談に向かうとよい。
XVやC-HR、ヴェゼルは値引き額が拡大しているので、こうした車種の値引き額を提示して「なるべく価格が安い方がよい」という姿勢で商談したい。

一方、C-HRは、2016年12月デビューで、すでにマイナーチェンジも済ませている。
モデル後期に入ってきていることもあり、値引き額は拡大中だ。
やはり値引きのためには、前述したMX-30と同じライバル車と競合させると効果的だ。

さらに、トヨタディーラーは全店全車種扱いになったため、経営の異なるトヨタディーラー同士でC-HRを競合させる方法もある。
同じトヨタディーラーであっても、経営母体が異なればライバル関係にある。
「同じクルマであれば、より安価な価格を出した方を買う」という姿勢で商談するといい。

また、値引きばかりではなく、下取り車の処理も重要だ。
ディーラーの中には、値引きを大きくする分、下取り車を安くして利益を出そうとするケースも多い。
こうしたことにならないように、下取り車の適正価格を知ることが重要だ。
下取り車の適正価格を知るためには、まずは、2店舗くらい買取専門店に行って査定したい。
こうすることで、下取り車の適正価格が分かってくる。
この価格をベースにすると、下取り価格が高いか安いかが判断できる。
最終的に一番高値で買い取ってくれるところに売却すればよい。

4.デザイン比較

MX-30の評価は4.5点
C-HRの評価は3.5点

異なる魂動デザインのMX-30、やや飽きられてきたC-HR

MX-30のデザインコンセプトは、「Human Modern」。
クルマに対する価値観の変化や、新しいライフスタイルに寄り添うことを目指し、親しみやすさや温かみを感じるデザインとしている。
こうしたデザインが採用されたことで、MX-30はなぜかゆるキャラ的な愛嬌のあるスタイルとなった。

MX-30の外装
MX-30のフロントフェイス
MX-30の内装

このデザインは、ある意味、進化し続けるマツダのデザイン思想でもある「魂動デザイン」の新たな解釈ともいえる。
従来の睨みの効いた迫力あるデザインから、優しく親しみやすさのあるデザインへ。
こうしたデザインテイストの変更は、従来のマツダ車ファンとは異なる顧客を取り入れるためだ。

対するC-HRのデザインテーマは、「セクシーダイヤモンド」。
このデザインテーマをすぐに感じさせるのが、サイドビューだ。

C-HRの外装

キャビンを含めた形がダイヤモンドというより、菱形になっている。
かなり、複雑な面と線の組み合わせで、トヨタ車としてはかなり攻めたデザインとなった。
そのため、好き嫌いが明確になるデザインともいえる。

しかし好き嫌いがはっきりするデザインながら、C-HRはデビュー直後から、このデザイン性も含め大ヒットモデルとなった。
しかし、一定数売れてから徐々に販売台数を落としている。
斬新なデザインも、時間の経過とともに古さも感じられるようになり、やや飽きられてきた感がある。

C—HRのフロントフェイス
C-HRの内装

5.室内空間と使い勝手

MX-30の評価は2.5点
C-HRの評価は2.5点

どちらもタイトに感じる後席

MX-30のボディサイズは、全長4,395mm×全幅1,795mm×全高1,550mm、ホイールベースは2,655mm。
対するC-HRのボディサイズは、全長4,385mm×全幅1,795mm×全高1,550mm、ホイールベースは2,640mmだ。
ボディサイズは、ほぼ同じ。
MX-30のほうが、若干ホイールベースが長い。
両車ともに都会派SUVということもあり、全高は1,550mmと低め。
これは、都市部に多い立体駐車場の全高制限をクリアするためだ。
そして全高が低い分、スタイリッシュにも見える。
ただ、C-HRの4WDモデルは全高が1,565mmと、1,550mm制限の立体駐車場には入れないので注意が必要だ。

室内スペースについては、ホイールベースがやや長いMX-30の方が少しだけ広い。
ただ、どちらのモデルもデザインを重視して開発されていることもあり、室内はあまり広くはない。
とくに、両車とも後席はタイトで、頭上部分は窮屈な印象だ。

MX-30の後席
C-HRの後席

色々なレジャーで活躍するSUVということもあって、荷室の広さも重要だが、MX-30はなんとか400Lを確保し平均点レベル。
しかし、C-HRはあまりにデザインを重視した結果、荷室容量318Lとなっている。
ひとつクラスが下のヤリスクロスが390Lなので、かなり小さい。
荷物をたくさん積んでアウトドアレジャーを楽しむという使い方には、あまり向いていない。

