ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ラグジュアリー系SUVとして、進化し続けているCX-5

マツダは、人気SUVのCX-5を一部改良。
さらに、アクセサリーパッケージ「タフ スポーツ スタイル」と、特別仕様車「シルク ベージュ セレクション」を新設定し発売を開始した。

現行のマツダCX-5は2代目だ。
プラットフォームなど、基本骨格は初代CX-5をベースとしながら、大幅に改良&進化させ2017年2月に登場した。

初代CX-5は、ややカジュアルなイメージがあったSUVだったが、2代目では一気に方向転換。ラグジュアリーSUV系へと変貌を遂げた。

内外装ともに質感を大幅に向上。走行性能も乗り心地や静粛性が引き上げられ、ラグジュアリーSUVに相応しい仕上がりとなった。

こうした進化が評価され、CX-5は人気SUVへ成長した。
現在では、マツダのグローバル販売台数の4分の1を占める基幹車種のひとつとなっている。

テコ入れ時期を迎えた

人気SUVとなったCX-5だが、すでにデビューから3年。新車効果が薄れてきているので、テコ入れ時期でもある。

実際、2019年登録車販売台数ランキングでCX-5は、31,538台を販売し29位。ライバル車のRAV4は16位、エクストレイルが24位、フォレスターは28位となっている。完全にライバルの後塵を拝する結果になっている。

「オフロード・トラクション・アシスト」を搭載し悪路走破性を向上

CX-5のテコ入れでは、まず4WD機能に新たな制御がプラスされた。
マツダの4WDシステムであるi-ACTIV AWDにオフロード・トラクション・アシストが追加されたのだ。

これは、先にCX-30やCX-8などにも採用されたものと基本的に同じ。ステアリングに設置されたスイッチを押し制御を起動させる。
AWDとトラクション・コントロール・システム(TCS)を協調制御するもので、接地輪への駆動力伝達を最大化する。そのため、片輪が浮くような悪路では、路面との接地車輪に最大の駆動力を伝えることで高い走破性を得ている。

この制御は、主に北米でのニーズを取り入れたもの。
悪路走行が日常的な北米では、こうした機能が必要なのだという。
日本では、片輪が浮くような悪路に出会うことはほとんどない。ただ、豪雪地域などでスタックしたときなど、こうした新制御があればより安心して走行できる。

従来、CX-5の4WDシステムには、他社のロックやスノーといった路面状況に合わせた制御選択スイッチが無かった。これは、システムは自動で路面状況を判断するので必要がないというマツダの考えがあった。

しかし、オフロード・トラクション・アシストのような制御を入れなくてはならないということは、超悪路の走破性は物足りなかった、ということにもなる。

今回、投入されたオフロード・トラクション・アシストの追加により、ラグジュアリー系SUVのCX-5とはいえ、本格的な悪路走破性を手に入れたことになる。

より視認性がアップしたモニターを装備し、静粛性を向上

その他の改良では、WVGAセンターディスプレイのサイズを7インチから8インチへ大型化。これにより、若干視認性はアップした。
ただ、今や8インチモニターでもそれほど大きく見やすいとはいいにくいサイズ。より大型化が望まれる部分だ。

また、ラグジュアリー系SUVとしての価値をアップさせるために静粛性も向上させた。トップシーリング材を構成するフィルムの材質を変更し、車室内に侵入したロードノイズを素早く吸収し静粛性を向上させた。

少しワイルドなCX-5にできる用品「タフ スポーツ スタイル」

新たに追加されたアクセサリーパッケージが「タフ スポーツ スタイル」。
ラグジュアリー系SUVであるCX-5に、少し野性的なテイストをプラスすることができる用品だ。

「タフ スポーツ スタイル」は、フロント&リアアンダーガーニッシュ、ルーフレールを装備する。
濡れたり汚れたりしている荷物などを積むときに便利な使い勝手の良いオールウェザーマット、ラゲッジトレイをセットとしている。このアクセサリーパッケージ価格は125,500円。

その他、別売としてブリリアントブラックのドアミラーガーニッシュ(ショップオプション)と、17インチアルミホイール(メーカーセットオプション)も用意している。

選びやすい高級感ある特別仕様車「シルク ベージュ セレクション」

新設定されたCX-5「シルク ベージュ セレクション」は、インテリアの質感と快適性を向上させた特別仕様車となっている。

ポイントとなるシートはハーフレザレットシートだ。(カラーはシルクベージュ)
上質で肌触りは心地よく、滑りにくい上に通気性がよいスウェード調生地のグランリュクスをシート中心部に使用した。室内が明るくなりルーミーに感じる。

さらに、高級感をアップするため、室内灯をLED化。
そして、快適性を向上させるために、IRカットガラスも装備した。IRカットガラスは、赤外線をカットする役割をもつので、室内の室温を抑制できる。よりエアコンを効率的に使えるだけでなく、ひざしによる肌のジリジリ感も抑えてくれる。
ラグジュアリー系SUVに相応しい快適な室内空間となった。

また、マツダはボディカラーにこだわるメーカーということもあり、外板色に新色のポリメタルグレーメタリックを追加した。

マツダCX-5特別仕様車価格

・20S Silk Beige Selection(特別仕様車) FF AT:2,964,500円
・25S Silk Beige Selection (特別仕様車)  4WD AT:3,195,500円
・25T Exclusive Mode(特別仕様車)FF AT:3,740,000円/4WD:3,971,000円
・XD Silk Beige Selection(特別仕様車) FF AT:3,283,500円/4WD:3,514,500円
・XD Exclusive Mode(特別仕様車) FF AT/MT:3,745,500円/4WD:AT/MT 3,976,500円