MX-30の荷室
C-HRの荷室

また、狭い道や駐車場での使い勝手の指標となる最小回転半径は、MX-30が5.3mなのに対して、C-HRは5.2mとなっている。
小回り面はC-HRが上回っている。
ただし、フォルクスワーゲンT-ROCと比べると、T-ROCの最小回転半径は5.0mと、さらに小さく使いやすい。

なお、MX-30は、観音扉であるフリースタイルドアが採用されている。
このドアは、フロントドアを一旦開けないとリヤドアを開くことができない。
こうした性質があるため、リヤシートのアクセスはとても不便。
リヤシートに座っていると、一人で降りることが難しい。

MX-30のフリースタイルドア

6.安全装備の比較

MX-30の評価は4.0点
C-HRの評価は4.0点

両車ともに、高いレベルの予防安全装備なのだが…

MX-30の予防安全装備は、このクラスではトップレベルの実力を誇る。
重要な自動ブレーキの性能は、歩行者(昼間/夜間)、自転車(昼間)に対応。
さらに、車線変更時に後側方から接近してくる車両を検知し警報を発する、ブラインドスポットモニタリングなどが標準装備化されている。
しかし、ここまで標準装備化を進めながら、右直事故回避アシスト機能は残念ながらパッケージオプション設定。
少々、中途半端な仕様となっている。

対するC-HRの予防安全装備である「トヨタセーフティセンス」では、歩行者(昼間/夜間)、自転車(昼間)対応の自動ブレーキを装備。
さらに、右折時の車両と歩行者、左折時の歩行者にも対応する。
MX-30では、オプションの機能がC-HRでは標準装備化されているのだ。

ただ、逆にMX-30で標準装備化されているブラインドスポットモニタリングと同様の機能が、C-HRでは最上級グレードで標準、中間グレードがオプション、エントリーグレードでは装備不可となっている。

どちらも、一長一短といった印象。
両車ともに、購入する場合はオプション設定されている予防安全装備を選択する必要がある。

7.走行性能の比較

MX-30の評価は4.0点
C-HRの評価は4.0点

オフロードも十分に走れるMX-30。オンロードでの性能に特化したC-HR

MX-30とC-HRでは、オフロードに対する考え方がまったく違う。
MX-30は、都会派SUVでありながらオフロードでも十分に対応できるパフォーマンスをもつ。
最低地上高は180mmと十分。
AWD車では、タイヤの回転速度やGセンサーなどの情報をもとに、路面のグリップ状況に合わせて前後の駆動トルク配分を最適化する。
さらに、片輪が浮くような悪路では、「オフロード・トラクション・アシスト」機能により、トラクションを最大化、悪路からのスムースな脱出をサポートしてくれる。
MX-30は、オフロードでの走行も十分に想定されているモデルだ。

一方、C-HRは完全にオンロードでの走り重視となっている。
オフロード走行で重要な最低地上高は140mmしかなく、プリウスより10mm高い程度で、ほぼ普通のクルマ並みだ。
4WD車もハイブリッドには設定がなく、1.2Lターボ車にのみ設定されている。
かなり割り切った仕様といえるだろう。

しかし、オンロードでの走りを重視しただけあり、カーブでの走行安定性などは、MX-30を上回る。
これは、最低地上高を140mmと低く設定したことによるもの。
重心高の低さが貢献している。

また、乗り心地面でもC-HRがMX-30を上回っている。
C-HRのリヤサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式を採用。
MX-30のトーションビーム式より上級なサスペンション形式ということもあり、路面追従性もよく、しなやかで快適な乗り心地となっている。
ただし、CX-30より乗り心地はよいが、やはり荒れた道ではややゴツゴツ感がある乗り味になっている。

MX-30の運転席
C-HRの運転席

MX-30に用意されたパワーユニットは、156ps&199Nmの2.0Lガソリンエンジンに、6.9ps&49Nmのモーターがプラスされたマイルドハイブリッドシステムであるe-SKYACTIV Gのみの設定。
このパワーユニットは、小さなモーターがエンジンをアシストしているので、意外とアクセルレスポンスがよく気持ちよい走りに貢献する。
アクセルを大きく踏み込むと、あまり効果を感じないが、軽く流している時にはとくにレスポンスの良さを感じる。

MX-30のエンジン

今後、MX-30にはEVが加わるが、エンジンの選択肢が乏しいのは残念なポイントだ。
せめて、CX-30と同じ1.8Lディーゼルエンジンが選べれば、さらに魅力的になるだろう。

一方、C-HRのパワーユニットは、1.8Lハイブリッドと1.2Lターボの2タイプから選択できる。
1.8Lハイブリッドのシステム出力は122psと控えめだが、数値以上の力強さがある。
ただ、絶対的な力強さという面では、やはりMX-30ということになるだろう。

C-HRのエンジン

1.2Lターボの出力は116ps&185Nm。
このパワーユニットは、ややアンダーパワーな印象だ。
絶対的な排気量も1.2Lと小さいため、ストップ&ゴーといったようなシーンでは、ターボラグがある分、クルマの反応も鈍い。
一度、一定の速度に達してしまえばそれほど気にならなくなるが、この1.2Lエンジン車とMX-30では、MX-30の圧勝だ。

8.リセールバリュー比較

MX-30の評価は3.5点
C-HRの評価は3.5点

EVのMX-30に不安要素あり!

MX-30は新型車のため、リセールバリューは不明。
ただ、人気のSUVであることや、販売台数がそれほど多くないこともあり、高値維持になることが予想できる。
恐らく、リセールバリューが低くなることはないだろう。

しかし、今後発売が予定されているEVのMX-30だけは別だ。
EVの中古車価格を見ていると、非常に安価となっている。
新車での人気もイマイチなのと、中古車の場合、走行用バッテリーの劣化が不安なのか、あまり売れていないのだ。
こうなると、MX-30のEVも同様の傾向になることが予想できる。
逆に、EVは中古車で買えば、コストパフォーマンスに優れているといえる。

また、MX-30は、多くのセットパッケージが設定されている。
ベーシックパッケージを基本として、セーフティパッケージ、ユーティリティパッケージ、インテリアパッケージ、エクステリアパッケージなどだ。
より多くのパッケージが装備されていると、高査定になるだろう。
また、100周年特別記念車も高査定になるはずだ。
さらに、360°セーフティパッケージやボーズサウンドシステムなども高査定アイテムといえる。

C-HRについては、人気のハイブリッドSUVということもあり、デビュー直後の販売は絶好調で、非常に売れた。
本来なら、超高値維持というパターンなのだが、C-HRは売れすぎたため、供給過多となっている。
とくに、デビュー直後の2017、2018年式は中古車流通量が多い。
一般のクルマに比べれば高値だが、順調に価格が下がってきている状況だ。

より高査定が期待できるのは、やはりハイブリッド車。
専用のエアロパーツが装備されたGRスポーツは、高査定が期待できるグレードだ。
ボディカラーは、黒もしくは白は、より高値が付くだろう。

9.まとめ・総合評価

MX-30の総合点は27.5点/40点
C-HRの総合点は28.5点/40点

両車ともデザイン重視だが、実用性を担保したMX-30。割り切ったC-HR

MX-30とC-HRは、どちらもデザインを重視したモデルだ。
そのため、クルマの機能や使い勝手面で割り切っている部分も散見できる。
ただし、その割り切り度合いはMX-30の方が小さい。
室内のスペースは、やや狭く、観音扉であるフリースタイルドアは使い勝手が今ひとつだが、SUVとして必要な悪路走破性は4WDモデルであれば十分なレベルに達している。
また、荷室スペースもアウトドアレジャーでも十分に使えるレベルに達している。
オンロードでの走りも、C-HRと比べれば腰高感は感じるものの、十分に快適で走って楽しいモデルとなっている。
デザインを重視しながらも、割り切った部分は少なく、全体のバランスを上手く取っており、多くの人にマッチする。

C-HRは、SUVのカタチをしているものの、完全に悪路走破性は捨ててオンロードでの走りに磨きをかけている。
そのため、オンロードでの走行性能は、乗り心地も含めクラストップレベルの実力をもつ。
また、ハイブリッド車の燃費もとても優れたものになっている。
しかし、デザインを優先したこともあり、後席や荷室スペースは狭く、後方視界も物足りない。
もはや、アウトドアレジャーなどに使うと便利なクルマであるSUVとしての機能はほぼない。
実用性は低いため、C-HRの世界観に共感でき、SUVというより低燃費と優れた走りを楽しむモデルといえるだろう。

  MX-30 C-HR
総合得点(40点満点) 27.5点 28.5点
1.燃費 3点 4点
2.価格 3.5点 3点
3.購入時の値引きしやすさ 2.5点 4点
4.デザイン 4.5点 3.5点
5.室内空間と使い勝手 2.5点 2.5点
6.安全装備 4点 4点
7.走行性能 4点 4点
8.リセールバリュー 3.5点 3.5点